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Azure関連の資格の情報(2022年1月初版)

2022/01/02に公開

2023年1月のupdate版を投稿していますので、基本的に最新版をご覧ください!
https://zenn.dev/tomot/articles/80cbfb818e7c27

はじめに

『「資格受けました」系のブログは多いのですが、資格体系をまとめた系記事があまり見当たらないので、記事にしてみました。』…ということを2021年に書いたのですが、今でも継続的にアクセスいただいています。
最近、良質なマトメを見かけるのですが、自分の記事も直近化しないと、古い情報をまき知らしてしまいます。ということで、この記事を2022年一発目とします。
資格体系やスキルパス、勉強法の話などなど。

資格体系

公式情報

コチラのポスターが公式情報で、Microsoftの認定資格が記載されています。
https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE2PjDI
中身がどんどんアップデートされていくので、このURLをブックマークしておけばOKです。
ただ、試験の依存関係や難易度もあんまり見やすくないなぁと思います。

資格体系まとめ直し

ポスターから、Azureに関連する資格をまとめ直してみます。

※この1年で更新があった資格については、オレンジ色で網掛けしています。かなり手が入っていることが見て取れます。というか増えすぎ…

Azureの資格体系

2文字のコードがジャンルを表し、3桁の数字と組み合わせて試験(≒資格)を示しています。

2文字のコード

Azure関係は「AZ」で始めるもの。その他にAI系やDP/DA系(Data Scientist/Analyst系)の資格があります。
直近でSC系(セキュリティ系)が増えています。
また、Azureに直接関係ない範囲も、MS-やMB-など同じコード体系となっています。

3桁の数字

900番台がFundamentalsの他は、あまり明確なルールは読み取れません…。
百の位は重複しないように割り振られているようです。数字の大小と難易度は関係ありません。
一の位は試験のUpdateによりインクリメントされる他、同時に2試験存在して合わせ技で1資格のようなパターンがあります。(AZ-800+AZ-801=Windows Server Hybrid Administrator Associate)。
また前提条件がある資格があり、AZ-400(DevOps Engineer Expert)はAZ-104又はAZ-204に合格している必要が、AZ-305(Solutions Architect Expert)は、AZ-104に合格している必要があります。

直近のアップデート

オレンジ色になっているところが変更点ですが、大きく変わったのが「Security, Compliance, and Identity」という枠が追加されたことです。
これまでもAZ-500やMS-500がAzure系・Microsoft365系の資格として存在していましたが、直近では「Security系」として括りだされています。併せて、SC-900/200/300/400という試験が新設されています。

その他、変更点としては

  • AZ-600 Azure Stack Hub Operator Associate
    Stack Hubに関する資格が追加となっています。

  • AZ-700 Azure Network Engineer Associate
    Network Engineerの資格が追加です。AZ-700は、日本語版の試験がまだ公開去れていないので、受ける場合は注意が必要です。

  • AI-102 Azure AI Engineer Associate
    既存のAI-100が廃止となり、代わりに102が利用可能になっています。

  • DP-203 Azure Data Engineer Associate
    もともとDP-200/201という2つの試験の合格で資格取得となっていましたが、統合されて1試験になりました。

  • AZ-305 Solutions Architect Expert
    もともとAZ-303/304という2つの試験の合格で認定される資格でしたが、2022年3月に廃止となる予定で、AZ-305を1つ合格すれば認定されるようになります。
    現状では過渡期のため旧試験でも認定される条件があり、AZ-303+304、AZ-303+305、(前提:AZ-104)+305でSA Expertに認定されます。
    AZ-305試験は現状ベータ坂で英語のみですのでご注意ください。英語が苦手で期限に迫られているのであれば、現行試験(AZ-303/304)での合格を目指すのも手ですね。

  • AZ-800/801 Windows Server Hybrid Administrator Associate
    2021/12にベータ版が公開となったばかりの試験です。クラウド/オンプレに跨ったWindowsサーバーの管理等のスキルを問われるようです。(身近に合格者が居ないので、中身の詳細はよくわからず…)
    この試験も、現在は英語版のみ提供されています。

  • AZ-140 Azure Virtual Desktop Specialty
    Azure Virtual Desktopの専門知識の資格が追加となっています。

  • DP-420 Azure Cosmos DB Developer Specialty
    COSMOS DBの専門知識の試験です。この試験も、現在は英語版のみ提供されています。

  • SC-900 Security, Compliance, and Identity Fundamentals
    AzureやMicrosoft365に跨る範囲で、セキュリティの基本を押さえるFundamentals資格が追加されています。

