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ゲーム開発を行う前にUnrealEngineについて事前に概要を解説していきます。今回はUnrealEngine5がどんなゲームエンジンで、今までどんなゲームが開発されてきたのか簡単に解説していきます。
Unreal Engine 5 (UE5) とは?
Unreal Engine(アンリアルエンジン)とは主にゲームを開発するためのゲームエンジンとなっています。ゲーム以外にもVRや、建築、映画、テレビの制作など用途は様々で3Dの仮想世界を作る事ができます。UnrealEngineを提供している会社は「EpicGames」という会社で、フォートナイトなどのゲームを開発したり、EpicsGameストアといったゲーム販売サービスを提供しており、いわゆるゲーム開発に特化している会社になります。
UnrealEngineは最新のバージョン「5」と組み合わせて「Unreal Engine 5」または略して「UE5」とも呼ばれます。以前のバージョンは「4」だったため「UE4」と呼ばれており、約八年ぶりにこのUE5というバージョンが新しく追加された形になります。現在でもUE4とUE5両方使用する事ができますが、これから新規で使用される方が使うのは最新の「UE5」になります。この本でもそのUE5の使い方について解説していきます。
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ではまずUnrealEngineで作られたゲームについて紹介していきます。
UnrealEngineで作られたゲーム
UnrealEngineで作られた代表的なゲームは「Fortnite」「PUBG」「ドラゴンクエストXI」「Dead by Dylight」「ストリートファイターV」「キングダム ハーツIII」、「ファイナルファンタジーVII リメイク」などのタイトルが数多くあります。
既にUnrealEngine5で作られているゲーム
既にUnrealEngine5で開発される事が決定しているゲームはいくつかあるので紹介します。「ドラクエ12」だったり、西遊記をモチーフにしたゲーム「Black Myth: Wukong」、他にもグラフィックがとても美しい「Kena: Bridge of Spirits」、後はSuperCellが開発している「Clash Heros」、ウィッチャー3で有名な「the witcher」シリーズなどがあります。
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これらのゲームは下で紹介するUE5のエディタで開発されています。
ゲームを開発するUE5のエディタ
誰でもダウンロードできるこのUnrealEnngine5のエディタ↓では、3Dモデルを設置したり、ゲームのステージを作ったり、キャラを動かしたり、ボタンを実装したりなど自由に世界を作れる事ができます。
ここでゲームを作っていくという訳ですね。
個人でも誰でもゲームを開発できる?
パソコンさえ持っていれば誰でも無料でゲームを開発する事ができます。ただし、UnrelEngineの使い方やプログラミングについては勉強する必要があります。
料金は基本無料
最新(2021年)の料金設定では開発したゲームの売り上げが年間100万ドル(約1億円)を超える場合のみ、売り上げから5%の使用料が発生します。つまりゲームの売り上げが年間約1億円を超えなければ一切料金はかからず無料で使用する事ができます。公式の料金ページはこちら
PCの推奨スペックについて
UnrealEngine5の推奨スペックは公式のUnrealEngine5早期アクセス教育者向けガイドからまとめると以下の通りです。
機能 | 推奨スペック |
---|---|
プラットフォーム | UE5全ての機能を体験する場合は大量のRAM、高速なプロセッサ、最新バージョンのWindows10,DirectX12と互換性を持つグラフィックカードを搭載した強力なWindowsPCが求められる。 |
GPU | 最低スペックはNvidiaGTX1080またはAMDRXVega64(少なくとも8GBのVRAMを搭載したDX12互換 GPU)。最高パフォーマンスを求める場合はNVIDIARTX2080またはAMDRadeon5700XT以上のグラフィック カード |
CPU | 3.4GHz以上の12コアCPUを推奨 |
ストレージ | 大容量で高速なSSDを推奨 |
RAM | 少なくても実行できるが32GBを推奨。ターゲットが次世代でNaniteや高解像度テクスチャを多用する場合は64GBを推奨 |
Macにも対応しており、UE5は基本問題なく動きますが推奨はWindowsとなっています。UnrealEngineのエディタ7は重めなので一度持っているPCでUnrealEngineをダウンロードして動くか試してみる事をおすすめします。また公式のスペック解説のページ「UnrealEngineハードウェアおよびソフトウェアの仕様」でも記載がありますのでご覧ください。
おすすめのUE5用のPCやスペックについて🐤
