【MCPのトリセツ #6】Figma MCP:デザインとコードを効率的に連携
💡 MCPの始め方シリーズについて
Claude などの AI を強化する「MCP(Model Context Protocol)」の導入方法と活用テクニックのシリーズ。今回は、Figma MCP の導入方法と活用例を解説します。デザイナーとエンジニアの連携が格段にスムーズになり、開発効率が向上するはずです。
シリーズ目次
- MCPの概要と導入方法
- Filesystem MCP Server: AIでローカルファイルを扱う
- YouTube MCPサーバー:動画の内容を取得
- mcp-pandoc: AIでドキュメント形式を変換
- GitHub MCPサーバー: AIでリポジトリを管理
- 👉 Figma MCP:デザインとコードを効率的に連携
- Slack MCPサーバー:チームコミュニケーションを強化
- Firecrawl MCP:スクレイピングでウェブ情報を取得・分析
- Markdownify MCP Server: WebページやPDFをMarkdown文書化
- Raindrop.io MCP Server: 便利なブックマークサービスをAIから使う
- Fetch MCP Server: ウェブコンテンツを取得・処理
- Blender MCP Server: 会話で Blender を操作し3Dモデルを作成
- Perplexity MCP Server: Perplexity ならではの検索をAIとの会話で実行
参考: ウェブの情報を取得するMCPの使い分け (Fetch、Firecrawl、Markdownify)
🧩 Figma MCPとは?何ができるの?
「Figma で作られた UI要素をコード化するのに時間がかかる...」
「Figma のデザイン仕様を正確に反映したコードを書きたい...」
「カラーコードやサイズを毎回スクリーンショットから確認するのが面倒...」
Figma MCPサーバーを使えば、こんな悩みを減らせます。AI が Figma のデザインデータに直接アクセスし、そのデータを理解・操作するための橋渡しをします。結果、正確な情報を元にコード変換や実装アドバイスを行えるようになります。
- 正確なデザイン情報の取得:色、サイズ、フォント、間隔などの正確な数値を取得
- コンポーネントデータの抽出:ボタン、カード、ナビゲーションなどのコンポーネント情報を分析
- デザインからコードに変換:Figmaデザインを対応するHTML/CSS/JavaScriptやReactコンポーネントに変換
- デザイントークンの抽出:カラーパレット、タイポグラフィ、スペーシングなどのデザイントークンを一括取得
- レスポンシブデザインの分析:異なるブレークポイントでのレイアウト変化を理解
- デザインコメントの参照:Figma ファイル内のコメントやフィードバックを参照しながら実装
🛠️ セットアップ手順
Figma MCPサーバーのセットアップは3つのステップで完了します。
1. Figma APIキーの取得
まず、Figma の API にアクセスするためのパーソナルアクセストークンを取得します。
- Figmaにログイン
- 右上のアイコンから「Settings」を選択
- 左側メニューから「Account」タブを選択
- 下部の「Personal access tokens」セクションで「Create a new personal access token」をクリック
- 適当なトークンの名前(例:
figma-mcp-2025-03-01
)を入力し、「Create token」をクリック - 表示されたAPIキーをコピー(注意: このキーは一度しか表示されないので安全な場所に保存)
2. エディタの設定
Claude Desktop や AIエディタ (Windsurf や Cursor) が「Figma MCP」を利用できるように設定ファイルを編集します。
Claude Desktopの場合
Claude Desktopの設定ファイル(~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
)を開く(なければ作成)
2. 以下の内容を追加(既存の設定がある場合は mcpServers
オブジェクト内に追記)
{
"mcpServers": {
"figma-developer-mcp": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "figma-developer-mcp", "--stdio"],
"env": {
"FIGMA_API_KEY": "your_figma_api_key_here"
}
}
}
}
your_figma_api_key_here
の部分を、先ほど取得したFigma APIキーに置き換えてください。
Windsurf の場合
-
~/.codeium/windsurf/mcp_config.json
ファイルを開き、同様の設定を追加します。
3. Figma MCPサーバーの起動
アプリケーションを再起動すると自動的にMCPサーバーが起動します。
ターミナルで手動で起動する場合は、以下のコマンドで MCPサーバーを起動します:
npx figma-developer-mcp --figma-api-key=your_figma_api_key_here
👨💻 基本的な使い方 (プロンプト)
Figma MCPサーバーの基本的な使い方を紹介します。
Figma ファイルの接続
Figma MCPサーバーに繋いで https://www.figma.com/file/xxxxXXXXxxxxXXXX/ProjectName
AIがFigmaファイルに接続し、デザインデータにアクセスできるようになります。
デザイン要素の取得
このFigmaファイルのメインボタンのスタイル情報を教えて
AIはボタンの色、サイズ、フォント、角丸などの正確な情報を取得して表示します。
コード生成
このボタンをReactコンポーネントとして実装して
AIは取得したデザイン情報を元に、対応するReactコンポーネントのコードを生成します。
レスポンシブ対応
このコンポーネントをモバイル対応にするには?
