ノリと勢いでプログラミングサークルを創設したら3年目に突入した話 ② ~挑戦編~
この記事は2本目です。
1本目をお読みになっていない方は以下の記事をご覧ください。
仲間を増やす
2人寄らばサークル。
しかし、ずっと2人だと、それはサークルの体を成しません。
サークルを設立するとはいったものの、仲間集めについてはまったく何も決まっていませんでした。
新歓活動をするにしても、大阪大学のサークルオリエンテーションは参加費が必要です。
そもそも、ビラを作るお金すらない。
しかも、サークルに新入生が入ったとしても教えられることは大してない。
前回の記事のとおり、そのときは私も開発経験が浅く、前会長も全くのプログラミング未経験者でした。
そこで、1年生を大々的に募集することは諦め、周りの友人や、Twitter経由で興味を持ってくれた人からの参加を細く受け付ける方針に自然と落ち着きました。
そして、4月某日、前会長と私それぞれが周りの人に声を掛け、「顔合わせ会」を開き、サークルとしての活動が本格的にスタートしました。
最初は環境構築からサポートし、その後、簡単なUIの課題を実装してもらう。
初心者に優しいサークルにするということを手探りながら心がけていました。
これは、私自身がサークルの中で挫折した経験があったからこその方針でした。
※当時の課題資料
この創設初期の頃、
「1年後にはしっかり新歓活動をして、自分たちが離れた後もサークルを継続できる形を目指す」
このことは私と前会長の共通認識として明確にありました。
知名度もない。
後ろ盾もない。
経験もない。
どうやったら仲間が増えるのだろう?
サークルとして何かしらのアプリをリリースする。
そのアイデアを考えている際に、妙案が思いつきました。
阪大生が興味を持つアプリをリリースして、まずは知名度を増す。
仲間集めと開発スキルの向上。
二兎を追うべくして開発に乗り出したのが「石橋ごはんルーレット」です。
石橋ごはんルーレット
「石橋」という町を知っていますか。
大阪府、阪急 石橋阪大前駅。
大阪大学豊中キャンパス最寄りの、この駅周辺一帯が、この石橋という町です。
昔ながらの商店街を中心としながら、300店舗以上の飲食店があり、大学終わりの阪大生たちがご飯を食べに行くとしたら、石橋。
そんな町です。
しかし、私たちは一つ課題感を持っていました。
選択肢はたくさんあるのに、学生が利用するお店は限られていることです。
そこで、飲食店のリストの中からルーレットのようにランダムに1店舗を紹介し、「新しいお店との出会い」を促進するアプリ「石橋ごはんルーレット」を開発することにしました。
リリースまでの道のり
「石橋ごはんルーレット」のリリースまでの開発は、とても長いものでした。
Discordのログを見返すと、少なくとも5/6には開発することが決まっており、リリースしたのは12/2。
7ヶ月もやっていたんですね。
最初期は、サークルによく顔を出してくれていたメンバーにタスクを割り振りながら進めていましたが、夏頃には結局、開発メンバーは私と前会長の2人だけに。
サークルに顔は出してくれるけれど開発メンバーとしては定着しない。
「初心者に優しいサークルにする」
そう言ったものの、1年目はそんな状態がずっと続いていたように思います。
転機
結局、開発メンバーが2人となり、8割型完成していた頃。
大学入学後すぐに所属していたプログラミングサークルの先輩から唐突に連絡が来ます。
「Next.jsでWebアプリを作りたいから手伝ってくれないか」
そこから、なんだかんだあって、11月頃にみっちりFlutterを教えてもらうことになりました。
当時、私はUIの作成はそこそこできるものの、機能の作成といった部分はほとんどAI頼り。
「とりあえず実装できているし、いいか」と深く理解することを諦めていました。
しかし、先輩からの指導で、Riverpodの存在や状態管理の概念、アーキテクチャなど、より本質的な内容の手解きをしてもらいました。
この頃にたまたま先輩から声を掛けてもらったことは本当に運が良かったと思っています。
そして、ほぼ完成していたアプリの機能面を、指導を基に爆速でリプレイス。
こうして、「ぽちぽちのつどい」としての初めてのアプリ、「石橋ごはんルーレット」はリリースを迎えたのです。
サークルの外とのつながり
「石橋ごはんルーレット」は、開発途中で石橋商店会に協力を得ることができました。
お店のデータベースの利用や、リリース後にプレスリリースを出してもらうなど様々協力をいただきました。
石橋商店会から支援を受けて行ったことで、最も大きいのは「クーポンキャンペーン」の実施です。
毎日1回だけ引けるガチャで、実際に店舗で使えるクーポンを発行しました。
万が一齟齬がでないようにトランザクション処理を入れるなど、当時の自分としては実装面でもやりがいのあるチャレンジができました。
石橋ごはんルーレットの結末
「石橋ごはんルーレット」はその後、大きなアップデートを行い、様々勘案した結果、プロジェクトを閉じることとなりました。
(現在もアプリ自体は公開中で、ユーザー数は500人を超えています。実は直したいバグがまだありますが……)
サークル外、大学外の方々にも多く協力を得ながら1つのアプリを中心として様々活動できたことは個人的にもとても良い経験だったと思います。
協力してくださった皆様には、この場を借りて感謝したいと思います。
こうして、様々な人を巻き込んで、開発を行っていると、いつの間にか春がすぐそこに迫っていました。
春。
そう、新歓の季節です。
次回へ続く
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