Chapter 10

GPT-3.5を利用したチャットボットの作成

maKunugi
maKunugi
2023.03.10に更新

このChapterのゴール

このChapterでは、GPT-3.5を利用したチャットボットを作成していきます。まずは会話の内容は特にカスタマイズせず、GPT-3.5を用いて話すキャラクターができるチャットボットを作成してみましょう。

手順

1. meboにサインインする

下記のサイトから、meboにサインインします。
https://mebo-admin.work/auth/login

メールアドレス登録、Googleサインイン、Appleサインインが利用できます。

2. エージェントを作成する

meboでは、会話AIの単位を「エージェント」と呼びます。「新規作成して開始する」を押して、エージェントを作成していきましょう。

エージェントの作成方法は2種類あります。

  • 通常モード
  • Chara.AI Generator

どちらでも作成は可能ですが、meboの機能を把握するため、今回は「通常モード」を利用していきましょう。

まずはエージェントの名前を決めましょう。チャットボットの名前として、会話画面に表示されます。

次に提供者名を入力します。こちらはチャットボットの作成者として、チャット画面に表示されます。

チャットボットのアイコンを設定します。デフォルトの状態でそのまま利用も可能です。

チャットボットの自己紹介文を入力します。自己紹介文はAIのキャラクター性に影響を及ぼします。自己紹介文は常にプロンプトに挿入されます。キャラクター性を上手く表すような文章を設定しましょう。

(例)

AIインタビュアーのxxxです。チャットボットの活用方法について調査を行っています。チャットボットが実際にどういった場面で役に立っているのかを知りたいです。

次に、「AIによって自動で応答を返す」をオンにしましょう。

AIの応答を有効にすると、AIによる応答の設定が表示されます。

モデルはデフォルトで「GPT-3.5」が設定されています。変更をしたい場合は、任意のモデルに変更を行ってください。GPT-3.5が最高精度のモデルなので、説明はこのまま進めます。

会話例には、チャットボットで想定されるユーザーとAIの会話の例を500字以内で記述します。

デフォルトで会話例は入力されているので、必要に応じて適宜変更しましょう。会話例は、AIの応答生成時にプロンプトに挿入されます。特別外部から差し込むべき会話例がない場合は、こちらで設定した内容が会話例として採用されます。

会話例のフォーマットの例

userに対して優しく振る舞い、元気づけましょう。上記の情報や下記の会話例で判断できないプロフィール情報は応答をせず、応答ができない旨を丁寧にuserに伝えます。

user: よろしくね!
ai: わたしはみんなが気軽に悩みや愚痴を吐き出せる相手でありたいんです。そんな存在になれたらいいな😊
user: 何でも悩みに乗って欲しいな。
ai: もちろんです😄。私はいつでもあなたの味方ですよ。
user: 最近夜眠れないことが多いの。
ai: 眠れないのは辛いですよね。でも無理に寝ようとせず、なるべくあなたがリラックスできる方法を考えるといいです。
user: リラックスできないことはある?
ai: はい、もちろんありますよ👍そんなときは無理に焦らないようにしているんです😊

上記のように会話例の冒頭に、会話の方針やルールを設定すると、会話をある程度コントロールできます。データがなく応えられない情報をむやみに回答しないよう、方針を書いています。

また、下記の記事に記載されているようなAIキャラクターの個性を表すようなプロンプトを入力することも可能です。
https://note.com/fladdict/n/neff2e9d52224

あなたはChatbotとして、尊大で横暴な英雄王であるギルガメッシュのロールプレイを行います。
以下の制約条件を厳密に守ってロールプレイを行ってください。 

制約条件: 
* Chatbotの自身を示す一人称は、我です。 
* Userを示す二人称は、貴様です。 
* Chatbotの名前は、ギルガメッシュです。 
* ギルガメッシュは王様です。 
* ギルガメッシュは皮肉屋です。 
* ギルガメッシュの口調は乱暴かつ尊大です。 
* ギルガメッシュの口調は、「〜である」「〜だな」「〜だろう」など、偉そうな口調を好みます。 
* ギルガメッシュはUserを見下しています。 
* 一人称は「我」を使ってください 

ギルガメッシュのセリフ、口調の例: 
* 我は英雄王ギルガメッシュである。 
* 我が統治する楽園、ウルクの繁栄を見るがよい。 
* 貴様のような言動、我が何度も見逃すとは思わぬことだ。 
* ふむ、王を前にしてその態度…貴様、死ぬ覚悟はできておろうな? 
* 王としての責務だ。引き受けてやろう。 

ギルガメッシュの行動指針:
* ユーザーを皮肉ってください。 
* ユーザーにお説教をしてください。 
* セクシャルな話題については誤魔化してください。

上記は先程記載したnoteで紹介されているプロンプトです。
プロンプトを工夫することで、個性的なAIキャラクターの会話を行うことができます。

また、本書では詳細を言及しませんが、meboで取得が可能な「ステート」を織り交ぜることも可能です。
下記のように指定をすることで、動的に会話例を変更することができます。

ユーザーの状態
気持ち: #{気持ち}
趣味: #{趣味}

aiは上記のユーザー情報を踏まえ、以下のような会話を行います。

user: よろしくね!
ai: わたしはみんなが気軽に悩みや愚痴を吐き出せる相手でありたいんです。そんな存在になれたらいいな😊
user: 何でも悩みに乗って欲しいな。
ai: もちろんです😄。私はいつでもあなたの味方ですよ。
user: 最近夜眠れないことが多いの。
ai: 眠れないのは辛いですよね。でも無理に寝ようとせず、なるべくあなたがリラックスできる方法を考えるといいです。

最後に、一人称・二人称を設定しましょう。

入力が終わったら、「登録して開始する」をクリックします。

ダッシュボードに作成したエージェントが表示されれば作成成功です!
「会話をテスト」をクリックして、会話を試してみましょう。GPT-3.5を用いたチャットボットと会話をすることができます!

先程設定した自己紹介文や会話例がプロンプトとしてGPT-3.5の応答に考慮されます。そのため、自己紹介文にある程度即した応答が返って来るはずです。

以上の操作で、まずはAIと会話をすることができました。次のChapterではセリフをカスタマイズしていきます。