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『RPGツクールMZ』[データベース]共通操作ヘルプ

2022/04/22に公開

『RPGツクールMZ』関連記事 目次

今回は『RPGツクールMZ』の[データベース]の全体的な作りと共通する操作を解説していきます。
データベース内の解説していたら同じことを繰り返し書いていたので、共通部分をまとめておいた方が読みやすいし書きやすいと思ったので。

基本的には付属のヘルプを読めばいいし、公式のRPGツクールMZ 初心者講座 やエディタの[ヘルプ]-[チュートリアル]を見ていけば、ひととおりの操作は身につくはずです。
ただ割と説明されていな部分もありますし、説明されていても見逃しやすい部分、あるいは裏技っぽいところも取り上げていきます。
一応いきなり本記事を読んでもわかるようには書いたつもりですが、上記の初心者向けの公式コンテンツを併用していくことをオススメします。

データベースのタブ(データ種類)別の記事は、今のところ以下があります。

  1. 『RPGツクールMZ』[データベース]-[アクター]のヘルプ
  2. 『RPGツクールMZ』[データベース]-[タイルセット]のヘルプ

ショートカットキー

著者がMacユーザなので、基本的にMacでの画面や操作方法で記述しています。
Windowsユーザのかたは、ご自分の環境に合わせて読み替えてください。

記号 Mac Win
command Ctrl
shift Sft
option Alt
control なし

[⌃]はコンテキストメニュー(いわゆる右クリックメニュー)を表すのに使っています。

用語

モーダル …モードがある(modal)という意味のユーザインタフェース用語です 。たとえば前面に出てそのウィンドウ以外の操作ができなくなるウィンドウを「モーダルウィンドウ」と言います。

データベースウィンドウ

メニューやツールバーのボタンから[データベース]を選ぶと、データベースウィンドウが開かれます。

豆知識

データベースウィンドウでは、非常に制限された操作体系を強いられます。

<Bad!>メインメニューが一切使えなくなってしまいます。
[編集]など一部の機能はコンテキストメニューに用意されていますが、メインメニューの同名の項目が選択できません。
メインメニューは現在使える機能の一覧としての意味もあるのですが、その意味がなくなっています。

<Bad!>[保存]メニューが使えないので、[データベース]を閉じて改めて[保存]を実行する必要があります。
<Bad!>[データベース]の操作は、ほとんどの場面で[元に戻す]が使えません。
<Bad!>ウィンドウサイズを変更できません。
<Bad!>モーダルウィンドウ(ツール内の他のウィンドウの操作ができない)です。

[アクター]から[コモンイベント]までのタブは、左にデータリストがあるレイアウトで共通しています。


これは[アクター]タブを選択した画面です

[タイプ]はデータリストだけで構成されています。詳しくは…そのうち書くかもしれません。

残りの[システム1][システム2][用語]も大枠は異なりますが、文字の入力方法や表の操作方法などは共通です。

豆知識

『RPGツクールMZ』はTabキー選択の作りが雑で、キーボードによる操作はツライものがあります。
また、キーボードショートカットも豊富でなく、キーボード操作のみで扱うことはまったく想定されていない、と思っていいでしょう。

とは言え、意外なところのキーボード操作が有効だったりして、それを知っているかどうかで作業効率が大きく変わります。キーボード操作が重要でないというわけではありません。

①タブ

データベースウィンドウの左側にタブが並んでいて、表示・編集するデータの種類を変更できます。

豆知識

最初に選択されるタブ(データの種類)は前回選択されていたタブです。
<Bad!>メインウィンドウから[システム1]など特定のタブを指定してデータベースウィンドウを開く方法はありません。
データベースウィンドウを開いたのちタブを選択する、このひと手間が割とストレスです。

①タブは一度選択した後、矢印キー上下と[Home][End]キーで選択できますが…キーボード操作では選択しないと思います。

<Bad!>データリストの上のタイトル領域はなんの機能も持っていません。
現在どのタブを開いているかはタブそのものを見ればわかるので情報が重複していますし、[用語]などタイトル領域を持たない設定項目もあるので統一感もありません。
ちなみにタイトル領域にマウスポインタを置いてしばらくするとツールチップが出現しますが、これもタブの部分と同じ内容です。

