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『RPGツクールMZ』の新機能まとめ

2020/10/01に公開

『RPGツクールMZ』関連記事 目次

『RPGツクールMZ』が最初に触れるツクールである方には、あんまり意味のない情報ですが、『RPGツクールMV』を使っていた方のために、新機能・強化機能をまとめました。
本体付属のヘルプはもちろん、公式サイトの新機能講座 でも紹介してありますし、公式フォーラムに【RPGツクールMZ】お役立ち情報・エディタ編もありますが、割と細かい部分に変更があって、それぞれなかなか便利なので、大きな変更と一緒に紹介します。

ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~ RPGツクールMZの記述が結構詳しいので、こちらもおすすめです。

加えて 『RPGツクールMZ』のバージョンアップ履歴を見ると現状が把握できると思います。

以前のシリーズで採用されていたものが復活したパターンも多く、長年のツクールシリーズのファンとしては「待望の」という感じかもしれません。

『RPGツクールMZ』は王道に加えて「集大成」という言葉もふさわしいツールと言えます。

以下、完全な新機能、従来の機能に追加された機能、バグ修正をだーっと一覧化しています。

全体の機能

タイムプログレス戦闘(TPB)

行動ゲージが時間で溜まっていき、満タンになるとコマンドを実行できます。
アクティブタイムバトル(ATB)のような、半リアルタイムの戦闘です。

プロジェクトの移行機能

『RPGツクールMV』で制作されたプロジェクトを、マップやイベントなどの基本的な部分はそのまま『RPGツクールMZ』に移行できる機能がついてきます。ただし、プラグインは引き継げません。
またマップタイル素材のレイアウトが異なっているので、「MVで作ったマップをMZの新しいタイルで表示したい」という場合は、タイル素材の大幅な編集が必要です。
詳しくは、公式サイトの[新機能講座]-[MVデータのコンバート]をご覧ください。

タッチ操作用のプレイ環境改善

マウス・タッチ操作用のボタンが追加され、全体的なメニュー・コマンドレイアウトがスマートフォン向けに刷新されました。
主要なメニューが右に配置され、メニュー、キャンセル、ページ切り替えなどのボタンも配置されます。
また、戦闘時に敵の絵を直接タッチして選択できるようになりました。

数値入力

数値を入力する際に全角数字を受け付けるようになりました。地味に嬉しい。

エラー表示

エラー文がコピーできます。エラー報告および確認が、やりやすくなりました。

外部ツール対応

別のツールでJSONファイルを書き換えた場合、変更をチェックして再読み込みを促すダイアログが出るようになりました。

削除キー

Mac版で削除キーとしてBSが間違って割り当てられていた箇所が、deleteキーに修正されました。

編集状態の記憶の強化

割と多くのウィンドウで、前に編集していたタブなどの編集状態を記憶するようになりました。
ただし、まだ抜けはあります。

開発会社の変更

MVの権利表記は、©KADOKAWA でしたが、MZは ©Gotcha Gotcha Games Inc. /YOJI OJIMA 2020 になっています。
Gotcha Gotcha Games Inc. は、ツクールとその周辺事業のために作られたKADOKAWOの子会社です。

WebGL描画に一本化

MVでは描画モードが再生環境などにより、CanvasとWebGLに切り替わるようになっていましたが、MZではWebGLに一本化されています。
それに伴って、テスト時にF2キーで描画モードを確認する機能は無くなりました。

コアスクリプト

コアスクリプト(ツクール本体のJavaScript)に関しての変化は、多岐にわたるので詳細は割愛します。
たとえば、文字列を括る記号がシングルクォーテーションからダブルクォーテーションへと変わっています。
どうもHTML中心主義から、JSON中心主義へ舵を切ったっぽいです。

