[AWS]EC2の構成2(ENI,セキュリティグループ,EBSなどストレージ)
前回に引き続き、AWSの学習を進めていきます!
前提知識
今回作成したもの
- VPCのCIDR 192.168.0.0/16
- 1個目 名前:パブリック1a CIDRブロック:192.168.0.0/19
- 2個目 名前:パブリック1c CIDRブロック:192.168.32.0/19
- 3個目 名前:プライベート1a CIDRブロック:192.168.64.0/19
- 4個目 名前:プライベート1c CIDRブロック:192.168.96.0/19
1. 名前の「1a」「1c」の意味
- 「1a」「1c」は AWSのアベイラビリティゾーン(AZ, Availability Zone) を指している。
- AWSリージョン(例えば
ap-northeast-1
)には複数のAZがある。例えば、ap-northeast-1a
,ap-northeast-1c
など。 - AZは物理的に分離されたデータセンターのグループで、障害対策のために利用される。
- 「1a」「1c」 という名前は、特定のリージョン内のどのAZに属するサブネットかを示している。
2. CIDRブロックの「数字」が違う理由
VPC(192.168.0.0/16
)のアドレス空間をサブネットに 分割 しているため、サブネットごとに異なるアドレス範囲を割り当てる必要がある。
VPCのCIDRブロック 192.168.0.0/16
は 65,536個(2¹⁶)のIPアドレス を持つ大きなネットワーク。
そこから /19 のサブネットを作ると、各サブネットには 8,192個(2¹³)のIPアドレス が割り当てられる。
CIDRの計算方法
-
192.168.0.0/16
を基準に、/19 のサブネットを作る場合、8192(=2¹³)個のIPアドレス を持つブロックを順番に割り当てる。 - 各 /19 サブネットは、8192個(2¹³)のIPアドレスを持つため、最初のアドレスが「32」ずつ増えていく ことになる。
具体的な計算
サブネット名 | CIDRブロック | IP範囲(開始アドレス - 終了アドレス) |
---|---|---|
パブリック1a | 192.168.0.0/19 | 192.168.0.0 - 192.168.31.255 |
パブリック1c | 192.168.32.0/19 | 192.168.32.0 - 192.168.63.255 |
プライベート1a | 192.168.64.0/19 | 192.168.64.0 - 192.168.95.255 |
プライベート1c | 192.168.96.0/19 | 192.168.96.0 - 192.168.127.255 |
なぜ192.168.32.0なのか?
-
192.168.0.0/19
は 0.0 から 31.255 までを使用。 - 次の
192.168.32.0/19
は、前の範囲の 次のブロック だから。
つまり、CIDRの 32
の部分は 前のサブネットが使った範囲の次の開始地点 になっている。
ENI(Elastic Network Interface)
RC2インスタンスに付与される仮想ネットワークインターフェース。
VPCは、仮想ネットワーク全体の設計を提供する。
インスタンスの通信は全てENIを経由する、EC2インスタンスにIPアドレスを付与することができる。
インターフェースとは
「接点」や「つなぎ目」「異なるものをつなぐ仕組み」「物理的または仮想的な接続ポイント」
「仮想的なネットワークアダプタ」
ENI(Elastic Network Interface)における「インターフェース」 は、「ネットワークとEC2インスタンスをつなぐ接点」 のことを指す。
ENIがないとどうなる?
- EC2インスタンスがVPC内で通信できなくなる(IPアドレスを持てない)。
- パブリックIPの割り当てができなくなり、インターネットアクセスが不可。
- EC2間の通信や、他のAWSサービスとの接続もできなくなる。
セキュリティグループとは?
セキュリティグループ(Security Group, SG) は、AWSの仮想ファイアウォール のようなもの。
主に EC2インスタンス、RDS、Lambda(VPC内)、ECS などのリソースに適用され、 どの通信を許可するかを制御する 役割を持つ。
セキュリティグループの特徴
インバウンドルールとアウトバウンドルール
セキュリティグループには 2種類のルール がある。
ルール | 方向 | 説明 |
---|---|---|
インバウンドルール | 外 → 内 | 「どのIPやポートからのアクセスを許可するか?」 |
アウトバウンドルール | 内 → 外 | 「どこへの通信を許可するか?」 |
📌 デフォルトの動作:
- インバウンドルールはすべて拒否(Deny) → 許可したものだけ通る
- アウトバウンドルールはすべて許可(Allow) → 特に制限をかけなければすべて通る
EC2のストレージ
EC2インスタンスには、データを保存するためのストレージがアタッチ(接続する・付属する・取り付ける)される。
主に 「ルートボリューム」 と 「データボリューム」 の2種類があり、それぞれ異なる目的で利用される。
ストレージの種類 | 役割 |
---|---|
ルートボリューム | EC2の起動に必要なOSや設定情報を格納(例:OSイメージ) |
データボリューム | アプリケーションのデータやログを格納(追加できるストレージ) |
ストレージ
ストレージとは、データを保存・管理するための仕組みや装置のこと。
AWSでは、EC2のデータを保存するために EBS(永続的なストレージ) や インスタンスストア(一時的なストレージ) などが使われる。
ストレージとデータベースの違い
項目 | ストレージ | データベース |
---|---|---|
役割 | データを保存する場所(ファイルやオブジェクトの格納) | データを整理・管理して、高速に検索・操作できるシステム |
例 | HDD, SSD, EBS, S3 | RDS, MySQL, PostgreSQL, DynamoDB |
検索・管理機能 | なし(手動で管理) | SQLやAPIでデータを簡単に取得・操作 できる |
データの構造 | ファイルやフォルダ単位 | テーブルやキー・値形式で整理 |
用途 | 画像・動画・ログ・バックアップ保存 | 顧客情報・注文データ・リアルタイム分析 |
📌 簡単に言うと:
- ストレージは「倉庫」 → 物を置くだけ(整理・検索機能なし)
- データベースは「図書館」 → 本を分類し、簡単に探せる(検索・管理機能あり)
👉 データを「保管するだけ」ならストレージ、効率的に「管理・検索」するならデータベースを使う!
