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言語化ニガテ民にはZettelkastenがおすすめ

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これはなに

こんにちは、LT開発部のもりたです。

今回はもりたが最近はじめたZettelkastenのご紹介をします。これは知識管理の手法で、アウトプットの敷居がめっちゃ下がるやつなんですが、ま〜〜よくわからん単語すぎて困ると思うので、今日はサクッと本編に入りますね。

Zettelkastenとは?

Zettelkasten(ツェッテルカステン)は、学びを小さなメモにして保管する方法論です。やっていることはそれだけで、ただただ学んだことを小さくメモにまとめて貯めていきます。その際に大切な点があり、それは「自分の言葉で書く」ことと、「情報をなるべく小さく保つ」ことです。

Zettelkastenっていろんな説明のされ方があるんですが、この「範囲は小さく、品質は高く」思考を言語化できるというのが最初の大きなメリットです[1]
今回はZettelkastenなんて1ミリも知らんぜというみなさん向けに、「言語化を促す」という側面に着目してZettelkastenをご紹介したいと思います。

よくあるZettelkastenのフロー

重要なのは学んだことを自分で言語化してメモに取ることだけなんですが、それだけだとイメージつきにくいと思うので、よくあるフローを以下に示します。

このように生活の中での気づきや書籍を読んでの気づきをメモに取り、定期的にまとめることで小さな永久保存版のメモを蓄積します。
また、どんな感じのメモが出来上がるのかの参考にいくつか自分の永久保存版メモをスクラップに切り出しました。どうぞ。
https://zenn.dev/mconfjp/scraps/5cbcbd0b241a57

Zettelkastenのメリット

続いて、もりたがZettelkastenを始めて感じたメリットをご紹介します。

インプットが楽になった

まず、インプットの自由度が広がりました。

  • 同じジャンルの本を読み続ける必要がない
    • これまでもりたは特定のテーマを決めて、一定期間その関連書籍だけを読み続けるということをしていました[2]。これは同時に複数のテーマを考えられないからなんですが、Zettelkastenでは細かく言語化することができるため、1つのテーマに縛られず、興味の赴くままに様々な本や記事を読み、メモできています
  • 書籍を全部読まなくてもメモを取れる
    • 次に、書籍を読むハードルも低くなりました。これまでは書籍という与えられたパッケージに対して理解しようとしていましたが、Zettelkastenでは気になった部分を小さくメモにして接種することができます。これにより読書のハードルが下がりました
  • 理解できなくても読み進められる
    • Zettelkastenでは生活の中や読書を通じて気がついたことを一時的なメモに書き残し、定期的にそれを言語化するというフローをとります[3]。これにより読むことと理解することを切り離せるため、分からなくともメモを残し、読み進めることができます[4]

アウトプットも楽になった

アウトプットも楽にやれるようになりました。

  • X(Twitter)のノリでメモが書ける
    • Zettelkastenでは小さなサイズで言語化を行います。個人用のメモですし、大きなことを書かなくて良いのでサクッと書けます
  • 理解が間違っていてもブラッシュアップのチャンス
    • 以前言語化したメモを見直して、理解が間違っていたり読んでも意味が分からなかったらどうでしょう? あなたはさいわいな人です。以前の理解の地点に立って、そこから再び理解を積み上げることができます。Zettelkastenなら、涙の数だけ強くなれるってわけです
  • 書くことのハードルが下がった
    • 以前までのもりたはテックブログに書くことで理解の言語化をはかっていました。ただ記事の中には二ヶ月間調査を続けて書き上げるようなものもあり、とてもしんどかったです。Zettelkastenは小さく積み上げることが可能なので、以前の無呼吸ダイビングみたいな執筆スタイルを取る必要がなく、クロールのようにスイスイと書き進められます

自分を総体として扱える

そして予想外だったのが、仕事以外の興味を削らなくて良いことです。

  • 趣味の読書もできます
    • 乱読が可能になったので、趣味の読書にも手を伸ばしやすくなりました。もりたは文学部出身なので臨床心理学や平家物語など文系の書籍にも興味があるんですが、最近はちゃんとそういうものにも手を出せて嬉しいです
  • 自分という人間を総体として扱える
    • エンジニアは自己研鑽を求められるので特に働いていると本が読めなくなりがちだと思うんですが、自分はZettelkastenで趣味の読書もできるようになりました。また、趣味でもメモを取れますし、そのメモと仕事のメモが関連性を持つこともあります

実践方法について

Zettelkastenを実践する上でやって良かったことを3つご紹介します。

フローに乗るまで我慢してやる

新しいフローを導入したばかりの頃は、ツールややり方に違和感しかなく、生産性も落ちます。しかし環境が整備され、手順が身に染み込んでくると、徐々にフローに乗ってきます。

また、最初はこのやり方でいいのかだいぶ悩むと思うので、インターネット上の先人たちの取り組みを読むのも良いです。馴染むまで手間がかかりますが、長い目で見れば大きなリターンがあるのでぜひ頑張ってください。

ツールの導入

ツールにこだわりすぎる必要はありませんが、自分に合ったものを選ぶと続けやすくなります。私はObsidianを使っています。理由は以下。

  • クロスプラットフォーム(PC/スマホ両方で使える)
  • マークダウン形式でシンプル
  • プラグインでゴリゴリにカスタマイズできる

特に三つ目のカスタマイズ性の高さが気に入っています。例えばプラグインを使うと一連の動作をひとまとめにしてショートカットで呼び出せたりするんですが、自分はメモの作成、特定フォルダへの移動、テンプレートの適用をまとめていつでもすぐに走り書きのメモを取れるようにしています。このように自分にとって必要な動作がなんなのか頭を使って考えて、そこをスムーズにできるようObsidian自体を育てられるのが大きなメリットです。
まあツールはなんでもいいんです。自分の作業フローを定義して、うまく実行できるよう補助してくれるツールを導入するとうまくいきます。

振り返りの時間をとって言語化に慣れる

毎日すこしの時間をとってメモを見返すと良いでしょう。そこでは以下のことを行います。

  • 書きためたメモを整理する
  • 関連するメモを見直す
  • 自分の言葉に置き換える

振り返りを通じて言語化のスキルが上がり、メモを取る習慣も定着します。私は日曜の朝にコーヒーを飲みながら振り返る時間を楽しみにしています[5]

おわりに

以上、Zettelkastenのご紹介でした。
何かを書いたり理解することって本来はそんな苦しみを伴わなくていいはずですよね。書きたいことがあるはずなのにいざ書こうとしたら形にできないという人や、何か書こうとしても短文にしかならなくて困っている人はぜひ試してみてください。
特に無呼吸ダイビング執筆法をやってて苦しんでる人に読んでもらえていたら嬉しいです。最初は呼吸なんて邪魔やろと思うかもしれませんが、呼吸しながら書けるとクロール並みにスイスイかけますよ。

参考書籍

脚注
  1. ただZettelkastenでよく言われるメリットは他の側面の方がでかい ↩︎

  2. この記事とかがその例:https://zenn.dev/levtech/articles/ba7ee3ea6fc901 ↩︎

  3. とらないひともいる ↩︎

  4. 妻もZettelkastenやってるんですが、妻は最近洋書もこのノリで読み始めました ↩︎

  5. この一文はClaudeが書いてくれました。おれはコーヒー飲めません ↩︎

レバテック開発部

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