コラム: マップは箱庭だ!
箱庭(miniature garden)というものをご存知でしょうか。
さまざまな土地の風景を小さいサイズで再現した模型の一種です。
小さなサイズといっても、部屋いっぱいの大きな箱庭もあったりします。
鉄道模型の趣味のひとつとして、箱庭にNゲージの鉄道を走らせたりするものを見たことがあるかもしれません。
プラモデルを配置するようなものだと、ジオラマ(diorama)なんて言い方をすることもあります。
家だけか庭までぐらいの範囲だとドールハウス(doll house)ともいって『シルバニアファミリー』が有名ですね。
さらに小さいものではキャラクターとその周囲ていどの大きさのヴィネットというカテゴリもあります。
またレゴのようなブロックは、建物から街まで箱庭を作るのに適したおもちゃです。
おそらくどれかは子供の頃遊んだ記憶があったり、自分自身や知り合いが趣味にしていたりするのではないでしょうか。
ゲームのマップづくりはデジタル箱庭と言っていいものです。
マップ作りだけで十分以上にホビーとして楽しめます。
現在さまざまなゲーム製作環境があり、それぞれに3Dであったり横から見たサイドビューであったり、マップを作る方法が用意されています。
ここでは2D見下ろし型で使いやすい『RPGツクールMZ』をオススメします。
『Photoshop』という写真加工ソフトがありますが、名前の通りに写真加工に使うことはもちろん、イラストや漫画の制作にも使われています。
同じようにRPGツクールだからといって、RPGを作らなければいけないということはありません。
マップだけ作って「完成」と言っても構わないのです。
denkinohitujiさんの作品(『RPGツクールMV』のマップタイルで作られています)
『RPGツクールMZ』の場合、マップさえ作ってしまえば歩行キャラなどは用意してあるので、すぐに作ったマップの中に入って遊べます。
コンテキストメニュー[⌃]-[初期位置の設定 ]-[プレイヤー]で主人公を置いて⌘Rです!
『ドラえもん』のひみつ道具のスモールライトで小さくなって、模型の街で遊ぶエピソードみたいですね。
僕は、将来は盆栽や模型制作などに並ぶ趣味として、デジタル箱庭こと「マップ作り」が一般化するだろうと思っています。
皆さんもゲーム作りだけでなく「マップ作り」そのものを趣味として楽しんでもいいかもしれませんよ。
マップ製作のヘルプ
本体にヘルプがついていますが、さらに情報を加えたマップ製作の際に役立つヘルプ記事を書きました。
あなたのマップ製作のお供としてお役立てください。
- 『RPGツクールMZ』[モード]-[マップ]のヘルプ
- 『RPGツクールMZ』[タイルセット]のヘルプ
- 『RPGツクールMZ』[レイヤー]-[自動]のヘルプ
- 『RPGツクールMZ』オートタイルのヘルプ
- 『RPGツクールMZ』タイルセット規格のヘルプ
- 『RPGツクールMZ』[マップリスト]のヘルプ
- 『RPGツクールMZ』[マップデータの設定]ウィンドウのヘルプ
本体付属のマップのサンプル
『RPGツクールMZ』は豊富なサンプルマップが用意されているので、いちから作る必要がないのも良い点です。
左下のマップリストでコンテキストメニューを開いて[サンプルマップのロード]から追加できます。
こちらはSteamで公開している、サンプルマップを利用した作品です。
マップが目的ではなく、制作したキャラ画像の紹介を目的としたものです。
そのため『RPGツクールMZ』のサンプルマップが、ほとんどそのまま使われています。
ちなみに拙作です。
また、バージョン1.4.0で『RPGツクールMV』と『RPGツクールVXAce』用サンプルマップを『RPGツクールMZ』用に作り直した素材が追加されています。
過去2製品分のマップなので、かなりの量です。
dlcフォルダは[素材管理]-[DLC]ボタンで開けますが、そこで "Map001.json" などを選択しても dataフォルダに追加できません。
dlcフォルダは『RPGツクールMZ』アプリケーション本体があるフォルダにあります(Mac版の場合)
その dlcフォルダの RemakeMapResourcePackフォルダにある "readme_ja.pdf"を参考にして利用してください。
マップデータ集
マップデータ集を作っている人もいて、それらを導入して作りを見てみたり、そのまま改造してみたりするのも楽しいものです。
花姫パパ さん
ハルマキさん
合作(吉良(きよ)、ノラ、カゲトラ)
沼江蛙さん
また、有償・無償で公開されているマップタイルのサンプルとして作られているマップもあり、本体収録素材とは違った雰囲気が楽しめます。
どらぴかさん
アオバトさん
ノラさん
FSM(First Seed Material)さん
マップ作りのその先へ
最初に書いた通り「マップ作りそのもの」で十分楽しいですし、むしろそれ以上を求め出すと大変なばかりで楽しくなくなってくる危険もあります。
とくに「戦闘」を組み入れてゲームらしくするには大量の機能の理解と膨大なデータ入力作業が必要です。
[イベント]と呼ばれるマップの上に配置できる部品を利用して、マップにアニメーションをつけたり、住人を配置したりしてさらにマップのジオラマ感を高めていくことをオススメします。
レッツエンジョイ ツクールライフ!
Discussion