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『RPGツクールMZ』の[ツール]メニューのヘルプ

2024/04/30に公開

『RPGツクールMZ』関連記事 目次

はじめに

『RPGツクールMZ』の機能のうち、メインメニューの[ツール]に含まれる機能について解説します。
メインメニュー全体の解説は 『RPGツクールMZ』メインメニューのヘルプをご覧ください。
[データベース]はすでに個別の解説ページがありますので、そちらにリンクしています。
[プラグイン管理]と[キャラクター生成]については機能が複雑なので別途解説予定です。

ショートカットキー

著者がMacユーザなので、基本的にMacでの画面や操作方法で記述しています。
Windowsユーザのかたは、ご自分の環境に合わせて読み替えてください。

記号 Mac Win
command Ctrl
shift Sft
option Alt
control なし

[⌃]はコンテキストメニュー(いわゆる右クリックメニュー)を表すのに使っています。

用語

プロジェクト…『RPGツクールMZ』で作るゲームに使われるファイル(画像・音声・その他データ)をひとまとめにしたフォルダです。
ペイン… ウィンドウを区切った領域のことです。通常はペインと呼ばずに中に含まれるものによってリストやパレット、ビューと呼ばれます。
コアスクリプト…『RPGツクールMZ』で作ったゲームを動かすための中心となるプログラムです。プラグインは含みません。
プラグイン… ゲームの機能を拡張するプログラムです。付属しているもの、ユーザが公開しているものがあります。自作もできます。
収録素材… 『RPGツクールMZ』本体に含まれる素材のことです。RTPと呼んだりします。RTPは『RPGツクールMZ』においては正しい用語ではありませんが、古参のツクールユーザの間ではよく使われます。
イベント… 画像とその挙動を組み合わせたもの。マップに貼るシールみたいなもので、住人や宝箱などに使います
イベントコマンド… ゲーム中に実行される内容を書き記すもの、いわゆるプログラムです。
イベントページ… 編集画面上は[EVページ]と書かれています。イベントの設定をページ単位でまとめて条件により切り替えられます。

メインメニュー


メインメニュー(Windowsでは多少異なります)


[ツール]メニュー


ツールバーのボタン

データベース

データベースウィンドウを開きます。

参考:『RPGツクールMZ』[データベース]共通操作ヘルプ

データベースウィンドウの個々の項目(タブ)は次のリンク先の記事をご覧ください。

プラグイン管理

プラグインの管理を行うウィンドウを表示します。
(解説ページ追加予定)

サウンドテスト

音声ファイルの再生ができます。特にどこかに設定するというものでもなく、音の確認のための機能です。

[サウンドテスト]ダイアログ

操作方法は[データベース]で音を設定する時に出てくる[オーディオの選択]ダイアログや、イベントコマンドの[BGMの演奏]など音を設定する時に出てくるダイアログもほぼ同じものです。
プロジェクトフォルダのaudio以下にあるbgm bgs me seフォルダを上に並んでいるタブで選択できるところが異なる部分です。

  • [再生] …… 選択しているファイルの音声が流れます。再生した音は鳴り続けるので、作業BGMとして使えます。
  • [停止] …… 再生中の音声を止めます。
  • [音量] …… 0~100%の間で音の大きさを設定します。<Bad!>収録素材の音は大きすぎるので、30%位に落としていいと思います。
  • [ピッチ] …… 50~150%の間で音の高さを設定します。<Nice!>かなり印象が変わるので同じデータでも色々と使い回しが効きます。
  • [位相] …… -100~100の間で音の左右位置を設定します。
豆知識

<New!> スペースキーで再生できるのでカーソルキーと併用して次々と試聴できます。
<Nice!> ピッチを変化させることによるcrossbow.oggの汎用性は半端ないです。
<Nice!> キーボードのアルファベットキーを押すと、対応した頭文字のファイルに移動します。
<Nice!> コンテキストメニューやショートカットキーでファイルリスト内の検索も可能です。
残念ながら途中から再生する機能はありません。

イベント検索

プロジェクトに含まれる[イベント]の検索ができます。
詳細は『RPGツクールMZ』[モード]-[イベント]のヘルプ#イベント検索を参照ください。

素材管理

プロジェクトで使用する素材を管理する機能です。

<Bad!> すごく使いづらい機能で、OSのファイル管理機能であるFinder(Windowsではエクスプローラ…らしい)を使った方が色々と楽だと思います。
なお、制作中のプロジェクトフォルダは[ゲーム]-[フォルダを開く]で開けます。


[素材管理]ダイアログ

①フォルダリスト …… プロジェクトに含まれる画像(img)と音声(audio)フォルダ一覧です。
②ファイルリスト …… 選択中のフォルダに含まれるファイル一覧です。⇧で複数選択できます。

