Manjaro Linux 最初の一歩
at 2023-8-7(更新日)
Manjaro Linuxはx86_64系またはarm系プロセッサーのパソコンで動くLinux OSです。
インターネットのサイトを閲覧するためのブラウザや表計算などのオフィス向けソフト、映像編集ソフトなど、いろんなソフトが動きます。
Manjaro-jpは、標準で日本語環境を整えることを目指して、いろいろと調整しています。
USBディスクなどから、起動するライブISO環境兼インストーラーを用意しています。
もしよかったら、お試しください。
Linuxには、いろんなディストリビューションといわれるものがありますが、プログラムのソースが公開されているものが多く、また互換性を保つ努力が継続されています。
またディストリビューションを超えて、アプリケーションを配布する仕組みとして、FlatpakとSnapといった仕組みが作られてきました。Manjaro LinuxもFlatpakとSnapにも対応していますので、他のLinuxディストリビューションと同じように、いろんなアプリケーションが動作可能です。(ライブISO環境=USBからISOを起動させた状態では制約があります。)
多くのディストリビューションが存在するのは、デスクトップ環境の差異だったり、OSの更新作業のための保守部分やセキュリティ対策をどうするか、といった部分で、ポリシーだったり、やり方が異なるからです。
ただ、基本的には同じアプリケーションが動作する場合がほとんどなので、一般のユーザーには、あまり関係ないことです。自分が使いやすい、ユーザーが多そうなものを選べば大丈夫だと思います。
なおManjaro LinuxはArm系プロセッサーにも対応していますが、その日本語対応は、サーバーもパソコンも手元に持っていないため、検証が難しいので、未対応です。x86_64系のパソコンでご利用ください。
Manjaro Linux をインストールします。
Xfce > KDE > GNOMEの順で動作が軽い感じがします。
個人的にはGNOMEを使っています。
インストール用のisoファイルをダウンロードし、USBメモリなどでインストーラーが起動するように設定します。
今回はUSBメモリにVentoyをインストールすることで、isoファイルをUSBメモリにコピーするだけで、USBメモリからインストーラーが起動できるようにします。
インストール用USBメモリの作成
1.Ventoyのインストール
WindowsやLinux向けなどのインストーラーがありますので、各自の環境に合わせてダウンロードして取得してください。
ダウンロード後、USBメモリをPCに接続して、VentoyのGUIインストーラーを起動します。
一応、セキュアブート対応のオプションを設定します。
接続したUSBメモリが認識されていることを確認して、導入します(インストールします)。
Ventoyのインストールについて
Manjaro LinuxでventoyをUSBにインストールする場合の手順
sudo pacman -S ventoy
ventoygui
Linux全般
ダウンロードコマンドがaria2の場合の例
aria2c -c https://github.com/ventoy/Ventoy/releases/download/v1.0.94/ventoy-1.0.94-linux.tar.gz
tar xf ventoy-1.0.94-linux.tar.gz
cd ventoy-1.0.94
./VentoyGUI.x86_64
Windowsの場合
ブラウザなどでVentoyをダウンロードします。
ダウンロードしたzipファイルを開いて、ventoy2disk.exeを実行しましょう。
2.ファイルシステムの変更
最初にしておいた方が良いのがファイルシステムの変更です。
exfatは制約の多いファイルシステムです。
symlinkも使えずファイル名にも制約が多いです。
Ventoyは、ありがたいことにext4にも対応しています。
ventoyをインストールした最初のパーテーションにmkfs.ext4などを使って、フォーマットし直しましょう。
もちろんフォーマットなのでデータはなくなります。その点はご注意ください。
最初にext4などでフォーマットしておいてから、ISOファイルなどをコピーして用いると何かと安心ですし、後々にも便利だと思います。
執筆時点の最新版は1.0.94です。
3.Manjaro インストーラーをダウンロード
linuxだとコマンドラインのaria2がtorrentも対応していて便利です。
もちろんGUIのtorrentクライアントもあります。
pamac install aria2
aria2c -c https://download.manjaro.org/gnome/22.1.3/manjaro-gnome-22.1.3-230529-linux61.iso.torrent
Manjaro-jpのダウンロード例
aria2c -c https://sourceforge.net/projects/manjaro-jp/files/manjaro-jp-gnome-23.0.0-230806-linux64-floorp.iso.torrent/download
また個人的に日本語化カスタマイズしたものを、次の場所で配布しています。
こちらも、良かったらご活用ください。
こちらで配布されているものをご利用いただくと、下記で説明しているような、日本語入力用のアプリや日本語フォントのインストールは予め済んでいるので、そのまま使用できるかと思います。
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Teraboxでは、ファイルサイズ4G以上は、コストがかかるので、分割形式でアップロードしています。ダウンロードした後に、一つのファイルにまとめてから、ご利用ください。
MEGA Storageは、ファイルサイズ4G以上のものもアップロードできるので、お勧めです。
コマンドラインで、MEGA Storageからダウンロードする場合、megatoolsが便利です。
sudo pacman -S megatools
megatools dl --choose-files https://mega.nz/folder/YOVmSaxD#JUuILxlHAM9bdyx3DKLD0A
4.isoファイルをUSBメモリへコピー
ダウンロードしたManjaro Linuxのインストール用isoファイルをVentoyを導入したUSBメモリへコピーします。
Manjaro Linux インストーラーの起動
USBメモリを接続した状態で、PCを再起動します。
BIOSの設定で、起動ディスクの優先順位をUSBメモリが優先になるようにしておくと、電源を立ち上げるだけで、USBメモリに導入されたVentoyの画面が立ち上がります。
Ventoyの画面にはUSBメモリへコピーしたisoファイルの一覧が表示され、それらを選ぶだけで多くの場合、isoファイルのインストーラーが起動します。
Ventoyのおかげで、複数のインストール用isoファイルの管理が楽になります。
起動後のインストールの手順は他に譲ります。
インストール後に最初にしておくとよいこと。
1. パッケージの更新元ミラーサーバーを日本にする。
Make update servers geographically close to each other.
