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Chromium+GNOME+Waylandで日本語入力が可能に

2024/09/19に公開

前提知識

これから書くことがナンノコッチャわかる自信がない方は、Ubuntu Weeky Recipe 第717回を読んでください。
2年以上前の記事ですが、現状もあまり違いはありません。snap版Firefoxは現在はネイティブWaylandで動作するようにはなりました。すばらしいですね。

概要

前提知識にもあるように、ChromiumはデフォルトでXwaylandで動作します。この状態でスケールをいじると文字がぼやけます。これはどちらかといえばXwayland側の制限です。

ChromiumのツールキットであるところのOzoneはWaylandにも対応していますが、そうすると今度は日本語入力に問題が発生します。ただしこれはGNOME(正確にはウィンドウマネージャーのMutter)マターの話で、KDE Plasmaでは特に問題ありません。これは単純にGNOMEではtext-input-v1がサポートされておらず、KDE Plasmaでは対応されているという話です。

これがChromium M129(現在安定版となっているバージョン129)からは、text-input-v3が実験的にサポートされました。ということはGNOME上でWaylandネイティブでChromiumを動作させても日本語が打てるようになったということです。やったね。

方法

まずはChromiumを129以降にします。Google Chromeでもいいはずですが、せっかくなのでsnapパッケージのChromiumを使用します。
今日現在はcandidateになっていますが、近日中にstableになるのではないかと思います。
Chromiumを129以降にする
Chromiumを129以降にする

ChromiumでWaylandネイティブで動作させ、text-input-v3を有効にする方法は2つありますが、今回は「chrome://flags」を変更する方法を紹介します。
chrome://flags
chrome://flags
「Prefferd Ozone platform」を「Wayland」にし、「Wayland text-input-v3」を「Enabled」にします。

さらに、本当にフォントがにじまないか、スケールを変更します。
スケールを変更する
スケールを変更する

結果

ひとまず日本語を入力してみましょう。以下のとおりプレエディットの色がちょっと見にくいですが、入力自体は可能です。実験的な機能ですし、今後改善されていくことでしょう。日本語を入力してみた
日本語を入力してみた

スケールを有効にした状態でもフォントが滲んでいないかも見てみましょう。このようにバッチリです。
フォントににじみもなくてホントにきれい
フォントににじみもなくてホントにきれい

サンプルはUbuntu Weekly Recipe 第830回でした。

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