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KiCadの使い方 その3 (基板を業者に発注しよう)

2022/10/08に公開約6,300字

こんにちは、Ideagearの鈴木陽介です。

前回は、KiCadを使った基板設計についてご紹介しました。
https://zenn.dev/suzuky/articles/2527cd8e263964

今回は番外編として、前回つくったデータを用いて深センの業者へ発注する方法についてご紹介したいと思います。

深セン界隈に業者は星の数ほどありますが、今回はPCBGOGOを使って発注します。
https://www.pcbgogo.jp/

余談ですが、深センは環境規制が強まったことで、多くの基板製造業者は深センの隣町である東莞や恵州に工場を移しました。これら環境規制が比較的緩い場所でPCBをつくり、それらを実装(PCBA)する工程は深センの郊外で実施しているという会社が少なくありません。

そんな中で、PCBGOGOは引き続き深センで頑張っている珍しい業者です。

ネットで深センの業者に基板を発注する。

今回ご紹介するPCBGOGOは、日本人ユーザーも多く、サイトは日本語で操作できます。
クレカやPayPalにも対応しているため、日本人にはとても使いやすい業者の一つです。

同じような業者では、JLCPCBがあります。
https://jlcpcb.com/JPV

ただ、これらはどちらかというとプロトタイプや小ロット生産用の基板をお願いする場合は便利ですが、サービスが良い分お値段はやや高めです。慣れてきたり、大量に発注する場合は、長期的にはWeChatペイ、アリペイなどの電子マネーや中国国内の送金しか対応していないようなローカルの業者に発注することをオススメします。

基板サイズと枚数を選ぶ

まずは、PCBGOGOのサイトにアクセスします。
https://www.pcbgogo.jp/


こちらがトップページです。
つくりたい基板の縦横の長さと枚数を指定します。


枚数は一枚単位で選べるわけではなく、プルダウンから選びます。


特に指定がなければ、層数は両面、板厚は1.6mmのままで大丈夫です。
「今すぐお見積り」をクリックして進みます。


こちらは詳細画面のトップです。


外形寸法や枚数などは、先ほど指定した内容がそのまま反映されています。
日本へ発送する場合のクーリエ業者は、デフォルトではDHLが選ばれています。
DHLの場合、早ければ翌々日、そうでなくても4日前後で届く場合がほとんどです。
※但し、中国の大型連休や新型コロナウィルスによるロックダウン状況などにより大幅に遅れる場合があります。

発注した基板を中国国内の指定場所に発送する

やや余談になってしまいますが、私が今回発注した基板は案件の基板ではなく、KiCadの使い方を説明するためのテスト基板です。よって、高いお金をかけて日本に送る必要はなく、弊社の深センオフィスに送って同僚にはんだづけしてもらうことにしました。

本記事を見ているほとんどの方は日本に送ると思いますが、同じように中国の別の場所に送る方もいらっしゃると思いますのでついでに説明します。


DHLとなっているプルダウンをクリックし、SF Expressを選びます。
※SFでなくてもいいのですが、中国国内の配送はSFが一番オススメです。理由は、他の業者は安いですが、紛失したり、配送ミスや行方不明になったりすることがままあります。SFはまずもってこのような問題は発生しませんし。同一都市なら通常は翌日午前に到着します。


SF Expressに切り替わりました。


次に国を選びます。
中国国内に発送する場合は、CHINA, PEOPLES REPUBLICを選択します。


このように選び終わりました。

その他の要素を指定する

基板を発注する場合、指定しなければいけない基板の仕様は多岐にわたります。
ただ、多くはデフォルトのままで十分ですので心配しないでください。


デフォルトでは、「有鉛はんだ」になっていますが、日本では、はんだは鉛フリーが常識になっていますので、少し値段が上がりますが、基本は「無鉛はんだ」を選んでください。

ただ、今回は社内で使うテスト品なのでそのままとしました。

はんだの他は、レジスト(基板の色)とシルク(基板上の文字の色)の色を選ぶくらいでしょうか。
特に指定がなければ、それぞれ緑と白のデフォルトのままとするのが一般的です。




