Chapter 26無料公開

┣ 技術選定

Yoshio Kakehashi
Yoshio Kakehashi
2021.12.26に更新

基本は自分たちのリソースの量と、その技術を検索してヒットする量から選定する。が、己の本能も混ぜること。

リソースは有限だし、技術にも限界やトレードオフがある。何を優先して技術を選ぶのかは、案件によって異なる。

  • 時間・期間
  • モノ
  • ヒト

新たに開発して何かをなし得るのではなく、人力でカバーできるところは人力でまかなう。
新規開発は金も時間もかかるし失敗するリスクもある。AWSが止まったら人間は無力だ。確実に事故となる。一方、バイトがボタンをポチポチ押すだけの作業だったら、間違いも少ないし開発費も浮く。

技術を検索して出てくる量も大事だ。誰かが解決してくれている策を取り入れるなら、工程のいくらかをすっ飛ばすことができるし、ぶち当たった問題もググれば終わる後ろ盾がある。
ただし、それでも見えてない問題・落とし穴は確実にあるので、それを見越したバッファは考慮すること。

お利口に考えるならこれで十分だが、俺たちは理性で縛られていない。何かを作りたい本能で動いている。制約を無視して使ってみたい技術を使っちゃう本能 がある。

これらの制限あるリソースと本能をぼんやりと考えたうえで技術を選んでいく。

目的から考える

  • 広告・話題性ありきなものだったら
    • 見た目の派手さでやるのか (ex AR/VR, どでかいインスタレーション)
    • 使うべき技術が決まっている (どこかの会社が作った新技術のPR用)
  • 自社プロジェクトなら
    • とにかく果たすべきゴールにたどり着けるものを選ぶ
    • 未来の技術デモとして作る
  • 自分本位で動かせるプロジェクトなら
    • 自分の好きな技術・やってみたい技術をぶっこむ

などと、目的によって選定するにも幅がある

期間から考える

  • 納期
    • 短納期の場合、素早く作れる技術を優先する
  • 展示期間
    • 展示モノの場合、1日で終わるのか、1年以上展示するのかでも変わってくる。
      • 運用が簡単かどうか?
        • 既製品を利用すると運用が楽になる
          • 「既製品のチュートリアル見といてね」で運用マニュアルの手間が削減される
          • ぶっ壊れてもすぐリペアできる
      • 一日で終わるなら
        • すべてを人力でまかなってしまうのもアリ
        • そのぶん、他の体験をリッチにできる

技術に精通している人・頼れる人を探す

その技術を使えるひとが近くにいれば安心だ。落とし穴がわかるし、後ろ盾になってくれると助かる。

逆にそういう人がいないならば、単騎でゴリ押しするしか戦法がなくなる。まさに特攻隊だ。できるだけ

数ある技術をふるいにかける

技術を選別する比較ポイントはいくらかある

  • 技術のpros/consを書いて比較
  • Githubのstar数で比較
  • ググって出てくる記事数で比較

たとえば、お絵かきアプリをブラウザで作るとする。どのような技術を使うかを考えると

  • 生のCanvas.context2dで作る
  • Canvas context2d系のライブラリを使う(Konva.js等)
  • Pixi.jsを使ってWebGLで作る
  • UnityのWebGL書き出しで作る

などなど、やり方はいくらでもある。
安全にやりきれるか?背伸びしてチャレンジするか?最速で終わらせるか? 比較できるポイントはいくらでもある。

技術を絞り込んだら検証する

比較をして技術の目星をつけたら、ちっさいプロトでも作って検証する。

  • 検証をする内容
    • 企画内容にフィットしているか
    • リソースの範囲内か?
    • 体験がおもしろいか?
    • 作るにあたってのだいたいの目星やスケジュール感を知る
  • 検証の前に、似たような前例を経験したことのあるひとから聞く
  • 人間の動きに関するものをトラッキングをするときは、本気で動いたときにトラッキングできているかを計測すること
    • 野球ならバントじゃなくて、フルスイングしてセンシングする。
      • フルスイングで取れたら最高。取れなかったら、取れないなりに努力しても限界は見えてる。

いままで考えてきた目的やら期間やらのリソースやを考えつつ、クライアントが達成したいもの、会社が達成したいもの、自分ができること・やりたいことを、実際に実現できる範囲に落とし込む。

本能を優先してもいい

「測域センサーがどうしても使いたい!」「かっこいいVFXを入れたい!」なんて気持ちもあるだろう。

絶対に失敗できない案件ならやめておけ!そうでない案件だったら、無理やりぶちこめばいい!無理やりぶちこんで、自分のできる幅を少しでも広げていくのだ。内側から湧き上がるモチベーションこそ成長の源泉。自分で責任を持って作ることが視座をも上げることになるだろう。

ただし、謝る準備だけは忘れるな!