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「エンジニアのためのマネジメント入門」第3章を読んで

2023/12/29に公開

はじめに

この記事は、以下書籍を読んで、自分のインプットの整理としてまとめています。この記事は3章になります。
https://www.amazon.co.jp/エンジニアのためのマネジメント入門-佐藤-大典-ebook/dp/B0BWDT77BT/ref=sr_1_1?adgrpid=144000458577&gclid=CjwKCAjw-7OlBhB8EiwAnoOEk2M5fGATMBhUQ2pkqvroPzoE94LRj7HocdZrxFvWU2EsVl_CXxlZFBoCJKgQAvD_BwE&hvadid=664260454751&hvdev=c&hvlocphy=1009250&hvnetw=g&hvqmt=e&hvrand=8352912369224470081&hvtargid=kwd-1966966680428&hydadcr=1822_13625308&jp-ad-ap=0&keywords=エンジニア+の+ため+の+マネジメント+入門&qid=1689144951&sr=8-1

前章の記事はこちら

第3章 チームをエンジニアリングする

第3章では、成果を上げられるチームを作ることを目的とし、チームの立ち上げから運営までをまとめている。

指示

マネージャーは業務遂行のためチームを動かす指示を出す。指示を「コマンド・アンド・コントロール」と「ミッション・コマンド」の2つに分け、使い分けることがよい。

  • コマンド・アンド・コントロール
    • 細かく指示すること
    • 大きな意思決定を素早く実行する場合や障害対応などの緊急事態で有効
  • ミッション・コマンド
    • 組織の方針を伝え、現場自ら判断し動いてもらうこと
    • 現場のメンバーが状況に合わせて動くことになるため、不確実な状況でも迅速かつ柔軟に対応できる

コマンド・アンド・コントロールを続けてしまうと、マイクロマネジメントになってしまい指示待ちチームとなってしまう。

リーダーシップ

チームを作るには、リーダーシップが必要になる。リーダーシップマニフェストを引用し、以下の内容が掲げられている。

リーダーシップマニフェスト

我々は次のことを信じている
偉大なチームは成長によって作られる。雇うことで作られるものではない。
チームリーダーの目標は、チーム内の人々のスキルを自己組織化に至るまで継続的に成長させることだ。幸せなチームは顧客と雇用主の両方を幸せにする。このゴールに到達するため、私たちは常に次のことを追求しなければならない。
・全員が安全地帯にとどまるのではなく、自分自身とチームがより良くなるために挑戦していく。
・特定のリーダーシップスタイルを押し付けるのではなく、必要に応じてリーダーシップスタイルを変化させる。
・マシンとばかり向き合うのではなく、人とのやりとりに参加する。

「エラスティックリーダーシップ:自己組織化チームの育て方」(Oserove, R. 島田浩二訳. 2017. オライリージャパン. p.9)

チームのフェーズ

マネージャーが求められる振る舞いはチームの状況によって異なる。この状況を概念化したのがタックマンモデルである。

タックマンモデル
チームのフェーズを5つに分けたもの。

  1. 形成期ーチームメンバーはお互いのことを知らず、また共通の目的もわからず模索している。
  2. 混乱期ーチームの目的や各メンバーの役割と責任について、意見が生まれ対立する。
  3. 統一期ー行動規範が確立する。メンバーの考え方を受容し、目的や役割、期待からチーム内の関係性が安定する。
  4. 機能期ーチームに結束力と一体感が生まれ、チームの力が目標達成に向けられる。
  5. 散会期ープロジェクトの終了など、チーム活動を終結させる。

この5つは順を追って進んでいくものではなく、機能期から混乱期に戻るなど必ずしも一方通行ではない。それぞれのフェーズに合わせてリーダーシップスタイルを変えていくことが効果的である。

リーダーシップスタイル
リーダーシップスタイルはいくつかのスタイルがあり、状況に応じて使い分けるのが重要であることは前述の通りである。本書ではゴールマンのリーダーシップスタイルを挙げている。

①強圧型リーダーシップ
 リーダーが明確な指示を行うことで、チームをコントロールする。「指示」の項で記載した通り、緊急の対応には有効だが、マイクロマネジメントに繋がってしまう。

②権威主義型リーダーシップ
 ビジョンを描き周囲を動かすスタイル。ビジョンから動機づけを行い、チームの自走を促す。ほとんどのフェーズで有効だが、リーダーよりも優れたメンバーが中心のチームの場合は、反発を招く可能性がある。

③親和型リーダーシップ
 周囲と同じ目線に立ち信頼関係を構築するスタイル。感情やコミュニケーションを重視し、形成期や意思疎通を改善したい時に有効だが、多用し過ぎると単なる良い人と見なされてしまう。

④民主主義型リーダーシップ
 チームの意思決定にチームメンバーの意見を反映させていくスタイル。チームの合意を重視して、広く意見を集め課題を解決する。チームメンバーから意見を取り入れることでチームのコミットメントを高めるが、議論を長引かせ意思決定のスピードを低下させる。

⑤先導型リーダーシップ
 自ら高いレベルの手本を示すことで、チームに同様の成果を期待するスタイル。期日までに仕事を終えるなど短いスパンで確実に成果が求められる場合には適しているが、チームの成長が止まりリーダーがいないと何もできないチームになる可能性がある。

⑥コーチ型リーダーシップ
 リーダーがコーチの役割を担うスタイル。メンバーの成長を促して、中長期的な視点での成功を目指す。長期的には有効だが、短期的な仕事に対しては適していない、またメンバーがコーチを求めていない、リーダーのコーチングスキルが不足している場合には効果が低くなる。

感想

今回の章ではチームという観点でマネジメントが語られていました。次章以降、マネジメントの観点、言うなればマネジメントの対象はより大きくなっていく構成からも、チームのマネジメントはマネジメントの本当の意味でのスタートだなあと改めて感じました。これまでの経験からも、リーダーの形は様々あると体感としてありましたが、ちゃんと整理できたので良かったと思います。今後、複数人と共に業務を進めていくことが必ずあると思いますが、リーダーとしての役職かそうであるかを問わずその場にあった牽引役としての振る舞いをしていきたいですね。

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