sudo pacman-mirrors --geoip
または国を指定する。
sudo pacman-mirrors -c Japan
またはネットワークのアクセス速度順にする。
sudo pacman-mirrors -f
2. パッケージデータベースの更新
Update package database.
パッケージの更新。
ソフトウェアの追加と削除から、パッケージのアップデートの有無を確認できます。
また次のコマンドでも行えます。
sudo pacman -Syu
または
pamac upgrade
またはyayコマンドを導入してから、
sudo pacman -Sy yay
yay -Syu
4. ファイアウォールの設定
外部からの接続を禁止して、内部からのネットワーク接続を許可することができます。
ファイアウォールの設定ツールの盾マークに緑と赤色のカラーが現れていたら、有効化されています。
statusの横のボタンでオンオフできます。
5. バックアップソフトの設定
バックアップ用のソフトとして、timeshiftというものがあります。
特にファイルシステムにbtrfsを選んだ場合に、より有効です。
そうでない場合にもrsyncコマンドというファイルの同期用のコマンドを使って、バックアップをとってくれます。ウィザードがあるので、そこで設定してみてください。
6. 日本語フォントのインストール
Installing Japanese Fonts
ここは、お好みで。
pamac install ipa-fonts ttf-sazanami noto-fonts-cjk noto-fonts-extra \
adobe-source-han-sans-jp-fonts \
adobe-source-han-serif-jp-fonts
7. 日本語入力をインストール
現在は、Manjaro Helloというアプリから日本語入力が容易にできるようになりました。
左下のApplications(アプリケーション)をクリックしてください。
Extended languege supportをクリックすると、選択肢が出てきます。
fcitx-mozcがおすすめなので、そちらを選んでください。
チェックしたあと、右上のUPDATE SYSYTEMをクリックすると、インストールできます。
アジア圏の複数の言語入力が選べるので、その中から日本語を選んでください。
もしも、Manjaro Helloからの導入がうまくいかない場合には、下記の項目を確認してみてください。
環境変数でfcitxを指定する。
Manjaro-Helloで日本語入力をインストールすると、manjaro-asian-input-support-fcitxパッケージがインストールされて、下記の設定ファイルにて環境変数が設定されていると思います。
cat /etc/profile.d/input-support.sh
# https://wiki.archlinux.org/index.php/Fcitx
# https://wiki.archlinux.org/index.php/Fcitx5
im=fcitx
export GTK_IM_MODULE=$im
export QT_IM_MODULE=$im
export XMODIFIERS=@im=$im
export INPUT_METHOD=$im
export SDL_IM_MODULE=$im
もし日本語入力が上手くいかない場合には、同様のファイルを作るか、/etc/environmentに、次のように環境変数を設定しましょう。
sudo - sh
cat - << EOF >> /etc/environment
im=fcitx
export GTK_IM_MODULE=$im
export QT_IM_MODULE=$im
export XMODIFIERS=@im=$im
export INPUT_METHOD=$im
export SDL_IM_MODULE=$im
EOF
fish shell(here-documentsが使えない場合)
printf 'im=fcitx
export GTK_IM_MODULE=$im
export QT_IM_MODULE=$im
export XMODIFIERS=@im=$im
export INPUT_METHOD=$im
export SDL_IM_MODULE=$im' | cat >> /etc/environment
fcitx と ibus が競合している場合
ibusとfcitxは相性が悪いみたいなので、もしfcitxを選んだなら、ibusをアンインストールしてから、再起動することで上手く動作すると思います。
pamac remove ibus
reboot
fcitx5を利用する場合
fcitx-mozcの別バージョンを試す場合
pamac install fcitx5-im fcitx5-mozc manjaro-asian-input-support-fcitx5
補足
AURにも同等のパッケージがありますので、ArchLinux系なら、次のパッケージを導入すれば、日本語入力環境が整います。
yay -S fcitx5-im fcitx5-mozc fcitx5-input-support
8. 絵文字フォントのインストール
これもお好みで。
I also love emoji.
