はじめに
この度は、本書に興味をお持ちいただきありがとうございます。会話AI構築サービス「mebo(ミーボ)」を開発しています、maKunugiです。Generative AI(生成AI)と呼ばれる、AIによる生成技術が飛躍的に精度向上し、大注目を浴びています。画像・動画、音楽など、今までは主に人間の手によって生成されていたアウトプットを、AIが高い精度で生み出せるようになってきています。そしてついに、自然言語処理領域においてもGenerative AIが明確に台頭してきました。「ChatGPT」の登場はその象徴であり、社会に大きなインパクトを与えているのは、言うまでもありません。
本書は、そんなGenerative AIが席巻する時代における、チャットボットの構築方法について書いた本です。チャットボット構築において、今までは人間の手によってセリフを登録し、AIが決められたシナリオに沿って会話を行う方法が一般的でした。Generative AIの普及はこの従来の方法にも大きな変化をもたらします。その大きな変化は、今までのチャットボットにはできなかった、多様でより自然な会話を可能にし、ユーザーにより優れたUXを提供すると考えられます。本書では、そんなGenerative AI時代の新しいチャットボット構築について理解を深めるための本です。Generative AIがチャットボットにもたらす大きな恩恵や、新たに発生するであろう課題を整理しつつ、実際に「次世代型」のチャットボットを構築していきます。
本書の対象読者
本書は、以下のような方を対象としています。
- チャットボットの作成に興味をお持ちの方
- ChatGPTのような言語モデルを利用したチャットボットを作成したい方
- 今後のチャットボット業界の動向に興味がある方
必要な事前知識
本書は一部を除き、プログラミング不要でチャットボットが構築できる内容となっています。事前の専門知識も不要で読み進められます。一部、APIを利用するための「APIキーの取得」などの作業が必要になります。
注意事項
Generative AIの領域は、今目まぐるしいスピードで進化しています。しかし、まだまだ課題が多いのも事実です。ChatGPTも自然な会話ができることで大注目を浴びていますが、「あたかも本当かのように、嘘の事実を語ってしまう」といったような課題が多いのもまた事実です。課題については後のチャプターで再度整理します。また、法律の解釈が難しかったりと、まだまだ事例が少なく、扱いづらい点も多々あります。そんな黎明期の技術であることをご理解いただきつつ、その大きなポテンシャルについて思いを馳せていただけると幸いです。
連絡先
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