個人的におすすめなUE5用のスペックやPCについて解説します。まず私が考える条件としては以下をクリアしたPCを探す事をおすすめします。
項目 | おすすめ |
---|---|
OS | Windowsが推奨されており、教材もWindows向けが多いためWindowsがおすすめ。Macでも不可能ではないです。 |
GPU | 最低NVIDIARTX2080またはAMDRadeon5700XT以上で、できればGeForceRTX3060,3070辺りなど高ければ高いほど良いですが、そこまで行くと充分すぎて持て余しているとも感じます。 |
ストレージ | 後から追加できるので容量に関しては何でも構いません。私の場合は1TBでSSDです。可能であれば読み込みが速いSSDの方が良いでしょう。 |
RAM | ここも後から増設すればよいので、16GBなどで構いません。8GBでも良いかはわかりませんができなかったら増設しましょう。私は16GBのPCに増設して32GBで行っています。16GBの場合はゲーム開発をしながら他に複数のアプリを開いていると重くなる場合がたまにありました。ただ16GBでも支障は特にないでしょう。 |
CPU | CPUはCore i7以上がおすすめです。Core i5についてはわかりませんが、おそらくそこまで問題ないかと思います。 |
PCの種類 | デスクトップがおすすめです。ノートパソコンでも構いませんが、以上のスペックを満たすノートパソコンとなると値段は各段に上がってきます。 |
外付けモニター | 外付けモニターはゲーム開発するなら作業時間の効率にかなり関わってくるのでかなりおすすめします。一つはゲーム開発画面を映して、もう一つはChromeなどでチュートリアルサイトやなどを開いて作業ができます。 |
以上の条件を満たすPCを探しましょう。
私がおすすめするPCを紹介
私はPCについてとても詳しい訳ではない事を踏まえて、個人的におすすめするUE5用のPC例としては私が使っているGALLERIAデスクトップPCです。具体例を挙げるとリンク先にある画像のこの矢印が示している場所のものがおすすめです↓
実際に私はGALLERIA XA7C-R37シリーズの(SK/H470)を使用しており、そのPCでは問題なくUE5が動作する事を確認済みです。UE5を起動しつつ、画面録画しつつ、Chromeを立ち上げるなど複数のアプリを起動しても重くなる事はないのでこれだけあれば充分すぎるほどです。画像の矢印あたりのスペックであればUE5はかなり余裕を持って動くでしょう。ちなみに私はアフィリエイトでは無いのでGALLERIAと一切関係はありません。
UE5を使用している私のパソコンのスペック(参考までに)
私の現在のPCスペック↓
パソコン名 GALLERIA XA7C-R37シリーズの(SK/H470)
Windows
プロセッサ Intel(R) Core(TM) i7-10700 CPU @ 2.90GHz 2.90 GHz
実装 RAM 32.0 GB
システムの種類 64 ビット オペレーティング システム、x64 ベース プロセッサ
GPU NIVIDA GeForce RTX3070
DirextX12
ストレージ 1TB SSD
iMac2019を使用していた時
以前までiMac2019を使用していましたが動作はしましたが少し重かったです。
MacBookPro2017を使用していた時
かなり重く正直ギリギリといった感じでした。スペックによりますがほとんどの場合ノートパソコンでUnrealEngineは厳しいです。
公式に記載があるスペックの条件、または私のおすすめスペック条件を満たすPCが他にあればそれで良いでしょう。費用の面を考慮しつつ探してみてください。
対応プラットフォーム
UnrealEngineは様々な機種に対応しており、Windows PC、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X、Xbox Series S、Xbox One、Nintendo Switch、Google Stadia、macOS, iOS、Android、ARKit、ARCore、OpenXR,、SteamVR、Oculus、Linux、SteamDeckなど一般的なプラットフォームに全て対応しています。つまり、UnrealEngineでゲームを作ってしまえばPCでもPlayStationでもSwitchにも対応しているのでそれらの機種用のゲームを作って遊べるという事です。
開発したゲームは自由に公開、販売できる
UnrealEngineで開発したゲームは自由に販売する事ができます。例えばSteamだったりEpicGamesストアだったりGooglePlayやApplestoreなど好きな場所でゲームを販売できます。ただし、Playstationなどは販売条件として法人である必要があるでその点は注意です。
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ではゲーム開発ができると言っても、UnrealEngineでは何が出来て何が出来ないのでしょうか?解説していきます。
UnrealEngineでは何ができる?
