しゃべぐるみ制作 その6(音声録音再生モジュール+デジタルアンプ+タッチスイッチ)※しゃべぐるみミニ初版
こんにちは、dojinosukeです。
今回は、ブレッドボードも基板作成も不要。既製品のモジュールにタッチスイッチを配線するだけでできてしまう、つまり、時短でできてしまうしゃべぐるみについてご紹介します。
と、その前に、これを作ろうと思った経緯について少しお話しすると、ぬいぐるみって意外と単価が高いんですよね。もちろん、誰もが知っているようなキャラクターであれば、大量につくってもすぐにさばけるため、ロイヤリティや利益を含めても安価に販売できます。(とはいえ、最近はちょっとしたぬいぐるみでも数千円するのが一般的になりつつなりますが、、、)
一方で、ドジパンダのようなマイナーキャラだと売れるまでに時間がかかるため、在庫を抱えるリスクを考えると、最初はサンプルで数個とか、小ロットで100個つくってみるとかが現実的になりますが、そうすると、当然単価は高くなります。
で、25cm大のぬいぐるみを使ったしゃべぐるみをつくろうとしても、ぬいぐるみ自体の出来栄えがまだ妙で、工場に何度もやり直しをしてもらっても改善は遅々として進みません。なので、アプローチを変える必要があると考え、この大きい方のぬいぐるみの改善は一旦保留にして、中身の開発を優先しています。ですので、25cmの方は、ぬいぐるみの数自体が、そもそもまだサンプルレベルの数しかありません。
他方で、その中身の方はある程度は基板化できていますが、まだ筐体に完全に組み込めていませんし、電源は今のリチウムイオンバッテリーから乾電池にする予定ですが、そこはまだ手つかずです。
また、納品実績は一応ありますが、現状は、「しゃべぐるみ その5」で言及した、ドジパンダのしゃべぐるみVer3.2が、カラオケ兼カフェ一ヶ所に置かれているだけです。(とはいえ、もう一か所引き合いがありますが、、、)
前置きが長くなりましたが、結論としては、まずは機能をできる限りシンプルして、そのことで安価でつくりつつ、それでもしゃべることで付加価値をつけて、普通のぬいぐるみよりは高単価で販売する。
という戦略の元、もう一つの12cmのぬいぐるみに白羽の矢が立ったというわけです。
なお、本記事は、11/10に中国恵州市で開催されるシンプルなしゃべぐるみ制作のワークショップについての記事です。
はじめに
今年に入ってから、屋外イベントなどで積極的に出店し、ドジパンダをはじめ、自社キャラクターのグッズやその関連商品、クラフト製品などを販売しています。
で、しゃべぐるみの方は、上述の通り、数が少ないため、販売ではなく展示して、前を通り過ぎるお客様に対して、ドジパンダをしゃべらせて注意を引くという、文字通り「客寄せパンダ」的な使い方をしていますが、12cmの方は出来栄えがまだ良くないとはいえ、在庫としてずっと抱えていても仕方が無いので、普通に販売しています。(失敗作とはいえ、特徴的な顔をしているのでちょくちょく売れてはいます。)
ともかく、12cmの方は年初に100個作ったのである程度数がありますし、再発注しても25cmと比べると総額がだいぶ抑えられるため、同じしゃべるぐみをつくるにせよ、25cmより12cmの方が、資金繰り的には楽です。
ただ、欠点としては、12cmの方はいかんせんスペースが限られるため、中に埋め込める電子部品にも限りがあり、機能も制限されます。
そんな中、何人かの方から、録音できたら面白いというお話をいただきました。
また、これまでの電子工作を通して、MCU(マイコン)には不揮発性メモリがあり、情報量は限られますが、そこに恒久的にデータを保存できることを学びました。具体例として、そこにWi-FiのSSIDとパスワードを保存させておいたりします。
あとは、しゃべぐるみである以上、タッチスイッチによる発話や操作は不可欠だと考えています。
もちろん、音声や画像認識によって発話などのアクションをさせることもできますが、そうすると高くなり、おもちゃの域を逸脱してしまいますし、25cmの方ならまだしも、12cmの方は、今の技術では、これらの機能を実装するのは現実的ではないでしょう。
もう一度整理すると、
1.録音できる。
2.録音したものを再生できる。(つまり、録音したものをどこかに保存しておく。)
3.タッチスイッチによりアクションを起こす。
この3点を兼ね備えたもを「安価」に実現するためにはどうすればいいか。
そのためのプロトタイプも安価でかつスピーディに制作する必要があると思い、あじゃあじゃしていたところ、「ISD1820」という10秒間だけ録音できる優れもののモジュールを発見しました!
ともかく、このしゃべぐるみの簡易版を「ちびぐるみ」という名前にしようと思いましたが、これだとしゃべぐるみと違って音声機能がついているのがわかりにくいため、もっとシンプルに「しゃべぐるみミニ」と呼ぶことにしました。
ということで、本編は、しゃべぐるみミニVer.1.0の作り方について解説します。
参考記事
配線
単純に、ISD1820のスピーカー出力の2本の線をPAM8403の入力側につないで使うだけです。
細かな配線は、下記2つの記事を参考にしてください。
電子工作 その23(デジタルアンプボード:PAM8403の使い方)
電子工作 その24(音声録音/再生モジュール:ISD1820の使い方)
そのうえで、既存のぬいいぐるみは12cmでスペースに限りがあるため、タッチスイッチ2本は両手に内蔵しますが、スピーカーは一つだけ使っています。
なお、量産品に向けての開発は、基板をもっと小型化するとはいえ、今の12cmでは限界があるため、14cmのぬいぐるみを製作しています。
動作確認
以下は、こちらは9/20に仮納品した時の様子。
続いて、こちらは出店時の展示用にもう一体つくって、お店で見せていた時の様子。
まとめ
正直、この小さなしゃべぐるみのことを、「しゃべぐるみ・チビ」、「ちびぐるみ」、「しゃべぐるみミニ」のどれかにするかまだ決まっていませんが、機能はほぼほぼこの10秒間録音で決まりです。
あとは、今はまだバッテリー駆動ですし、あり合わせのモジュールをくっつけただけでだいぶぽっちゃりしていますがw、このVer.1.0の機能をできる限り一枚の基板に落とし込んで、筐体一つに基板と乾電池2つを組み込めるサイズにしたいと思います。
ともかく、出店時にいろんなお客様にヒアリングしたのですが、これだけの機能でも、少なくとも、概ね3,500円~5,000円くらいまでの価格帯で販売できるポテンシャルはあると判断しています。
では、残りは11/10のワークショップ前日に更新します。
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