Chapter 04無料公開

┣ 経験値とはなにか

Yoshio Kakehashi
Yoshio Kakehashi
2021.12.06に更新

経験値とは今まで悩んだ時間をショートカットし、未来を先回りする力

いきなりだが具体的な例を上げる。HTMLのCanvasでcontext.drawImageをして何らかの画像を転写するとする。drawImageの引数の一部をマイナスの値にすると、iOSのSafariだけ真っ黒の画像になってしまう。Chromeなどではマイナスの値を考慮した範囲で転写される。

この例ではSafariの挙動が正しい。仕様ではマイナスの値は許容されていない。きちんと仕様を読めば回避できるだろうが、すべての仕様を読み込んでから実装することは時間的に不可能だろう。

仕様を読んで理解したならば、二度とdrawImageにマイナスの値を入れないだろう。つまりハマりがちな失敗を繰り返さない。 極端な例だが、これが経験の力だ。

経験とは以下の2つの効果がある

  1. まったく同じ場面に遭遇したときに、悩まずに解決できる
  2. 自分のバイアスによるミスを把握する
    • drawImageでマイナスの値を入れても動くはず」という自分の思い込み・バイアスがあることを認識する

ほとんどのミスが思い込みやコードの単純な書き間違いの場合が多い。経験によって自分の脳みそのバグを補正していくのだ。

運用フェーズでは予測不能なことが起こる

体験・展示系では予期しない出来事のオンパレードだ。

  • オペレーションスタッフはマニュアルを読まないひとが多い
    • 必ず誰かがマニュアルから逸脱した行動をする
  • PC・機材が不具合を起こす
  • 他の業者の担当箇所がぶっ壊れる

開発時と異なる環境下では、ヒューマンエラーもハードウェアのエラーもたくさん起こる。

これらのエラーを漏れなく完璧に予測をすることは不可能だろう。ただし、経験から想像はできる。経験が増えれば未知のエラーへの想像の範囲も広がる。

過去の経験から想像し、未来への延長線を引くことができる。

より未来につながる良質な経験値を得続けることが大切だ。