Chapter 01無料公開

この狂科書について

Yoshio Kakehashi
Yoshio Kakehashi
2021.12.07に更新

クリエイティブも何も教えてもらってない、君たちへ

広告・クリエイティブ業界のエンジニアリングは個人プレーの集合体であり、新人に向けて体系的に教えるといったことはない。

あらゆる技術とコミュニケーションの総合格闘技であるクリエイティブエンジニアリング。

そんなだだっ広い海原に放り出された君たちへ。

全体を見渡すことの助けになるような、俺の経験を羅列していく。

経験値を最大限に得ろ

この本ではざっくりとした実践的な内容と、精神論が入り混じっている。

ひとつだけ芯があるとすれば 「経験値を最大限に得ろ」 ということだ。 デジタルエクスペリエンスを作るなんて総合格闘技。経験がないやつに触らせると事故る。経験は最大の価値でありエビデンスでもある。

ただ、良質な現場の経験を得る機会は少ない。俺もそんな機会は1年に1回や2回だったりする。 ここに俺の経験を書けば、多少なりとも想像できることが増えるだろう。

他人の経験を知り、他人の経験から抽象化して自分の能力に変えること。

自分が経験したことを糧にするのは当然で、他人からの経験も得る。それが「最大限に経験値を得る」ことだ。

育成に関しては非クリエイティブな業界

古くはFlash業界、あるいはインタラクティブ業界。昨今ではさらにかっこよい表現でクリエイティブ業界などと呼んでいるこの業界。

しかし、育成に関しては非クリエイティブ。

あなたは他の誰かを育成したことがあっただろうか。あるいは誰かから育成されたことが、どれほどあっただろうか。

そもそも俺たちは育成されるような人間ではないはずだ。自分の中から湧き上がるモチベーションで高みを目指しているはずだ。

だがしかし!仕事の難易度が劇的に上がってきている。時速120kmでぶっ飛ばす案件しかない。 高速道路で合流する加速車線がないのだ。経験の浅い人がいきなり合流すると事故を起こしかねない。

モチベーションある若者の伴走者となり、まずは80km/hまで加速させるのがこの狂科書だ。

クリエイティブエンジニアってどういう定義?

正直にいうと、俺はイキりたいからクリエイティブエンジニアと名乗っている。なんとも悲しい人間である。

さておき、齟齬がないようこの狂科書で扱うクリエイティブエンジニアの定義をしておきたい。

  • 広告案件でおもしろコンテンツを作る
    • Flashがあった時代は派手なキャンペーンサイトなどを作っていた
  • なんらかの体験型コンテンツを作る
  • なんらかのオシャレシェーダーを書く
  • なんらかのLEDを動的に光らせる
  • なんらかのセンサーを使っておもしろコンテンツを作る
  • UnityやUnreal Engineでなんらかのおもしろコンテンツを作る

といった、おもしろ系エンジニアリングが当てはまる。

別の観点では

  • 誰も作ってないものを作る
  • バズるものを作る
  • 機能などはないが、とにかくおしゃれなものを作る

このような前例がないようなおもしろコンテンツを価値にすべく、それを実際に作るひとをクリエイティブエンジニアと呼ぶことにする。

この本に書いてあること

凡人である俺が、27歳から39歳まで最前線での経験から一般化した、生き抜く術を書いている。

Zennの本は大きな章立てができないのだが、概念的にこのような大きなグループにしてある。

  • 第1章
    • 基本的なマインドについて
  • 第2章
    • 少し踏み込んで具体的なクリエイティブの現場のことを書いている
  • 第3章
    • さらに踏み込んだ上級なマインドについて書く。3年以上生き残るためのマインド。
  • 第4章
    • ここからが本当の狂科書。退廃的で腐った人間が生き残る術と諦めが入り交じった内容。
    • 会社で昼寝をするときのマインドなどが書いてある。

どこから読んでも構わないので、気になる項目からつまんでもらえるといいだろう。

また、俺がフロントエンドをメインとしているので、サーバーサイドからの視点はない。が、共通する精神もあるし、なんとなくの雰囲気はつかめるだろう。

この本に書いていないこと

  • 具体的なコードや事例はそれほど書いていない
  • めちゃくちゃ高度なことは書いていない
    • 俺が偽物ポーザークソ野郎なので、本物のひとがやるような高度なことは書けない