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Tableau 2022.1 リリース記念 新機能まとめ 🎉

2022/04/05に公開

Tableau 2022.1 リリース記念 新機能まとめ 🎉

Tableauでプリセールスエンジニアをしている @rsugimura17 です。Tableau 2022.1 が2022年3月31日にリリースされました。Tableau 2022.1のリリースを記念して新機能の紹介をしていきます。

私がハイライトしたい機能には ⭐️ を付けました。あなたのお気に入りの新機能は?

なぜ記事を書いたか

Tableau公式の新機能紹介ページはありますが、下記の理由から記事を書きました。

  1. Tableauの2022.1 紹介ページ 以上に、機能の詳細をもう少しわかりやすくユーザーに届けたい
  2. 新機能の紹介はあっても、利用手順に関するTableau公式ヘルプがリンクされていないため、興味を持った機能を試しづらいことを解消したい
  3. いつでも、どこでもアクセスして多くのユーザーに見てもらえるように

この記事ではすべての新機能の利用手順をまとめることはせず、利用手順はTableau公式のオンラインヘルプに任せています。

機能の使い方は、各機能の紹介の最後に公式リンクを添付しているので、Tableauのオンラインヘルプ記事を参照ください。

日本語のオンラインヘルプは一部誤訳や内容がまだ古い場合があるため、英語のオンラインヘルプを優先して紹介しています。URLの/en-us/を/ja-jp/に変更いただくと日本語記事に変換できますが、現時点では英語のオンラインヘルプをGoogle TranslateやDeepLを使い、日本語に変換いただき参照することを推奨します。

Tableau2022.1の最新版をダウンロードされる方はこちらから
https://www.tableau.com/support/releases

機能サマリ

Tableau Desktop

#1 Workbook Optimizer
#2 ⭐️データの表示のカスタマイズ
#3 ルートテーブルとの入れ替え
#4 TabPyモデルの評価関数
#5 Tableau Exchangeに新しいコネクタ
#6 Esri Webデータコネクタの改善

Tableau Prep

#7 Tableau Prepのパラメーターの強化
#8 Tableau Prep Conductorのリンクされたタスク
#9 PrepフローのSlackによる通知

Tableau Server/Online

#10 ⭐️新しい検索体験
#11 新しいVizツールバー
#12 ⭐️ ビューアクセラレーション
#13 Parquetファイルのサポート
#14 「データに聞く」 フレーズビルダー
#15 Web作成機能の向上
#16 ⭐️管理者インサイトのためのViz読み込み時間データソース
#17 仮想接続とTableau Catalogの統合
#18 企業環境への導入ガイドライン
#19 バックグラウンダーリソースの制限
#20 Tableau Serverの独立ゲートウェイ
#21 Hyperによるスプーリングの監視
#22 監視のためのSlackの統合

Tableau Desktop

#1 Workbook Optimizer

ワークブックのデザインを分析し、Vizのパフォーマンスにどのような影響を与えるかを提示してくれる Workbook Optimizerが追加されました。これにより、分析者が見落としがちなパフォーマンスに影響する要素を分析を展開する前に解消することが可能になります。


Tableau DesktopでのWorkbook Optimizer 実行


Tableau Server/OnlineでのWorkbook Optimizer 実行


Workbook Optimizer 実行画面

現在のリリースでは以下の項目を網羅的に評価します。
今までは、効率的に作業できるワークブックの設計のホワイトペーパー で紹介していたものが機能として追加されています。

  • 使用していないフィールド
  • 計算に複数のデータソースを利用する
  • データソースの数
  • ダッシュボード内のビューの数
  • ワークブック内のシートの数
  • 計算の複雑性
  • LOD計算の数
  • データソース内の複数の接続
  • フィルターの数
  • マテリアライズされていない計算

参照ヘルプ:Workbook Optimizer

Tableauユーザーのふくろうさんに早速使っていただいています。

#2 ⭐️データの表示のカスタマイズ

データの表示をカスタマイズして、サマリと全データで必要なカラムを表示し、不要なカラムを非表示にし、カラムを好きな順番に並べて、ダウンロード時に同じ並びでデータを入手することが可能になりました。この機能は、Tableau Desktop と Web で同じもので、どちらのプラットフォームでも同じ機能を使うことができます。


