「Connected Account が Platform Account に支払う」Account Debiting という機能がある。
API 呼び出し
Charge API を呼び出して、Connected Account から Platform Account に支払いをする。
curl https://api.stripe.com/v1/charges \
-d amount=1000 \
-d source=acct_xxxx \
-d "exapnd[]"=balance_transaction \
...
{
"id": "py_xxxx",
"object": "charge",
"amount": 1000,
"balance_transaction": {
"amount": 1000,
"fee": 15,
"net": 985,
...
},
...
}
Platform Account が 15 円の 手数料が発生しているのが分かる。amount の 15% である。
資金フローは下図のようになる。
Payment Method Platform Account Connected Account
^ |
| |
| 985 1000 |
| |
| [Charge] |
[TXN]--------------+
|
| 15
v
Stripe
他の資金フローとの比較
Transfer Reversal と Application Fee も、Connected Account から Platform Account への資金移動だ。おおざっぱに比較すると下表のようになる。
Account Debiting | Trasnfer Reversal | Application Fee | |
---|---|---|---|
上限 | 残高 | 元の Transfer | 支払い金額 |
呼び出しタイミング | いつでも | Charge/Transfer の後 | Charge と同時 |
Account Debiting の上限は Connected Account 残高である。また、いつでも呼び出せる。月末でもいいし、Connect 手数料が確定した月初でもいい。Connected Account の立場からは、明示的に Platform Account への支払いが発生したように見える。
Transfer Reversal は、元の Transfer を巻き戻す。金額の上限は、元の Transfer 金額になる。また Destination Charge や Transfer の 後で のみ実行できる。Connected Account の立場からは、売上が巻き戻されたように見える。
Application Fee は、 Destination Charge で指定する。Charge 金額が上限で、決済時のみ指定できる。Connected Account の立場からは、売上に連動して Platform に支払った手数料のように見える。
このアドベントカレンダーでは、メリット・デメリットみたいなことは書かない。でも、このトピックに関しては、ちょっとだけ書いておく。
Platform と Seller の間における、製品・サービスと資金の取引という観点で見ると、各決済に連動しない資金移動は Account Debiting が取引実態を表現している。チャージバック手数料や、Connect 手数料を Seller に負担させる場合が該当する。あるいは、固定の月額手数料や、特別処置の手数料(たとえば EC サイトのトップページで大々的に取り上げる代金とか)なんかもそうだろう。Balance Transaction や明日見ていくレポートを見ても実態を表している。
ただし、1.5% の手数料がかかる。これを安いと見るか、高いとみるかは、開発・運用コストとの比較が必要だ。
各決済に連動しない資金移動を、Transfer Reversal や Application Fee で実装すると、資金移動自体には手数料がかからない(カード決済手数料はかかる)。一方で実行するタイミングに制限があり、金額の上限が元の決済金額に依存する。
また、Balance Transaction やレポートを見たときに、どのような取引があったのかが見えない。たとえばチャージバック手数料 1,500 円は、将来の Transfer Revrsal や Application Fee で相殺できる。けれど、その例外的な計算処理が必要な上に、どういう意図によるものかが Stripe には残らない。だから Stripe の外側に取引の履歴を持ち、かつ、それらは Stripe 内の取引と 1 対 1 で対応しない。
まとめ
というわけで、今日は、Account Debiting を見てきた。明日は、レポーティングを見ていく。