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「エンジニアのためのマネジメント入門」第2章を読んで

2023/11/26に公開

はじめに

この記事は、以下書籍を読んで、自分のインプットの整理としてまとめています。この記事は2章になります。
https://www.amazon.co.jp/エンジニアのためのマネジメント入門-佐藤-大典-ebook/dp/B0BWDT77BT/ref=sr_1_1?adgrpid=144000458577&gclid=CjwKCAjw-7OlBhB8EiwAnoOEk2M5fGATMBhUQ2pkqvroPzoE94LRj7HocdZrxFvWU2EsVl_CXxlZFBoCJKgQAvD_BwE&hvadid=664260454751&hvdev=c&hvlocphy=1009250&hvnetw=g&hvqmt=e&hvrand=8352912369224470081&hvtargid=kwd-1966966680428&hydadcr=1822_13625308&jp-ad-ap=0&keywords=エンジニア+の+ため+の+マネジメント+入門&qid=1689144951&sr=8-1

第1章の記事はこちら

第2章 対話の基礎を学ぶ

第2章では、人と関わる機会の多いマネージャー業務に有用なコミュニケーションについて、対話、会議の切り口から見識を深める。なお、本章ではコミュニケーションを取る相手を「クライアント」と呼称する。

ティーチング
 ティーチングのゴールは、クライアントができなかったことをできるようにすることである。できるようなることで以後教える必要がなくなるからである。ティーチングでは一方的に教えるのではなくクライアントとのコミュニケーションを取ることであり、本書では以下の4段階と整理されている。

  1. クライアントを観察する
    • クライアントが教える内容について、どのくらい知っているか、重要視しているか把握する。
  2. クライアントに知識を提供する
    • 難しすぎず、簡単すぎないように、クライアントが持っている知識より少し詳しい知識を提供する。
  3. クライアントに実践の機会を与える
    • クライアントが知識を使い練習する場を与えやってみてもらう。
  4. クライアントに結果をフィードバックする
    • うまくできたらより難しいことを、うまくできなかったら原因を分析し伝える。

また、教えることの基礎として、心理学者スキナーが提唱したプログラム学習の5原理がある。これらの原理を押さえることで効果的なティーチングが可能になる。

プログラム学習の5原理

  1. 積極的反応の原理ークライアントが受け身で説明を聞き理解するのではなく、問題に答えるなど積極的に行動させる。
  2. 即時確認の原理ークライアントが回答したらすぐに正誤を明かし、答えを確認できるようにする。
  3. スモールステップの原理ー学習内容を小さな内容に分解して、少しずつ難易度をあげて学習するように学習内容を構成する。
  4. 自己ペースの原理ー学習速度には個人差があるため、それぞれのペースで進められるようにする。
  5. 学習者検証の原理ー学習内容の良し悪しを実際のクライアントの学習の進捗から判断する。

コーチング
 コーチングは、その人が望むところまで送り届けることを意味する。エンジニアのコーチングとは、クライアントとなるエンジニアのキャリアや目標達成を支援することである。コーチング手法の1つとして、GROWモデルがある。

GROWモデル

  • Goalー目標の明確化。
  • Realityー障壁や資源の現状認識。
  • Optionー可能性や選択肢の発見。
  • Willー具体的なアクションの決定。

マネージャーに会議はつきものである。本書では会議の目的を以下の3つとしている。

  • 伝達ー情報共有や申し送りなど。
  • 創造ーブレインストーミングなど。
  • 決定ー承認会議・経営会議・取締役会など。

しかし、ドラッカーは業務時間の25%を会議に当てているなら、それは組織構造に問題があると指摘している。会議が増えることの要因として、定例会議が挙げられる。定例会議では目的やテーマが毎回異なり、アジェンダも不明瞭になってしまうことから形骸化してしまうことがあると述べる。会議が機能不全になる要因を7つ取り上げている。

  1. 闇鍋会議ー会議の目的やアジェンダを事前に伝えない会議。始めるまで内容がわからず、参加者が準備できないため会議も長引く。
  2. 時間意識の欠如ー時間通りに終わらない会議。遅刻者や議論の脱線、タイムキーパーの不在によりだらだらと会議が続いてしまう。
  3. 大名行列会議ー大勢の参加者を集めた会議。発言の一人一人の密度が下がり、議論もまとまらない。
  4. 忘却の会議ー議事録などを残さない会議。決定したことや次のアクションが曖昧になり、認識齟齬になる。
  5. 議論の空中戦ー文書などの共有がなく、その場の発言だけで議論する。
  6. 発言の否定ー参加者の発言が否定される会議。否定されることで、誰も発言しなくなってしまう。
  7. 結論の先送りー結論を出さずに終了する会議。会議の目的に対して何も進展がない。

会議を正しく行うために、ルールを設けること、さらにはマネージャーがファシリテーションすることが重要である。ファシリテーションのフレームワークにはOARRがあり、以下4つの項目の頭文字である。

  • Outcomeー成果イメージや具体的な目標。
  • Agendaー予定、議題。
  • Roleー参加者の役割。
  • Ruleー約束やルール。

会議にはさまざまな目的があり、堀の目的に応じて7つのファシリテーションプロセスのパターンがあることを引用している。

7つのファシリテーションパターン

  1. 発散・収束型プロセス
    • 発散→収束→発散→収束
    • ブレインストーミングなどが当てはまる
  2. 同意形成型プロセス
    • 提案→審議→代替案→決定
    • 技術導入の検討会議で採用される。
  3. 問題解決型プロセス
    • 問題設計→原因分析→方策立案→行動決定
  4. 目標達成型プロセス
    • 目的共有→条件設定→方策立案→行動決定
  5. 起承転結型プロセス
    • 起→承→転→結
  6. 体験学習型プロセス
    • 体験→指摘→分析→仮説
    • ワークショップに適する。
  7. 組織変革型プロセス
    • 会話→対話→議論→省察

感想

第2章はマネジメントの基礎構築のためのコミュニケーション入門といったところ。個人との対話の手法としてのティーチングやコーチングを整理していて、昨年OJTをしていたこともありもっと早くに読んでおけばと思いました。また、会議のところでは、実際に、自分がなんらか課題が発生した際に課題と経緯、解決策の案をいくつか考えたうえでミーティングを開催、ファシリテートしていたのですがファシリテーションプロセスパターンの2と3をおのずとやっていたのかとかつてのアクションとパターンが符合できてスッキリしました。今後も何かしら集団で議論する際に当てはめて参考にできないかファシリテーションプロセスパターンは考えていきたいと思います。この章は学べる点が多いと感じているので、今後さらに追記するかもしれません。

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