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Botter自主ゼミノート 2.8 正規型確率過程

2022/11/28に公開

やること

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を読んで、確率微分方程式による最適化問題を解けるようになることです。

これまでのBotter自主ゼミノート

Botter自主ゼミノート 1.2 確定システムの制御の回顧
Botter自主ゼミノート 2.1 確率過程とは?, 2.2 確率過程の数学的表現
Botter自主ゼミノート 1.2 数式導出
Botter自主ゼミノート 2.3 確率モーメント
Botter自主ゼミノート 2.4 確率過程の分類
Botter自主ゼミノート 2.5 エルゴード性
Botter自主ゼミノート 2.6 確率過程の周波数表現
Botter自主ゼミノート 2.7 マルコフ過程

2.8 正規型確率過程

正規型確率変数の定義

スカラー確率変数\{z(\omega), \omega \in \Omega\}に対して、その確率密度関数p(z)が以下のように指数関数で与えられるとき、その確率変数を正規型あるいはガウス型 (normal, Gaussian) 確率変数と呼びます。

p(z) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma_z} \exp \left\{ - \frac{(z-m_z)^2}{2 \sigma_z^2} \right\} \quad (-\infty < z < \infty) \tag{2.48}

ただし、m_z = \mathcal{E}\{z(\omega)\}, \sigma_m^2 = \mathcal{E}\{[z(\omega) - m_z]^2\}です。

正規型確率変数とその特性関数

確率密度関数p(z)をフーリエ変換したスカラー量\varphi(\mu)を、正規型確率変数に対する特性関数 (characteristic function) と呼ぶ。(\muは2.5節で説明されたフーリエ変数)

\begin{aligned} \varphi_z(\mu) &= \int_{-\infty}^{\infty} \exp \{ j\mu z \}p(z) dz \\ &= \mathcal{E}\{ \exp \{ j\mu z\} \} \quad (j = \sqrt{-1}) \\ &= \exp \left\{ j\mu m_z - \frac{1}{2} \mu^2 \sigma_z^2 \right\} \tag{2.49} \end{aligned}

正規型確率過程

\{x(t), t\in T\}をスカラー確率過程とするとき、任意の\{t_1, t_2 \cdots, t_N\} \subset Tに対して、N個の確率変数x(t_1), \cdots, x(t_N)の同時確率密度仮数が以下の式で与えられるとき、x(t)は結合正規分布する (jointly normally distributed) といい、これを正規型確率過程 (Gausiaan stochastic process) という。

p(t_1, x_1; \cdots; t_N, x_N) = (2\pi)^{-\frac{N}{2}} |R|^{-\frac{1}{2}} \exp \left\{ \frac{1}{2} (x-m)^T R^{-1} (x-m) \right\} \tag{2.50}

ただし、各種の変数は以下のように定められるものとします。

\begin{aligned} x &= [x_1, \cdots, x_N]^T \\ m &= [m(t_1),\cdots,m(t_N)]^T = [\mathcal{E}\{x(t_1)\}, \cdots, \mathcal{E}\{x(t_N)\}]^T \end{aligned}

さらに、RN \times Nマトリクスで、その要素R_{ki}は以下のような値とします。また、|R|Rの行列式とします。

R_{ki} = \mathcal{E}\{[x(t_k) - m(t_k)] \cdot [x(t_i)-m(t_i)]\}

このとき、p(t_1, x_1; \cdots; t_N, x_N)の特性関数\varphi(t_1, \mu_1; \cdots; t_N, \mu_N)は以下のように与えられます。

\varphi(t_1, \mu_1; \cdots; t_N, \mu_N) = \exp\left\{ j\mu^T m - \frac{1}{2}\mu^T R \mu \right\} \tag{2.51}

ただし、\mu := [\mu_1, \cdots, \mu_N]^Tとします。

n次元ベクトル正規型確率過程

n次元ベクトル正規型確率過程\{x(t)\}の(1次の結合)確率密度関数p(t, x)は、次のように与えられます。

p(t, x) = (2\pi)^{-\frac{n}{2}} |P(t)|^{-\frac{1}{2}} \cdot \exp \left\{-\frac{1}{2} [x-m(t)]^T P^{-1}(t) [x-m(t)] \right\} \tag{2.52}

ただし、各種の変数は以下のように定められるものとします。

\begin{aligned} x &= [x_1, \cdots, x_n]^T \\ m &=[\mathcal{E}\{x_1(t)\},\cdots, \mathcal{E}\{x_N(t)\}]^T \\ P(t) &= \mathcal{E}\{[x(t) - m(t)][x(t) - m(t)]^T\} \end{aligned}

p(t,x)の特性関数は、式(2.51)に対応して以下のように与えられます。

\varphi(t,\mu) = \exp \left\{ j\mu^T m(t) - \frac{1}{2}\mu^T P(t)\mu \right\} \tag{2.53}

式(2.49)から式(2.53)からわかるとおり、正規型確率変数と正規型確率過程は、一次と二次の確率モーメントだけで、その密度関数と特性関数を記述することができます。この性質が後々役立ちます。

Discussion