Seeed reComputer J4012(Jetson Orin NX 16GB)セットアップ情報まとめ
Seeed reComputer(Jetson Orin NX 16GB)
Seeedの中の人matsujirushiさんと、一緒に作っているものがあり、Seeed reComputer J4012をお借りしました。
ACアダプタは以下を使っています。
中身はJetson Orin NX 16GBです。
久しぶりのJetsonです。以前Jetson Nanoに関しては、書籍を書いたり、ネットの記事に情報まとめたりしていたのですが、色々変わっていたのでJetson Orin NXを中心にまとめなおしてみます。
分かり次第、随時追記していきます。
基本的なセットアップ
基本的なセットアップです。Jetson Nanoと大体一緒だったので楽でした。
JetPackのセットアップ
以下の記事を参考にセットアップします。
記事通りに、2ピン(GND)と3pin(FC REC)をショートします。ジャンパピンがたまたま手元に見つからなかったので、ジャンパワイヤでショートしています。
この状態で、電源を入れてLinux(Ubuntu)入れたPCをホストとして、JetsonにUSB-Cで接続してJetPackを書き込みます。
以下は、自分の書き込み時の条件や気をつけたことのメモです。全部が必須というわけではないです。
- Ubuntuのバージョンは22.04を使用
- ホストPCのUSB-Cポートから接続
- JetPackのバージョンはJP6.0
- 書き込みはsingle commandではなく、ステップバイステップでの書き込みを実施
- 書き込み時はジャンパワイヤはショートしっぱなし
- 書き込み時に
ERROR: might be timeout in USB write.
というエラーが起こったときは、Jetsonを再起動したり、USBのポートを変えたり、ケーブルを変えたりしてトライ - ディスプレイに画面が一瞬映って消えるときは、ディスプレイやHDMIケーブルを変えてトライしてみる
- フリーズしたときは、Ctrl + Alt + Fn(ファンクションキーいずれか)でコンソールログインも確認してみる
-
A start job is running for End-user configuration after initial OEM installation
が表示されて進まないときは、何度か電源ON/OFFする 参考:jetson nano起動時にエラーが表示されたまま先に進まない(A start job is running for End-user configuration after initial OEM installation)
ディスプレイ(モニタ)の問題は、あるあるですね。過去、ラズパイでも同じようなことがありました。
Chromiumインストール
ブラウザのセットアップをします。Google Chromeはインストールできないので(もしインストールする方法あったら誰か教えてください)、Chromiumブラウザを以下のコマンドでインストールします。
$ sudo apt update
$ sudo apt install -y chromium-browser
追記:2025/07/21 ChromiumがSnapのアップグレードの影響でJetsonでChromiumが動かなくなったようです。以下コマンドを実行することで起動できるようになりました。
$ snap download snapd --revision=24724
$ sudo snap ack snapd_24724.assert
$ sudo snap install snapd_24724.snap
$ sudo snap refresh --hold snapd
参考:Why Chromium Suddenly Broke on Jetson Orin (and How to Bring It Back)
1Passwordログイン
パスワード管理ソフトの1Password。アプリは基本入らないので、ブラウザで使用するのが便利です。https://my.1password.com/
にアクセスしましょう。
GitHub CLIのセットアップ
いれておきます。
$ sudo apt install gh
$ gh auth login
VS Codeエディタインストール
公式サイトのダウンロードページで、以下のバイナリをダウンロードします。
以下コマンドでインストールします。
$ cd ~/Downloads
$ sudo dpkg -i code_*_arm64.deb
VS Codeエディタをインストールします。これまた正式版はインストールできないので(やり方知っている人いたら教えてください)、以下コマンドでInsider版をインストールします。
以下はInsider版のインストール方法です。
$ cd && wget -O insider.deb https://update.code.visualstudio.com/latest/linux-deb-arm64/insider
$ sudo apt install ./insider.deb
$ sudo mv /usr/bin/code-insiders /usr/bin/code
VS Codeエディタの使い方は以下参照ください。
Vimエディタインストール
必要な人は入れましょう。
$ sudo apt install vim
日本語化
以下コマンドで必要なライブラリのインストール、設定を実施します。
$ sudo apt install -y ibus-mozc
$ sudo apt install -y language-pack-ja