タイトル

これはとくに新機能とかではないんですが、タイトルで演奏されるデフォルト音楽がMVほどうるさくありません。

デベロッパーツール

F8(またはF12)で開くデベロッパーツールは ⌘Cでコピー、⌘Vでペーストできるようになってるほか、かなり改善が加えられています。
というよりChromeの開発ツールと同じもののようです。
(いつのバージョンからかショートカットキーが効かなくなっています)

起動関連

単体起動

Steam版でも、Steamクライアントなしで単体で起動できるようになりました。
(いつの間にか、できなくなってそのままです)

複数起動

Mac版でツクール本体を複数起動できるようになりました。
(が、割とすぐにできなくなってそのままです)

プロジェクトファイルの正常化

Mac版でプロジェクトファイル(game.rmmzproject)のダブルクリックで開けるようになりました。
また、RPGツクールMZアプリケーションにドロップしても開けます。
(なぜか、プロジェクトファイルのエイリアスファイルをRPGツクールMZのエディタからは開けません…でしたが改善されました)
(ただ、RPGツクールMZアプリケーションが起動していない時にプロジェクトファイルをダブルクリックしても、前回開いていたファイルが開かれてしまいます。一時改善された気がするんですが…)

素材

ツクール史上最大規模の素材集を同梱

キャラクターは顔・胸部・全身・敵・SV敵・歩行・SVグラフィックがついてきます。
MVではあとで胸部が一部追加されましたが、大きさが揃っていませんでした。
全身素材はそもそもなかったので画期的です。
ただし抜けも結構あります。
詳しくは『RPGツクールMZ』のキャラクター画像素材まとめをご覧ください。

音声がoggファイルに一本化

一部のスマホに対応するために必要だった m4aファイルは不要になりました。

システム素材の扱い

img/System/States.pngやWeapons1.pngを削除しても、サイドビューを使ってなかったらエラーになりません。MVではエラーになっていました。
ただし、[未使用ファイルを除外する]の対象ではないので、手動で削除する必要があります。

素材をフォルダ分け可能に

Ver1.3.0 でプラグイン・画像・音声といった素材のフォルダにさらにフォルダを作って小分けできるようになりました(不具合があったので、Ver1.3.2 で正式対応)

倒れパターンが3パターンに。

『RPGツクールMV』の倒れパターンは同じパターンが3つ並ぶという意味不明な仕様でした。
『RPGツクールMV』のパッケージキャラは「仰向け、しゃがみ、うつ伏せ」の3パターンありました。
『RPGツクールMZ』からはキャラクター生成で作ったものも含めて上記倒れ3パターンになりました。

マップエディタ

[イベントリスト]

イベントモードではタイルパレットがあった場所にマップイベントがリスト表示されます。
リストからイベントを選んで編集でき、⌘Fで検索もできて非常に便利。

[マップビュー]

  • マップエディタ上の重ね合わせ表示が正常化し、[☆]タイルがエディタと実行時で見た目が一致するようになりました。
  • マップタイルを置くレイヤーはタイルの種類で自動的に決まっていましたが、ユーザが任意にレイヤーを選べるようになりました。なお、[☆]タイルをレイヤー1に設定すると通行判定が通行不可となるので、侵入できなくなります、2以上のレイヤーに設定してください。
  • Ver 1.1.0 Aタイルに[☆]が設定できるようになりました。
  • controle + tabでレイヤーを切り替えられるらしいですがMacでは動作しません。Macは option + tab です。なお、shiftを追加すると逆方向に切り替わります。

[マップリスト]

  • ドラッグによるマップ表示位置の入れ替えができるようになりました。
  • [⌃]-[画像として保存]で等倍で保存されるようになりました(等倍出力は63×63まで)

[メインメニュー]

[ファイル]

