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Seeed reComputer J4012(Jetson Orin NX 16GB)セットアップ情報まとめ

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Seeed reComputer(Jetson Orin NX 16GB)

Seeedの中の人matsujirushiさんと、一緒に作っているものがあり、Seeed reComputer J4012をお借りしました。

https://www.switch-science.com/products/9021

ACアダプタは以下を使っています。
https://www.switch-science.com/products/9166

中身はJetson Orin NX 16GBです。

久しぶりのJetsonです。以前Jetson Nanoに関しては、書籍を書いたりネットの記事に情報まとめたりしていたのですが、色々変わっていたのでJetson Orin NXを中心にまとめなおしてみます。

分かり次第、随時追記していきます。

基本的なセットアップ

基本的なセットアップです。Jetson Nanoと大体一緒だったので楽でした。

JetPackのセットアップ

以下の記事を参考にセットアップします。

https://wiki.seeedstudio.com/reComputer_J4012_Flash_Jetpack/#flash-jetpack

記事通りに、2ピン(GND)と3pin(FC REC)をショートします。ジャンパピンがたまたま手元に見つからなかったので、ジャンパワイヤでショートしています。

この状態で、電源を入れてLinux(Ubuntu)入れたPCをホストとして、JetsonにUSB-Cで接続してJetPackを書き込みます。

以下は、自分の書き込み時の条件や気をつけたことのメモです。全部が必須というわけではないです。

  • Ubuntuのバージョンは22.04を使用
  • ホストPCのUSB-Cポートから接続
  • JetPackのバージョンはJP6.0
  • 書き込みはsingle commandではなく、ステップバイステップでの書き込みを実施
  • 書き込み時はジャンパワイヤはショートしっぱなし
  • 書き込み時にERROR: might be timeout in USB write.というエラーが起こったときは、Jetsonを再起動したり、USBのポートを変えたり、ケーブルを変えたりしてトライ
  • ディスプレイに画面が一瞬映って消えるときは、ディスプレイやHDMIケーブルを変えてトライしてみる
  • フリーズしたときは、Ctrl + Alt + Fn(ファンクションキーいずれか)でコンソールログインも確認してみる
  • A start job is running for End-user configuration after initial OEM installationが表示されて進まないときは、何度か電源ON/OFFする 参考:jetson nano起動時にエラーが表示されたまま先に進まない(A start job is running for End-user configuration after initial OEM installation)

ディスプレイ(モニタ)の問題は、あるあるですね。過去、ラズパイでも同じようなことがありました

Chromiumインストール

ブラウザのセットアップをします。Google Chromeはインストールできないので(もしインストールする方法あったら誰か教えてください)、Chromiumブラウザを以下のコマンドでインストールします。

$ sudo apt update
$ sudo apt install -y chromium-browser

追記:2025/07/21 ChromiumがSnapのアップグレードの影響でJetsonでChromiumが動かなくなったようです。以下コマンドを実行することで起動できるようになりました。

$ snap download snapd --revision=24724
$ sudo snap ack snapd_24724.assert
$ sudo snap install snapd_24724.snap
$ sudo snap refresh --hold snapd

参考:Why Chromium Suddenly Broke on Jetson Orin (and How to Bring It Back)

1Passwordログイン

パスワード管理ソフトの1Password。アプリは基本入らないので、ブラウザで使用するのが便利です。https://my.1password.com/にアクセスしましょう。

https://my.1password.com/

GitHub CLIのセットアップ

いれておきます。

$ sudo apt install gh
$ gh auth login

VS Codeエディタインストール

公式サイトのダウンロードページで、以下のバイナリをダウンロードします。

以下コマンドでインストールします。

$ cd ~/Downloads
$ sudo dpkg -i code_*_arm64.deb

VS Codeエディタをインストールします。これまた正式版はインストールできないので(やり方知っている人いたら教えてください)、以下コマンドでInsider版をインストールします。
以下はInsider版のインストール方法です。

$ cd && wget -O insider.deb https://update.code.visualstudio.com/latest/linux-deb-arm64/insider
$ sudo apt install ./insider.deb
$ sudo mv /usr/bin/code-insiders /usr/bin/code

VS Codeエディタの使い方は以下参照ください。
https://zenn.dev/karaage0703/books/80b6999d429abc8051bb

Vimエディタインストール

必要な人は入れましょう。

$ sudo apt install vim

日本語化

以下コマンドで必要なライブラリのインストール、設定を実施します。

$ sudo apt install -y ibus-mozc
$ sudo apt install -y language-pack-ja
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF8

以下コマンドで再起動します。

$ sudo reboot

再起動したら、右上から日本語変換としてMozcを選択できます。

これで日本語が使えるようになります。

Dockerのセットアップ

以下コマンド実行してセットアップします。

$ sudo apt install curl
$ curl https://get.docker.com | sh
$ sudo systemctl --now enable docker