計算フィールドの結果が正しいか検証するのに便利


Tableau Server/Onlineからも気になったところのデータを表示


クリックしたポイントのデータ表示


フィールドの表示・非表示が自由


カラムの順番を変更して並びを維持したままダウンロード可

参照ヘルプ:Customize the View Data window

#3 ルートテーブルとの入れ替え

データソースの任意の論理テーブルをスワップして、ワンクリックでルートテーブルにすることができます。データモデルの構造をすばやく変更できるようになり、子テーブルを削除することなく特定のテーブルを削除することが容易になりました。


ルートと交換

参照ヘルプ:Swap the root table in a data model

Tableau Datasaberのもりたひろあきさんからもコメントをいただいています。

https://twitter.com/hiroakimo_tw/status/1509396890827517954

#4 TabPyモデルの評価関数

新しい計算関数のMODEL_EXTENSION_X がTableauに追加されています。TabPyまたは他の分析拡張からデプロイされたモデルを呼び出すことができます。事前にデプロイされた関数のみを実行可能に設定可能です。以前は計算関数の中に、Pythonコードの記述を行う必要がありました。


Tableauからデータを渡して関数を呼び出す

参照ヘルプ:Query TabPython models with Model_Extension functions

#5 Tableau Exchangeの新しいアクセラレーター

Tableau Exchangeで新しいアクセラレーターのワークブックが利用可能になりました。Tableau Exchangeのアクセラレーターは、特定のデータソースや業界別のユースケースに利用できる事前構築済みのダッシュボードテンプレートです。ワークブックをダウンロードして、所有するデータに置換することでテンプレートを利用することができます。

Tableau2021.4に新機能で追加されたTableauアクセラレーター


コールセンターのワークブック

#6 Esri Webデータコネクタの改善

Esri Connectorは、パブリックおよびプライベート(認証済み) ArcGIS サーバーの両方をサポートするようになりました。以前は、ハワイの標高コンターやオーストラリアの山火事の延焼状況など、一般に公開されているデータのソースとしてコネクタを使用していましたが、新しいコネクタでは、お客様のリポジトリからデータを取り込むことができるようになりました。Tableau Desktop、Tableau Server、Tableau Online、Tableau Prep Builderで利用可能です。

参照ヘルプ:Updates to the Esri ArcGIS connector (now the Esri connector)

Tableau Prep

#7 Tableau Prepのパラメーターの強化

Tableau Prepは、バージョン2021.4 でフロー内でパラメータを使用できるようになりました。バージョン2022.1 ではパラメーターを利用できる箇所がさらに増えています。

  • フローの出力をデータベースに書き込む前または後に実行するカスタムSQLにパラメータを含める
  • Microsoft Excelに出力を書き込む際に、ワークシート名にパラメーターを含める
  • 手動でパラメータを見つけてフローから削除する代わりに、ワンクリックでパラメータを削除
  • REST APIを使用してフローを実行する際に、パラメータの上書き値を含める


データベースに書き込むときのカスタムSQLにパラメータを含める


Excelのワークシート名にパラメーターを含める


ワンクリックでパラメータを削除と影響の箇所のアラート表示

Tableau Prep パラメーター2021.4 新機能

参照ヘルプ:Added in version 2022.1.1: Flow parameter enhancements

#8 Tableau Prep Conductorのリンクされたタスクのデフォルト有効化

Tableau Prep Conductorのリンクされたタスクは、複数のフローを順番に実行することができる機能です。2021.3リリースでは、管理者がはサイト設定からリンクされたタスクを有効化する必要がありました。Tableau 2022.1リリースでは、Tableau Prep Conductorを持つすべてのユーザーに対して、すぐに有効化されます。この機能が不要な場合は、管理者がオプトアウトする必要があります。


