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三頭身RPG・ロングあとがき序文

2023/06/23に公開

ゲーム開発

旧RPGアツマール、ゲームアツマールが2023年6月28日(水)をもってサービス終了ということです。
ゲームアツマール(以後アツマール)はゲーム制作ツール『RPGツクールMV』(以後MV)で作られたゲームをアップロードしブラウザで遊べる、いわばゲームのYoutube(というかドワンゴのサービスで字幕も流れるんでゲームのニコニコ動画)です。
詳細はゲームアツマール - Wikipediaをご覧ください。

僕もMVを2016年に買って2018投稿をはじめ、今年(2023年)の4月にやっとアツマールで毎週更新で一年連載を続けた長編RPGを完結するに至ったので、アツマール終了を機会にゲームについて語ることにしました。
アツマール終了がきっかけで語りますが、あまりアツマールの事は話題に出ないと思いますのでご了承ください。

実は、自分でゲーム実況をして振り返ろうとしたのですが、ゲームと配信にパソコンのスペックが足りなくて戦闘が始まると配信が切れるという事態を繰り返して断念したのでテキストと静止画で語るか、というのがこの文章です。
ではガシガシ語っていきましょう。

三頭身PRGのコンセプト

連載

『三頭身RPG』(以後は本作)はMVではなくその後継ツールである『RPGツクールMZ』(以後MZ)で作りました。
ニコニコ動画のアカウントを取って設定を済ませれば、MVもMZもメニューから[ゲームアツマールにアップロード]を選んだ後[OK]ボタン一発で投稿でき、審査なしで公開されるお気軽さがあるので、頻繁に更新してもあまり苦になりません。
ちなみに初期には運営側がプレイ動画をとって送ってくれるという猛烈超絶天元突破に素晴らしいサービスが行われていましたが、流石に量が増えた後はなくなってしまいました。
それでも投稿作のプレイはされていたようで、運営側でオススメとして紹介することはずっと続けられていました。ありがたいことに本作もオススメしていただきました。

嬉しい！記念スクショ!!

閑話休題。投稿が簡単なら完成までプレイヤーとともにちょっとずつでも進んでいく形式にすれば、作者・プレイヤーともにやる気が出るだろうと考えました。
こまめに更新する事で話題を継続させられるので宣伝効果もあるという目論見もありました。
また毎週更新するという枠を作る事で、習慣化させ継続させられるだろうと考えました。

コンセプト1: 毎週更新の連載形式RPG

カプコン『エルドラドゲート』とか連作形式のRPGというのは、これまでもありましたが1本のゲームを分割して売る楽な商売と思われたのか、いまひとつ定着していません。
今や配布手段が基本的にディスクメディアしかなかった当時と事情が異なり、通信回線による配信が主流である現在、連載形式と相性が良いと思いました。
ただ「そういうおかしなことをことをする人はあまりいない」ので、どうも連載漫画のように毎週ストーリーが進行していることが伝わってない気がします。
プレイしている人たちはもちろんストーリーの進行や新しい展開を楽しみにしてくれてたようですが、プレイしてない人から見たら、毎週ダンジョンとか敵とか武器を追加したりバグフィックスとかしてるように思われてたような空気があります。
「ゲームが毎週更新されてストーリーが進む」という概念が形成されてないというか。
逆にいうと、そこさえ共有できれば可能性がある形式かなと思いました。

三頭身

MV・MZの収録素材の頭身が1.6頭身ぐらいのめちゃくちゃ頭でっかちなキャラなのが気に入らなくて、そのキャラの頭身を伸ばした三頭身(正確には2.5頭身程度)キャラを自作しました。
まずサンプルとして『三頭身アドベンチャー』というただキャラがマップ上でウロウロしていて、話しかけるとセリフを喋る(ファンタジー版と現代版があるキャラはセリフごとに切り替わる)だけのゲームとも言えないものを作りました。
そして満を持してRPGとして作り始めたのが『三頭身RPG』というわけです。

コンセプト2: 三頭身キャラのRPGでの使用例

素材の宣伝ゲーム的な側面があるわけです。
制作した三頭身素材は itch.io で、MV・MZ各ツールのユーザなら無料でダウンロードして利用できます。
TF TallSpriteMV、TF TallSpriteMZ
ちなみに無料で公開している理由は収録素材の改変なので規約上有料で配布できないからです。
itch.io はダウンロード時に寄付を受け付ける設定もできるのですが、規約的に若干怪しいので itch.io ではダウンロードに伴う寄付の受付もしていません。