②データリスト

ウィンドウの左側あるいは[タイプ]タブに含まれる[最大数の変更]ボタンがついているリスト。

データリスト上では、次のコンテキストメニューが使えます。

  • [⌃]
    • [コピー ⌘C] …… 選択中の項目のデータをコピーします。
    • [貼り付け ⌘V] …… 項目のデータがコピーされている場合、選択している項目に貼り付けます。
    • [クリア ⌫] …… 選択中の項目のデータをすべて空、もしくは初期化します。
    • [検索... ⌘F] …… データに含まれる名前とメモを検索します。(検索項目が増えるデータ種類もあります)
    • [次を検索 ⌘G] …… 直前に指定した検索設定で選択位置より下を検索します。Windowsでは[F3]
    • [前を検索 ⇧⌘G] …… 直前に指定した検索設定で選択位置より上を検索します。Windowsでは[Shift + F3]

下にある[最大値の変更...]ボタンを押すと数値入力ダイアログウィンドウが開きます。この数値で項目の数を変更します。

選択項目は矢印キー上下または左右、[pageUp][pageDown]、[Home][End]で移動できます。
また[F4]で上、[F5]で下に移動できます。ファンクションキーによる移動は他と違い、リストにフォーカスが当たっていないときでも動作します。
つまり項目の内容を修正しつつ、データリストをいちいち選択することなく、次の項目に移動できます。

豆知識

<Bad!>[F4]で上、[F5]で下の組み合わせに、必然性が感じられません。
[F5]は多くのアプリケーションで「実行」や「リロード」が割り当てられます。
『RPGツクールMZ』でもテストプレイ時のウィンドウ(NW.jsアプリケーション)では[F5]がリロードです。
しかし…「下」という機能はツクール以外で使われているのを知りません。

<Bad!>[最大値の変更...]ボタンで最大値を変更させるのは、古臭く使いづらいインタフェースです。
項目を削除すれば間を詰めればいいし、[最大値の変更...]ボタンではなく追加ボタン[+]や[⌃]-[新規項目]を用意すればよいのです。

<Bad!>項目をドラッグして位置を入れ替えることはできません。
[コピー]と[貼り付け]を使って設定データを移動することはできますが、その場合はリストの項目位置が変わるのではなく内容が変わることになるので、項目の内容を使う他のデータに影響が出ます。

<Bad!>項目を削除することはできません。[最大値の変更...]を行って全体の数を減らすことで削除の代わりとするしかありません。
そのためメニューは[削除]ではなく[クリア]になっています。これは設定を初期化するもので、項目自体は消えません。
クリアによってデータを減らすことはできるものの、ムダな項目が残ってしまいます。
<Bad!>クリアは割と致命的なことになる操作ですが、警告ダイアログは出ませんし前述のように[元に戻す]操作もできません。

<Bad!>項目をフォルダなどで分類する方法が用意されてないので、空の項目の名前に分類名を書き、多めに空の項目を用意することで分類する「バッドノウハウ」を使わざるを得ません。

検索ダイアログ

選択中のタブに含まれる項目の(メモ欄を含む)テキストフィールドを検索します。

[検索する文字列]に文字を入力して ↩ キーで[次を検索]できます。
タブによって[絞り込み]に表示される検索対象は異なりますが、基本的には[名前][メモ]が検索できます。
[一致]の選択肢は以下の意味です。

  • [部分一致]…[検索する文字列]と一部でも一致する(規定値です。ほぼこれを使って問題ないと思います)
  • [単語一致]…空白区ぎりの単語が[検索する文字列]と一致する。
  • [完全一致]…テキストフィールド全体が[検索する文字列]と一致する。
  • [正規表現]…正規表現による検索文字列の指定ができます。
    [大文字と小文字を区別]…半角アルファベットの大小文字を区別するか。
豆知識

[単語一致]は、英語などの空白区切の言語でないとあまり役に立ちません。
<Bad!>モーダルなので、閉じないとデータベースに書かれている文字列の選択などができません。