リンクされたタスクの選択

Tableau Prep Conductorのリンクされたタスク 2021.3 新機能

こちらの機能はTableau Data Management Add-onのオプションが必要となります

#9 PrepフローのSlackによる通知

Tableau Prepで、スケジュールされたプレップフローが中断されたり、何らかの障害が発生した場合に、Slackを通じてプッシュ通知できるようになりました。


PrepのSlack通知

参照ヘルプ:Prep Flow Notifications in Slack

Tableau Server/Online

#10 ⭐️ 新しい検索体験

重要なコンテンツをより早く見つけることができます。Tableau で検索したときに、最も有用なコンテンツが上位に表示されるように、Tableau 検索をゼロから再構築しています。結果は、テキストの関連性、人気、および最新情報などに基づいてランク付けされ、より迅速かつスマートに必要なデータを見つけることができるようにします。


「seaatle」で検索した場合「seattle」を拾う


「query」を検索した場合「Queries」を拾う

#11 新しいVizツールバー

新しいVizツールバーは、ダッシュボードやビューを表示するときに表示されます。Tableau Online、Serverで利用可能です。これは、より使いやすさを強化するために、Tableauの機能を整理するものです。旧ツールバーは、構造化されていないフラットな機能のリストであり、機能追加の余地がありませんでした。新しいツールバーでは、既存の機能をより論理的に再整理しています。 一部の機能はサブメニューに移動しました。新しい色でより発見しやすくなり、将来の拡張性にも優れています。


新しいVizツールバー

#10 新しい検索体験 と #11 新しいVizツールバー によるUI変更から、BIツール研究所を運営されるウィルさん、Tableau Prepユーザー会で活躍されるNULLさんからも前向きなコメントをいただきました。
https://twitter.com/willanalysts/status/1509423305618444289

https://twitter.com/noookooon/status/1511866726983499778

#12 ⭐️ ビューアクセラレーション

ビューアクセラレーションは、選択したダッシュボードを事前に計算していくことで、クエリーのロード時間を大幅に短縮します。この機能は、ワークブックのユーザー定義のデータ鮮度ポリシーまたは抽出スケジュールに基づいて事前計算のスケジュールを作成し、ユーザーがパフォーマンスと鮮度の高いデータの両方を取得できるようにします。


ビューの高速化の設定

ビューのアクセラレーションが有効化されたものは、管理者ページにて一覧で管理することができます。現在、有効化できるビューの最大数は、Tableau Serverの場合、100に設定されています。Tableau Serverはサイト管理者が調整することができます。Tableau Onlineの場合は、現時点でアクセラレーションが有効化できるビューは30個です。


サイト管理者画面のアクセラレートされたビュー

参照ヘルプ:View Acceleration

#13 Parquetファイルのサポート

以前は、データがParquetファイルで存在する場合、ユーザーはHyper APIを使用して.hyperファイルを作成する必要がありました。今回のサポートにより、Parquetファイルをお持ちのユーザーや、Hyper APIを使用して.hyperファイルを生成できないユーザーは、Hyper変換することなく、これらのファイルを使用してTableau OnlineおよびTableau Serverにデータを取り込むことができるようになりました。Parquetはオープンな業界標準フォーマットで、ビッグデータシステムやデータレイクのデータ保存によく使用されます。

すでに他の理由でParquetファイルを使用しているユーザーにとっては、Hyper APIを使用してデータを.hyperファイルとして複製する手間が省け、計算リソースと時間を節約できます。

当該REST APIのエンドポイントは以下の通りです。

POST /api/api version/sites/site-id/datasources
PATCH /api/api-version/sites/site-id/datasources/datasource-id/

https://twitter.com/takumanken/status/1499135018639433728

#14 「データに聞く」 フレーズビルダー

ユーザーは、データに詳しくない、分析に精通していない、望ましい結果を得るために必要な入力やアクションのセットを理解していないなどの理由で、可視化の構築や修正に苦労している場合があります。「データに聞く」 フレーズビルダーでは、ユーザーは特定のアクションをクリックすることで、クエリを生成することができます。


フィールドの追加


フィルターの追加

参照ヘルプ:Automatically Build Views with Ask Data

#15 Web作成機能の向上

リファレンスライン、傾向線、ハイライター、クイックフィルタ、タイトルを右クリックすると、編集、書式設定、削除などのアクションができるようになりました。


リファレンスラインの書式設定

#16 ⭐️ 管理者インサイトのためのViz読み込み時間データソース

Tableau Onlineの管理者インサイトに、Viz Load Timesのデータソースが追加されました。Viz Load Times には、サイト上のワークブックに含まれるビューのロードタイムや所有者情報が含まれているため、Tableau Online環境内のロード時間の評価を行うことができるようになりました。

