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三頭身RPG・王都2

2023/06/30に公開

三頭身RPG・目次

拙作『三頭身RPG』(以後は本作)を作るにあたって考えたことなど、つらつら書いて行きます。
今回は王都での出来事について2回目。
パーティメンバーが色々変わっているのはテスト的なアレということで、華麗にスルーしてください。
基本ここはハロルド・アルド・テレーゼ・ニナで進行します。
開発日誌はこんな感じ。

## 2020-08-18
町のイベントをちまちま作るが、なかなかできあがらない。
横用の扉と鉄格子を作る。

やっと停滞し始めてます。町のイベントは考えることが多くて大変ですね。
横用の扉って標準のやつとなんも変わってないと思うかもしれませんが、開くときのアニメーションがちょっと違うんですよ。

夜になって酒場と宿に入れるようになって、教会以外の他の建物は入れなくなります。
次にいけるところを探して疲弊しないように、かなり行けるところを制限しているのです。

でも ▽EVENT みたいに次に発生するイベントを紹介したり、レーダーで次のイベントの発生場所を指したり、そんなことはしたくない!!
TRPGのマスター(キーパー)的にそんなことしたら負け!って気持ちが強くあります。
マスターが「街角に花売りの女の子が立っている。なお、話しかけるとシナリオが進む」とか言い出したら「正気か!?」って思いませんか?

教会

教会ではお酒(ワイン)を作ることが多かったらしいですね。
ただこのお姉さんが飲んでるの、スカーレットさんが売ってるやつだと思います。
モブに余裕があれば、その辺のことも書いてたかもしれません。
最初は魔法の力のある酒で王都の住人を操って云々、みたいなシナリオも考えたりしてました。

酒場


はい、こちらのバニーさんが昼はシスターやってます。
この設定を使ったクエストを何か作ろうかと思ってましたが、結局作ってません。
そして酒場はゲーム全体を通してこの時しか入れず、加えて入らなくても何も問題なく進みます。
ある程度はこういう「あってもなくてもいい雰囲気だけの場所」がある方がいいとは思いますが、個人制作ではここで頑張っても疲弊するばかりなので、作って楽しいところとか必要ないけどどうしても作りたかったところ、みたいなものだけにしておくのが良いと思います。

宿屋

ツクール公式はどのくらいのリアリティレベルで作るか決めずに画像を用意していると感じます。
「前からあるから今度もつける」ぐらいのノリをあちこちで感じます。「おかしいと思っているけど使いやすいのでつける」という判断ならわかるのですが、そういう判断はしてないような雰囲気。
そもそもMVはほぼ単純に前作VXAceのタイルを拡大しただけなので、リアリティレベルの調整も何もないのですが。
個人的にリアリティレベルが他の背景とあった階段タイルを作ったのですが、マップの作りを大きく変える必要があり、ハルマキさんのマップを使って省力化しようというコンセプトと合わないので導入しませんでした。

MVの効果音には移動用に「カコッ」という音(Move1)が用意されていて、素直にそれを使っています。
足音のつもりだと思いますが、結構なんだかよくわからない音です。
何のリアクションもなく移動すると手触り感がよくありません。何かインタラクションが成功した反応を返す必要があると考えました。というかツクールの標準機能である[イベントの簡単作成]を使うとMove1を鳴らすようなコマンドが生成されます。
その時「ピポッ」ではちょっと主張が強すぎるので、この標準の「カコッ」って音はなかなか良いと思ってます。
「ザッザッ」だとドラクエすぎる!と思っちゃう。

自作のプラグインTF_CharEx.jsはテキスト入力で動作を数字でその回数を指定できます。例えば↓5←2なら「下に5歩、左に2歩」ということになります。とっても便利。

すごいそもそもの話だと、ほとんどの人は城についてる胸壁(凹)が何のために必要なのか、気にしてないんですよね。あれは凸部分に隠れつつ凹んでる部分(狭間)から矢を射かけるためにあります。
プレイヤーが気にしてないからテキトーでいいのかというとそういうもんではなくて、気にしてないからこそ新たに得る情報として、ちゃんと気にしているビジュアルは必要と思います。
問題は「全部ちゃんと考証しようと思ったら完成しない」というところで、どこで妥協するのかという話にはなります。
ただ「分かってて妥協するのと、知らなくて放置するの」は似て非なるもの。作る方は極力分かっていたいですね。
ツクールの収録素材の作りは「妥協した」のではなく「知らない」感じなので困ったものです。

ちょこちょこ出てくる存在しない前作の空気。

ここから城に潜入するシナリオもありだな、とか思いつつ作りました。
最初からある程度の整合性やリアリティを持ってマップを作っておいた方が、あとで応用できることが多い気がします。
テキトーに作っていると、特に引っかかりがないので新しいアイディアも出ないというか。

