Chapter 21

5. 積と余積

さのたけと
さのたけと
2021.05.05に更新

原文: 5. Products and Coproducts

古代ギリシャのエウリピデスは「人とは,その人の保つ人間関係そのものだ[1]」と語った.我々はその関係性で定義される.このことは圏論に特に当てはまる.もし圏から特定の対象を取り出したければ,その他の対象(および自身)との関係性のパターンを記述することによって初めて可能になる.この関係性は射によって定義される.

圏論では普遍的構成 (universal construction) という,対象をその関係性で定義するための構成方法をよく用いる.一つのやり方としては,対象と射から構成される特定の形状であるパターンを取り上げ,圏論でのその全ての出現傾向をみることだ.もしそれが十分に共通なパターンであり,また圏が大きければ,そのパターンに当てはまる事象を見つける機会は多くなる.発見したそれらの事象の間になんらかの順序付けをし,パターンに一番良く当てはまると思われるものを取り出す,というやり方である.

この過程はweb検索と似ている.クエリはパターンに対応する.一般的過ぎるクエリはたくさんの検索結果を返すので,再現率 (recall) が増える.検索結果のいくつかは欲しい結果で,その他はそうでないものだ.後者を除外するためにはクエリを詳細にする.これによって適合率 (precision) が増える.最後に検索エンジンが検索結果に順序付け,願わくば興味のある結果が上位に表示される.

(和訳:@dshin)

脚注
  1. 訳注:Every man is like the company he is wont to keep. ↩︎