ここでは、Viz Load Timesのデータソースを使いワークシートを作成しています。

サポートプロジェクトに平均ロード時間42秒のワークブックが存在

参照ヘルプ:Explore the data sources - Viz Load Times

こちら機能はTableau Onlineのみ適用されます。

#17 仮想接続とTableau Catalogの統合

2021.4で導入された新しいコンテンツタイプである仮想接続が、Tableau Catalog でサポートされることになりました。これにより系列機能が強化されて、誰が、あるいはどのワークブックやビューが特定の仮想接続を使っているのかが明らかになります。仮想接続はTableau 2021.4でリリースされた新しいデータソースへの接続方法です。


系列に仮想接続が追加

こちらの機能はTableau Data Management Add-onのオプションが必要となります

#18 企業環境へのTableau Server導入ガイドライン

Tableau Server は、リファレンスアーキテクチャを使用して導入することを目的としたベストプラクティスのガイドが提供されます。web、データ、アプリケーション層の最適な可用性、スケーラビリティ、セキュリティ、パフォーマンスを考慮したリファレンスアーキテクチャを使用して導入することができます。


AWS リファレンスアーキテクチャ例

参照ヘルプ:企業環境への Tableau Server 導入ガイド

#19 バックグラウンダーリソースの制限

サイト毎の同時ジョブ数やランタイム時間に制限をかけることで、特定サイトによるリソース独占や他サイトへのパフォーマンス影響を防げるようになりました。

Tableau Server Management を使用すると、同時ジョブ数やランタイム時間に制限をかけることで、1つのサイトが他の展開のパフォーマンスを独占して悪影響を及ぼすことがないように他サイトへのパフォーマンス影響を防げるようになりました。


リソースの制限設定

制御可能な項目
・ 同時ジョブ数
・ サブスクリプション
・ 抽出
・ フロー
・ バックグラウンダー時間

参照ヘルプ:Tableau Server Backgrounder Resource Limits

こちらの機能はTableau Server Management Add-onのオプションが必要となります

#20 Tableau Serverの独立ゲートウェイ

Tableau Serverの外部にゲートウェイプロセスをインストールして、TableauがサポートするリバースプロキシサーバーをTableau Serverの一部として管理することができます。以前は、リバースプロキシサーバー自体はTableau以外でも構築はできましたが、Tableau Serverの独立ゲートウェイはTableauからサポートされます。

  1. セキュリティの向上 - DMZにはリバースプロキシサーバーを配置することでセキュリティの強化
  2. 拡張性の向上 - クライアントにはリバースプロキシのIPアドレスしか見えないので、サーバーの拡張がしやすい

この機能では、Tableau Server と通信するように事前に設定された 独立ゲートウェイをDMZにインストールするオプションが提供されます。


Tableau Server プロセス構成列

参照ヘルプ:Tableau Server Independent Gateway

こちらの機能はTableau Server Management Add-onのオプションが必要となります

#21 Hyperによるスプーリングの監視

リソースモニタリングツールでは、Hyperのクエリを監視するようになり、メモリ不足でディスクにスプールされたクエリをインシデントとして追跡することができるようになりました。「データエンジンプロセスのメモリが不足してディスクへの書き出し(スプーリング)を開始し、パフォーマンスが落ちている」 状態を検知できるようになります。


リソースモニタリングツールとは


Hyperクエリのスプーリングの監視

参照ヘルプ:Hyper Spooling Incidents

こちらの機能はTableau Server Management Add-onのオプションが必要となります

#22 監視のためのSlackの統合

リソースモニタリングツールがインシデントをSlackで管理者に通知するように設定できるようになりました。インシデントの重要度に対してフィルタリングすることができます。また、必要に応じて、環境ごとに個別のSlackワークスペースにインシデントを送信することができます。


インシデントをSlackに通知

参照ヘルプ:Slack notification settings

こちらの機能はTableau Server Management Add-onのオプションが必要となります

#告知 2022.1の新機能紹介のイベント 04/21(木)

https://twitter.com/erika_kaikai/status/1510822744841404417

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リソース

本記事に関する詳細については、次のリソースを参照してください。

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