en_USで頑張るArch Linux日記 1日目:インストール
en_USで頑張るArch Linux日記のつづきです。
1日目の今日はインストールをやります。
とか言っておきながら申し訳ないんですが、hyprdot作者であるML4Wさんご本人の動画があるので、これを見るのがおすすめです。
リアルPCへのインストールではなく、VM向けのインストール動画(かつ英語)ですが、これをトレースしていけば30分くらいでインストールは完了すると思います。
ですが、Arch Linuxを始めてインストールする人、Arch系の動画を観るの初めてという人にとっては、一発でインストールを終わらせるのは厳しいかもしれません。
下の方にArch系のインストール動画を見るときのポイントをまとめましたので、動画を見る前にでもご一読いただければと思います。
ここで終わると流石に申し訳ないので、ハマりそうなところをいくつか挙げます。
loadkeys de
1. 動画ではisoを起動した後にこのコマンドを入力してキーボードを"de"配列に変更しています。
筆者は"us"配列なのでこの操作を飛ばしました。
"jis"の人はどうなんでしょうか。
動画を見る限りでは、この先も特殊文字を入力することはないので"jis"配列の人も"us"のままでいい気がします。
自信ありませんが、"jis"の人もとりあえずインストール中はアルファベットと数字だけしか入力しないようにして、すべてインストールが終わったあとで"jis"にすればよさそうです。
2. Locale
動画ではドイツ語に変更していますが、'en_US'で行くと覚悟を決めた我々にはもはや不要な作業です。
Locale項目にはいくつかサブメニューがありますが、すべてデフォルトのままでOKです。
3. Mirror Region
日本在住ならここはJapan
一択でしょう。
ちなみにメニュー項目は、vimと同様に/
で検索できます。
4. Root Password と User Account
Archに限らず、Rootのパスワードを空にするとあとあと面倒なので必須と考えたほうが無難です。
なので必ずなにか入れておきましょう。
ひとつ下のUser Account
では一般ユーザを追加します。自分用のユーザならsudo
したいはずなので、
Should "USER" be a superuser (sudo)?
と聞かれたらYes
と答えます。
これでvisudo
とかせずとも、いきなりsudo
を使えるようになります。
5. "Would you like to chroot ..."
autoinstallが最後に聞いてくる
Would you like to chroot into the newly created installation and perform post-installation configuration?
のところは、ここまで動画の通りにやってきたなら、ここも動画の通り"No"でいいと思います。
筆者は"Yes"を試していませんが、おそらくこれは他に必要なデバイスドライバやアプリをリブート前にインストールしておきたいときに使うものかと[1]。
6. 初回のログイン
archinstallでの設定が一通り終わった後リブートすると、GUIのログイン画面になります。
動画ではここでデフォルトの"Hyprland (uwsm-managed)"から"Hyprland"に変更してログインしています。われわれも忘れずに必ず"Hyprland"を選択しておきます。
筆者はこれを忘れてログインできず、コンセントを引き抜く羽目になったので注意したほうがいいでしょう。
vim hyprland.conf
7. 動画ではログイン後にこのコマンドでhyprlandの設定ファイルを直接変更しています。
変更内容はキーボード設定を"us"から"de"に変えているだけですが、ここで不用意に他の部分を変更するとちょっと危険です。
画面上部の黄色枠に書かれていますが、hyprlandはこのファイルを監視していて変更があれば即反映するからです。
普段Vimを使っている人は問題ないですが、最近はnanoしか知らない人も増えてきました。ですが、この段階のArchにnanoはありません。ここでpacman -S nano
すればnanoは入りますが、それが適切な手段には思えません。
もしVimの操作に自信がないなら、このファイル変更作業自体を飛ばすほうがより安全な気がします。
こんなところでしょうか。
動画をトレースして、うまく起動する環境ができたなら優勝です。
おめでとうございます。
動画の終盤では基本的な使い方やテーマの変え方をデモしてくれているので、Hyprlandが初めての人には参考になるかと思います。
さて、次の2日目からは筆者なりの設定例を紹介していきたいと思います。
ご興味があれば参考にしてください。 →2日目
Arch系のインストール動画を見るときのポイント
他のディストロに比べるとArch Linuxのインストールは難易度が高いかもです。
今回はarchinstallという簡単インストーラーを使うので、メニューを選ぶだけでインストール作業は終わります。プロンプトにコマンドを入力するようなテクニカルな操作は一切ありません。それでもやはりArchというディストロの特性を知っておかないと、せっかくインストールしても起動しないかもしれません。
インストーラーの最終画面でリブートしたら起動するっしょ、フツー
最近のUbuntuではそうかもしれませんが、Archではそうならないことも多いのです。
以下はできるだけ成功率を上げるためのリストです。
- できるだけ飛ばし見しない
- まずは、動画と同じisoファイルとhyprdotのバージョンの組み合わせでやってみる
- 動画と同じロケールを使う
飛ばし見しないのは当然としても、後の2つを実践している人はあまりいないのではないでしょうか。それはこの2つは暗にインストール作業が1回で終わらないことを意味するからです。
つまり、初回のインストールは動画の操作を可能な限り手元で再現することを目指し、2回目で自分が普段使いたいロケールやパーティション設定でやってみる。これが成功率を上げる方法です。
手慣れている人は、もっと慎重に複数回に分けて徐々に設定を変えていくかもしれません。
重要なことは、最初から1回で終わることを想定していない、ということです。
こんな話をすると断念する人が増えるかもしれませんが、大切なことなのでもう少し話します。
他のメジャーなディストロと違う部分は2つあります。
1. 更新頻度
インストールに使うarchinstall
はArchのLive isoに含まれていますが、Arch Linuxはローリングリリースなので、Ubuntuよりも頻繁に更新されます。
しかし、Archが更新されるたびに動画を作ってくれるYouTuberはおそらく一人もいないでしょう。
そのため、最新のisoファイルと数日前にアップロードされた動画でも同じメニュー表示にならないことが起こり得ます。
archinstallの設定項目が増えたり、名前やメニュー階層が変わったり、ひょっとするとデフォルト値が変わったりすることで、動画の手順をそのまま再現できなくなる可能性があるのです。
2. サポートとユーザ数
企業と多数のユーザにサポートされているUbuntuやCentOSと違い、Arch Linuxのサポート体制はそこまで手厚くはありません。
日本でArchが流行っているとはいえ、休日を潰してja_JP
のテストを網羅的にやってくれる人がどれだけいるでしょうか。
さらに、今回使うhyprdotの作者も日本人ではなくドイツの人で、私達と同じくHyprlandユーザの一人に過ぎません。
たとえインストール後にロケールを日本語に変更してGUIダイアログの日本語メッセージが見切れていたとしてもアンラッキーなだけで、作者からすれば普通のことなのです。
Archは入れるのは試行錯誤が必要かもしれませんが、一旦入れてしまうと離れられない魅力があります。
そのためなら日本語入力すら必要ない、筆者はそう考えました[2]。
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