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多色刷りでBambuLab H2DとX1Cを比較する

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背景

H2DとX1C、比較記事3つ目、これで最後となります。
H2Dはデュアルノズルになりました。
X1Cより早くなった多色刷りや、細かな違いを紹介していこうと思います。

比較には、φ50、t6mmのモデルを使用します。

高さ方向で色切り替え

これはほぼ変わらないのではと思いながら見てみます。
高さ3mmのところで色切り替えを行います。

スライスデータ比較


X1C


H2D

モデルの造形時間自体はH2Dのほうが早いですね。
総フィラメント消費量はH2Dのほうが少ないです。
H2Dのほうが準備に時間がかかる分、トータルの時間は長めなのが意外でした。
色切り替え時のノズル温めでかかってるのでしょうか。
タイムラプスは使っていないため、準備時間欄の8sが気になります...。

印刷物比較


左 X1C、右 H2D

印刷物自体はどちらも変わらないクオリティです。

poop比較


左 X1C、右 H2D

poopも比較してみます。
X1Cが1.09gに対し、H2Dは1.24gです。
H2Dのほうが多いですね。ノズル2つ分だからでしょうか。

まとめ

X1C H2D
時間 19m5s 20m3s
総消費量 8.50g 7.40g
クオリティ
poop(実測) 1.09g 1.24g

水平方向で色切り替え

横半分で色を変え、毎レイヤー色切り替えを発生させます。

スライスデータ比較


X1C


H2D

こんな単純モデルですが、H2Dの印刷時間は、X1Cの1/2となりました。
フィラメント交換回数0がかなり効いた結果ですね。

モデルは印刷物、フラッシュは色切り替え時のゴミ、タワーも色切り替え時の捨て印刷の部分です。

モデル欄は、H2Dは直感的で半々の量ですが、X1Cでは、微妙に黒が多いです。
フラッシュ欄は、H2Dには存在していません。X1Cではモデルの量よりも多いです。えぐい。
タワー欄はH2Dの方がX1Cに比べて1.5倍弱あります。
タワーの役割は、公式X曰く、ノズル内の残料の排出先、ノズルの先端の掃除、です。
パスを見た限りでは、H2Dはデュアルノズルのため、印刷前と印刷後のノズル掃除が、2倍になっているように見えました。
各レイヤーで、「青ノズルの印刷終了→青ノズル後掃除→黒ノズル印刷前掃除→黒ノズル開始」が発生するイメージです。
X1Cのパスを見ると、poopで排出するためか、「2番目の青ノズル後掃除」をあまり行っていないようでした。

また、一番下では、単一ノズルと比べて12gの節約、と出ていますね。
フィラメント1kgのうちの1%くらいを無駄にしてる計算ですので、長い目で見ると効いてきます。

印刷物比較


左 X1C、右 H2D


X1Cの印刷物

印刷物自体はどちらも変わらなく見えるかと思いますが、よくX1Cの印刷物を見ると細かいゴミや微妙な失敗が見受けられます。
これ、私の場合は、多色刷りする際に本当に気になっています…。


https://booth.pm/ja/items/5656371
私の著作物である「らいとん機構チャーム」を例とすると、顔や手にゴミが混じっています。
こちらはサンプル品で、実際の頒布物はもう少し綺麗ですが…無くせるなら無くしたいところです。
X1Cでは、フラッシュ量を限界まで高めても綺麗にできない部分はありました。
H2Dの印刷物にはゴミが混じっていないので、品質改善が期待できそうです。

poop比較


左 X1C、右 H2D

poopの量は言わずもがなです。
X1Cが12.01gに対し、H2Dは0.87gと、H2DはX1Cに比べて圧倒的に少ないです。
X1Cでは、poop受け段ボールを棚の下に配置せざるを得ない状態でしたが、H2Dは今のところ段ボールを配置せずに済み、[H2D排泄物シュート])https://makerworld.com/ja/models/1265042-h2d-poop-chute#profileId-1290572)の薄く長いもので対応できています。

スライサーでは12g節約の予想で、結果は約11g節約となりました。ほぼ予想通りですね。
色塗り時、ゴミを抑えるため、層の方向で分かれるよう気にして塗っていましたが、今後はある程度気にせず済みそうです。


左 X1C、右 H2D


左 X1C、右 H2D

プライムタワーは、約2gくらいの差でH2Dのほうが多いです。
poopに比べると些事ですね。

まとめ

X1C H2D
時間 1h2m 27m36s
総消費量 19.85g 10.33g
クオリティ ○?△?
poop(実測) 12.01g 0.87g

フィラメントグループ化 について

H2Dでのスライス時は、フィラメントグループ化という項目が出てきます。

これは、印刷に使う色のフィラメントを、左右どちらのノズルに振り分けるかを指示する項目です。
この項目の下側にある「フィラメントの再グループ化」をクリックすると、細かく振り分けを設定できます。
自動モードでは、一番poopが少なくなる振り分けや、今セットされている状況に応じた振り分けを行えます。
それ以外の場合は、カスタムモードで、手動でセットします。
基本自動モードで良い気がしますが、サポート材だけ別の材料にしたいなどの場合はカスタムが活きるかと思います。

H2DとAMSのコンボでは1つしかAMSはついてきませんが、H2D自体は左右両方にAMSを取り付けることができます。
デュアルノズルによる多色刷りの恩恵を最大限受けたい場合は、AMSがもう一つあるとよさそうです。

おしまい。
デュアルノズルの恩恵、めちゃくちゃ大きいですね。
今後は大量のpoopを捨てる心苦しさから解放されそうで嬉しいです。

次回はBambuLab結局どれがいいのかの記事を書こうと思います。

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