インターン生をテックブログ執筆の道に勧誘してみた
はじめに
社内でアドベントカレンダー参加週間になり、インターン生に参加の呼びかけもありました。
しかし毎回執筆者が固定され、新規参加者が少ない現状に課題を感じていました。そこで新規勢の参入を目指して「みんなもテックブログを書こう講座」
を開いてみました。
講座の内容や成果についてお話ししていきます!
成果
結論から言うと、アドベントカレンダー内で記事公開に至ったインターン生は 0 人でした…。🥺(単純にアドベントカレンダーまでに間に合わなかったとも言えます)
ただし、この結果については一概にネガティブに捉える必要はないと考えました。
原因
結果が振るわなかった原因としては以下の要素が考えられます。
- 業務や学業が忙しくて時間を作れない
- 受託開発で納期に追われ、業務がメインになってしまう人もいました。
- インターン生は学業もあり、卒論の時期やサークル活動で忙しい人が多かったです。
- 数行書いて手が止まってしまう
- 単純に書くモチベが上がらないのは、本記事を書いている著者自身も感じます笑。
- 記事内容への不安
- とりあえず出してみることが重要とは言いましたが、まだ尻込みをしてしまう人も多いです。
良かった点
一方で、取り組みを通じて得られた成果もありました。
-
当事者意識を持たせることに成功した
- 書けてないことを報告してくれるようになったため、時間があれば書くつもりな人も出てきました。
- 自分たちが書いて良いものなのか分からなかったと言っていたので、そこの意識を変えることができたことは良かったと思います。
- 著者自身の影響力が増した
- 今まであまり話したことがなかった方々ともコミニュケーションを取る機会が増えました。
取り組み内容
インターン生を集めて以下の内容で講演しました。集まった人数は大体 10/30 人ぐらいだと思います。
- 講座の目的
- テックブログとは?
- インターン生の現状
- テックブログを書く意義
- 記事のテーマ区分と具体例のまとめ
- テックブログを書くときに考えていること
- おまけ
- 環境構築
- 一緒に書ける内容がないかを考える
1. 講座の目的
まず、講座のゴールとして以下の 3 点を共有しました:
- テックブログを書くイメージをつかんでもらう
- 古参勢がどのような記事を書いてきたのかを共有することで、身近に感じてもらうことがハードルを下げる上で重要だと感じました。
- 書く意義を感じてもらう
- 記事を書くことで得られるメリットを強調し、モチベーションアップを図りました。
-
環境構築までやって退路をなくす 👿
- 記事を Github 上で管理しているため、めんどくさい環境構築を一緒にやり、土台を整えました。
2. テックブログとは?
テックブログとはそもそも何かを軽く説明しました。
弊社では主に Zenn で記事を管理しており、 Qiita のアドベントカレンダー にも参加していることを説明しました。
3. インターン生の現状
インターン生の現状として、古参勢が複数回書いており、リピーターしかいないことが問題であると述べました。
古参勢は基本的に修士 1 年以上の年代が多かったこともあり、強そうな人が記事を書いているイメージがあったらしいです。
4. テックブログを書く意義
書くメリットとしては以下のものが挙げられると思います。
- 学んだことを整理できる
- エンジニアとしての業務への取り組み姿勢が変わるかも?
- 普段の業務中から記事に書けそうな内容がないかと考えることで、普段から意識的に学ぶ姿勢を身につけることができるかもしれません。
- 以前誰かが「学びがないということは後退している」みたいなことを言っていた気もするので、その通りだと思います。
- 他の記事などを調査することで自然とインプットの機会も増える
- 他の人に読んでもらえて社会に貢献している感が出る
- 就活などで自分の成果物として使える
- 特にエンジニア志望なら会社に入っても書くことがあると思います。
- ちょうど著者自身も就活中で、実体験ベースで話せたのは良かったと思います。
- ちょっとかっこいい 😎(テキトー)
- もしかしたらご褒美もあるかも?