<Bad!>[次を検索]と[前を検索]のメニューや検索ダイアログでの位置が直感とは上下逆です。
また「次」と「前」の意味が似ていて名前から機能を判断できません。
<Bad!>[次を検索]と[前を検索]の対象は選択している項目を含まないので必ず検索漏れが発生します

<Bad!>検索が可能なのは(メモ欄含む)テキストフィールドのみで、置換はできません。

<Nice!>[検索]ダイアログでは正規表現が使え、検索文字列のきめ細かい指定が可能です。
<Bad!>ヘルプには正規表現がなんなのかの説明がなく、どの記号が使えるのかも書いてありません。
試したところ .*+^$ といった基本中の基本の記号は使えるようで、おそらくJavaScript の RegExp と共通の記号です。
正規表現について詳しく説明すると本が書けてしまうので、ここでは割愛。気になる方は検索して調べてください。

③テキストフィールド

文字を入力できる四角い枠は、データベースに限らず『RPGツクールMZ』のあちこちで使われていますが、その操作方法は基本的に同じです。

テキストフィールド上では、次のコンテキストメニューが使えます。

  • [⌃]
    • [切り取り ⌘X] …… 選択中の文字列をカット(コピー + 削除)します。
    • [コピー ⌘C] …… 選択中の文字列をコピーします。
    • [貼り付け ⌘V] …… コピーした文字列があれば選択位置に貼り付けます。
    • [削除 ⌫] …… 選択中の文字列を削除します。
    • [全選択 ⌘A] …… 欄に含まれる文字列をすべて選択します。
    • [元に戻す ⌘Z] …… メモの編集内容を直前のものに戻します。
    • [やり直し ⇧⌘Z] …… [元に戻す]で戻した内容から進ませます。つまり[元に戻す] の[元に戻す] 。
豆知識

<Bad!>1行(シングルライン)のフィールドは、[↩]が押された時に[OK]ボタンが押されたと解釈されます。
そのため、意図せずデータベースウィンドウを閉じることがあるので気をつけてください。

④メモ

テキストフィールドのうち、制作上のメモを書き込む場所で、メモ欄と書かれることが多いです。

基本的にはゲームの実行には影響のないデータですが、スクリプトやプラグインから読むことができるため、実際には大いに影響のあるデータです。

メモに書いたものをスクリプトから読みやすくするのに、メタタグが使われます。
メタタグは <タグ:データ> という書式です。詳しくはそれぞれのプラグインのヘルプをご覧ください。

テキストフィールド用のコンテキストメニュー項目に加え、メモ欄では [プラグインヘルプ]が表示されますので、プラグインで使うメタタグを調べるのに活用できます。

  • [⌃]
    • [プラグインヘルプ... F1] …… <Nice!> プラグインのヘルプを呼び出します。

[スクリプト]イベントコマンドを利用したメタデータの取得方法は 『RPGツクールMZ』[スクリプト]の応用#メタデータを参照。

⑤ファイル選択

データベースでは、画像、音声、エフェクトファイルを選択する場合があります。

その際、ファイル選択ダイアログが使われます。
ファイルリストの上では、次のコンテキストメニューが使えます。

  • [⌃]
    • [検索... ⌘F] …… ファイル名を検索します。
    • [次を検索 ⌘G] …… 直前に指定した検索設定で選択位置より下を検索します。Windowsでは[F3]
    • [前を検索 ⇧⌘G] …… 直前に指定した検索設定で選択位置より上を検索します。Windowsでは[Shift + F3]

ファイル名をダブルクリックすると選択が確定しますが、音声の場合は再生されます。
<Bad!>同じ操作に対する挙動が揃っていないので、操作に戸惑います。とくに音声ファイルで(なし)をダブルクリックした時に何も起きないので、バグかと勘違いさせます。

