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Isaac Sim4.5.0をIsaac Labから起動してみる(Windows11)

に公開

以下の記事にて、NVIDIA Isaac SimをWindows11にインストールし、起動することができた。
https://zenn.dev/kprn/articles/f10b38007af742

今回は、Isaac SimをIsaac Labで動かしてみたい。

Isaac Labは、ロボットの(強化)学習用のフレームワーク。

  • 3D環境、ロボットやその他オブジェクト、撮影用のカメラを設置すること
  • 「RGB画像」「depth画像」「セマンティックセグメンテーション済み画像」などの機械学習用のデータを出力すること

をすべてPythonで行えるようになる。
(Isaac Simだけでも実現可能だが、Isaac Simよりも簡単に環境を扱えるようになる)

本記事では、Isaac Lab のインストール方法と、Isaac Lab 経由で Isaac Sim を起動する手順を記載する。

なお、Pythonで実際にどんなことができるかは、Next Actionに関連記事を執筆した(2025/04/07現在、継続して調査中)。

Isaac SimとIsaac Labの連携

Isaac Labを動作させるには、Isaac Simのインストールが必要となる。

ここでは以前に記載した手順でインストールしたIsaac Simを、Isaac Labから使用する方法を記載する。

なお、以降の作業はすべてコマンドプロンプト上で行う。
コマンドプロンプトは、管理者として開く

手順1. 一時的にIsaac Simへのパスを通す

コマンドプロンプトで以下のコマンドを1行ずつ入力して、Isaac Simへのパスを一時的に通す。
(これらのパス設定は、コマンドプロンプトを終了するとリセットされる。)

set ISAACSIM_PATH="C:/isaacsim"
set ISAACSIM_PYTHON_EXE="%ISAACSIM_PATH:"=%\python.bat"

手順2. Isaac Simが正しく実行できるかを確認する。

以下3つのコマンドを実行し、正しく実行されるかを確認する。

%ISAACSIM_PATH%\isaac-sim.bat

→シミュレータ画面が開けばOK。

%ISAACSIM_PYTHON_EXE% -c "print('Isaac Sim configuration is now complete.')"

→Isaac Sim configuration is now complete.と表示されればOK

%ISAACSIM_PYTHON_EXE% %ISAACSIM_PATH%\standalone_examples\api\isaacsim.core.api\add_cubes.py

→以下のような画面が表示されればOK。
動作を停止するには、コマンドプロンプトをクリックし、「ctrl + C」を押して「Y」を入力する。

手順3. Isaac Labのクローン

Isaac Labを配置するための作業ディレクトリを作成する。

今回は、C:\Users\{ユーザ名}\に、workというディレクトリを作成し、そこで作業を行う。

まずは作業ディレクトリに移動する。

cd C:\Users\{ユーザ名}\work\

次にIsaac Labをクローンする。

git clone https://github.com/isaac-sim/IsaacLab.git

手順4. Isaac Simへのシンボリックリンクの作成

カレントディレクトリを、クローンしたディレクトリに移動する。

cd IsaacLab

Isaac SimとIsaac Labの間にシンボリックリンクを設定する。

mklink /D _isaac_sim C:\isaacsim

実行すると、IsaacLabディレクトリの中に_isaac_simという、C:\isaacsimへのショートカットが作成される。

手順5. Isaac Labのインストール

以下のコマンドを実行する

isaaclab.bat --install

手順6. Isaac SimをIsaac Lab経由で起動

以下のサンプルコードを動かし、エラーが出ず、Isaac Simの画面が開くことを確認する。

isaaclab.bat -p scripts\tutorials\00_sim\create_empty.py

正常に動作すると、以下のような画面が表示される。

なおシミュレータは、×ボタンを押すことで閉じることができる。

もしエラーが出た場合は、次の手順を試す。

エラーが出たときは

手順6実行時に、以下のようなエラーが発生する場合がある。

この時は、一度コマンドプロンプトをクリックし、「ctrl + C」を押して「Y」を入力して、シミュレータを停止する。

次に、IsaacLabディレクトリ内で、以下ファイルの、vulkan = trueの部分を、vulkan = falseに書き変える。(VSCodeで開いて検索し、一括で置換すると楽)

apps\isaaclab.python.headless.kit
apps\isaaclab.python.headless.rendering.kit
apps\isaaclab.python.kit

再度、手順6を試す。

注意点

cd C:\Users\{ユーザ名}\work\IsaacLab
set ISAACSIM_PATH="C:/isaacsim"
set ISAACSIM_PYTHON_EXE="%ISAACSIM_PATH:"=%\python.bat"
isaaclab.bat --install

一度実行すれば、コマンドプロンプトを開いている間はコードを実行できるので、若干煩わしい程度ではあるが、残課題として残す。

Next Action

今回までで、Isaac Lab経由でIsaac Simを起動することができるようになった。
次回はIsaac Lab経由で、Isaac Simをいろいろと動かしてみる。
実際にPythonで操作する関連記事は、以下に記載していく。
https://zenn.dev/kprn/articles/57dea2a3951bd3
https://zenn.dev/kprn/articles/8c1d9b191e0775
https://zenn.dev/kprn/articles/b39268c6456591
https://zenn.dev/kprn/articles/b8a73295e8af20
https://zenn.dev/kprn/articles/4c65fbcf9f5e67

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