AIはデザインのブレークポイントを分析し、レスポンシブ対応のコードを提案します。
🔍 特定のエリアやコンポーネントの取得方法
大規模なFigmaファイルから特定の要素だけを取得するには、ノードID(node-id)を使用すると効率的です:
ノードIDの取得方法
- Figmaデザインファイルを開く
- 対象の要素を選択する(例:「ホーム」フレーム内の「Hero」セクション)
-
ノードIDの確認方法:
- 要素を選択した状態でブラウザのアドレスバーを確認。URLに
node-id=X-Y
という形式で表示される - または、要素を右クリックして「Copy/Paste as」→「Copy link」を選択
- 要素を選択した状態でブラウザのアドレスバーを確認。URLに
AIエディタでの活用例
Figma MCPでファイルの node-id=123-456 のコンポーネント情報を取得して
または
Figma MCPでこのURL(https://www.figma.com/file/...?node-id=789-012)の「Hero」セクションの実装コードを生成して
💡 実践的な活用例
Figma MCPをより実践的に活用する方法をいくつか紹介します。
1. デザインシステムを分析し、変数として整理
Figmaコンポーネントライブラリからカラー、タイポグラフィ、スペーシングなどのデザイントークンを抽出し、CSS変数として出力して
2. デザイン仕様をローカルファイルとして保存 (Figma MCP + Filesystem MCP)
1. Figmaファイル(https://www.figma.com/file/xxxxx)のデザイントークンを分析して
2. カラー、タイポグラフィ、スペーシングの情報をCSS変数として /Users/yourname/Projects/design-system/tokens.css ファイルに保存して
3. バリエーションやバリアントを含むコンポーネントを生成
このボタンの4つの状態(通常、ホバー、アクティブ、無効)を含む Reactコンポーネントセットを生成して
このボタンコンポーネントを分析して、class-variance-authority(CVA)を使用したバリアント(サイズ: sm, md, lg、バリエーション: primary, secondary, outline, ghost)を持つ Tailwind CSS のボタンコンポーネントを実装して
4. Figmaのプロトタイプ情報を元に、アニメーションの実装コードを提案
このモーダルのトランジションアニメーションを Framer Motion で実装するには?
5. デザイン仕様書の自動生成
このヘッダーコンポーネントの詳細な仕様書(サイズ、色、間隔、フォントなど)をMarkdownで作成して
6. デザインの一貫性チェック
このデザインのカラーパレットとタイポグラフィの使用を分析し、デザインシステムから外れている部分があれば指摘して
📝 まとめ
Figma MCPを導入することで、デザインとコーディングの橋渡しがスムーズになり、開発効率が向上します。デザイナーの意図を正確に反映したコード実装が容易になり、デザインの一貫性も保ちやすくなります。
特にフロントエンド開発者や UI/UXデザイナーにとって、Figma MCPは強力なアシスタントとなるでしょう。デザインデータを直接取得できることで、情報の見落としや解釈の誤りを減らし、より質の高い実装が可能になります。
ぜひFigma MCPを活用して、デザインとコードの連携を効率化してみてください!
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📚 参考リンク
- Figma API公式ドキュメント
- figma-developer-mcp GitHub リポジトリ
- Figma開発者コミュニティ
- AIエディタ:Windsurf公式ドキュメント
- AIエディタ:Cursor公式サイト
次回の記事では、Slackでの投稿や情報の取得ができる「Slack MCPサーバー」について解説します。お楽しみに!
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