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Encraftという勉強会ブランドの立ち上げと振り返り

2023/12/28に公開

こんにちは、よしこです。

2023年春、弊社 ナレッジワーク にて Encraft という勉強会シリーズを立ち上げました。
立ち上げから10ヶ月、うまく軌道に乗せられた実感があるので、ここまで何をしてきたかを振り返ろうと思います。

2023年のEncraft開催履歴

No テーマ 登録
総数
寄付先OSS
#1 フロントエンド × 設計 102名 寄付施策未実施
#2 サーバーとクライアントを結ぶ技術 136名 Prettier
#3 エンジニアイネーブルメント - 共有・育成・評価・効率化 - 82名 neovim
#4 React/Next.js 最前線 893名 React Hook Form
#5 Go1.21+ 最前線 399名 GoToSocial
#6 Focus on UI Component 実装 488名 Storybook
#7 AppDev with Google Cloud 196名 Bazel Rules Authors SIG
#8 Engineers Career 163名 Floating UI
#9 QA Enablement - Practical Test Design - 303名 typescript-eslint

3月〜11月の期間で、月に1度の開催ペースで開催してきました。
毎回社外からゲスト登壇者の方々をお招きしており、どの回もとても好評でした!ご登壇いただいた皆様、本当にありがとうございました。

立ち上げ経緯

2月頃に、社内のHRメンバーから「エンジニア向けの勉強会イベントをやりたい」という相談がありました。
HR側では(エンジニアの勉強会文化への馴染みがなかったこともあり)単発の小規模座談会的なイメージをしていたようですが、コロナ禍前からのエンジニア勉強会スタイルが完全に脳内インストールされていた私は、その一言で完全に立ち上げ自動運転モードに入ってしまいました。

元々その前から、勉強会文化がコロナ禍で一度失われてしまったことを寂しく感じていました。
そろそろまたそういう場の機会が欲しいな…と別の場で社外のWebの先輩と話していたところ「今度はyoshikoが作る側になるんだよ」と言われ、確かになぁと思っていたタイミングだったので、自分が何をするべきかの具体的なイメージは自分の中でハッキリ見えていました。

今振り返って思うのは、使命感があったり具体的な開催形態のイメージがついていたりと必要な条件は整っていても、自動運転モードのスイッチを深く押せるのは自分じゃなくて他の人だったりするんですよね。イベントをやりたいという社内での相談がなかったらこんなに短期間で走り出せていなかったので、私に相談を持ちかけてくれたHRの方はめちゃくちゃ重要なアクションをしてくださったなと思っています。

立ち上げ時にやったこと

名付け

せっかくやるのであれば単発ではなくシリーズものにしたい。それも、「あの勉強会のシリーズなら行こうかな」と思ってもらえるような勉強会ブランドにしたい。と思いました。

ブランディングにおいて、まずは命名が最重要だと思ったので、社内からキーワードを募集しました。

単語ブレスト

一通り集めたらFigjamで黙々とこねくり回してみる

めでたく決定!

Enablementは事業領域、Craftsmanshipは行動指針から来ています。
ナレッジワークらしい、とてもよい名付けができたと思います!
案内スライドでは以下のように紹介しています。

開催を重ねるごとに社外の方々にもEncraftという名前が浸透していっている実感があり、こだわってよかったなと思いました。

カバー画像

拡散時の顔となるカバー画像はカッコいいものにしたいなと思いつつデザインチームに依頼したところ、なんと複数名でのコンペ形式でやってくれることに。

デザイナー4名が個性豊かな案を作ってくれました!


A案




B案


C案


D案

とても悩んだのですが、一番ナレッジワーク感が出ていると感じたC案に決定しました!今やお馴染みのカバー画像ですね。
息抜きタスク的な感じで、みんなで楽しく作ってくれたのがとても嬉しかったです。

オペレーション構築

ブランドの種はできあがりましたが、実際に会を開催するには沢山のオペレーションが必要です。
初回開催のために手探りで組み立てたオペレーションを、2回目以降は誰でも悩まずできるようにしたいと思い、タスクリストとハンドブックという形で型化しました。


タスクリスト。右端の開催日から逆算でいつまでに何をすべきかがわかる


Encraft開催ハンドブックより一部抜粋。タスクリストにある項目ごとに、何をすればいいかの記載がある

この型化のおかげでオペレーションも企画も手離れが良くなり、開催を重ねても質の担保と改善サイクルを回せるようになってとてもよかったと思います。

回を重ねる中での進化

オフライン・オンラインのハイブリッド開催

初回はオフラインのみで20名の枠だったのですが、100名を超える申し込みをいただき、倍率がとても高くなってしまいました。参加したいが遠方で参加できないという声も聞こえてきました。
とはいえオンラインとのハイブリッド開催って考えること増えてハードル高そう…と及び腰だったのですが、社内の tenntenn さんが配信の知見をお持ちでぐいぐいと推進してくださり、さっそく#2からYouTube Live併用でのハイブリッド開催をすることができました!
そこから一気にリーチできる範囲も広がった実感があり、とても感謝です。

