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対面コミュニケーションツールとしてのWebAR

2021/12/10に公開

何について書くのか

現在製作中の webAR アプリ、「CoilSite」を製作していく過程で言語化できた、対面コミュニケーションツールとしてなぜ WebAR なのか、WebAR で最終的に何がしたいのか、について書いていこうと思います。

TL;DR

💬 三次元の事物について会話するなら、三次元で表示した方がいいよね。

🔄 コミュニケーションのツールにいちいちアプリのダウンロードが必要なのはだるいよね。

⚠ オブジェクトを置くのにいちいち申請とか、他の人への配慮とかだるいよね。

🏢 物理的制約を受けず何でも用意できるのっていいよね。

😎 今作ってる WebAR アプリ ならこれら解決できるよ!!

何を作ってるか

CoilSite という WebAR アプリ を作ってます。
簡単にいうと WebAR 版マインクラフト、VRChat のようなものです。
詳細はこちらのスクラップに書いてます。

https://zenn.dev/nacchan/articles/d2b9d8416277f6

リンク先では回避したい AR の未来と CoilSite が提供できる回避方法について書いていますが、この記事では同じ手段でもってして、対面コミュニケーションツールとして WebAR が最適だと思う理由について書きます。

💬 対面コミュニケーションツールとしての WebAR

数学者を除いて、大体の会話内容は二次元以下、もしくは三次元の事物である。
三次元の事物に話すなら、次元を落として、情報を欠落させて伝えるより、AR でもってして三次元的に伝えた方がいい場合が多い。

近年の対面での会話、友達同士の会話でも会社での会議でも、その仕方は文字情報だけではなく、様々な画像やグラフをもってして行っています。
こと Google の画像検索のおかげで、伝えたいことを検索すれば画像がすぐに出てきて、画面を一緒に見ながらより正確に伝えたいことをつたえられるようになりました。

対面で正確な情報伝達が必要な場において、画像や動画がこれまでとても役に立ってきましたが、AR を用いればより正確に情報伝達ができる、と考えています。

物理的に現物を容易に用意できない場合


建築物などのようにとてつもなく大きいものであったり、ストラディバリウスのようなとてつもなく高価なもの、逆にとてつもなく小さかったり、危険な物であったり、現物を用意するのがとても困難だが、説明に必要なものは XR がとても便利です。

VR との違いについて

コミュニケーションにおいて VR では出来ず、AR でできることといえば、現実世界とのリンクです。
少なくとも現状では、ミラーワールドともいわれる現実世界のコピーのような VR ワールドがありませんので、建物や車、家具、自身の身体などを現実世界のものとの関りが深い事物については VR より現実の上に書き加えられる AR の方が優れてると思います。

ネイティブアプリではなく、なぜ Web アプリなのか


Hololens などの AR デバイスでネイティブで使えるアプリの方が、Web アプリよりできることが多いのは間違いないです。処理能力も Web アプリよりも高く、VPS(Visual Positioning Service)による正確な位置合わせが既に可能です。
それでも Web アプリで製作する理由は、

  1. アプリのダウンロードが不要でブラウザーさえあれば使える
  2. リンクを送るだけで同じものがみれる
  3. ブラウザーが使えるならどのようなデバイスでもできる

要は手軽さ故です。

対面コミュニケーションにおいて、デバイスによっては使えない、いちいちアプリをダウンロードしないと使えない、同じものを見るまでに手順が多い、というのは苦痛です。

今後、様々な AR デバイスが発表され、それで使える様々な AR アプリケーションが出てくるでしょう。スマホなら Line や Facebook、Disocord、Slack などなど、様々なコミュニケーションツールが乱立して、私も全部使っているのですが、新しいコミュニティに入るたびに新しいコミュニケーションツールを強要されます。
現在はスマホの OS がアンドロイドと iOS が圧倒的シェアを誇り、これらコミュニケーションツール製作会社もどのような機種にでも対応できる程大きくなり、UI デザインがスマホ向けに体系かされてきています。

AR での対面コミュニケーションは始まったばかりです。
単一のデバイスに特化した、高性能な物よりも、どのデバイスでも使えるべきものを目指すべきであるため、WebAR が現状最適だと考えています。

単一の AR ワールドではできないこと

対面コミュニケーションで使うための 3D モデルを、もし単一の、あるいは複数人共有の AR ワールドに置くのであるのなら、そのモデルを特定の場所においていいのかどうか、申請やら配慮やらが必要になって来ます。
これは最悪なので、CoilSite では誰でも、簡単に、いくつでも、AR ワールドが作れる設計にしています。
無限にワールドができると、問題になるのは、あるワールドから別のワールドへの移動です。
自分一人用のワールドにすべて置けばいいのでは?と思うかもれませんが、同じ場所に複数の 3D モデルを置きたい場合、データの重い 3D モデルが複数あるけど、別々で使いたい場合、など、個人が複数のワールドを気軽に持てるというのは利点が多いと考えています。
WebAR なら、それぞれが web サイトであるため、リンクで簡単に各ワールドを移動出来ます。

既存のウェブサイトと 3D の表示との結節点

3D モデルで情報を伝達するのは、画像で情報伝達するよりも情報量が多いのは間違いありませんが、情報量が多ければ必ずいいというわけではありません。
例えば DNA は二重らせんで、形状としてはねじ曲がった形をしていますが、塩基配列について話す場合、わざわざ立体的にねじ曲がった表示するの無意味です。このように、あえて情報を限定することに意義がある場合、現状のウェブサイトには無限に情報があり、それらと XR をつなげるのは webAR であると考えています。

WebAR で最終的に何がしたいのか

上述のように、WebAR は対面での正確な情報伝達に適している、、、、場合もあると考えています。

  • 新しいビルを立てる予定だが、デザインを現地で確かめてみたい
  • 新しい製品を考案してどんな形状のなって、どんな動きをするのかを伝えたい
  • 車のエンジン構造の解説をしたい
  • 買ったギターがどんな大きさでどんな形をしているか伝えたい
    etc.etc

会議室でも、道端でも、スマホでも、Hololens でも、誰でも簡単に AR を気軽に使って会話できるようにしたいです。

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