  • [ゲームをシェア]がなくなりました。[デプロイメント]で出力したファイルを、各プラットフォームの指示に従ってアップロードします。
  • Ver 1.1.0 [ゲームをシェア]にあたる[RPGアツマールにアップロード]メニューが追加されました。
  • [デプロイメント]でLinux・Android/iOSが選べなくなりました。
  • [デプロイメント]で出力の際にプロジェクトフォルダの上書き警告ダイアログがでるようになりました。
  • Steamでサブスクライブした項目を開く[ワークショップから開く]が追加されました(Steam版)
  • [Steam管理]が[ワークショップにアップロード]に変わりました(Steam版)

[ゲーム]

[コアスクリプトの更新]メニューが追加されプロジェクトのコアスクリプトのバージョンアップ・ダウンが容易になりました。

[ツール]

  • [プラグイン管理]
    • 状態を[ONにする][OFFにする]コンテキストメニューがなくなっています。代わりに項目を選択してSpaceキーによって切り替えられます。
    • MV用のプラグインが使われている、登録順が異なっている場合など、状況によるエラーメッセージが追加されました。
    • プラグインの依存関係を定義できるようになり、必要なプラグインが存在しない場合にエラーメッセージが出せるようになりました。
    • プラグインに必要なコアスクリプトのバージョンが記述できるようになりました。
    • [基本設定]-[名前]でプラグインを選択する際に、MVではプルダウンメニューだったのが、独立したダイアログに変更されています。大量にプラグインがある場合に操作しやすく、また選択時にヘルプの内容が表示され分かりやすくなりました。
    • 専用の配布元のURL表示が追加されました。
  • [キャラクター生成]
    • 顔グラのパーツの位置調整が可能になりました。
    • Ver 1.1.0 位置調整によって画像が切れないように、広めの画像が用意されました。
    • 歩行キャラに、仰向けと顔伏せ状態が増えました。
    • カラーパレットを上限なしに追加可能になりました。
  • [RPGツクールMVツール]がなくなりました。
    MVで発売された『SAKAN』『MADO』『GENE』といった外部ツールは、MZには対応していません。

ヘルプ

ヘルプ内を検索できるようになっています。
しかし、検索結果の情報が不必要に多く、使いづらい作りです。

[データベース]

ディスプレイサイズに合わせて大きく

どうもWindows版だと、ディスプレイサイズだかディスプレイ設定のフォントサイズの項目だかに合わせて大きさが変わるらしいです。

[アクター][武器]

[特徴]-[攻撃]に[攻撃スキル]が追加されました。

[スキル][アイテム]

  • [基本設定]-[範囲]
    • 専用ダイアログが追加されました。
    • [味方単体(無条件)][敵と味方全体][味方全体(無条件)] が選択できるようになりました。
  • [使用効果]に[その他]-[コモンイベント]を複数設定した場合、上から下にすべて実行されます。

[敵キャラ]

HPとMPを除く全ての能力値の下限が1から0になりました(HPは1のまま、MPはMVの時から0です)

[敵グループ]

  • 敵の行動パターンの条件でターンを設定した場合、-1ターンで数えられる不具合が修正されています。MVから敵キャラをコンバートする時は注意が必要です。
  • 敵の選択枠の左上にインデックスが表示されるようになりました。

[ステート]

[解除条件]-[継続ターン数]に0が設定できます。

[アニメーション]

アニメーションは全面刷新されています。
エフェクト制作ツール『Effekseer』(えふぇくしあー)を採用し、外部ツールによるアニメーション作成と読み込みが可能になりました。
なお、MV方式のアニメーションをMZにコンバートして使うことはできますが、新規にMV方式のアニメーションを作ったり編集したりはできません。

  • Ver.1.1.0 無くなっていた敵画像の下に揃えるオプションが復活しました。

[コモンイベント]

上限数がMVの1000項目から、2000項目に増加しました。

[タイルセット]

タイル上をドラッグすることで、連続して設定を変更できるようになりました。

[システム1]

