半人前データサイエンティストがProfessional Machine Learning Engineer(PMLE)に1週間で合格した話
1. はじめに
株式会社 Hogetic Labの古畑です。
先日、Google Cloudの認定資格の1つであるProfessional Machine Learning Engineerを取得したので、その振り返りと記録を残したいと思います。
引用元:credly Professional Machine Learning Engineer Certification
その他の資格について興味のある方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
筆者経歴
- 文系学部卒。前職でビジネス職として入社後、データアナリストに転向
- 受験当時、Google Cloudの認定資格は5つ取得済
- 主にBigQueryを業務内で利用しているものの、データエンジニアとしての業務経験はほぼなし
- データサイエンティストとしては統計学や機械学習の基礎を独学で学びつつ、日々「半人前」からの脱却を目指して奮闘中
受験のきっかけ
- Googleのパートナー企業で勤務しているため、従業員の有資格数が評価されること
-
Google Cloud Partner Top Engineerというプログラムの審査基準の1つであること
- その後取得しました
2. Professional Machine Learning Engineer の概要
引用元:Complete Guide To Google Cloud Certification: Overview, Levels, And Benefits
Professional Machine Learning Engineer はGoogle Cloud の上級認定資格で、Google Cloud 上で機械学習モデルを設計、構築、運用するための専門知識とスキルを認定する資格です。
この資格は、機械学習プロジェクトの全ライフサイクルを網羅し、モデルの構築、評価、最適化、そして本番環境へのデプロイと運用を行う能力を証明します。
また、Google Cloud の各種サービスを活用して、スケーラブルかつ効率的な ML ソリューションを実現する力も評価されます。
出題範囲
- ローコード AI ソリューションを設計する
- チーム内やチーム間で連携してデータとモデルを管理する
- プロトタイプを ML モデルにスケール
- モデルのサービングとスケール
- ML パイプラインの自動化とオーケストレーション
- AI ソリューションのモニタリング
この試験はコーディングのスキルを直接評価するものではないため、コードを読み書きする技能は求められません。
詳細の出題範囲については、こちらからご確認ください。
試験要項
- 試験時間:120分
- 受験料:$200(税別)
- 試験言語:英語
- 試験形式:50問〜60問の選択式
- 実施形式
- 遠隔監視オンライン試験
- テストセンターにおけるオンサイト監視試験
- 有効期限:2年
2025年1月現在、Professional Machine Learning Engineer には日本語版の試験が存在しません。
公式の最新情報については、こちらからご確認ください。
3. 受験方法
Professional Machine Learning Engineer を受験するには、次の手順で申し込みます。
- Professional Machine Learning Engineerにアクセスし、「登録」ボタンを押す
- Google Cloud Webassessorアカウントでログインする
- アカウントがなければ新規に作成する
- 「試験の申し込み」のページにアクセスし、Professional Data Engineer資格の欄から「遠隔監視」か「オンサイト監視」を選択する
- 遠隔監視であれば希望の日程、オンサイト監視であれば希望の試験会場と日程を選択する
- お支払い情報を確認し、申し込む
私は今回テストセンターでオンサイト監視試験を受験しました。
4. 学習資源
今回Professional Machine Learning Engineer を受験するにあたり、私が使用した学習資源について記載します。
公式模擬問題
公式が提供する模擬問題です。
問題形式や実際の試験で出題される可能性のあるコンテンツの例に慣れるため使用しました。
本番でも概ね同様の形式で出題されましたが、解説も英語のため日本語に比べて理解に苦労しました。
Google Cloud Skills Boost
公式が提供する学習資源です。
