ドメイン知識の多い、中規模自社サービスのオンボーディングの工夫
はじめに
こんにちは。株式会社ペライチ のサーバーサイドエンジニアの前田です。
ペライチでは開発手法にスクラム開発を採用しています。
私はもともと開発メンバーの一員だったのですが、チーム数の増加に伴い半年ほど前にスクラムマスターに任命されました。🎉(専任ではなく開発メンバー兼)
スクラムマスターとしての経験はなく試行錯誤しながら業務を行ってきたのですが、初めて開発メンバーに新入社員を招き入れることになりオンボーディングを行いましたので、実際に行ったことや意識したことを記載したいと思います。
前提
- ペライチでは新卒採用を行っていません、中途採用の方が対象となっています。
- ここで言うオンボーディングとは全社的なものではなく、配属されるチームでの具体的な業務内容です。
- ペライチでは現在、完全リモートでの就業となっており、リモート環境での業務をイメージしていただければと思います。
- チーム編成は下記のとおりです。
- スクラムマスター:自分
- 開発メンバー:2 人(うち 1 名が新入社員)
実際に行ったこと
初日~1週間
- ペライチを用いて自己紹介ページを作成
- 入社した方全員に作成してもらっています。作成後は全社員に公開するので、リモート環境下でのコミュニケーション手段の 1 つになっています。
- 開発環境の構築
- Docker での環境構築です。だいたい 1~2 日で構築できている所感です。
- 設計書の確認、キャッチアップ
- 入社されたタイミングでリリース間近の大きめの PJ が進行していました。
チームで取り扱っているドメイン知識のキャッチアップできる箇所でしたので、まずはこちらの設計書に目を通していただき、全体感のキャッチアップをしてもらいました。
- 入社されたタイミングでリリース間近の大きめの PJ が進行していました。
1週間〜2週間
- テスト実施
- 前述した PJ のテストを実施してもらいました。
既にテストケースがあったのでポチポチと動かしてもらい、不備があったところは都度報告してもらうようにしました。 - 否応無しに操作をするので、一通りの操作には慣れていただけたと思います。
不明点などは都度質問していただき、ドメイン知識のいいキャッチアップになったと感じています。
- 前述した PJ のテストを実施してもらいました。
2週間〜3週間
- PR の作成
- メインの開発に入る前に、まずは PR 作成に必要な入力事項や基本的なやりとりをキャッチアップしてもらうため、1、2 ファイルの修正で済む不具合を修正してもらいました。
PR での温度感を掴んでいただけたと思います。
- メインの開発に入る前に、まずは PR 作成に必要な入力事項や基本的なやりとりをキャッチアップしてもらうため、1、2 ファイルの修正で済む不具合を修正してもらいました。
- 不具合の調査
- 前述した PJ とは別で調査しなければいけない不具合がありました。
不具合原因と実装案を提示してもらうところまでをゴールとして調査を行っていただきました。
- 前述した PJ とは別で調査しなければいけない不具合がありました。
3週間〜4週間
- チームタスクの消化
- もうこの頃にはチームの一員として力を発揮してくれていたイメージがあります。
- 主にバックエンドメンバーとして入社されたのですが、フロントエンドも経験があるということで、できそうなフロントエンドの実装は積極的に実装していただきました。
- チーム内で検討が必要な案件には、積極的に発言もしていただきチームにも馴染んでいただいている状態でした。
意識したこと
経緯や背景を細かく説明する📖
何かタスクをお願いするときは経緯や背景を細かく説明するようにしました。
チーム内で当たり前に使っている言葉も新しく入られた方にはわからない言葉だったりします。
なぜそのタスクを行うのかはもちろんですが、ときには過去にされたやりとりから説明して、理解度が高まるように意識をしました。
些細なことでもいいので困ったことは早く伝えてもらう 🙋♂️
困っていることが歴史的背景によるものだったり、属人的になっているものだったりすることはよくあることだと思います。
わからないことはすぐ「わからない」とアラートをだしてもらい、判断を自分が行って適切な作業をしてもらう、としたほうが作業のスピードもキャッチアップのスピードも早いと考えたため、些細なことでもすぐに伝えていただくようにしました。
なるべく通話でやりとりする📞
なにかあれば基本的に Slack 通話をつなげるようにしました。
早く馴染んでもらうためにはテキストコミュニケーションよりも「会話」が大切だと考えたためです。
言葉の端々からお互いの人間性や思考がわかったりするものですし、伝わりやすさも加味して、会話の時間は意識してとるようにしました。
また、リモートワーク下での不安を取り除くことができれば、という意図もありました。
振り返り
良かった点
- 1ヶ月ほどで即戦力になっていただけた。
すり合わせがしっかりとできていたため、成果物の齟齬もなく、チームの一員として力を発揮してもらえたと思います。
「経緯や背景を細かく説明する」「些細なことでもいいので困ったことは早く伝えてもらう」ことの効果があった認識です。 - チームに馴染んでいただけた。
「なるべく通話でやりとりする」ことで、いい意味で話が脱線してチームや会社の歴史に話が膨らむなどのこともあり、カルチャーを理解いただけたと思います。
チームでのミーティングでは積極的に発言していただき、チームにいい雰囲気を与えてくれました。
問題点
- 新入社員の方のキャッチアップ力が高いところに依存しているところがあった。
キャッチアップ力が高い、とは積極的にわからないところを発信していただき、わからない点を具体的に提示していただけたことです。
わからないことの基準と提示していただく内容が個人に依存していたため、オンボーディングの再現性が高いとは言えません。
今後は、「30分以上悩むことがあったらこのフォーマットにこのように記載してください」のように体系的な取り組みができればと思っております。 - 基本通話、とすると時間が割かれてしまい、自分の作業時間が減る。
わからないことがあった時点で通話をする、ということにしていたのですが、1日◯回◯時からとかを決めておけばスケジュールも立てやすかったかなと思います。
まとめ
不慣れな部分もあったと思いますが、新入社員の方のキャッチアップ能力の高さもあり、約 1 ヶ月ほどで戦力になってくれたと認識しております。
(キャッチアップ力の高さに救われたところは多々あります😓)
今回行ったことは自チームで行っていることであり、他チームで行っていることではありません。(体系的なオンボーディング手法はない状態です...)
今後人員が増えていくなかで体系的なオンボーディングは必須になってくるので、今回の経験を活かせればと思っております。
また、今回紹介した新入社員の方目線で、入社してからの感想をブログに記載していただく予定です。
そちらも併せてご覧いただければ幸いです。
別チームのスクラムマスター視点での記事もありますので、こちらも参照していただくと更にペライチの雰囲気が感じることができるかもしれません。
最後まで読んで頂いてありがとうございました🙇♂️
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