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF8
以下コマンドで再起動します。
$ sudo reboot
再起動したら、右上から日本語変換としてMozc
を選択できます。
これで日本語が使えるようになります。
Dockerのセットアップ
以下コマンド実行してセットアップします。
$ sudo apt install curl
$ curl https://get.docker.com | sh
$ sudo systemctl --now enable docker
Dockerに関して詳しくは以下記事参照ください。
参考: Jetpack 6 doesn’t seem to have nvidia-docker2
パッケージ管理ツール
Pythonのパッケージ管理ツールuvとNode.jsというJavaScriptの実行環境で使うパッケージ管理ツールnpm(nvm)をセットアップします。
uvインストールは以下コマンド。
$ curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh
nvmインストールは以下コマンド。
$ curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.40.3/install.sh | bash
ターミナル再起動したら、以下コマンド実行
$ nvm install --lts
これで、uvとnpm(nvm)がインストールされます。それぞれの使い方などは以下記事参照してください。
操作・TIPS
パフォーマンスの最大化・確認
大体右上のGUIメニューで確認できます。
参考:nvpmodel-gui
Power mode
はMAXN
が最大です。かなりパフォーマンス変わってくるので、高速化したいときは最初にチェックしましょう。
CUIでは、以下のコマンドでパフォーマンスモードを変更できます。-m
の後の数字が0
のときがMAXN
です。
$ sudo nvpmodel -m 0
現在のモードを知りたいときのコマンドは以下です。
$ sudo nvpmodel -q
以下コマンドを実行すると、クロック周波数などのパフォーマンスを最大化できます。FANがついていれば、FANも最大速度で動作します。
$ sudo jetson_clocks
現在の設定は以下コマンドで確認できます。
$ sudo jetson_clocks --show
jetson_clocks
の本体は /usr/bin/jetson_clocks
なので、何をしているか知りたい場合は、直接ファイルの中身を確認しましょう($ less /usr/bin/jetson_clocks
で確認できます)。
標準でセットアップされているtegrastats
は、以下コマンドで簡単にCPU、GPU負荷、メモリ使用量等をCUIで確認できます。Run tegrastats
をクリックしたときと同じ結果です。
$ tegrastats
バージョン確認方法
以下のコマンドを実行します。
$ cat /etc/nv_tegra_release
以下は実行結果です。最初のR36 (release), REVISION: 4.0
がバージョン情報になります。
# R36 (release), REVISION: 4.0, GCID: 37537400, BOARD: generic, EABI: aarch64, DATE: Fri Sep 13 04:36:44 UTC 2024
# KERNEL_VARIANT: oot
TARGET_USERSPACE_LIB_DIR=nvidia
TARGET_USERSPACE_LIB_DIR_PATH=usr/lib/aarch64-linux-gnu/nvidia
バージョン情報は、以下のコマンドでも確認できます。
$ dpkg-query --showformat='${Version}' --show nvidia-l4t-core
以下は実行結果です。
36.4.0-20240912212859
音声出力・音声合成
ハードウェアとしては、ラズパイ用に買っていた、以下のUSBスピーカーを接続しています(繋げたら何も設定しなくても音は出ました)。
ソフトウェアに関しては、以下記事を参照ください。
LLM関係
以下記事にまとめました。
リモートアクセス(Tailscale)
手軽にリモートからVPN技術を活用してP2P通信でアクセスできるようになる便利なソフトです。
以下コマンドでインストールできます。
$ curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh
インストールしたら以下コマンドを実行して、ログインしたら使えるようになります。
$ sudo tailscale up
Macからの接続などは、以下記事参照してください。
Tailscaleで、スマートフォンやタブレットからRaspberry PiにSSHでアクセスできます。iOSの場合はTermiusというソフトが便利です。
まとめ
Seeed reComputer J4012についてまとめました。久しぶりのJetsonで、多少ハマったりもしながらセットアップしていますが、Jetson Nanoの経験が結構生きました。
随時情報追記していきます。
参考リンク
関連記事
変更履歴
- 2025/01/10 JetPackの書き込みに関して追記
- 2024/11/07 VS Codeエディタについて追記
- 2024/11/06 音声出力・音声合成に関して追記
Discussion
これ、不要でした。(J3010で確認しました。)
ありがとうございます。反映しました。
うーむ、何事も無くインストールできて、起動します...。😅
追記しておきますー