ノリと勢いでプログラミングサークルを創設したら3年目に突入した話 ③ ~継承編~
この記事は3本目です。
1,2本目をお読みになっていない方は以下の記事をご覧ください。
長期インターンをはじめる
サークルを設立してから、1年が経とうとしていた頃。
唐突にTwitterのDMに1件のメッセージが入りました。
現在、開発にご協力いただけるFlutterエンジニアを探しています。
ちょうど、「石橋ごはんルーレット」の開発もある程度落ち着き、更なるステップアップを目指して長期インターンを探していた私にとって、これほどタイミングの良い話はありませんでした。
1度お話をさせてもらい、様々経緯を辿ってインターンをさせていただくことになりました。
今もお世話になっている株式会社ドットログとの出会いです。
インターン初期は自社アプリ開発に携わり、
その後は受託アプリ開発にてFlutterサイドのマネジメントも任せていただきました。
ドットログでのインターンは、私にとって、
- 本格的なチーム開発の経験
- スクラム開発の経験
- お金を貰いながらプログラミングする経験
を学ぶことのできた掛け替えのないものでした。
この1年はインターンで学んだ上記の知見をサークルに還元することを意識しました。
来る、新歓の季節 春。
変革
春がやってきて、新入生が大学に入ってきました。
この春にメンバーをどれだけ集められるか。
サークルにとって、今後の生き死にを決める季節と言っても過言ではないくらい重要な時期です。
新歓活動を行うに当たり、いくつかサークル内の制度を変更しました。
その中で大きかったのは年会費1,000円の導入です。
活動の幅を広げること、そして人数が増える一方で低下していたアクティブ率を改善することが目的でした。
当時は「とりあえず誘われたから入った」というメンバーが多く、活動意欲にばらつきがありました。
「年会費を払う意志」を持ったメンバーに絞ることで、アクティブな層を厚くしようと考えました。
仲間集め 2
年会費制度を創設したとはいえ、サークル内にそれほど資金があるわけではありませんでした。
初年度と同じく、会費のかかるサークルオリエンテーションへの参加は見送りました。
しかし、私たちには秘策がありました。
**「石橋ごはんルーレット」**です。
大学構内ではビラを配ることが全面的に禁止されています。
しかし、それは大学構内の話です。
私たちは、「石橋ごはんルーレット」の宣伝ビラを商店街や周辺で配布することにしました。
アプリの宣伝ビラに開発団体のロゴや名称を載せるのは自然なこと。
「石橋ごはんルーレット」のビラを配ることで、ユーザーが一定伸びることが想定され、その上、新入生にも認知が広がる。一挙両得の作戦。
結果、新入生が集まるタイミングに合わせてビラを配布したことで、
アプリのユーザー数・SNSフォロワー数ともに一定の伸びを記録できました。
新入生
ビラ配りをはじめとして様々な施策を行った結果、10人強の新入生を迎え入れることができました。
今でも7人くらいはアクティブに活動しており、期待していたより高いアクティブ率を維持できているかと思っています。
新入生のプログラミング経験は様々。
JavaやPython経験者もいれば、完全未経験者もいました。
「初心者に優しいサークル」を目指して、1年間手探りで行った活動を振り返ってみたいと思います。
Flutterに触れる
最初はもちろん環境構築です。
Flutterの環境構築は個人的には結構面倒くさいと感じています。
新入生に参考にする記事を与えて、各々で進めてもらいつつ詰まった点はオンライン・オフライン問わずサポートし続けました。
いろんなエラーを見まくって、当時はめちゃくちゃ環境構築に詳しかったような気がします。
そして、次にMIXIが毎年公開している新卒Flutter研修をもとに、全体の概観とUIの作成に触れてもらいました。
その後は、昨年に引き続き自作の課題をにも取り組んでもらいました。
進みが速いメンバーには「石橋ごはんルーレット」や他の開発プロジェクトにも参加してもらい、
実践の中でチーム開発に触れてもらう工夫をしました。
そして、全員が自作の課題を完了したところで、1年生同士でチームを組んで開発を行うことにしました。
チーム開発への入門
1年生チームには、
• アイデア出しから実装まで自力で行う
• 6月中旬から9月末まで開発
• 秋に開催予定のLT会で発表
という目標を設定しました。
また、チーム内のリーダー候補には、簡単なPM講習会なるレクチャーも実施しました。
今思えば放任主義すぎたかもしれませんが、
• 技術を教え合う文化を作る
• チーム間の横のつながりを強くする
• 早めに失敗し、次に活かす経験を積んでもらう
この意図があって、できるだけ介入しない方針を選びました。
私自身、「石橋ごはんルーレット」の開発では失敗を繰り返し、そのたびに多くを学びました。
だからこそ、後輩たちにも同じように失敗を乗り越える経験をしてほしかったのです。
結果は⁉️
そして10月。
LT会を開催しました。
1年生のチームはどうなったのか.....