UnrealEngineでできる事は簡単に言うとゲーム素材(3Dモデルや音,アニメーション)を組み合わせて、頭の中で思い描いているようなゲームを自由に作る事ができます。上で紹介したUnrealEngineで作られたゲームのように作れないゲームは無いでしょう。ではできる事から13個を紹介していきます。
①3Dモデルを設置してゲームのワールドを自由に作れる
ゲームのワールドを作る事ができます。具体的に言うと3Dモデルをゲームのステージ上に配置したり、ライトを配置したり、キャラを設置したりです。上のgifのようにゲーム素材をゲームのステージに配置してゲームのワールドを作成していきます。
②プログラミングで処理を実装できる(例:キャラを操作できるようにする)
プログラミングによって3Dモデルをゲームプレイ中に動かしたり、ボタンを押したらゲームが開始するなどの処理を実装する事ができます。上のgifではキャラを操作できるようにプログラミングが組まれゲームのプレイ中に操作できるようになっています。つまりプログラミングで「ゲームを動かす」事が可能になります。
コメント🐤プログラミングについて
プログラミングについて最初に伝えておきたい事は勉強すれば誰でもできるようになるという事です。プログラミングやった事ない方は難しいというイメージを持たれる事が多いですが、UnrealEngineではブループリントと呼ばれるグラフ方式の比較的簡単なプログラミングがあり、全くの初心者の方で数ヶ月勉強すれば仕組みを理解でき使用できるようになっています。別の話になりますが私も大学生(文系)の時までPCに疎かったですが、独学で学んでプログラマーとして働くほどプログラミングができるようになりました。個人的にはプログラミングは奥が深く、楽しいものだと思っています。またこの本でもプログラミングについても1から解説していくつもりなのでぜひやった事無い方もチャレンジして頂けばと思います。
③ 環境を作れる(例:草原や森など)
草や石などの3Dモデルは簡単に大量に設置でき、ゲームの環境を作る事ができます。オープンワールドのゲームを作りたい時などに訳に立ちます。
④アニメーションを再生できる
キャラクターにアニメーションを付けて好きなタイミングで再生させる事ができます。またはUE5内でアニメーションの調整もする事が可能です。
⑤エフェクトを作成できる
爆発や火や、煙などのエフェクトを1から作成できます。想像通りのエフェクトを作る事が可能です。
⑥ゲーム素材を簡単に購入,使用できる
UnrealEngine公式のゲーム素材販売サイト「マーケットプレイス」では3Dモデルやアニメーションなどが販売されており簡単に購入できます。購入したゲーム素材は自身のプロジェクトで使用する事ができます。無料で使用できるゲーム素材も数多くあるので初心者の方にはとても便利なツールとなっています。
⑦大量のリアルな高品質ゲーム素材を使用できる
上で紹介したマーケットプレイスとは別でUnrealEngineのユーザーは「Quixel Bridge」という完全無料サービスを利用してゲーム開発する事ができます。Quixel Bridgeはゲーム用の高品質素材(例えば草や石、建築物の3Dモデルなど)が豊富に揃った機能でUnrealEngine内の機能としてデフォルトで用意されておりドラッグで簡単にゲーム内に追加する事が可能です。(正確にはQuixelBridgeはMegascansというアセットが用意されている場所にアクセスできるツールの事です)
⑧キャラクターを作成,使用できる
UnrealEngineの公式サービス「Metahuman Creater」では、人のオリジナル3Dモデルを作成する事が可能で、作成したキャラクターは自身のUnrealEngineで作成したゲーム内で使用する事が可能です。
⑨UIを作成できる
UIとはボタンやHPバー,メニュー画面の事です。画像などのゲーム素材を組み合わせてゲーム画面上に表示させる事が可能です。
⑩美しいグラフィックのゲームを作れる このマトリックスのゲーム↑はUnrealEngine5で作成されたものです。UnrealEngineはゲームエンジンの中でトップ級の美しいグラフィックを再現できます。 こういったリアル系の動画だけではなく、フォートナイトなどのアニメチックのグラフィックも綺麗に表現できます。
⑪UnrealEngine内でサンプルゲームを遊べる
UnrealEngineでは既存のサンプルゲームで遊ぶ事が可能です。上のようなFPSゲームの他にも一人称視点のゲームや車を操作できるテンプレートゲームがあり、それらを元にゲームを開発していく事も可能です。
⑫作ったゲームを色々なデバイスでプレイできる 制作したゲームは実際にプレイする事ができます。もちろんUnrealEngine内でプレイボタンを押すだけでゲームは遊ぶ事ができますが、モバイルやPCやプレステーションなど準備は必要ですが、遊ぶ事ができます。動画は実際に昔、私がUnrealEngineで簡単に作ったゲームをモバイルでプレイしているものです。
⑬オンラインゲームやVRも作れる
難易度はかなり高くなりますが、サーバーを用意する事によって個人だろうがオンラインゲーム開発は可能です。UnrealEngineエディタ内の既存のリッスンサーバーという機能で簡単にオンラインゲームを作成する事もできます(その代わりリッスンサーバーで作れるゲームは限定的です)。VRなども作成できます。
UnrealEngineでは何ができない?
