Isaac Sim4.5.0をIsaac Labから起動してみる(Windows11)
以下の記事にて、NVIDIA Isaac SimをWindows11にインストールし、起動することができた。
今回は、Isaac SimをIsaac Labで動かしてみたい。
Isaac Labは、ロボットの(強化)学習用のフレームワーク。
- 3D環境、ロボットやその他オブジェクト、撮影用のカメラを設置すること
- 「RGB画像」「depth画像」「セマンティックセグメンテーション済み画像」などの機械学習用のデータを出力すること
をすべてPythonで行えるようになる。
(Isaac Simだけでも実現可能だが、Isaac Simよりも簡単に環境を扱えるようになる)
本記事では、Isaac Lab のインストール方法と、Isaac Lab 経由で Isaac Sim を起動する手順を記載する。
なお、Pythonで実際にどんなことができるかは、Next Actionに関連記事を執筆した(2025/04/07現在、継続して調査中)。
Isaac SimとIsaac Labの連携
Isaac Labを動作させるには、Isaac Simのインストールが必要となる。
ここでは以前に記載した手順でインストールしたIsaac Simを、Isaac Labから使用する方法を記載する。
なお、以降の作業はすべてコマンドプロンプト上で行う。
コマンドプロンプトは、管理者として開く。
手順1. 一時的にIsaac Simへのパスを通す
コマンドプロンプトで以下のコマンドを1行ずつ入力して、Isaac Simへのパスを一時的に通す。
(これらのパス設定は、コマンドプロンプトを終了するとリセットされる。)
set ISAACSIM_PATH="C:/isaacsim"
set ISAACSIM_PYTHON_EXE="%ISAACSIM_PATH:"=%\python.bat"
手順2. Isaac Simが正しく実行できるかを確認する。
以下3つのコマンドを実行し、正しく実行されるかを確認する。
%ISAACSIM_PATH%\isaac-sim.bat
→シミュレータ画面が開けばOK。
%ISAACSIM_PYTHON_EXE% -c "print('Isaac Sim configuration is now complete.')"
→Isaac Sim configuration is now complete.と表示されればOK
%ISAACSIM_PYTHON_EXE% %ISAACSIM_PATH%\standalone_examples\api\isaacsim.core.api\add_cubes.py
→以下のような画面が表示されればOK。
動作を停止するには、コマンドプロンプトをクリックし、「ctrl + C」を押して「Y」を入力する。
手順3. Isaac Labのクローン
Isaac Labを配置するための作業ディレクトリを作成する。
今回は、C:\Users\{ユーザ名}\
に、work
というディレクトリを作成し、そこで作業を行う。
まずは作業ディレクトリに移動する。
cd C:\Users\{ユーザ名}\work\
次にIsaac Labをクローンする。
git clone https://github.com/isaac-sim/IsaacLab.git
手順4. Isaac Simへのシンボリックリンクの作成
カレントディレクトリを、クローンしたディレクトリに移動する。
cd IsaacLab
Isaac SimとIsaac Labの間にシンボリックリンクを設定する。
mklink /D _isaac_sim C:\isaacsim
実行すると、IsaacLab
ディレクトリの中に_isaac_simという、C:\isaacsim
へのショートカットが作成される。
手順5. Isaac Labのインストール
以下のコマンドを実行する
isaaclab.bat --install
手順6. Isaac SimをIsaac Lab経由で起動
以下のサンプルコードを動かし、エラーが出ず、Isaac Simの画面が開くことを確認する。
isaaclab.bat -p scripts\tutorials\00_sim\create_empty.py
正常に動作すると、以下のような画面が表示される。
なおシミュレータは、×ボタンを押すことで閉じることができる。
もしエラーが出た場合は、次の手順を試す。
エラーが出たときは
手順6実行時に、以下のようなエラーが発生する場合がある。
この時は、一度コマンドプロンプトをクリックし、「ctrl + C」を押して「Y」を入力して、シミュレータを停止する。
次に、IsaacLab
ディレクトリ内で、以下ファイルの、vulkan = true
の部分を、vulkan = false
に書き変える。(VSCodeで開いて検索し、一括で置換すると楽)
apps\isaaclab.python.headless.kit
apps\isaaclab.python.headless.rendering.kit
apps\isaaclab.python.kit
再度、手順6を試す。
注意点
cd C:\Users\{ユーザ名}\work\IsaacLab
set ISAACSIM_PATH="C:/isaacsim"
set ISAACSIM_PYTHON_EXE="%ISAACSIM_PATH:"=%\python.bat"
isaaclab.bat --install
一度実行すれば、コマンドプロンプトを開いている間はコードを実行できるので、若干煩わしい程度ではあるが、残課題として残す。
Next Action
今回までで、Isaac Lab経由でIsaac Simを起動することができるようになった。
次回はIsaac Lab経由で、Isaac Simをいろいろと動かしてみる。
実際にPythonで操作する関連記事は、以下に記載していく。
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