参考: RPGツクールMV・MZでベストなキャラサイズを探る、『RPGツクールMZ』キャラクターの三頭身改変手順

なお zennでは有料のバッジを送ることで作者を応援できます！

ネタ

基本的にツクールの標準キャラだけを使ったゲームで喜ぶのはツクラー(ツクールユーザの俗称)だということで、内容はツクールのあるあるネタをちりばめたギャグにしました。
ツクールが好きなら周辺分野であるゲーム・アニメも好きだろ、ということでそのあたりも放り込みました。

コンセプト3: ツクールを中心としたパロディ

特に時代を絞らず、ここ50年(笑)ぐらいのネタをぶっ込んだので「誰でも1ネタぐらいは分かる」と言えば聞こえはいいが「ほとんど何言ってんだかわからん」みたいな仕上がりになってる気がします。
こういうパロディは滑っても滑らなくても割と痛い感じなので、序盤で「辛くてやってられない」という人も多かったかもしれません。
ただアツマールには突っ込み機能とも呼ばれるコメントを画面に流す機能があるので、プレイヤーが解説してくれる！と思って、容赦なく通じそうにないネタもブッこみました。
結果「ほとんど解説してくれる人がいなかった」という惨憺たる結果となっております…………
『ポプテピピック』が行けるんなら行ける、と思ったんですが動画とゲームは違うということなのかなんなのか。

プレーン

ツクールネタを入れるのと三頭身キャラを使う前提から、キャラ以外の部分は極力ツクールそのままにしておく必要がありました。
ツクールはプラグインによる機能拡張によりブラウザゲームでできることはなんでもできると言っても過言ではありません。
なのでプレーンにしておかないと「ツクールってこういうことできないよねー」みたいなネタに対して「いまできてたじゃん！」みたいなことになってしまいます。

コンセプト4: 極力ツクールの素の状態で作る

あまりシステムや演出にこだわっていては、とても完成しないというのが前提にはありますけどね。

キャラ演出

極力プレーンとは言え三頭身キャラの宣伝という側面もある本作、できるだけキャラを魅力的に見せたい。
ということで、イベントシーンでのキャラの動作には凝りました。

コンセプト5: キャラ芝居にはこだわる

具体的にはメンバー4人が隊列で進むのですが、イベントシーンが展開されるにあたり、一旦集合してから開始するとか、暗転してキャラの配置をしなおすとかせず、シームレスに後ろについてきているキャラが芝居を始めるようになっています。
また、キャラが小さいと演技も何もないので、ゲームの主要シーンであるマップとキャラの画像は2倍に拡大しています。
これらには自作のプラグインを利用しています。

コンセプトまとめ

毎週更新の連載形式RPG
三頭身キャラのRPGでの使用例
ツクールを中心としたパロディ
極力ツクールの素の状態で作る
キャラ芝居にはこだわる

以上の基本コンセプトで制作しました。
3から下はコンセプト2から導き出されたようなものなので、2コンセプトのゲームとも言えますね。
コンセプトを作って制作に入る必要はないと思いますし、実際僕もコンセプトを固めたのはしばらく作ってからでしたが、早めのタイミングで「どういうことしたいゲームか」は決めておいたほうがいいと思います。
できれば「プレイヤーにどう喜んでもらうか」部分をキッチリ固めたほうがいいと思いますが、所詮趣味の作品作りなので、とにかく自分がやりたいことを優先して、あんまりプレイヤー優先で考えないことにしました。
「ツクールの素で作れば、ある程度のプレイしやすさは担保される」というツールに頼り切った制作方法といいますか。

完結の原動力

一年にわたる連載を続けて、完結させることができたのはひとえに僕の努力といい加減さによる割り切りの賜物であります！

それはそれとして、ツクーラー・まいシャさんが、こまめにプレイ記録をツイッターに投稿して、それをブログにまとめてくださったのは、制作を続ける力になりました。
ありがとうございます。
皆さんにゲームを完結させてほしい推しの製作者さんがいらっしゃるのなら、ぜひ簡単な感想で良いので公開されることをお勧めします。
褒められた場合はもちろん、特に褒めたわけでもない感想でも制作を進めるエネルギーになります。

タイトルを見ると、本当に完結するかやきもきしながらプレイしてくださったようですが……それも醍醐味ということで！

ツイッターやアツマールのコメントやバグ報告など、本作に反応してくれた皆さん、ありがとうございます。

まとめ

ということで「どんな風に作り始め、なんで完結できたか」をざっと紹介しました。
引き続き、開発の進捗ブログ兼プレイ日記的な感じで、順を追ってアップロードしていこうと思います。

次回三頭身RPG・最初の部屋