2023年の自作キーボード活動を振り返る
「今年こそは自作キーボードに飽きたい!」と思ってまして、個人的には去年よりペースダウンしたつもりだったのですが、いざ振り返ってみるといろいろやってましたね...いつになったら飽きるんだ😂
今年頒布したキット
miniDivide
今年、一番人気のキーボードでした。
「100mm以内の大きさだとPCBが安くつくれる」ので、miniZoneの流れで狭ピッチキーキャップを取り付けられる分割型のキーボードを設計したところ、想像以上の使い心地の良さに自分でも驚きました。
通常の分割キーボードでも同様のことはできますが、「出かけた先で文字を打つことを楽しむ」ということに関してはminiDivideの得意分野と言えるでしょう。
そのあたりの楽しみ方に関してはアドベントカレンダーに投稿しましたので、よろしければ御覧ください🙏
もちろんデスク等の普段遣いでも充分に性能を発揮します。
特に小さく薄いので机のスペースを取らなくて済むところも強みの一つですね!
「分割型・狭ピッチ・小型・薄型・無線化対応可」という点で、一部界隈で想像以上に愛されております。
Ergomirage
#KEEB_PDで透け透けな手配線キーボードを見かけて自分でも作りたいと思ったのですが、手配線は多大な労力がかかるのと自分以外の人がつくれるように設計図を残すのが自分の自作キーボードにおけるモットーなので、どうにか基板を用いたキーボードで透明感のあるデザインにできないかと四苦八苦して生み出したのがこのErgomirage。
透明感を演出するために基板を最小限の面積に抑えるのにとても苦労しましたね…。配線に使えるスペースが限られるので、本来ならもっと小さく細くしたかった箇所が多々ありますが泣く泣く現状のデザインに落ち着きました。
このErgomirageとminiZoneやminiDivideといった狭ピッチキーボードの設計で、スペースの関係で配線にだいぶ苦労させられた一年だったかもしれないですね。通常サイズのキーボードの設計をすると「こんなに広い!」と謎の感動を抱くようになりました。
Zero8 Slim-Fit Keycap
狭ピッチキーボードを広めるにあたって、キーキャップの入手が容易ではなかったのでそれなら自分でもつくっておくか…というところで設計製造したのがこの「Zero8 Slim-Fit Keycap」。
15.5mmサイズで小さいにも関わらず高さもかなり低くしつつも、MXキーキャップのように各行毎に傾きを変えて指で触れた時に馴染むように工夫しました。
供給を安定させるため、DMM.makeでも取り扱っております。
実験的な試みですが、STLデータの販売も行っておりますので、ご自身でプリントされる方や製造サービスに発注をかけられる方はこちらの方がリーズナブルに揃えることができるかと思います。
Baumkuchen
「自分の作家性を凝縮したような名刺サイズのキーボード」をつくりたいと思い、設計したのがこのBaumkuchenマクロパッド。
作家性…なんて大層なことはとても言えませんが、昨年はRadialexやGOAT51、Spreadwriterといったキーボードで「放射状の配列」を長らく研究していたので、上記のコンセプトに沿うなら「放射状の配列」が適していると思い、レイアウトに四苦八苦しながらも完成させました。
これは余談なのですが、キーボードのYoutubeチャンネルをお持ちのDaihukuさんに、Baumkuchenをお見せしたところ「takashiさんの今までやってきたことが詰まってますね」「見ただけでtakashiさんが設計したって分かります」みたいなことを言われて思わずちょっと泣きそうになったことがありました。
つくったものの意図や思いがストレートに伝わるの、ものづくりやってて良かった瞬間のひとつですよね。
Monokey
イベントやBoothのお礼として気軽に配れるキーボードが欲しいなと思って設計したのが、このMonokey。
100mm x 100mm基板から13個取れます。
ガーバーデータも公開しておりますので、よろしければお使いください。
Arrows PLUS
上述のMonokeyと同様のコンセプトですが、もう少し実用的なものを!ということで設計。
こちらは100mm四方の基板から3枚取れます!
