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『Agentic Workflowの実践知-松尾研発CEO×PharmaX CTOが語るAgent開発』 イベントレポート

に公開

こんにちは!AlmondoでFull-Stack Creatorをしている岡田です!

今回は2025年8月27日に開催された技術系オフラインイベント「Agentic Workflowの実践知-松尾研発CEO×PharmaX CTOが語るAgent開発」のイベントレポートをお届けします!

https://almondo.connpass.com/event/364560/

これまでのレポート

当日のタイムテーブル

時間 内容
19:15~19:30 開場・参加受付
19:30~19:45 オープニングトーク 登壇者・企業紹介(各社概要/サービス/開発体制)(15分)
19:45~20:00 ディスカッション① なぜAIを含んだ開発の社会実装や、プロダクトが使われるのが難しいのか?(15分)
20:00~20:15 ディスカッション② それぞれの企業で、現場で“使われる”AI エージェント/LLMアプリケーションにするためにどのような工夫をしているか?(15分)
20:15~20:30 ディスカッション③ 今後、エンジニアが身につけておくべき資質・準備とは?(15分)
20:30~21:00 ミートアップ

パネル内容

今回の投影資料です。

Almondo取り組み事例

- 現場でAIを根付かせるためには
医療分野での処方箋チェックの事例が紹介されました。例えば、薬局で患者さんが待っている間に「処方箋の有効期限が切れていた」というケースが実際にあるそうです。多くの場合は再度処方箋を出してもらう必要があり、患者さん・薬剤師双方にとって大きな負担になります。とはいえ、これを見過ごしてしまうと人命に関わるリスクもあるため、有効期限をなくすことはできません。
ただ、もっと早い段階で確認できれば、患者体験の改善にもつながり、薬剤師の作業効率も高まります。こうした現場の小さな課題を拾い上げて改善していくことが大切だと語られていました。

また、AIプロダクトを導入した後に「継続的に使ってもらう」ためには、最初の成果が非常に重要になります。必ずしも大きな改善である必要はなく、たとえ小さな改善でも現場でインパクトがあれば、関係者が「効果がある」と実感し、定着につながるといいます。

- 導入が難しい領域でどう浸透させていくか?
AIが100%の精度を出すことは不可能です。そのため、人命や大きな損害に直結する領域でAIに業務を任せることには不安が伴うのは当然です。むやみにAIを導入するのは得策ではありませんし、参入のハードルも高いのが実情です。

とはいえ、人間が対応していてもミスを完全になくすことはできません。にもかかわらず「うちの業務はAIに向いていない」と決めつけてしまうケースも少なくありません。そうではなく、業務を細分化してAIに任せられる部分を整理し、最終的な意思決定は人間が行う、といった形でワークフローを設計すれば効率化の余地はある、と説明されていました。
そのためにも、クライアントの業務を理解し、AIの特性と照らし合わせながら「どこをAIに任せるか」をデザインして提案していくことが求められるとのことです。

- 効果が実感しづらい領域で浸透させていくには?
さまざまな提案を行う中で意識しているのは、「データそのもの」以上に、現場に眠る経験や知識をどう言語化し、活用できる形にするかという点だそうです。
AI導入の場面では「精度が出ない」という声をよく耳にしますが、これは大きく2つのケースに分かれるといいます。

  1. AIが理想的な精度を出せてもリスクが高すぎるケース(医療・金融など)
  2. 実用レベルの精度に届いていないケース(精度30〜50%程度など)

(2.)のケースでは、ナレッジが形式知化されていないためにAIが十分な情報を得られていないことが多いそうです。そうした場合には、AI開発そのものだけでなく、AIが使えるように情報を整える支援も必要になります。
開発力の水準がAIによって引き上げられている今だからこそ、課題に真摯に向き合い、手段にとらわれずサポートしていく姿勢が大事だと語られていました。

- 今後求められる人材とは?
いわゆるForward Deployed Engineer的な心意気が求められる、との指摘もありました。通常の受託開発では「依頼されたものをそのまま作る」ことが多いですが、それではクライアントの真のニーズから離れてしまう可能性があります。というのも、クライアント自身が技術で何ができるかを把握できていない状態で起案することが多いためです。

だからこそエンジニアも視野を広げて、「業務が理想的に回る形」をデザインし、業務全体の設計までサポートしていく必要があるとされました。

個人のスキル面では「深掘り能力」と「好奇心」が特に重要とされています。AIが汎用的なタスクを高水準で実行できるようになっている中で、人に求められるのは知識を深掘っていく力です。そのため、「Whyを問い続ける」「仮説を立てた上で質問する」「情報を構造化して整理する」といった習慣を持つことが大切になります。

また、実現力の多くはAIに代替されていくと予想されるため、今後は「アイデアを表現できる力」により注目が集まるのではないかと語られていました。

今回の登壇者

  • Speaker
    上野 彰大 さん (@ueeeeniki)
    PharmaX株式会社 取締役CTO
    伊藤 滉太 さん (@kota_ito_5)
    株式会社Almondo CEO

  • Moderator
    松本 悠秀 さん (@YuhoMatsumoto)
    株式会社Almondo CEO

次回予告

▪️【9/16(火)】AIAgent勉強会 #7〜動画生成Agent、AI-DLC、Code interpreter

人気シリーズである≪AIAgent勉強会≫の第7弾です!
今回は上記の技術・開発手法を現場で実践した、生の工夫や苦労のお話が聞ける会となっています!
テーマの技術・開発手法自体も興味深いものですし、今回もAWS Top EngineersやAI駆動開発に関する著書がAmazon1位ベストセラーである著者など、実力派揃いの登壇者をお呼びしてお話を聞ける会となっていますので、ぜひ参加してください!
https://almondo.connpass.com/event/367052/

Almondoは第二創業期を創る仲間を募集中です!

もしAlmondoに興味を持ってくださった方は、こちらのページにどんな会社なのかをまとめてありますので、よければご確認ください!

https://almondotech.notion.site/almondo-recruitment

ぜひご一緒できることを楽しみにしています!

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