- 前回もテックブログ推奨週間がありましたが、社員さんにご飯連れて行ってもらえたみたいな話をしました。(今回もあるかは分からないので濁していますが…)
5. 記事のテーマ区分と具体例のまとめ
記事のテーマの区分が大体どうなっているかをまとめてみました。個人的な意見な部分もあるので絶対ではないですが、以下の図のように分けられると思います。
Tech
とIdea
は Zenn が決めているものなので、割愛しますが 選び方の記事 もあるので参考にすると良いと思います。
所感としては、カテゴリを実装紹介
、まとめ系
、体験談
、その他
に分けられると思います。
「テックブログだから実装系のこと書かないといけないのかな?」と思ってしまう人もいますが、実装紹介はあくまでその一部だと思います。
講座では、社員やインターン生が執筆した弊社の記事を紹介し、具体例を交えながらカテゴリに分類することで、インターン生がどういう記事を書きたいかをイメージしやすくしました。
記事テーマの主な区分(所感)
実装紹介
実装方法を具体例を交えながら紹介していくもので、Tech 系の記事がほとんどだと思います。
以下の記事のような、インターンや個人開発の中で実装してみたものなどを紹介する系のものが多いと思います。
まとめ系
まとめ系は Tech と Idea 両方存在しており、技術的な知識のまとめや業務ツールの活用術など多岐に渡ります。自分が独自に勉強してみたことを整理するついでに書くのが良いと思います。
体験談
体験談系は初心者が一番書きやすいと思います。自分が課題を考えて解決した経験や単純に何かしらをやってみた経験であればなんでも良いと思います。
その他
分類が難しかったものをその他にしていますが、例えば技術の話を一切せずに Pinia の可愛さを布教するという面白い記事もあります。UI デザイナーになる方法の記事は体験談とまとめ系の融合のように考えることもできるかもしれません。
一番いいねが多いやつ 🎉(2024 年 12 月時点)
弊社の記事の中で一番いいねが多いのは実はインターン生が書いたものです。
X の方でもシェアしている方が多く、ちょいバズっていました。
PC 操作のように万人に有用な記事は影響力も大きいのかなと思いました。
6. テックブログを書くときに考えていること
ここからは個人的な意見が大きいので参考程度にとどめてください。
私が記事を書くときは以下のステップで考えることが多いと思います。
- まずは身近な対象読者を思い浮かべる
- (ex) 研究室、インターン
- その対象読者たちと異なる経験はあるか?(新規性の考慮)
- (ex) 他のプロジェクトとの比較、個人開発、自分で考えて課題を解決
- 想定してた対象読者以外にも役立ちそうか?(視点を広げる)
- 最近の既存記事との差分があるか確認
1 ステップ目の身近な対象読者は誰でも良いですが、とりあえず身近な誰かに共有したい話をすると考えるならハードルは下がると思います。例えば私の場合、先ほど実装紹介であげた FastAPI でのキャッシュの話 は、研究室で GPT の API を叩くことが多いので適切なコード管理をしてほしいという思いを持って記事を書きました。
2 ステップ目は、他の人との差分(新規性)を見つけるフェーズです。もはや研究と同じ気もしますが、何かしら他の人と異なる経験をしていたら、それだけで新規性だと思います。(別に同じ経験をした人がこの世にいてもあまり関係ないです。深く考えすぎないことが大事です。)
3 ステップ目は世間一般的にも視点を広げるフェーズです。既存に記事があるかを調査して、少しでも新規性を出すことが重要です。ただしこのフェーズはオプションだと思うので、初めのうちは必ずしも厳密に満たす必要がないと思います。とりあえず記事を出してみることが大事!
7.おまけ
情報収集に関してどのように行っているかを少し話しました。
私がやっているのは以下のことです。自分もまだ情報収集能力に関しては甘いところが多いのですが、とりあえず初心者は同じことやれば良いのかなと思います。
- まずは社員も含む Slack の times で発信している人を参考に
- テックブログ書いている人は比較的 times が汚れている
- Zenn /Qiita Widget で最新の記事を調べています(下図参照)
- X で公式垢や Tech 系の人をフォロー
- (ex) Zenn 公式
- カンファレンス参加
- (ex) Vue Fes
Zenn /Qiita Widget
少しふざけたスライドも入れてみました。どれかしらに当てはまる人の退路を断つためということにしときます…。
おふざけスライド
また書き方のガイドをまとめて、執筆のサポートもしました。
8. 環境構築
先述の通り Github 上で記事管理をしているので、環境構築まで一緒にやりました。環境構築方法は社内の Notion でまとめてありますが、結構長いので意外と挫折する人もいるかもしれないです。そこのケアができたのは良かったと思います。
9. 一緒に書ける内容がないかを考える
参加者それぞれと書けそうな内容がないか少し深堀りをしました。普段どんなことをやっているのかや、そこで学んだことはないのかなどまるで就活の面接のようなことをしてました 😅。みんな書ける内容がないと尻込みをしがちですが、簡単な内容でも出すことが大事ということは強調しました。
最後に
今回、アドベントカレンダーでの新規記事公開は叶いませんでしたが、参加者の意識に変化が見られた点で一定の成果がありました。
今後としては継続的に進捗確認して、講座を聞いただけで終わらないということを意識していきたいと思います。
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