EC2インスタンスにアタッチされるストレージの種類と関連機能を解説!
EC2インスタンスには、データを保存するためのストレージがアタッチされる。
主に 「ルートボリューム」 と 「データボリューム」 の2種類があり、それぞれ異なる目的で利用される。
ストレージの種類 | 役割 |
---|---|
ルートボリューム | EC2の起動に必要なOSや設定情報を格納(例:OSイメージ) |
データボリューム | アプリケーションのデータやログを格納(追加できるストレージ) |
EC2のストレージにはいくつかの種類があり、それぞれ用途が異なる。
Amazon EBS(Elastic Block Store)
- ネットワークを介してEC2インスタンスに接続されるストレージ(ブロックストレージ)
- EC2インスタンスを停止・再起動してもデータが保持される
- AWSマネジメントコンソールやAPIでボリュームの管理が可能(付け外し、スナップショット、コピーなど)
- 冗長性があり、データの耐久性が高い
📌使いどころ
- EC2のルートボリューム(OSの格納)
- データベースやアプリケーションのデータ保存
- スナップショットを利用したバックアップ
- 複数のEBSを1つのEC2にアタッチして、ストレージ拡張
👉 ほとんどのEC2インスタンスで、特に理由がなければEBSを利用するのが一般的!
インスタンスストア(Instance Store)
- EC2インスタンスに直接接続される高速ストレージ
- 冗長性がなく、インスタンスを停止・終了するとデータが消える(一時的なストレージ)
- ディスクI/Oが非常に高速(低レイテンシ)
- HDDやSSDを使用するインスタンスタイプ(
c5d
,i3
,m5d
など)で利用可能
📌使いどころ
- 一時的なデータのキャッシュやバッファ
- 高スループット・低レイテンシのデータ処理(HPC用途)
- OSのスワップ領域として利用
👉 データが消えても問題ないテンポラリ領域として使う!
Amazon EFS(Elastic File System)
1つのEFSストレージを、複数のEC2で同時に使える。また、AWSが自動で容量の増減やメンテナンスを行うため、ストレージ管理の手間が減るNFS(Network File System)。
NFS(Network File System)
「NFS(Network File System)」は、ネットワーク経由で利用できるファイルシステムの仕組み。
- ネットワーク経由で複数のEC2インスタンスに同時にマウントできるファイルストレージ(NFS)
- 複数のインスタンス間で共有可能(スケーラブル)
- 自動で容量が増減するため、ストレージ管理が不要
- Linuxベースのインスタンスで利用可能
📌使いどころ
- 複数のEC2インスタンス間でファイル共有
- Webサーバーの静的ファイル・ログ保存
- DockerコンテナやKubernetes環境でのストレージ管理
👉 「複数のEC2から同じデータを扱いたいとき」に便利!
EC2のストレージ一覧まとめ
ストレージタイプ | 特徴 | データの永続性 | ユースケース |
---|---|---|---|
EBS(Elastic Block Store) | 永続的なブロックストレージ | EC2を停止・終了してもデータが残る | データを保持したい場合(OSディスク、DB) |
インスタンスストア | EC2の物理サーバーに直接接続された一時的なストレージ | EC2を停止・終了するとデータが消える | 高速な一時データ(キャッシュ、バッファ) |
EFS(Elastic File System) | 複数のEC2インスタンス間で共有できるフルマネージドなファイルストレージ | EC2を停止・終了してもデータが残る | 複数EC2間でのファイル共有、スケーラブルなストレージが必要なアプリケーション |
EBS最適化オプション(EBS-Optimized)
- EC2インスタンスのネットワーク帯域を「通常のネットワーク」と「EBS用の通信」に分けるオプション
- EBSへのアクセスが他のネットワーク通信に影響されなくなるため、安定したディスクパフォーマンスを提供
- EBS最適化が有効なインスタンスタイプ(M5, C5, R5など)で利用可能
📌使いどころ
- データベースやストレージ集約型のアプリでEBSの安定性を向上させたい場合
- 高IOPSを必要とするアプリケーション(大規模データ処理など)
- EC2のネットワーク通信が多く、EBSの遅延が発生する場合
👉 「EBSへのアクセスを安定させたいとき」に使う!
参考文献
Discussion