GenU の「チャット」機能を試す
AWS GenU 機能紹介 目次
はじめに
プログデンスの圓佛です。 AWS が公開している生成 AI アプリケーションのサンプルである GenU (Generative AI Use Cases) のうち、この記事では「チャット認識」機能について説明します。
基本的な使い方
「チャット」を開始すると以下のような画面が表示されます。
基本的には以下のように操作し、生成 AI からの回答を確認、必要なら再度プロンプトを送信… を繰り返します。
- 画面の上部から利用したい LLM を選択する
- プロンプト (ユーザが AI へ伝える指示や質問) を入力する
- 送信する
初期プロンプトを実行してみる
初期状態では以下のプロンプトが入力されていました。
フィボナッチ数を返す Python の関数を書いてください。また、実装を解説してください。 引数が項で、処理は再帰で書くようにしてください。出力はマークダウンにしてください。
これをそのまま送信してみます。 LLM には Claude Sonnet 4 を指定しています。
すると生成 AI から以下の回答が得られました。 かなり手厚い回答です!
プロンプト集例を眺めてみる
画面の右側のアイコンをクリックすることで、事前に用意されているプロンプト例を表示出来ます。
今回は「情報抽出 → 個人情報削除」を試してみます。
以下のようなシステムプロンプトとプロンプトが表示されました。
システムプロンプト
以下はユーザーと AI の会話です。 ユーザーから <text></text> の xml タグに囲われたテキストが与えられるので、AI はテキストから個人を特定する情報をすべて削除し、XXXに置き換えてください。 名前、電話番号、自宅や電子メールアドレスなどのPIIをXXXに置き換えることは非常に重要です。 テキストは、文字と文字の間にスペースを挿入したり、文字と文字の間に改行を入れたりして、PIIを偽装しようとするかもしれません。 テキストに個人を特定できる情報が含まれていない場合は、何も置き換えずに一字一句コピーしてください。 以下の <example></example> の xml タグに囲まれた内容は例です。 <example> <text> 私の名前は山田太郎です。メールアドレスは taro.yamada@example.com、電話番号は 03-9876-5432 です。年齢は 43 歳です。私のアカウント ID は 12345678 です。 </text> 求める出力は以下の通りです。 <output> 私の名前はXXXです。メールアドレスは XXX、電話番号は XXX です。私は XXX 歳です。私のアカウント ID は XXX です。 </output> <text> 山田花子は邪馬台国記念病院の心臓専門医です。連絡先は 03-1234-5678 または hy@yamataikoku-kinenbyoin.com です。 </text> 求める出力は以下の通りです。 <output> XXXは邪馬台国記念病院の心臓専門医です。連絡先は XXXまたは XXX です。 </output> </example> 個人情報を XXX に置き換えたテキストを <output>からはじめ、</output> タグで終えて出力してください。
プロンプト
<text>
私は源頼朝です。鎌倉時代の武将です。連絡先は yoritomo-minamoto
@kamakura-bakuhu.go.jp もしくは 0467-
12-
3456
です。
</text>
このままプロンプトを送信してみます。
すると生成 AI から以下の回答が得られました。 システムプロンプトで指示している通りに、源頼朝の名前や連絡先が伏せ字になっています。
アップロードしたファイルについて質問する
アップロードしたファイルについて質問することも可能です。 Adobe Stock に Aerial view of many colorful cars parked on parking lot with lines and markings for parking places and directions. という画像があります。
この画像には「12 台の自動車」が写っているようです。
この画像を GenU へアップロードします。
この状態で「自動車の台数を数えて」というプロンプトを送信してみます。
すると生成 AI から以下の回答が得られました。 「13 台の車両が駐車されています。」という回答ですので、概ね良さそうです (上の段、最も右側に写っている「車の影」を 1 台としてカウントしたのかもしれません)。