さまざまなジャンルごとに学習コースが提供されており、Professional Machine Learning Engineer についても受験に向けた専用のコースが用意されています。
単に動画講義を視聴するにとどまらず、「ラボ」と呼ばれるコンテンツが用意されており、専用のGoogle Cloud 環境で各ツールの動作を検証することもできます。
非常にボリューム満点な教材のため、標準受講時間が数十時間となっています。
「最短で試験に合格する」という目的の方には合いませんが、学んだことを業務で活かす上ではとても役に立つ教材だと思います。
試験対策ブログ
クラウドエース様がProfessional Machine Learning Engineer 試験対策のブログ記事を執筆されています。
試験範囲となるGoogle Cloud の各サービスや機械学習の用語について、日本語で簡潔にまとめられており、大変参考になりました。
Google Cloud の知識だけではなく機械学習の知識も必要となるため、特に普段機械学習に触れていない方は一読すべき内容かと思います。
非公式模擬問題集
非公式のものになりますが、udemyやAmazonでは模擬問題集がいくつか発売されています。
本番でも本問題集とかなり近しい問題がいくつか出題されており、取り組んでおくと余裕を持って本番に臨めると思います。
Google Cloud(無償枠)
教科書の解説がいまいちよく分からない場合など、実際に触ってみることで理解できることがしばしばありました。
私は業務上ですでにGoogle Cloud を利用していたためそちらを活用しましたが、利用していない方に対しても無償枠が用意されています。
5. 勉強方法
私はProfessional Machine Learning Engineer を目指すにあたり、以下のようなスケジュールで勉強しました。
- まず公式模擬問題を1周解き、試験の雰囲気を掴む(1時間)
- クラウドエース様の記事を読み、試験範囲を捉える(3時間)
- Google Cloud Skills Boostに取り組み、出題範囲の理解を深める(2日)
- 模擬試験に取り組む(3日)
- 1周目は問題を解かず、問題・選択肢と解答解説を読み込む
- (不)正解の選択肢が(不)正解である理由を説明できる状態にする
- 2周目は問題を解く
- 「自信を持って正解できた」問題にマークをつける
- 3周目はマークのついていない問題を解く
- ここで間違えた問題は教科書の該当部分に戻り、理解できるまで読む
- 1周目は問題を解かず、問題・選択肢と解答解説を読み込む
- 教科書や模擬試験の解説で理解できなかった部分をGoogle Cloudで実際に確認する(1日)
半人前とはいえデータサイエンスに触れていたことに加え、Professional Data Engineer を取得した際の学習内容が活かせたため、勉強時間は短くなっています。
もちろんこれが正解というものではありませんので、学習法は個人にあったやり方を模索してみてください。
6. 感想
全体的な印象
問題文の英語は専門用語が中心で、難解な表現は少なかったため、機械学習分野の英語に慣れていれば大きな障壁にはなりませんでした。
問題は実務に即したシナリオ形式が多く、単なる知識だけでなく、実際の業務での経験や判断力が試される内容でした。
特に、Google Cloud のサービスをどのように組み合わせてソリューションを構築するか、といった実践的な問題が多く出題されました。
技術的な深さ
実務にどう適用するかを問うシナリオベースの問題が多いため、単なる基礎知識では対応が難しいと感じました。
単なる「機械学習の知識」ではなく、「実際に業務で ML ソリューションを構築・運用した経験」が大きな武器になる試験という印象です。
試験範囲の幅広さ
出題内容は、機械学習の理論的な知識だけでなく、Google Cloud の各種サービス(特に Vertex AI)を活用した実践的なスキルが問われるものでした。
また、MLOps に関する知識や、モデルのデプロイ、モニタリング、最適化といった運用面での理解も必要とされ、他の認定試験と比べかなりハードルが高い印象でした。
7. まとめ
以上、Professional Machine Learning Engineer の概要、受験方法、学習方法などについて個人的な考えを交えて記載しました。
皆様の参考になる情報が見つかれば幸いです。
最後に宣伝ですが、弊社はGoogleの生成AIパートナーとして、Google Cloudの活用およびデータ分析の民主化に取り組んでいます。
データアナリスト・データエンジニアをはじめ各ポジションでの採用も行っておりますので、ご興味がある方はチェックしてみてください。
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