これ、相当後にならないと取れない宝箱なんですよね。
こういうのが沢山あるとやる気がみるみる落ちて行くんですが、ちょっとだけあると先へ進む動機や(実際はその時が来るまで選択できないとしても)選択肢の一種として働くところがあるので、やりすぎない程度にはあっていいと思ってます。
感覚的には常に5つ以下ぐらいでしょうか。割とあっという間に5つぐらい埋まってしまうので「極力やらない方がいいけどやってもいい」ぐらいのバランスでちょうどいいんじゃないかと思います。

墓場

記憶にあるのは『リンクの冒険』にロトの墓、『ファイナルファンタジー』にリンクの墓、『天外魔境Ⅱ』ではこれでもかといろんなゲームのキャラが墓に入ってました。
過去のツクール作品および、その辺に対するオマージュです。

本作は三頭身なのでまだ差が少ないのですが、収録素材だと1.5頭身と6頭身が混在していることになるので、もう完全に別の生き物ですよね。
どうやって整合性をとっているのか、難しいところです。
割とスケールが異なるものを同じ世界に入れても、世間では気にしないことが多いというのは『スマッシュブラザーズ』とか見てると分かると言えば分かるのですが、個人的には分からん…となってます。
個人的にはサイドビュー戦闘で敵と味方のスケールが違うのも「うーん」と思ってるんですよね。同じ画面に出てくるんだから、そこは合わせようよって。
まぁ…本作では合わせてないんですが!プレーンがコンセプトだから!!

このキャラに話しかけないと話が進まないので、何とか目立たせたかったんですが、格好と相まって「話しかけてはいけないヤベーやつ」みたいな空気を醸しているということは否定できません(笑)
でもそういう現実ならやらないことを積極的にやっていくのが楽しいのがゲーム、この動きをつけて失敗だったとは思ってません。やっぱり目立つし。

称号システムは色んなゲームで採用されていて、付け替えができたり、称号によって能力に変化があったりする場合もあります。
ただ、僕はそういう実利的な機能がある必要はないと思っていて、キャラを多角的に表現するためだけに使ってもいいと思ってます。
「あーこのキャラそういうところあるんだー」みたいに受け取ってもらい、それでキャラの深みが出るといいなと。
もちろんトロフィー的に何かを成したことの証明のように使ってもいいと思います。『ウィザードリィ』でワードナを倒した称号 > とか有名ですね。

キラキラは好きではないですが、宝箱は大好きです。そこに何かあるというのが分かるのはもちろん、そこに何かあったというのが分かるのが良い。
リアリティレベル的には頭身が高くなるほど気軽に出せなくなる「こんなところにあったら誰か取ってるだろ」とか「いきなり宝箱あるの不自然」とか思い始めちゃう。
三頭身はそのラインを超えてないと思っているので、気軽に宝箱置いてます。

夜になると町から出られなくなるので、経験値稼ぎ用のモンスターとして墓場におきました。
一番最初に戦ったモンスターなので、強さが記憶に残っているだろうし、聖水なしで倒せるようになったことで、自分たちが強くなったことも確認できると思います。
指標モンスターというやつです。

メンバーが変わるたびにバランスの感想を言うアルド君。律儀なやつです。

二作目で主人公が継続する場合、どうやって弱体化させるかは工夫のしどころですが、本作では「サボってたので」という身もふたもない理由にしています。
てゆーか前作ないんですけどね!
前作ないけど「自分が救った世界を旅するシチュエーションが好き」という僕の趣味で、イマジナリー前作を作り出してますから怖い。

鳶嶋堂

ところで鳶嶋は、飛島とか書かれがちとか「とんびじま」とか呼ばれたりしがちとか、そもそも本人が漢字で書けないとか、なかなか厄介な屋号だったりします。
発音は「とびしま」です。
あまり被らないようにつけたんで『帯をギュッとね!』の鳶嶋くんぐらいしか被ってないと思います。

前の日は煙が出てなかったので「店が開いてる」ことのヒントになります。
このことで謎解きというほどではない軽いゲーム要素として成立していると思ってます。▽EVENT を置いちゃうともう ▽EVENT を探すゲームになるんですが、▽EVENT 探しはゲームとして成り立つかギリギリぐらいの薄味で面白くないなーと感じてます。
特にこの鳶嶋堂のイベントの場合、裏口から入ることで話が進むので、裏口に ▽EVENT とかアイコンが表示されていたら「それ表から入って進むようにしてていいだろ!」ってツッコミが大半のプレイヤーから入ると思います。僕は入れます。

