基本は自分たちのリソースの量と、その技術を検索してヒットする量から選定する。が、己の本能も混ぜること。
リソースは有限だし、技術にも限界やトレードオフがある。何を優先して技術を選ぶのかは、案件によって異なる。
- 金
- 時間・期間
- モノ
- ヒト
新たに開発して何かをなし得るのではなく、人力でカバーできるところは人力でまかなう。
新規開発は金も時間もかかるし失敗するリスクもある。AWSが止まったら人間は無力だ。確実に事故となる。一方、バイトがボタンをポチポチ押すだけの作業だったら、間違いも少ないし開発費も浮く。
技術を検索して出てくる量も大事だ。誰かが解決してくれている策を取り入れるなら、工程のいくらかをすっ飛ばすことができるし、ぶち当たった問題もググれば終わる後ろ盾がある。
ただし、それでも見えてない問題・落とし穴は確実にあるので、それを見越したバッファは考慮すること。
お利口に考えるならこれで十分だが、俺たちは理性で縛られていない。何かを作りたい本能で動いている。制約を無視して使ってみたい技術を使っちゃう本能 がある。
これらの制限あるリソースと本能をぼんやりと考えたうえで技術を選んでいく。
目的から考える
- 広告・話題性ありきなものだったら
- 見た目の派手さでやるのか (ex AR/VR, どでかいインスタレーション)
- 使うべき技術が決まっている (どこかの会社が作った新技術のPR用)
- 自社プロジェクトなら
- とにかく果たすべきゴールにたどり着けるものを選ぶ
- 未来の技術デモとして作る
- 自分本位で動かせるプロジェクトなら
- 自分の好きな技術・やってみたい技術をぶっこむ
などと、目的によって選定するにも幅がある
期間から考える
- 納期
- 短納期の場合、素早く作れる技術を優先する
- 展示期間
- 展示モノの場合、1日で終わるのか、1年以上展示するのかでも変わってくる。
- 運用が簡単かどうか?
- 既製品を利用すると運用が楽になる
- 「既製品のチュートリアル見といてね」で運用マニュアルの手間が削減される
- ぶっ壊れてもすぐリペアできる
- 既製品を利用すると運用が楽になる
- 一日で終わるなら
- すべてを人力でまかなってしまうのもアリ
- そのぶん、他の体験をリッチにできる
- 運用が簡単かどうか?
- 展示モノの場合、1日で終わるのか、1年以上展示するのかでも変わってくる。
技術に精通している人・頼れる人を探す
その技術を使えるひとが近くにいれば安心だ。落とし穴がわかるし、後ろ盾になってくれると助かる。
逆にそういう人がいないならば、単騎でゴリ押しするしか戦法がなくなる。まさに特攻隊だ。できるだけ
数ある技術をふるいにかける
技術を選別する比較ポイントはいくらかある
- 技術のpros/consを書いて比較
- Githubのstar数で比較
- ググって出てくる記事数で比較
たとえば、お絵かきアプリをブラウザで作るとする。どのような技術を使うかを考えると
- 生のCanvas.context2dで作る
- Canvas context2d系のライブラリを使う(Konva.js等)
- Pixi.jsを使ってWebGLで作る
- UnityのWebGL書き出しで作る
などなど、やり方はいくらでもある。
安全にやりきれるか?背伸びしてチャレンジするか?最速で終わらせるか? 比較できるポイントはいくらでもある。
技術を絞り込んだら検証する
比較をして技術の目星をつけたら、ちっさいプロトでも作って検証する。
- 検証をする内容
- 企画内容にフィットしているか
- リソースの範囲内か?
- 体験がおもしろいか?
- 作るにあたってのだいたいの目星やスケジュール感を知る
- 検証の前に、似たような前例を経験したことのあるひとから聞く
- 人間の動きに関するものをトラッキングをするときは、本気で動いたときにトラッキングできているかを計測すること
- 野球ならバントじゃなくて、フルスイングしてセンシングする。
- フルスイングで取れたら最高。取れなかったら、取れないなりに努力しても限界は見えてる。
- 野球ならバントじゃなくて、フルスイングしてセンシングする。
いままで考えてきた目的やら期間やらのリソースやを考えつつ、クライアントが達成したいもの、会社が達成したいもの、自分ができること・やりたいことを、実際に実現できる範囲に落とし込む。
本能を優先してもいい
「測域センサーがどうしても使いたい!」「かっこいいVFXを入れたい!」なんて気持ちもあるだろう。
絶対に失敗できない案件ならやめておけ!そうでない案件だったら、無理やりぶちこめばいい!無理やりぶちこんで、自分のできる幅を少しでも広げていくのだ。内側から湧き上がるモチベーションこそ成長の源泉。自分で責任を持って作ることが視座をも上げることになるだろう。
ただし、謝る準備だけは忘れるな!