ページの最後までスクロールしました。
かなり多くの支払い方法に対応しているのが見て取れますね。

上にもどって、「カートに入れる」をクリックしてください。


その前にメールアドレスを入力します。


ここにメールアドレスを入れてください。


すると、ログインしていない場合はこのタイミングでログインを求められます。


パスワードを入れてログインしてください。

会員登録していない場合は会員登録してください。
あるいは、Facebookでもログインできるようです。

基板データを入稿する

この段階でようやくPCBエディターでつくったデータをアップロードします。


ログインすると、このようなデータ入稿画面が出てきます。
「ガーバーデータを入稿」をクリックします。


パソコン内に保存されているガーバーファイル(.gbr)やドリルファイル(.drl)などが入った圧縮ファイルを選びます。

上記は基板設計でつくった計12個のファイルが入った圧縮ファイルです。
これを選んでアップロードします。


アップロードが完了するとこのようになります。


「確認」をクリックするとこの画面になります。
「入稿データ」に反映されていることを確認してください。
「ステータス」は、最初はデータ確認中になっています。

データ確認中から支払い待ちになるまで待ってから支払う

こちらは、平日土日関係なしに、だいたい1~2h経つと支払い待ちになる場合が多いです。


このように支払い待ちになると、次へ進めます。


ちなみに、今回もう一つ別の簡単な基板を一緒に発注しましたが、こちらは0ドルになっています。理由は、リードタームの時に上記の通り、「基板にPCBGOGO logoが印刷されます」を選んだからです。

今回はクライアントに渡す基板ではなかったためこちらを選びました。
みなさんもテスト用のどーでもいい基板で試してみましょう!


先ほどの「レジへ進む」をクリックするとこちらの画面になります。

「お届け先情報」や「配送手段」、金額などを確認して、「支払い」をクリックします。


支払い方法を選びましょう。



このようにさまざまな支払い方法に対応しています。
今回はPayPalで払いました。
※PayPalは手数料がかかりますのでご注意ください。


こちらの画面が出てきたら決済完了です。
「注文履歴」をクリックします。


「注文のステータス」が制作中になります。
製造進捗でプロセスがどこまで進んでいるか見られます。
※一般的に翌々日発送、注文が立て込んでいるとさらにプラスで1、2日かかります。

以上です。
あとは基板が届くまで待ちましょう!

届いた基板をはんだづけしよう!

今回は国慶節という中国の連休中に発注しました。

これくらいの基板は通常であれば支払いの翌日に製造と発送、(深センであれば)その翌日に届くのですが、今回は連休中に注文残が溜まっていたとのことで、支払いから四日目にようやく発送となりました。

余談ですが、今回はこの基板と一緒に発注した基板の出来栄えを確認したかったこともあり、日本の赤坊のような使い方ができる「順豊同城」というSF Expressの即時配達サービスを使って発送当日に届けてもらいました。

2点間配送ですので、タクシーを使って送ってもらうようなものです。実際はそこまで高くはありませんが、通常配送と比べると5倍~10倍かかります。こればかりは仕方ありません。


こちらは基板の表面


こちらは裏面


部品を実装するとこのようになります。
深センの同僚にはんだ付けしてもらいました。

バッテリーとつないで動作確認する

こちらはコネクタにバッテリーを挿したうえでの動作の様子です。

https://twitter.com/Ideaport_Suzuky/status/1578331894256611328
無事動作しました!

まとめ

いかがでしたでしょうか?
KiCadの使い方として、

1、回路設計 その1
2、基板設計 その2
3、基板発注 番外編

と、順を追って説明してきました。

KiCadの画面も基板発注の画面もゴチャゴチャといろいろ書かれていて、最初は見るだけで疲れてしまいますが、実際にやってみたらほとんどの要素はデフォルトのままでよいことがわかっていただけたのではないでしょうか?

皆さんもKiCadを上手に使い、趣味に仕事にどんどん活用してください。

では、次回は別の内容でお会いしましょう。

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https://zenn.dev/suzuky/articles/2527cd8e263964

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