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失敗してた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
失敗してました。
ちなみに、もう1チームもあり、そのチームもアプリ完成せず。
しかし、全然それで良かったのです。
何よりうれしかったのは各チーム失敗の原因を分析し**、「次どうするか」**を考えていたところでした。
なにはともあれ、放任すぎたかもしれないここまでのカリキュラムに喰らいつき、今もサークルに貢献してくれている後輩たちには感謝しかないです。
LT会
少し話を戻してLT会全体について振り返ります。
「Flutter 秋のぽちぽちLT会」と銘打って開催したこのLT会は、サークル外の学生エンジニアとも交流する初めてのイベントとなりました。
サークル外の学生エンジニアとして声を掛けさせてもらったのは、入学当初に入っていたサークルのメンバーかつ、僕にFlutterを教えてくれた先輩の弟子(後に彼とハッカソンを開催するのはまた別の話)。後は、ネイティブアプリの個人開発で収益化している阪大生の先輩と、サマーインターンで仲良くなった近畿大学のエンジニア。
また、某大学の職員の方にも参加していただきました。
発表も懇親会も予想以上に盛り上がりました。
私自身もこのイベントで、人生初のLTを経験しました。
1年生とはその後、1on1を実施して開発やチーム内の立ち回りについてフィードバックを行いました。
そして、各チームに開発を継続するか、新しくアイデアを考え直すか選択をするように促しました。
結果的に各チームとも継続を決めて、その後はそれぞれインターンや個人開発と並行して開発を行っています。
サークルの拡張
LT会以降、サークルは緩やかに拡張していきました。
「Ale Engineer」という新しいコミュニティとの融合です。
このコミュニティは、私と、私にFlutterを教えてくれた先輩と、その弟子の友人との間で情報共有を行っていたDiscordサーバーが基となったコミュニティです。
「ぽちぽちのつどい」のメンバーには、年末年始に行った「Flutter勉強会」や、3月に開催した「Flutter Jr. ハッカソン」などのイベントを起点に多く参加してもらっています。
「Ale Engineer」は、他大学の学生も多く在籍しているコミュニティになっており、その中でプロジェクトが生まれるなど、1つの大学に閉じていたサークルから活動の幅が広がってきています。
内向きに継続して活動する「ぽちぽちのつどい」と、少し外向きな「Ale Enginner」の活動。
意図してそうなったわけではないところも大きいですが、良い意味の刺激を双方にもたらす構造になっていくのではないかと思っています。
代替わり
そして、いつの間にか季節は巡り、また春が近づいてきました。
「ぽちぽちのつどい」を創設した私と前会長は今年度から4年生。
サークルが継続して活動を続けるとしたら、このタイミングでの運営権の移譲は必須でした。
話し合いを重ね、納得のいく形で後輩たちへバトンを渡しました。
2月頃に発表を行い、4月から本格的に新体制がスタート。
今年の新歓活動や教育内容を含め、サポートはしつつも、後輩たちが主導で意思決定を行ってくれています。
大変なこともあると思いますが、きっと良い経験になるので頑張ってほしいと思っています。
さいごに
「ノリと勢いでプログラミングサークルを創設したら3年目に突入した話」は以上になります。
とても長い記事になりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
自分視点で振り返ったため、サークルと直接関係ない話も多く含まれてしまいました。
その点はご容赦いただければ幸いです。
最近、ふと考えたことがあります。
これだけAIが発達している時代に、わざわざコミュニティに属して学ぶ意味があるのだろうか?
プログラミングサークルなんてなくても、独学で学べる時代なのではないか?
確かに、優秀なエンジニアの中には、独学で突き抜けた人もたくさんいます。
私自身も最初はAIをメンターにし、学び始めました。
しかし、私がこれまで続けてこれたのは、明らかにサークルを含め周りに同じ方向を向いていた人たちが居たからだと思います。
興味はあるけど踏み出せない。
そういう風に思っている人が居て、もし、仲間がいれば一歩踏み出せるなら、その仲間がいる環境はあるべきだと思います。
もし、周りにそういう環境がなくて、困っているなら作ってしまえば良いと僕は良いと思います。
見切り発車でも何とかなります。しらんけど。
少しでも、緩やかに、止まらずに在り続けてくれることを願いつつ記事を終えたいと思います。
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