基板をスイッチプレートに加工できるようにしてあるのですが、2枚重ねた時にMCUのXIAO RP2040のボタン部分とUSB取付口が切り抜かれている部分が気に入っています。
miniArcacon
知り合いから、「自作キーボード詳しいって聞きました!アケコンってつくれますか?」というお話を頂いたので練習がてらに設計したのがminiArcacon。
こちらの記事でも書きましたが、100mm四方に基板を収めるべくかなりデザインを工夫しましたね...。狭ピッチキーキャップじゃなかったら多分実現できなかったぞこのサイズ。
レバーレスのアケコンの設計は初めてでしたが、問題なく動作してますね。
ファームウェアはGP2040-CEを採用しております。
MCUのピンが許す限りファームウェアに登録されたボタンを置けるようにしましたが、全部を使えるゲームにまだ出会ってないですね笑
あと、自分はほとんど格ゲーを遊ばないので動作チェックや使用感の確認がちょっと難しかったのが思い出。
肉抜きキーキャップ Zero8 Slim-Fit "Slash" キーキャップ
狭ピッチキーキャップは3Dプリント製がほとんどなので、あまり印字とかにこだわれないのでそれなら逆にシルエットをオシャレにできないか…と思い立って出来上がったのがSlim-Fit "Slash"。
思ったより耐久性があり、充分実用レベルです。
Rookey
DogTagマクロパッドを更に組み立てやすくしたいと常々考えていて設計したのがこのRookey。
推しポイントはPCBの一部がスペーサーとして利用できるというところ。
これにより、部品数を抑えることにできるので梱包が楽になるのと低コスト化に成功しました。
PCB製のスペーサーは結構便利なので、どこかでフットプリントと解説記事を公開したい。
Rookeyはおかげさまで初版は1日経たずに無くなりまして、現在カラーバリエーションを増やしつつ在庫を用意中です。
イベント
今年はイベントになるべく参加するようにしました。
回を重ねる毎に並べるキーボードの数が増えているのが恐ろしい...。
天下一キーボードわいわい会 Vol.4
遊舎工房フリーマーケット2023.5
キー部 5%
キー部 6%
天下一キーボードわいわい会 Vol.5
試作
狭ピッチキーキャップに文字を彫る
Ejectix
設計して、ビルドガイドも書いて頂いたのだけどまだ頒布してないキーボードその1。
おそらく、キーケットあたりで頒布できるかと思います。
Ergomoth
遊舎工房のお苦しみ袋にKailh Mid-heightキースイッチが同梱されていたので、これらのキースイッチを使うキーボードを作ろうと思い立ち設計したのがこのErgomoth。
配列はErgomirageに寄せています。というかファームウェアはErgomirageのやつが使えます。
こちらも基板をスイッチプレートに加工できるようにしてあるので、3枚の基板を用意するとことでスイッチプレート・回路プレート・ボトムプレートで組み立てられます。
意外とこの3層構造と外形線のラインがどことなくフォーミュラカーっぽくて気に入っています。
こちらはビルドガイドが手つかずで頒布まで至ってないですが、時間をつくって取り掛かりたい所存。
miniSquares
Foobarの狭ピッチ版…ということで設計しましたが、ニーズがどれぐらいあるか分からないのでそのままになっていますね。
miniDivide MAX
「miniDivideの列と行を増やしたものが欲しい!」というお声を頂いたので試しに6列5行の56キーの狭ピッチ分割型キーボート「miniDivide MAX」を試作してみました。
miniDivideのコンパクトさからはかけ離れてしまったけど、狭ピッチや自作キーボードの入門をする人にはちょうどいいかもしれない。
ボーダーキーキャップ
肉抜きキーキャップで気を良くしたので、さらに肉抜きするぞ!と意気込んでつくったのがこちら。
使えなくもないけど、肉が食い込むので打ちやすいか…と聞かれると正直キツイw
耐久性のテスト的な意味合いだったのでそこは達成できたと思う。意外と頑丈です。
ペン立てキーキャップ
欲しい人いるか微妙ですががガーバーデータを公開しております。
買い物
Killer Whale
うさキーキャップ
アリエクで買ったキーキャップ
Keyball44 木製ケース
レトロゲームスペースバー
その他
EndZone34
Radialex 3Dプリントケース
NHKに映った
初の設計展示
私が設計したキーボードがイベントで飾られたのおそらく初でめちゃんこ嬉しかったですね!
アドベントカレンダー
今年は筆が進んで3つも記事を書きました!
振り返って
なんだかんだというか、かなり今年もキーボードつくってましたね...。
来年はどうなるんだろ。
Discussion