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[Snowflake Summit 2025 AI/ML系 参加記] day2 / 新機能 Snowflake Intelligence

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はじめに

こんにちは、ナウキャストで LLM エンジニアをしている Ryotaro です。

サンフランシスコで開催された Snowflake Summit 2025 にナウキャストのメンバーで参加しました!
本日 Snowflake Summit 2025 の 2 日目は Platform Keynote で新しく発表された Snowflake Intelligence と機能が追加された Cortex Agentsについてまとめたいと思います!

↑ ナウキャストの他メンバーも記事を投稿しているので、ぜひご覧ください!

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day 4 の記事はこちらです!

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セッションの基本情報

Snowflake Intelligence と Cortex Agents に関する 2 つの What's New セッションに参加してきました!

  1. What's New: Snowflake Intelligence and No-Code Agentic AI
    • リンク: https://reg.summit.snowflake.com/flow/snowflake/summit25/sessions/page/catalog/session/1741712658502001GaW5
    • スピーカー:
      • Jeff Hollan(Director of Product, Snowflake Intelligence and Agents, Snowflake)
    • 概要
      • Discover how to build and deploy a no-code, agentic AI platform with Snowflake Intelligence. See how organizations are bringing together structured and unstructured data to make insights accessible across their entire enterprise via an AI-driven agentic interface, all within Snowflake. Join us for a product overview, best practices discussion and live demo.

https://x.com/ryotarogai7/status/1930004214098604224

  1. What's New: Deploy Accurate Conversational Apps in Cortex AI with AI Data Agents, WN205T

https://x.com/ryotarogai7/status/1930023943014101225

Snowflake Intelligence

Snowflake Intelligence(近日 public preview 開始)は、Snowflake の新しい機能で、Cortex Agent を使用して統合的な会話型エクスペリエンスを提供します。構造化テーブルと非構造化ドキュメントの両方から、実用的なインサイトを瞬時に引き出すことができます。さらに既存のセキュリティポリシー(ロールベースアクセス制御、マスキング、監査など)を自動継承するため、安全かつガバナンスの効いた形で社内データを質問・分析できます。chatgpt のような会話型のインターフェースで、snowflake のデータに対して質問することができたり、web search で情報を取得したり、chart を作成したりすることができます。

Snowflake Intelligence と Cortex Agents の違い

Cortex Agents は構造化データソースと非構造化データソースの両方を統合し、タスクを計画し、ツールを使用してタスクを実行し、レスポンスを生成するという API なのに対して、Snowflake Intelligence は Cortex Agents を内部で実行する画面実装済みの会話エクスペリエンスを提供するサイトであるということみたいです。いわば ChatGPT の AI chat 画面と API の違いかなと思います。

Snowflake Intelligence は Cortex Agents の機能に加え、以下のような様々な機能がついています。

Data Connector

chat 画面から参照できるデータは snowflake のデータのみではなく、そのほか Google Drive や Confluence などのデータも Openflow Connector を使って接続することができます。今日ほかに発表された機能ともうまく組み合わせて構築することで、より高度なアプリケーションを構築することができます。

  • Confluence
  • Google Drive
  • Sales Enablement
  • Salesforce
  • Pipeline
  • Product Usage Cortex
  • Workday


2025/6/3 までの Openflow Connector の対応範囲

tool use 機能

Cortex Search / Cortex Analyst による構造化・非構造化データの分析とは別に tool を加えることができるようです。

たとえば web search 機能で、これは Snowflake Intelligence の機能というよりは Cortex Agents の新機能のようですが、tool として外部の情報を検索し、取得する関数を追加することができます。さらに tool spec / tool result / resouce を定義することでカスタムに tool を実装することもでき、言語は snowflake 内のストアドプロシージャでかければなんでも使えるとのことです。


実際の設定画面

Monitor 機能

また Snowflake Intelligence で実行した会話のログを集計し、管理する機能も登場しました。見れる内容としては、各実行の input / output に加え、その思考過程とどの tool をつかったかなど LangChain の chain の階層構造のような中身を確認することができます。

さらに各回答の score も見ることができ、user の FB とともにこの辺りの情報から chat の精度改善にも繋げられるようです。

個人的にはこういった LLM を使ったシステムにおいて observility のツールが精度の確認と向上の施策検討にとって重要だと思っているので、非常に嬉しい機能です。

ちなみに、Cortex Agents の機能としても Monitor 機能はあり、若干画面が異なるのでこれら二つの違いについては実際に触ってみて確かめる必要があるかなと思います。(明日以降で snowflake の内部の人に聞けたら聞いてみます!)

