難しく考えない1on1

2023/06/20に公開

※この記事は便宜的に1on1を実施する側をマネージャー、受ける側をメンバーとします。
※実際には実施する側がメンターやリードの場合も多いです。

1on1とは

1on1は、マネージャーとメンバーが1対1で行う面談であり、以下の特徴を持ちます。

  • 頻度: 週1回から月1回
  • 時間: 1度に15分から30分
  • 目的: メンバーの悩みや不安、課題を対話を通じて引き出すこと

なぜ週1回から月1回の1on1が難しいのか

ハードルが上がる

話すことがない問題を避けるために、マネージャー、メンバー双方とも相応の準備してきます。
この1on1をより充実したものにする努力が逆に1on1を固く重っ苦しい"会議"に変えてしまいます。
"会議"が1on1のハードルを上げてしまい、次回の1on1の実施を困難にしてしまいます。

悩みや不安、課題を引き出し辛い

メンバーは毎日の業務の中で悩みや課題を感じていますが、日々の業務に追われて些細なものはすぐに忘れてしまいます。
週1回から月1回の1on1の場合、直近1〜2日前の悩みや不安、課題しか引き出せません。

毎日1on1のススメ

週1回から月1回、長い時間を取って"会議"するから大変なのでは?
毎日ちょっとずつ1on1をすればいいのでは?
ということで、毎日5〜10分の短い時間を利用して1on1を行うことを推奨します。

メリット
  • メンバーの負担が少ない
  • 悩み、課題感、不安をタイムリーに引き出せる
  • 小まめにフィードバックを返せる
デミリット
  • マネージャーの負担が大きい
    実際のところ何も無ければ一瞬で終わります。
    しかし「いや〜今ここ悩んでいるんですよね」から1時間費やすのはざらにあります。

タイミング

1on1を行うタイミングは慎重に選ぶ必要があります。

避けるべきタイミング
  • 朝礼直後
    • 脳が仕事モードになっていないので効果低いです。
  • 昼前
    • うざい、休憩時間が減る
  • 退勤前
    • うざい、無意味な残業につながる
良いタイミング
  • 朝礼後30分〜60分後〜お昼1時間前
    • 前日の仕事の内容を思い出して取り掛かろうとしているタイミングです。このとき、メンバーは前日や今日やるタスクの悩み、課題感、不安を思い出しています。
  • お昼1時間後以降〜退勤2時間前まで
    • この時間帯は集中力が切れ始めて生産性が落ちがちなタイミングです。お菓子片手に話しかけに行きましょう。

問いかけ方

悩み、課題感、不安を引き出したいので、それを引き出せるオープンクエッションをします。
やってはいけないのは「進捗どう?」
進捗良くなくても「進捗良いです。」と答えてしまいます。
進捗は別途チケット管理ツールで確認しましょう。

良い問いかけは悩み、課題感、不安を引き出せるオープンクエッションです
例:「今悩んでいることある?」「どんな感じ?」
体調について質問するのがおすすめです。「今日調子どう?」
進捗悪い場合は「ちょっと調子悪いです」と答えてくれます。

1on1を支える技術

ここでいう毎日短時間やる1on1は"会議"ではなく"雑談"です。
SlackのハドルやGoogleMeet、Zoomのようなコミュニケーションツールではどうしても"会議"になってしまうので、別途"雑談"ができるツールを導入しましょう。
リモートでも雑談を可能にするツールにGather.townがあります。

Gather | Building better teams, bit by bit
Gather.Town さわってみた

業務時間中は出社でもリモートでもGatherにログインしてもらい、いつでもコンタクトを取れるようにすることでコミュニケーションコストを引き下げることができます。

Gather.townはリモートしているなら割と必須です。

チームコアタイムを設けて横のコミュニケーションも広げる

1on1は上下のコミュニケーションですが、チーム全体のコミュニケーションも促進させたいところです。
そんなときはチームコアタイムを設けるといいでしょう。
チームコアタイムはチーム全員が顔を合わす時間帯を設けることで、偶発的な会話を生み出すことが目的です。
チームコアタイムは以下のようにするといいでしょう。

  • 全員が一箇所に集まる
  • 音声を繋げる(喋る必要はない、モクモクOK)
  • 顔を出す(と良い)
  • 1回30分〜2時間

定例などの計画的な会議はチームコアタイムを外してやりましょう。
あくまで偶発的な会話を生み出し、コミュニケーションを促進することが目的です。

リモートか?出社か?

最近ではコミュニケーション不足を理由に出社に戻す企業も多いようです。
しかし出社を強制すると(優秀な人の)離職リスクを上げることになります。
上記のようにリモートでも仕組み化すれば十分なコミュニケーションを取ることはできるので試してみてはいかがでしょうか?

補足

一番大事なことは「機嫌がいいと思われること」
プロジェクトが大変でも寝不足でも不機嫌だと思われてはいけません。
途端に話かけるハードルが上がります。

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