  • [システム]が[システム1]と[システム2]に分割されました。
  • [初期位置]の指定用ウィンドウの下側に、クリックした場所の座標が表示されるようになりました。
  • [タイトル画面]-[コマンドウィンドウ]で、ウィンドウのタイプと位置指定が可能になりました。
  • [戦闘画面]の項目で[フロントビュー]・[サイドビュー]を選択するようになりました。
  • [戦闘システム]が追加され、次の項目が選択可能になりました。
    • [ターン制]
    • [タイムプログレス(アクティブ)]
    • [タイムプログレス(ウェイト)]
  • [オプション]-[大事なものの個数を表示]が追加されました。
  • [オプション]-[オートセーブを有効化]が追加されました。

[システム2]

  • [アイテムカテゴリー]で、メニューに表示するアイテムの種類を選択できるようになりました。
  • [高度な設定]に[ゲームID]が追加されました。
    • 新規プロジェクト作成時に、ランダムな8桁の数字がIDとして割り当てられます。
    • [ゲームID]を判別に使用するので、ゲームタイトルの変更によってセーブデータが使えなくなるなどの不具合が起きるることはありません。
    • 任意に変更して、別のゲームとして制作できます。
  • [高度な設定]に[ 画面の幅・画面の高さ]、[UIエリアの幅・UIエリア高さ]、[メインフォントのファイル名]、[数字フォントのファイル名]、[フォールバックフォント]、[フォントサイズ]の設定が可能になりました。

[イベントコマンド]-[1]

[文章の表示]

  • 名前専用ウィンドウができました。
    ただし[プレビュー F2]では表示されません。確認には[実行内容]で行を選択して[⌃]-[テスト ⌘R]を使う必要があります。
  • 制御文字が追加されました(ツールチップに表示されていません)
    • \PX[n]右方向にnピクセル移動して表示します。
    • \PY[n]下方向にnピクセル移動して表示します。
    • \FS[n]フォントサイズをnに変更します。
  • 絵文字が表示できるようになりました。
  • [⌃]-[色番号の挿入]メニューが追加されました。
  • [⌃]-[アイコンセットビューア]が[アイコン番号の挿入]に名称変更されました。

[変数の操作]

  • [オペランド]-[ゲームデータ]-[直前]が追加され、以下の値が取得できるようになりました。
    • [直前に使用したスキルのID]
    • [直前に使用したアイテムのID]
    • [直前に行動したアクターのID]
    • [直前に行動した敵キャラのインデックス]
    • [直前に対象となったアクターのID]
    • [直前に対象となった敵キャラのインデックス]
  • [オペランド]-[ゲームデータ]-[アクター]に[TP]が追加されました。

[条件分岐]-[4]

[ボタン][が押されている]に加え[がトリガーされている]および[がリピートされている]が追加されました。

[イベントコマンド]-[2]

[場所移動]

[直接指定]のウィンドウの下側に、クリックした場所の座標が表示されるようになりました。

[マップのスクロール]

[完了するまでウェイト]が追加されました。

[移動ルートの設定]

[プレビュー F2]で、ルートを確認できるようになりました。

[アニメーションの表示]

アニメーション選択時にプレビューされるようになりました。

[フキダシアイコンの表示]

フキダシアイコン選択時にプレビューされるようになりました。

[ピクチャの移動]

[イージング]が追加され、[タイプ]で[一定速度][ゆっくり始まる][ゆっくり終わる][ゆっくり始まって終わる]が選択できるようになりました。

オーディオ・ビデオ

[BGMの演奏][BGSの演奏][MEの演奏][SEの演奏]では、spaceキーで[再生]が可能になりました。

[イベントコマンド]-[3]

[指定位置の情報取得]

[場所]に[イベント][プレイヤー]が追加されました。

[プラグインコマンド]

かなり多くの変更がされたコマンドです。
詳しくは公式のプラグイン講座をご覧ください。

  • プルダウンによるコマンド選択と、プラグインパラメータと同じ仕様のコマンド入力機能が追加されました。
  • 引数も値の種類に合わせた入力が可能になりました。
  • 引数に複数行テキストを指定できるようになりました。

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