Triple-Win アンケート

元々ナレッジワークではBiz側で、ウェビナー開催後の満足度アンケートにご協力いただけた場合、「子どもの貧困に、 本質的解決を。」をミッションに掲げる認定NPO法人 Learning For All様へ回答1件につきナレッジワークから1000円の寄付をするという取り組みをおこなっていました。(寄付先は違いますがSalesforce様が同様の活動をされており、そちらをモデルにしたようです)

その話を社内で聞いたとき、これはwin-winを超えて三方良しのめちゃめちゃ良い施策だなと思い、Encraftでも取り入れられないかなと思いました。
エンジニアで寄付といえば、OSSには寄付やスポンサーに支えられているプロジェクトがたくさんあります。ナレッジワークもたくさんのOSSの力を借りて開発されています。まだ自社事業としては投資をしていただいている段階なので、そのお金を直接寄付していくことは難しいですが、上記の施策を当てはめることで微力ながらOSSへの寄付をおこなっていけそうだなと思ったので、Triple-Win アンケートという名前をつけて実施を始めました。

#2からこの形式でアンケートと寄付を始めており、現在まで続いています。普段利用しているOSSにも寄付できる機会が生まれ、嬉しく思っています!

名札やカバー画像の生成ツール

Encraftでは毎回、参加者の方々の名札を用意しています。
エンジニア同士だとネット上のアイコンやID名はわかるけど顔はわからない、ということが頻発するため、名札があると交流が一気にスムーズになります。ここはこだわりを持って初回から実施していました。


初回の受付の様子

最初は20名だったのでFigma上での作成もできたのですが、毎回手作業で作るのは大変なので、途中から自動で作れるように社内ツールを整備しました。


参加者用(Connpass URLから自動生成)


スタッフ用

上記は社内ツールなので社外公開はしていませんが、同じようにConnpass URLから名札用のPDFを生成できるツールをだいぶ昔に公開していて今もまだ使えますので、よければ使ってみてください。

https://yoshiko-pg.github.io/your-name/

2023年の成果

多くの勉強会がそうであるように、Encraftも短期の成果を求めたイベントではなく「技術コミュニティへの機会や知見の還元」と「長期的な技術ブランディング」を目的にしています。そのため短期的な費用対効果を測ることはせず、長期的な視点で見ています。
それでも、始めてみたら期せずして短期的な目に見える成果も得ることができました。

ひとつ目はConnpassグループの登録者数の急増です。ナレッジワークのConnpassグループは今年の2月に作成されたのですが、1年足らずで2000人を超える登録者数へと成長させることができました。

このグループではEncraft以外のイベントも開催しているので、全てのイベントを総合した成果ではありますが、過去の自社イベントに登録してくださった方々の規模があらわれている定量的な数字ですし、今後Encraftやそれ以外のイベントを開催する際にも多くの方へ情報をお届けすることができるので、とても嬉しいですね。

ふたつ目は企業認知です。現在主軸としているプロダクトはドメインがセールスイネーブルメントなので、職種が隣接せず、エンジニアに向けた認知を取りづらい実感がありました。そうした背景から今までナレッジワークという企業やプロダクトを知らなかった方々にも、Encraftを通じてナレッジワークのことを知っていただくことができました。
実際に今年は開発職の候補者様とのカジュアル面談やメールのやりとりの中で、ナレッジワークの印象に関してEncraftの名前を挙げていただけることがしばしばありました!
創業時から技術を大切にしている企業であることを社外にも伝えられる土壌を作れてよかったなと思います。

最後は採用です。Encraftへのご参加をきっかけとしたご縁から、内定承諾いただけたバックエンドエンジニアの方がいます!繰り返しになりますが短期の成果を目的とした取り組みではなかったので、これは大変嬉しいサプライズでした。年明けから一緒にお仕事できるのがとても楽しみです!

長期目線とはいえ毎回少なくない時間と費用をあてて開催しているので、立ち上げて運営してきた身としては、自分含む複数社員の時間を使いながらこのまま高頻度で続けていって大丈夫かな?と勝手に不安になる瞬間もあったのですが、年内に上記のような定量的な数字や定性的な実感やすばらしいご縁に繋がったことで、スタートアップ企業の事業活動としても合理性があるなと自分の中での不安を払拭することができました。

もちろん上記の有無に関わらず長期的に続けていくつもりではありましたが、初年度から目に見える成果があったことで、より確信を込めて活動していけるようになったと思います!

2024年以降の展望

来年以降はEncraftの運営主体をhidekさん・tenntennさん含むEnablement Groupに担っていただくこととなりました。きっとさらなる進化を遂げていくと思うので、楽しみです! そのうちカンファレンスのような特別な回もやれたらいいですね!


企業主催勉強会の立ち上げ・運営ノウハウはなかなか表に出てくる機会がないので、何か参考になれることがあればと思い、立ち上げからの振り返りを公開してみました。
一度は途絶え、今も色々な難しさとぶつかっている勉強会文化ですが、こういった場でしか得られない経験や知見があると思っています。Encraftもそういった場を提供し続けていきたいです。

この記事では主に立ち上げ時の動きにフォーカスして振り返りましたが、立ち上げ後に開催を継続・改善していくノウハウについてはtenntennさんが記事を書かれているので、ぜひこちらもご覧ください!

https://zenn.dev/knowledgework/articles/c8892985e07d26#

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株式会社ナレッジワーク

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