Dockerに関して詳しくは以下記事参照ください。

https://zenn.dev/mkj/articles/33befbaf38c693

参考: Jetpack 6 doesn’t seem to have nvidia-docker2

パッケージ管理ツール

Pythonのパッケージ管理ツールuvとNode.jsというJavaScriptの実行環境で使うパッケージ管理ツールnpm(nvm)をセットアップします。

uvインストールは以下コマンド。

$ curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh

nvmインストールは以下コマンド。

$ curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.40.3/install.sh | bash

ターミナル再起動したら、以下コマンド実行

$ nvm install --lts

これで、uvとnpm(nvm)がインストールされます。それぞれの使い方などは以下記事参照してください。

https://zenn.dev/karaage0703/articles/029b45ff78bc57

https://zenn.dev/karaage0703/articles/ecf24124c1a535

操作・TIPS

パフォーマンスの最大化・確認

大体右上のGUIメニューで確認できます。

参考:nvpmodel-gui

Power modeMAXNが最大です。かなりパフォーマンス変わってくるので、高速化したいときは最初にチェックしましょう。

CUIでは、以下のコマンドでパフォーマンスモードを変更できます。-mの後の数字が0のときがMAXNです。

$ sudo nvpmodel -m 0

現在のモードを知りたいときのコマンドは以下です。

$ sudo nvpmodel -q

以下コマンドを実行すると、クロック周波数などのパフォーマンスを最大化できます。FANがついていれば、FANも最大速度で動作します。

$ sudo jetson_clocks

現在の設定は以下コマンドで確認できます。

$ sudo jetson_clocks --show

jetson_clocksの本体は /usr/bin/jetson_clocks なので、何をしているか知りたい場合は、直接ファイルの中身を確認しましょう($ less /usr/bin/jetson_clocksで確認できます)。

標準でセットアップされているtegrastatsは、以下コマンドで簡単にCPU、GPU負荷、メモリ使用量等をCUIで確認できます。Run tegrastatsをクリックしたときと同じ結果です。

$ tegrastats

バージョン確認方法

以下のコマンドを実行します。

$ cat /etc/nv_tegra_release 

以下は実行結果です。最初のR36 (release), REVISION: 4.0がバージョン情報になります。

# R36 (release), REVISION: 4.0, GCID: 37537400, BOARD: generic, EABI: aarch64, DATE: Fri Sep 13 04:36:44 UTC 2024
# KERNEL_VARIANT: oot
TARGET_USERSPACE_LIB_DIR=nvidia
TARGET_USERSPACE_LIB_DIR_PATH=usr/lib/aarch64-linux-gnu/nvidia

バージョン情報は、以下のコマンドでも確認できます。

$ dpkg-query --showformat='${Version}' --show nvidia-l4t-core

以下は実行結果です。

36.4.0-20240912212859

音声出力・音声合成

ハードウェアとしては、ラズパイ用に買っていた、以下のUSBスピーカーを接続しています(繋げたら何も設定しなくても音は出ました)。

HM05-5010

ソフトウェアに関しては、以下記事を参照ください。

https://zenn.dev/karaage0703/articles/c616475d67a531

LLM関係

以下記事にまとめました。

https://zenn.dev/karaage0703/articles/3a2067b6b92e06

リモートアクセス(Tailscale)

手軽にリモートからVPN技術を活用してP2P通信でアクセスできるようになる便利なソフトです。

以下コマンドでインストールできます。

$ curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh

インストールしたら以下コマンドを実行して、ログインしたら使えるようになります。

$ sudo tailscale up

Macからの接続などは、以下記事参照してください。

https://zenn.dev/karaage0703/articles/1c84cd87f55ed5

Tailscaleで、スマートフォンやタブレットからRaspberry PiにSSHでアクセスできます。iOSの場合はTermiusというソフトが便利です。

まとめ

Seeed reComputer J4012についてまとめました。久しぶりのJetsonで、多少ハマったりもしながらセットアップしていますが、Jetson Nanoの経験が結構生きました。

随時情報追記していきます。

参考リンク

https://lab.seeed.co.jp/entry/2024/12/03/120000

https://lab.seeed.co.jp/entry/2025/05/16/120000

関連記事

https://karaage.hatenadiary.jp/entry/2021/03/26/073000

https://zenn.dev/karaage0703/articles/8fe578dba4857a

変更履歴

  • 2025/01/10 JetPackの書き込みに関して追記
  • 2024/11/07 VS Codeエディタについて追記
  • 2024/11/06 音声出力・音声合成に関して追記

Discussion

matsujirushimatsujirushi

以下画面で、Managed Install Languagesをクリックします(この作業はひょっとしたら不要かもしれません)。

これ、不要でした。(J3010で確認しました。)

matsujirushimatsujirushi

VS Codeエディタをインストールします。これまた正式版はインストールできないので(やり方知っている人いたら教えてください)

うーむ、何事も無くインストールできて、起動します...。😅

$ cd ~/Downloads
$ sudo dpkg -i code_1.95.1-1730354713_arm64.deb