ジョージア工科大学院に旅に出る(オンライン)と少し Uopeople の話
はじめに
初めまして、ソフトウェアエンジニアの端くれの nope
です。
このたび嬉しいことに、ジョージア工科大学(Georgia Tech)のコンピュータサイエンス学部オンライン修士課程、通称 OMSCS
に進学することになりました!
本記事では、出願までの経緯や準備について簡単に振り返ってみたいと思います。
すでに多くの先輩方が詳細な合格体験記を残してくださっていて、私自身も大いに参考になりました。最後にリンクをまとめているので、ぜひそちらも併せてご覧ください → 諸先輩方のブログ
出願の前に
簡単なバックグラウンド
私はもともと非 IT 系のキャリアからスタートし、数年前に IT 業界へ転身しました。現在は Web を中心としたソフトウェアエンジニアとして働いています。
当時の最終学歴は経済学部卒。CS(コンピュータサイエンス)的な基礎にはほとんど触れずに社会人になってしまったため、周囲との差を埋めたいと考えていました。
そこで出会ったのが University of the People(以下 UoPeople)。完全オンラインで CS を学べる大学で、働きながら数年かけてコツコツ学び、今年 4 月に卒業・学位を取得しました。ここが今回の出願のスタートラインです。
進学を決めた理由
エンジニアとして実務で得られる学びは多いのですが、UoPeople で基礎を学んでいるうちに「体系的に CS をもっと深めたい」と感じるようになりました。
正直なところ、修士号そのものへの憧れも大きかったです。周囲に博士や修士を持つ人が多く、漠然と「自分も学位を取りたい」と思うようになったのも理由のひとつです。
研究志向というよりは「学習の記録を残す場」としての意味合いが強く、できる限り低コストで長く続けられるプログラムを探した結果、OMSCS が最適だと判断しました。
UoPeople について
海外大学院進学のハードルのひとつが「英語要件」です。
OMSCS も例外ではなく、英語が第一言語ではない場合や、地域認定 (Regional Accreditation) 大学以外の卒業生は TOEFL / IELTS などのスコア提出が求められます。
ただ、2024 年 2 月に UoPeople が Regional Accreditation を取得しました。これにより、UoPeople 卒業生は英語要件を免除できる可能性が出てきました。
(私が出願した時点ではまだサイト上で「National Accreditation」と表示されており少し不安でしたが…。)
私は一応 TOEFL スコアを持っていましたが、スコア要件を満たさなかったので「UoPeople 卒で本当にいけるのか?」を試してみる気持ちで、スコアを提出せずに出願しました。(本当に合格できてよかったです、、、、)
公式的な見解をもらってはいないのですが、Uopeople を卒業するだけでこの英語要件を突破できるようになったのかなと思います。
出願準備
公式サイトはこちらです → https://omscs.gatech.edu/deadlines-decisions-requirements-and-guidelines
出願手続きの流れ
出願は OMSCS apply から専用ポータルにアクセスします。
アカウント作成後、すぐに出願しないといけないのかと最初は焦りましたが、実際には最終提出まで何度でも修正可能です。安心してアカウントを作って大丈夫です。
提出期限
出願は年 2 回(Spring / Fall)。
私は 2026 Spring で出願しました。
学歴証明
これまで在籍した大学・大学院すべての成績証明書と学位証明書(卒業証明書)の提出が必要です。
最初はスキャンコピーで OK ですが、合格後は指定の方法で正式書類を提出する必要があります。
私は日本の大学については事務局に発行依頼しスキャン提出、UoPeople は卒業時発行して受け取った証明書類を利用しました。
英語能力証明
上で少し書きましたが、日本の大学を卒業してるだけであると英語能力を証明するために、TOEFL であれば 100 以上、IELTS overall 7.5 以上であることが求められます。
著者も英語自体を日常で使ってるわけでもなく、堪能ではないのでこの辺りできればスコアメイキングに苦労するだろうなと思い、Uopeople に進学した時から少しずつ勉強はしてました。たしか Uopeople 入学当時のスコアが TOEFL 70 くらいでした。
エンジニアの仕事をしてると英語のドキュメントと睨めっこは避けられないので、Reading には自信がついていたものの、その他は本当試験対策みたいな感じの英語レベルです。直近の試験では 100 手前のスコアを取ることはできました。が、悲しくも出願条件の 100 を越すことができませんでした。
なので、Uopeople の学位があるし、地域認定になったしこれでいけるんか?!とりあえず出しちまえという気持ちで英語スコアは提出することなく出願することにしました。
Resume
海外の履歴書的なものを提出する必要があります。