  • [プレビュー...] …… 選択中の画像素材を表示します(音声の視聴はできません)
  • [インポート...] …… 外部ファイルを選択中のフォルダにコピーします(移動ではないので元データは残ります)複数選択して一度にインポートできます。
  • [エクスポート...] …… 選択中のファイルを別名で保存します(移動ではないので元データは残ります)
  • [削除] …… 選択中の(複数の)ファイルを削除します。
  • [DLC...] …… 『RPGツクールMZ』がインストールされているフォルダにあるdlcフォルダからインポートします。
豆知識

この機能のどこがよくないかを軽く説明します。
<Bad!> リストの上に[素材フォルダ][画像ファイル]といったラベルがないので、一見して何のリストかわかりません。
<Bad!> [プレビュー]を押さなくても画像ファイルを選択した時点でプレビューを表示すべきと思います。なんなら画像ファイルはサムネイル表示すべきだと思います。これ[イベント]や[データベース]の画像設定ではできているので、より[素材管理]の作りの貧相さが目立ちます。
<Bad!> [インポート]で開くダイアログのボタン[開く]なんですけど、[インポート]ボタンが良いかと思います。突然別の機能(開く)が提示されるけど、実際はその機能ではない(インポートされる)というの、かなりUIが混乱しています。
<Bad!> [エクスポート]する際に拡張子を含む名前をつける必要があります。初期の名前は選択中のファイルと同じでよくないですか?
<Bad!> [削除]ゴミ箱に移動するのではありません。消えます!戻せません!! なんと⇧を併用すると複数選択して一挙に消せます。危ない!!!
<Bad!> [DLC]ボタンは[インポート]機能とほぼ同じなのに別機能になっているので混乱します。[インポート]ダイアログに dlcフォルダに移動するボタンがある方が自然だったと思います。
せめてボタンが[DLCからインポート]になっていれば混乱はなかったのですが。

プラグインのインポートにはOS標準の機能を使う必要があるのは中途半端……など、他にもツッコミどころはたくさんありますが、最初に書いたようにOS標準の機能の方が使いやすく分かりやすく高機能で親しみもあるのに、わざわざ労力をかけてダメなUIを追加しているのが一番よくありません。

キャラクター生成

新たな歩行グラフィックをパーツを組み合わせて作れます。
キャラクタージェネレーターと呼ばれることもあります。
(解説ページ追加予定)

オプション

『RPGツクールMZ』のエディタ全般の設定を行うウィンドウが表示されます。
Macだと[RPGツクールMZ]メニューの中にある[環境設定]メニューがこれにあたります。


[オプション]ウィンドウ

  • [透明色] …… 画像の透明部分を表す、市松模様の色を設定します。
  • [マップグリッド] …… マップエディタの格子の表示˙非表示と大きさの設定です。
  • [UI] …… [テーマ]と[オブジェクトの選択]があります。
  • [通知画面] …… <New!1.8.0> エディタを起動した時のお知らせ画面を出すかどうかを選択します。

テーマ

UIの表示色をいくつかのパターンから選べます。
おそらく弱視のユーザ用設定なので、通常は[デフォルト]のままでいいと思います。

オブジェクトの選択

いろいろなところでリストの中から項目を選ぶことがありますが、その方式を選べます。

  • [ドロップダウン] …… ドロップダウン方式でリストを選択します。
  • [展開] …… 別ウィンドウが開いて選択します(オススメ)
  • [自動] …… 項目が少ないと[ドロップダウン]、多いと[展開]になります。

最後に

以上でツールメニューの機能紹介は終了です。

『RPGツクールMV』では『SAKAN - タイルセットビルダー』や『MADO - ウィンドウビルダー』『GENE- シーンビルダー』といった別売りの外部ツールを呼び出すことも考慮されていましたが、どれも微妙な評判で終わったこともあって『RPGツクールMZ』には、そのような機能はありません。
ツクールでできることが複雑化しているので、外部ツールとの連携はむしろ重要度は増しているように思います。同時に自前でツールまで用意するのはコストに見合わないという判断も間違いではないと思います。
そういう意味では『RPGツクールMZ』で取り入れられた外部開発のエフェクト規格Effekseer (エフェクシアー)の制作ツールが呼び出せるようになっていても良かったのではないか、と思わなくもありません。
さらに進めてマップ制作ツールの『Tiled』やドット絵ツールの『Aseprite』などを呼び出すコアアプリケーションとしてツクールを位置付ける方向もあったかもしれません。

実際の『RPGツクールMZ』では逆に[素材管理]ダイアログのように外の機能に任せれば良いところを内部で処理しようとして使いづらくなっている面があります。

『RPGツクールMZ』のデータのほとんどはJSONというフォーマットで作られていて、基本はテキストデータなので容易に加工ができます。
その辺を利用して、テキストからイベントコマンドへの変換を行う『Text2Frame』や、データベースの値の整理をサポートしてくれる『Database Cleanup Tool』などが作られています。
本体はツクール環境(コアスクリプトや素材)を使うためのライセンスの意味しかなくなり、外部ツールを使って作るのが当たり前になるかもしれませんね。

ただそういう話は『RPGツクールMV』が発売された2015年にも言われていたことなので、現在そうなっていない時点で実現性は低いのかもしれません。

レッツエンジョイ ツクールライフ!

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