ちなみにこの[プライオリティ]の選択肢はツクールのエディタ上で次のように並んでいます。

通常キャラの下
通常キャラと同じ
通常キャラの上

上下の位置おかしいですよね………このせいで僕のプライオリティの学習が遅れた可能性は割と真面目にあると思います。

ここではカウンタータイルが足の分下に伸びているので、なんだか細かい位置制御ができているように見えます。
実際は仕様上しょうがなくこうなっているので、自然な配置っぽく偽装しているという感じです。
ただゲームの画像など偽装に次ぐ偽装で成立しているものなので、偽装の上手さはクオリティアップに必須です。
願わくは偽装せずとも制御できるシステムを…ツクール開発部さん………げふっ。

ところで、ここに黒猫いますね。話しかけると「うらぁ。」ってヒントくれる。
ヒッチコックじゃないですけど、どっかにカメオ出演したかったんですよね。
とんびさん出たがりだから。

プリンにしてたんですが、収録素材にプリンがなかったのでパイになりました。
お土産にするにも運びやすくて良いなと思ったので。

他のところでスノコに乗せる工夫やっているかというとやってないんで、お店は気を使ってる!という感じが出てるといいなと。
ちなみにアクジャちゃんの実家は乾燥しているんで、スノコはいらない設定。

お金を集めるという目標は、敵を倒して手に入れることを基本に、手持ちのアイテムを売ることでもクリアできます。
つまり選択の余地がないようでいて選択肢があります。とても良い目標設定だと思います。
ただ本作のこのイベントの場合…まだ店が使えないので、手持ちのアイテム売れないんですけどね!

食事シーンを入れるのはその世界で暮らしている感じや、仲間である雰囲気を高めてくれるので、積極的にゲームの中にいれていい要素だと思います。
『オーディンスフィア』などバニラウェアのゲームは異常に食事に凝ってて、ゲーム的にそんな意味ないところにリソース使うのどうなの?と思ったりもしますが、良いものなんですよねあれ。

その他

例外は多少あったりはするんですが、本作で割とこの法則は守っています。
キラキラがあるとプレイが作業的になって退屈、みたいなことを前に書きましたが、通行できるところに ▽IN みたいなアイコンは同様の理由で出したくないんですよね。
どちらもゲームの方向性次第ではアリな表現方法ではあるんですが、本作では探索を軽い謎解きとして提供するコンセプトなので、他にも遠くまで見えるマップやミニマップなど探索があまりに簡単になる要素は避けました。
スポーツなどを含む対戦ゲームで「押すと勝ちになるボタン」があったとして押すかというたとえ話があります。そんなボタン押しても面白くないという答えがほとんどだと思います。
▽IN アイコンは「そこを探し当てるのがゲームの面白さ」だという立場からは「押すと勝ちになるボタン」みたいなものです。
なお「押すとお金がもらえるボタン」があったとして、大抵の人は即押すと思いますが(笑) ▽IN アイコンがあるゲームの考え方はこちらに近いと言えます。
探索とは別の楽しさを提供するのが目的なので、探索部分はショートカットした方が全体の価値が高まるという判断ですね。

横方向の扉を自然に実装できれば、マップのレイアウトのバリエーションが増やせて良いのですが……
やたらリアリティレベル云々言ってるのに、これが解決できてないのほんとイヤですね。

いまだに乗り物の扱いよくわかってません。
乗り物が扱いづらいのは、間違いなくRPGツクールMV・MZのダメなところのひとつです。

この市庁舎、割とこまめにキャラ配置やセリフを変えてます。

このように建物の外に出ているタイプの店は、いちいち店の中に入らなくて済むのでプレイヤー的にも便利だし、製作者としても建物の中を作らなくてもいいので楽です。
といいつつ本作ではそもそも外で売っている場合は除いて、建物の外で買い物できるのここだけなんですよね。
建物の中を描いて世界の雰囲気を感じてもらいたいというのもありますが…ハルマキさんのサンプルマップに用意されてたから勿体無くて(笑)

まとめ

ざっと話の流れをまとめると…町でニナのような服を探すが見つからず、夜になったので宿屋に行くと事件に遭遇、解決のお礼で宿に泊まり次の日に屋敷のお姉さんの服を着せてもらったらテレーゼさんが拐われる…というか自主的に飛行船に乗って遊びに行っちゃう(笑)というというところで、『魔界村』で言えばオープニングが終わったところまできました。
………オープニングに時間かけすぎでは?

アクジャちゃんを仲間にしてテレーゼさんを追いかけよう!

この辺ちょっとややこしいので、詳しくはツクーラー・まいシャさんのリプレイを見ていただくということで。
メタセリフとグダグダ感満載のRPG - 新・星門記★
手抜き!

前回 三頭身RPG・王都1・次回三頭身RPG・RPGツクールMZ発売!

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