pamac install noto-fonts-emoji unicode-emoji
他にもお気に入りの日本語フォントなどありましたら、導入しましょう。
私にも紹介してください。
たとえばAURに登録されたMorisawa BIZ UDフォントの無償版も追加してみましょう。
pamac install morisawa-biz-ud-gothic-fonts morisawa-biz-ud-mincho-fonts
9. 時間の同期設定
NTPサーバーを指定して、時刻をインターネットのサーバと同期させることができます。
GNOMEの場合には、設定画面で時刻の同期のオンオフが簡単に設定できます。
またコマンドによって、より細やかな設定も可能です。
timedatectlコマンドを使うと、設定の確認や変更が可能です。
現在の設定の確認
timedatectl
Local time: 日 2022-04-24 19:49:11 JST
Universal time: 日 2022-04-24 10:49:11 UTC
RTC time: 日 2022-04-24 10:49:11
Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)
System clock synchronized: yes
NTP service: active
RTC in local TZ: no
NTPサーバーの指定を増やす場合
日本だと、たとえば設定ファイルに次の1行を追加します。
NTP=ntp.nict.jp
sudo nano /etc/systemd/timesyncd.conf
時刻同期(NTP)を有効化する
timedatectl set-ntp true
時刻同期をwindows10に合わせたい場合?
これはハードウェアクロックがUTCかタイムゾーンのどちらに合わせるかの変更になるのだと思います。どちらでも、大きな問題はありませんが、Windowsとのデュアルブート環境だと起動時間に影響を受けることもあるようです。
timedatectl set-local-rtc true --adjust-system-clock
タイムゾーンをコマンドラインで変更する場合
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
時刻同期プログラムの動作状態の確認
systemctl status systemd-timesyncd
GNOMEの画面例
ややこしそうだなという方へ。
たとえばGNOMEなら最初に書きましたとおり、次のような画面で設定ができます。
大体の設定は、コマンドを使わなくても大丈夫です。
最後に
日本語入力のインストールにも用いたManjaro HelloからApplicationsを起動すると、基本的なアプリケーションは導入が簡単になっています。
ブラウザも複数のものを試せますし、パスワードマネージャーなども有名なものが導入できます。
オフィスソフト(表計算など)も複数の選択肢から選べます。
もちろんグラフィカルなユーザーインターフェースでも、上記のようなアプリケーションやフォントをインストールできます。
ぜひ利用してみてください。
繰り返しになりますが
個人的に日本語化カスタマイズしたものを、次の場所で配布しています。
こちらも、良かったらご活用ください。
こちらで配布されているものをご利用いただくと、上記で説明しているような、日本語入力用のアプリや日本語フォントのインストールは予め済んでいるので、そのまま使用できるかと思います。
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トラブル予防
最近は問題が少なくなっているかと思いますが、ハイバネートやサスペンド機能がうまく動作しないケースがあります。それはLinuxも例外ではなく、過去、kernelのバージョンや古い機器との相性によっては、うまく動作しない場合がありました。
OSをインストールしたあとに、最初に、サスペンドやハイバネート機能がうまく動作するか確認しておいて、うまくいかない場合には、設定画面の電源の項目などを見直して、機能をオフにしておくのは転ばぬ先の杖かと思います。
署名鍵でパッケージ更新がうまくいかない場合
sudo pacman-key --init
sudo pacman-key --populate
sudo pamcan -Syy
sudo pacman -Fyy
sudo pacman -Su
おまけのお知らせ
おすすめ映像編集ソフト
Linux系OSで動きます。
DaVinci Resolve 18 | Blackmagic Design
無料版でも十分、使えます。
有料版のStudioだと、より便利な機能が使えます。
その他のおすすめOS
Endless OS | Endless Computers
## Country : Japan
Server = https://mirror.phoepsilonix.love/manjaro/stable/$repo/$arch
[manjaro-jp]
SigLevel = Required
Server = https://manjaro-jp.phoepsilonix.love/manjaro-jp/
#Server = https://manjaro-jp.sourceforge.io/manjaro-jp/
#Server = https://manjaro-jp.osdn.jp/manjaro-jp/
Manjaro Linux JP
Manjaro Linux JP2
Manjaro-JP at gitlab
Manjaro-JP at github
Manjaro-JP at sf
(GPG signing public key:57B49CC5AA4F00FC) <phoepsilonix あっと phoepsilonix どっと love>
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