<New!1.3.0>フォルダは左右の矢印キーで開閉できます。

<Nice!>ファイル名の先頭の文字をキーボードから入力すると、該当するファイル(フォルダおよびフォルダ内のファイルも含めて)が選択されます。
同じキーを続けて押すと、頭の文字が同じファイルが順に選択されます。
この機能を有効に使うためにも、ファイル名は日本語(いわゆる2バイト文字)を使わない方がいいと言えます。
また先頭の文字は、適度にばらつくような名付けが望ましいとも言えます。

アイコン画像に関しては、指定するファイルが固定なので、直接個々のアイコンを選択するダイアログが開きます。

⑥表

データリスト以外の表形式のインタフェース。

表の上では、次のコンテキストメニューが使えます。

  • [⌃]
    • [編集... ↩] …… 選択した項目を編集します。
    • [切り取り ⌘X] …… 選択中の項目をカット(コピー + 削除)します。
    • [コピー ⌘C] …… 選択中の項目をコピーします。
    • [貼り付け ⌘V] …… コピーした項目あれば選択位置に挿入し貼り付けます。
    • [削除 ⌫] …… 選択中の項目を削除します。
    • [全選択 ⌘A] …… 表に含まれる項目をすべて選択します。

多くの表は ⇧キーを押しながら選択することで、複数の項目が選択できます。

<Nice!>[特徴][使用効果]、あるいは[システム1]-[初期パーティ]など意外と多くの表がドラッグでの項目の入れ替えに対応しています。

[システム1]タブの[音楽][効果音]、[システム2]タブの[[SV]攻撃モーション][高度な設定]、[用語]タブの[メッセージ]はドラッグでの項目の入れ替えができません(入れ替える必要もないですが)

豆知識

表のヘッダ部分はドラッグで位置を入れ替えたり幅を調整したりできます。
…あまり役に立つことはありませんが。

確定ボタン

ウィンドウ右下に確定ボタンが並んでいます。

  • [OK]…編集内容を確定してウィンドウを閉じ、メインウィンドウに戻ります。
  • [キャンセル]…前回確定してから後の編集内容を破棄してウィンドウを閉じ、メインウィンドウに戻ります。
  • [適用]…編集内容を確定します。編集を行っていない時はグレーアウトして選択できません。
豆知識

<Bad!>これらのボタン操作を行った後[元へ戻す]ことはできません。
このボタン操作の段階ではプロジェクトファイルが保存されないので、[ファイル]-[プロジェクトを開く]によって前回の保存時点まで戻ることはできます。
逆にいうと[ファイル]-[プロジェクトの保存]が行われるまで、プロジェクトファイルは更新されません。
その状態で『RPGツクールMZ』が停止したり、勝手に終了するといった不良動作が発生すれば、編集したデータは失われます。

[ファイル]-[プロジェクトの保存]のキーボードショートカットは ⌘S です。
長時間の作業が消えてしまう前に、無意識に押す癖をつけましょう!

<Nice!>[OK]ボタンのキーボードショートカットは ⌘↩ です。
これはデータベースウィンドウに限らず共通した操作です。
やたらウィンドウを開く悪癖のある『RPGツクールMZ』では ⌘↩ 連打でウィンドウを閉じる操作を知っているといないとでは、作業効率が大きく違います。
正確に言うと ⌘キーを押しながら ↩キー 連打です。これができれば君も中級ツクラーだ!

ウィンドウの閉じるボタンと [キャンセル]ボタンの機能は同じで、キーボードショットカットは Esc です。
<Bad!>標準的な ⌘W には対応していません。

終わりに

データベースは『RPGツクールMZ』の根幹であり、作業時間のうちでも長く滞在する箇所です。
そこでの操作を効率化できるかどうかは、制作全体の効率に大きく関わってきます。
とりあえず…

  • 深い階層まで開いたウィンドウは ⌘↩ 連打で閉じろ!
  • リストがあれば(高い確率で)検索できるから ⌘F だ!
  • 適当な作業時間ごとにウィンドウを閉じて[プロジェクトの保存] ⌘S だ!

これらを覚えて帰ってもらえれば、このページを読んだ意味があると思います。
ちなみに、イベントエディターや変数・スイッチの選択ウィンドウなども似た作りなので、応用が利きます。

レッツ エンジョイ ツクールライフ!

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