Dify×Airtable動的連携:リアルタイムタスク管理AIの作り方
Dify×Airtable動的連携:リアルタイムタスク管理AIの作り方
前回のCSV→RAGボット記事では静的なCSVデータを使いましたが、日々タスクが新規作成されたり、更新されたりする中、毎回csvデータをインプットして〜としなければならないシステムは、正直現場で使い物になりません。
そんな課題を解決すべく、今回はAirtableプラグインでリアルタイムにタスクデータを取得するAIボットを作ります。
完成イメージ
▲ Airtableの最新データを自動取得してタスク状況を回答
前回との違い
項目 | 前回(CSV) | 今回(Airtable Plugin) |
---|---|---|
データ更新 | 手動でCSV再アップロード | 自動でリアルタイム取得 |
データソース | 静的ファイル | Airtable API |
運用コスト | 毎回データ更新作業が必要 | メンテナンスフリー |
精度 | 古いデータの可能性 | 常に最新 |
必要なもの
Step 1: Airtableベース準備
すでにZenn上に、Airtbleでのタスク作成ガイドを投稿しておりますので、そちらをご確認ください。
- Airtableでタスク管理を作成する方法(参考記事)
Step 2: AirtableのAPI設定
▲ Airtable → Account → Developer hub → Personal access tokens
-
Personal Access Token作成
- Airtableにログイン
- Account → Developer hub
- 「Create token」でトークン生成
- スコープ:
data.records:read
▲ personal access tokenを取得するための設定
▲ personal access tokenを取得
※注意 : Personal access tokenは1回しか発行されないので、安全なところにメモしておきましょう。(忘れると再発行)
-
Base IDとTable ID取得
AirtableのURLにBaseIDとTableIDが記載されています。- ベースのURL:
https://airtable.com/appXXXXXXXX/tblYYYYYYYY
-
appXXXXXXXX
= Base ID -
tblYYYYYYYY
= Table ID
- ベースのURL:
Step 3: DifyでAirtableプラグイン追加
▲ Dify → ツール → プラグイン → Airtableプラグイン検索・インストール
AirtableプラグインをDifyマーケットプレイスからインストール。
認証設定
▲ プラグイン設定で認証情報を入力
- API Token: Step 2で作成したPersonal Access Token
- Base ID: Step 2で取得したBase ID
Step 4: ワークフロー作成
ワークフローは、前回作成した 前回記事で作成したDifyの基本チャットボットを使用します。
4-1: Airtableプラグインノード追加
設定項目:
- 操作: AIRTABLE_ALL
-
Base ID:
appXXXXXXXX
(Step 2で取得) -
Table ID:
tblYYYYYYYY
(Step 2で取得) - Filter: 必要に応じてフィルター設定 (日付などで)
- Max Records: 100(取得する最大レコード数)
4-2: コードブロック追加
AIRTABLE_ALLから取得された構造化データ(JSON)は、text,files,jsonの3階層になっていて、LLMにデータを渡すには不適切なため、コードブロック(JavaScript)を書いてデータを整形します。
function main({arg1}) { //AIRTABLE_ALLからtextを引数で受け取る
return {
result: arg1
}
}
▲ 実際の画面
4-3: LLMノード設定
プロンプト:
以前作成したプロンプトのコンテキストを、コードブロックから出力されるresult
に変更するだけでよいです。参考 : 前回記事で作成したDifyの基本チャットボット
Step 5: テスト実行
テスト質問:
- 「まだ終わってない小林さんが持ってるタスクは?」
しっかりとデータが取れていることが確認できました。
それでは、今回のポイントである、データを書き換えても動的に変更も取得できているかを確認します。
▲ Airtable記事作成
以外のタスクをDone
にしました。
もう一度チャットbotに同じ質問をしてみます。
- 「まだ終わってない小林さんが持ってるタスクは?」
データが書き変わっても、その更新を反映して答えてくれるようになりました!
Step 6: チャットボット化
▲ ワークフローをチャットボットとして公開
Step 7: 動作確認
テストシナリオ
-
担当者別タスク確認
ユーザー: 横関さんのタスクは? AI: **横関さんのタスク** • 商談準備(未着手・低優先度・7/30締切)
-
ステータス別検索
ユーザー: 進行中のタスクを教えて AI: **進行中のタスク** • Airtable記事作成(小林・高優先度・7/13締切)
▲ しっかり動いていることを確認
Airtableから動的にデータを取得して回答してくれるAIチャットbotを構築できました。
まとめ
今回作成したもの
✅ Airtableから動的にデータ取得するAIボット
✅ リアルタイムでタスク状況を回答
✅ メンテナンスフリーの自動化システム
前回(CSV)からの進化
- 静的 → 動的:常に最新データ
- 手動更新 → 自動連携:運用コスト削減
- ファイル管理 → API連携:スケーラブル
応用可能な領域
- 顧客管理(CRM)
- 在庫管理
- プロジェクト管理
- イベント管理
- 売上データ分析
Dify×Airtableの組み合わせで、ノーコードでリアルタイムAIシステムが実現できました。
静的データから動的データへの進化により、実用性が大幅に向上し、実際のビジネス現場で活用できるレベルのツールになります。
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