では、UnrealEngineでは何ができないのでしょうか?基本的にゲーム素材(3Dモデル,アニメーション,画像)などは作る事はできません。これはどのゲームエンジンだろうが同じです。ただし、とてもシンプルな3DモデルやアニメーションならUnrealEngine内でも作成する事ができます。
①複雑な3Dモデル(例:キャラクター)は作成できない
基本的にゲームで使用する3Dモデルを作る場合、外部のソフト(BlenderやMayaなど)で作成して、UrnealEngineで使用しなければなりません。個人の方でも例えば無料のBlenderで3Dモデルは作成する事ができますが、労力がとてもかかるので基本的にはゲーム素材販売サイト(AsetStoreやマーケットプレイス)で購入する事が一般的です。法人の方であればデザイナーという3Dモデルを制作するプロを雇うが一般的ですね。
Blender : Character Library
②複雑なアニメーション(例:走る)は作成できない
キャラクターなどのアニメーションはUnrealEngineでは作成できません。これも作成する場合はBlenderやMayaなどの外部ソフトを使用する必要があります。ただし3Dモデルと同じように作成には労力がとてもかかります。これも個人の方におすすめなのはゲーム素材販売サイト(AsetStoreやマーケットプレイス)で購入するか無料のものを使用する事です。3Dモデルを購入する時にアニメーションもセットでついているものが多いです。アニメーションは汎用性があり、Mixamoというサイトでキャラクターのアニメーションが豊富に揃っているため基本的にはこのサイトを使用する事でアニメーションは問題なく使用できます。
③2Dゲームは作れない
UnrealEngineは3Dゲーム専用に作られているため、2Dのゲーム用には作られておりません。完全に不可能ではありませんが、基本的に2Dゲームを作りたいという方はUnity(他のゲームエンジン)をおすすめします。
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つまりUnrealEngineで何ができて何ができないのかまとめると、できる事はゲーム素材を組み合わせてゲームを自由に作れる事で、できない事はゲーム素材(3Dモデルやアニメーション)を作る事です。なのでゲーム素材は外部ソフトで作るか購入または無料のものを使用するといった感じになります。UE5では無料のゲーム素材が数多く存在するのでそれだけでもゲーム制作は充分可能です。ゲーム制作に本気になったらゲーム素材の購入などを検討しましょう。
UnrealEngineで有名なヒット作になるようなゲームは作れる?
よくある質問で「APEXやフォートナイトなど有名なゲームは作れる?」という答えとしては、まずゲーム自体を作れるかどうかはYesで、そのゲームが成功するかどうかはそのゲーム次第です。ただオンラインゲームともなるとまず作成するのにかなりの知識量,開発時間,費用を必要とします。さらに作った所で成功するかどうかは別の話なのでとても難しい事は間違いありません。という事は「個人だとヒット作は作れない?」と思うかもしれませんが、そんな事はありません。世界最も人気になったゲーム「マインクラフト」は最初は個人で作成されたゲームでここまで成長しました。個人だろうがゲームの人気があれば支援してくれる人や、ゲーム制作に協力してくれる人や会社が集まってきます。つまり個人だろうが法人だろうがやる事はただ一つで「面白く人気があるゲーム」を作る事です。それによって費用などの問題もクリアできる可能性が充分あるからです。まとめると個人でもチームでも法人でも、簡単ではないですがUnrealEngineを使用して世界または日本でヒット作になるゲームを作れる可能性はあるという事です。
まとめ - UnrealEngine5とは?
まとめるとUnrealEngineでは個人の方でも誰でもPCさえ持っていれば自身が頭の中で思い描いているようなゲームを自由に開発して公開,販売する事ができます。実績としてはフォートナイトやドラクエ,Dead by Dylightなどのゲームがあります。
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個人的にはゲーム開発はゲームをする以上に楽しく奥が深いものだと思っています。興味がある方は無料なのでまずはUE5をダウンロードして触ってみる事をおすすめします。UE5では既存のゲームをプレイする事が可能なのでそれだけでも試してみてはいかがでしょうか?ページ順に解説しているのでさらに詳しくUE5について知りたい方は次のページでお会いしましょう!