採用マーケティングをする際に、社外に発信する対象として重要なものが EVP です。ここでは、 EVP についてまとめます。
EVP とは?
EVP は Employee Value Proposition の略です。EVP とは 企業が従業員に提供できる価値 のことです。 EVP は独自で説得力を持った魅力である必要があります。
例えば
- 採用基準が高く、非常に優秀な同僚しかいない環境で仕事をできる
- 起業の足がかりとなる経験ができ、人脈をつくることができる
- 暖かな社風で、家族・友人と過ごすように働くことができる
などです。
独自 EVP の必要性
IT エンジニアの採用は激化しています。そのため、優秀な人材の採用競争は激しく、1名の候補者さんに対して多数の企業が内定オファーをすることになります。この際に、 EVP がありきたりな場合、 EVP の質の差で採用競争に負けたり、その EVP では差がつかず、最終的には給与水準の差などで採用競争に負ける可能性があります 。例えば、少し前だとフルリモートワークが可能な環境はレアで、独自の魅力と言えましたが、今となっては珍しいものでもなくなってきたため、フルリモートワーク単体のみでは訴求要素としては不十分です。
そのため、「 自社にしか無い独自の魅力」 = 独自 EVP があるのが理想的です。とはいえ、難しそうな面もあるため、例えば同じ魅力を持つ会社が国内で10社以下しかない、くらいまでのレアリティがあれば採用競争で負ける頻度も減るのではないでしょうか。
独自 EVP について気になる方は以下の記事をご確認ください。
EVP の選定方法
継続して強化し、発信する EVP を選ぶ際に気にしておく観点が3つあります。
- EVP が事業成果につながること
- EVP に選んだ項目が実際に社員に魅力的だと思われていること
- EVP が独自であること
1 について、例えば「従業員にとってはメリットっだが、組織の成功につながらない」という要素がある場合、 EVP としてはあまり好ましくありません。例えばとことん甘い環境で楽をできる、というのを魅力に感じる従業員の方もいるかもしれませんが、この魅力は組織の成功にはつながりません。
2 について、組織が EVP に据える内容が事実でなければ嘘をつくことになってしまいます。嘘をつけば結局入社後の早期離職などが増えることとなります。そのため、社員へのアンケート・インタビュー等を用いて、実際に社員が魅力として実感している内容を EVP に据え、魅力として発信するのが好ましいです。
3 については、直前の「独自 EVP の必要性」の記載通りです。
EVP の選定方法について気になる方は以下の記事をご確認ください。
階層別の EVP
EVP には大きく分けて3種類の階層があります。
- 組織 - 全社に関わる魅力
- チーム - 所属の部門やチームに関わる魅力
- 職務 - 職種ごとの魅力
1 は人事を中心に整理し、発信するケースが多いでしょう。2は部門長、マネージャー、チームリーダーなどを中心に整理し、発信するケースが多いでしょう。3 は個別職種を担当する従業員のインタビュー記事などの形で発信することが多いでしょう。
EVP の階層について気になる方は以下の記事をご確認ください。