DB 検索のアクセス制御

Snowflake の DB にアクセスする際に重要な概念が権限管理だと思います。Cortex Analyst では semantic model および対象となっている DB にアクセスする権限がない role では検索ができないようになっていました。

Snowflake Intelligence でも同様にその user の rule に基づいて検索できる対象をコントロールしているようです。

実際にその確認画面が Agents を作成する際にあり、既存のロールがこの agents 経由で DB にアクセスできるかを検証する機能もあり、事前にアクセス可否を確認できます。

このアクセス可否が Cortex Search も Cortex Analyst も対象のアクセスどちらもみているかは言及がなかったので、要検証ですね。片方はアクセスできて、片方はできないなどの権限管理だと設定画面の表示がどうなるのか不透明なのは気になります。(逆にそういったことが起きないような権限管理が理想ですが…)

気になった点

利用できるモデルは?

モデルは Anthropic を代表として、OpenAI や Mistral、Meta の Llama、Deepseek が利用できるようです。ただし Gemini についてはこれから導入予定とのことです。

Orchestration 設定画面ではモデルを選択できますが、Cortex Agents の model に関する document では orchestration の model と内部実行の llm は異なるような雰囲気の記載がありました。

Cortex エージェントでは、以下のモデルを使用してレスポンスを生成できます。ただし、このモデルはオーケストレーションには使用されないことに注意してください。

  • ラマ 3.1-70b
  • ラマ 3.3-70b
  • ミストラル-ラージ 2
  • クロード-3-5-ソネット

また、system prompt については planning 用の prompt はカスタムできるようです。まだ完全には見切れていないですが、画面上から response や共通の system prompt が設定できなさそうで、Cortex Agents の document にはあるので Snowflake Intelligence の構築画面からでも設定できると良いなと思いました。

Memory の場所は?

Agent の構築にあたり memory と言う機能があり、chat の会話履歴を保持してくれるようです。ただ、直接 Harshal さんに聞いたところ、この memory の DB 自体は snowflake 側で管理しており、ユーザーはコントロールできないようです。

Monitor 機能で会話のラリーは見ることができるので、確認はできますが、一括で取得するみたいなことはできないように思えました。

コストはどれくらいかかるのか?

サービスを運用する上では欠かせないコストの観点ですが、Cortex Agents は preview 状態で Cortex Search のコストのみかかるようです。ただ Snowflake Intelligence は記載がないので未知数ですね。特に session 内でも言及がなかったので public preview になってから発表されると思われます。

参考:https://docs.snowflake.com/en/user-guide/snowflake-cortex/cortex-agents#cost-considerations

まとめ

Platform Keynote で多くの AI 系サービスの発表があり非常に盛り上がりました。今回取り上げた Snowflake Intelligence はユーザーが今まで API 経由の streamlit 上で構築していた agent をマネージドで構築できる画期的なサービスで、monitor 機能などで中身も観れるのでかなり便利なサービスなのではないかなと思いました!個人的には UI/UX も戦練されており、user にとっても開発者にとっても嬉しい機能です。

ただ依然として Cortex Search や Cortex Analyst を適切に構築する必要があり、この点は以前と変わらないので、chunk 戦略や semantic model の最適化は今後も重要になると思います。

また、Snowflake Intelligence と Cortex Agents の棲み分けはまだ整理しきれず、GUI 上で設定する Snowflake Intelligence 内の Agent と Cortex Agents で設定できる項目にずれがあるのでこのあたりは今後もキャッチアップしていく必要がありそうです。

明日以降は本日触れられなかった別の新しい AI サービスについてキャッチアップ & 発信していこうと思いますのでよろしくお願いします!

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