  • SC-200 Security Operations Analyst Associate

  • SC-300 Identity and Access Administrator Associate

  • SC-400 Information Protection Administrator Associate
    3つまとめて、セキュリティ関連のAssociate資格です。セキュリティと言っても、SentinelやDefenderの管理/ID関連の管理/データの管理といったところで専門性が別れますので、別々の試験になっています。

AWSと比較すると

AWSは知ってるんだけど…という方のために、独断と偏見でマッピングを作ってみました。
特に、Architect/Developerの資格の関係性はこちら図の方が分かりやすいと思います。
専門知識系はSecurity、DataXXX系など重なるところもありますが、それぞれにしかないところもあり完全には一致しません。SAP(×Solution Architect Professional、○SAP)やNetworkのように片方にしかなかったものが他方に追加されたものもあります。(AWSのSAP Specialtyは、ベータだからか公式の図に乗ってこないですね。)

カバレッジを見ると、Azure側にしかないような資格が多いことが分かります。おそらくAzureというより「Microsoft」としてカバーしているビジネスの範囲が広いからでしょう。

※あくまで机上で見たときのマッピングであり、難易度や分類が正しいことを保証するわけではないのでご注意ください。
受験した際の個人的な感覚では、AWSのAssociate=AzureのAssociate<AWSのSpecialty<AWSのProfessional=AzureのExpert、くらいだと思います。

スキルパス

まず手始めに

クラウドにふれるのが殆どはじめてという方は、AZ-900から手を付けるのが良いと思います。特定のジャンルに縛られること無く、基本的な概念を確認する資格です。他のクラウドを触ったことがあるなど、基礎知識がある方は飛ばしても良いかもしれません。実際、私の周りではAZ-900を受けずに、中位資格から手を付ける人が多くいます。

Solutions Architect系

クラウドを使ったシステムの設計・構築を進めていく役割です。AZ-104→AZと305と進めていきます。
以前はAWSと違って中位(Associate)資格がありませんでしたが、AZ-305(Solution Architect Expert)の前提としてAZ-104(Administrator Associate)が必要になりました。
AZ-104はAzureの基本的なサービスの考え方や使い方について問われます。AZ-900より難易度はあがりますが、どういう役割の方にもお勧めできます。
AZ-305では、Azureの各種サービスの深い知識が問われますので、各サービスの特徴や「こういう要件に対しては、こうサービスを使って・組み合わせて、こうやって実現するんだ」ということを理解する必要があります。

Developer系

AZ-400を受けるためには、AZ-104かAZ-204に合格する必要があります。
私は204 → 400と受けたのですが、気になったのが、AZ-204とAZ-400では求められる知識のジャンルが結構違う、と言うことです。
AZ-204はAzureサービスをDeveloper観点で使いこなすための知識を問われますので、ある意味Solutions Architectと近しい知識で乗り切れます。
AZ-400は、Azureサービスに関わるところはAzure DevOps、AKSくらいで、かなりの範囲については一般的な開発知識(コンテナ、プログラミング言語、リポジトリ管理やCI/CDのツールや文化などの理解)を求められます。AZ-400は決して204や104の上位資格ではなく、両方の分野をきちんと押さえる必要がある、ということに注意しましょう。

専門系

SA系・DEV系を雑に「専門系」でくくってしまいます。
AI系、DP系、DA系、SC系などは、順番や系統があるような試験ではありません。(言い切って良いのかな…?)AZ系でも、NetworkやSAPなどのように専門的な知識が問われるものがありますので、こちらも同様です。
専門知識としてそれぞれ問われる分野が違いますので、「経験があるから受けてみよう」でもいいですし、「この分野の勉強したいから勉強してみよう」もアリだと思いますが、「こういうパス(順番)で受けて行こう」という推奨ルートがあるようなものではありません。
いずれにせよ、AZ-900やAZ-104といった基本的な知識がついて、Azureを触れるようになった方が初めて考える範囲かなと思います。

勉強方法について

2020/12の第30回 Tokyo Jazug Nightで喋った資料を再掲します。

資格の情報などは少し古くなってしまっていますが、勉強方法についてはこちら参考になると思いますので、ぜひご参照ください。
要約すると、資格のページの「評価スキルのアウトライン」を見て、足りないところを「Microsoft Learn」で補う…という形で勉強を進めれば十分合格ラインに達すると思います。

資格の更新方法について

2021年に資格の更新方法が変わっています。更新した際の情報を↓にまとめていますので、気になる方はこちらをご覧ください。
https://zenn.dev/tomot/articles/083323ada990b1

終わりに

2022年の開始ということで、今時点のAzureの資格試験情報をまとめてみました。皆さまの資格対策の一助になれば幸いです。
私自身も、継続的に勉強しないと知識は古くなっていってしまいますので、今年もいくつか資格を取っていこうと思ってます。SC-200~400あたりか、(日本語対応されたら)AZ-700か…

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