1, 2 ページのもので自分のキャリアとこれからやりたいことを書き連ねていくのですが、テンプレートもないので、ひたすら漁って自分の好みのデザインを見つけて書きました。
他のブログではちゃんと添削してもらってたりしたのを見ていたのですが、自分は頼れる方もいず、できる限り費用かけたくなかったので、自分のキャリアとか将来のキャリア像とか、やりたいことを ChatGPT
に壁打ちして作成しました。
これと下の複数の設問が出願時に多くの時間を割きました。
結局一貫性がないといけないかなと思い、何度も組み立て直して、壊してを繰り返して、最終的に自分的に納得いくものになりました。
(ちゃんとキャリアを振り返るいい機会にもなった。)
短いステートメントたち
コンピュータサイエンスの文脈で自分の今のキャリアについて聞かれたり、過去の活動について書くみたいな設問が 10 個くらいあって、すべて短く書く必要があります。
この辺りもすべての設問に一貫性があることと、Resume とずれがないことをよくチェックしていました。
推薦状
最低 3 通必要です。公式サイトの Tips for Letters of Recommendation が参考になります。
私は以下の 3 名にお願いしました:
- UoPeople のインストラクター
- 私があなたの授業で好成績で取って、ちゃんと議論に参加できていると感じたらぜひ書いてほしいという前提でお願いしてました。その授業態度等を盛り込んで推薦状を書いてくださったそうです!いい人すぐる、、、
- UoPeople の教授
- たまたま 2 科目担当してくださった方で、私の講義の参加意欲をものすごく評価してくれていたみたい(1年前と2年前だったけど覚えてくれてた嬉しい)で、推薦状の記述を快く受諾してくれました。ただ、この方が直近教授からCS の部門長みたいな結構偉い地位になってしまったばっかりに忙しすぎてか、全然話が進まず、5 月くらいからやりとりして 7 月くらいに提出してもらいました。最後にオファーもらったことを伝えたら、ちゃんと長文でお祝いメールをくださりました!(本当にありがとうございました!!!)
- 職場の上司
- ちょうど私の採用にも関わったくださった方で、普段プロダクトについても判断をしてくださる立場だったので、私自身の技術的な面を適正に評価してくれるだろうと思いお願いしました。なかなか上司と 1 on 1 で密にコミュニケーションをとって大学院について、今後のキャリアについて話す機会はなかったので、非常にいい機会になりました。
提出と優先決定
上で書いた諸々とそのほか個別の設問を書いたら最終提出を選択できるようになります。提出時に出願料を支払い作業は完了です。
Priority Decisions
出願時、すべての資料が揃っている場合は Priority Decisions を選択できます。
これは事務局に「締切前でも審査していいよ」と伝える仕組みです。私はこれを選択して 8 月初旬に提出しました。
例えば出願時に学歴証明の関連の資料が unofficial であるとか、卒業見込みであるとか、推薦状を依頼しているがまだ提出が先になりそうな場合がありうるのですが、そうした状態ではなくすべて順当に提出できている場合に選択できるそうです。
もし優先的に見られても提出資料が少なければ後回しにされるだけなので、基本的にこれを選択しておけばいいのかなと思ったりしました。
自分はこの申し出を行なって、8月頭に最終提出を行いました。
(補足) AI ツールの活用について
出願ポータルには「AI ツールの使用は壁打ちや参考にする程度なら歓迎。ただし生成しただけの空虚な文章は評価しません」と明記されています。
最初からこういう方針を示してくれているのは良いことだなと感じました。
出願後
(余談)オファーまで
締切は 8/15 ですが、Priority Decision を選んだので審査が早まりました。
Reddit の Admissions Megathread で他の受験者の進捗を眺めながら、そわそわしていたのを覚えています。
オファー
なんと 8/8 にオファーレターを受領!
あまりに早くて「誤配達では…?」と何度も確認しましたが、ちゃんと自分の名前があって安心しました。Priority Decision、恐るべし…。
オファーを受けたら、承諾(Accept)する必要があります。焦らず手続きしましょう。
正式書類の提出
合格後はコピーで提出していた学歴関連書類を、正式に送付する必要があります。
日本の大学は直送不可のため、厳封したものを一旦自分で受け取り再送付。UoPeople はメール送付で対応可能でした。
最後に
ここまで読んでくださりありがとうございました。
合格はゴールではなく、ようやく入口に立っただけです。しっかり卒業できるよう、これから気長に学んでいきたいと思います。
この記事がこれから出願される方の参考になれば幸いです。
諸先輩方のブログ
先輩方、本当にありがとうございました!(勝手に感謝を込めてリンク掲載させていただきます)
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