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今日も殺し屋は炎上する。殺し屋が副業でシステム開発支援してる話

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これはSupershipグループ Advent Calendar 2020の24日目の記事です。

この記事では、インセプションデッキについて書きました。

インセプションデッキは、プロジェクト発足時に超使える期待値すり合わせツールです。

なぜインセプションデッキが必要なのか?を掘り下げようかな、とアウトラインを出した時、ふとストーリー形式で書いてみようと思い立ってしまったが運の尽き。

物語を書き下ろしてしまいました。

副業でシステム開発支援してる殺し屋がインセプションデッキを語るネタ記事です。

小説が好きなので意外としっかり書いてしまった。文字数多いの苦手な方は、多分真ん中ら辺の掛け合いを見ればインセプションデッキについては伝わると思います。

8割ただの小説ですが、残り2割からインセプションデッキの価値が伝わることを願います。

もちろん、登場する人物・団体などはフィクションです。

大事なのでもう一度。

この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係ありません。

というわけで、お楽しみくださいw

今日も殺し屋は炎上する

元殺し屋

社会は厳しい。山井はそう聞かされて育ったし、そう信じていた。けれどまさか、新卒入社したソフトウェア会社で元殺し屋と働くことになるとは、思ってもいなかった。入社以来毎日のように転職サイトを眺めつつも、元殺し屋が怖くて実行に移せない日々になるとは、我ながら数奇な人生である、とつくづく思う。

「良いか。俺は元殺し屋だが、優しいし我慢強い。実際、どれほど社長が理不尽な要求をしてきても殺すことはしなかった」

幾重もの太刀傷を顔に持つ社員の大塚が、ひきつった笑顔を浮かべならがら呟いた。風体に似合わぬスタイリッシュなパソコンのキーボードを、ジャズのような軽快さで鳴らしている。決して一般人が関わってはいけない雰囲気のオフィス空間で、唯一そのキーボードの音だけが、この会社がIT企業である証拠のように思えてくる。

我慢強いと言ってもきっと限界はあるのだろう、と山井は殺気立つ大塚から目を逸らす。

社長からのクリスマスプレゼントならぬ、思いつきの仕様変更。
真っ赤なシャツを着た派手な中年社長は、12月24日の昼にトナカイも連れずに現場へ現れ、テスト直前での仕様変更という大きな爆弾だけを置いて帰って行った。話を聞いた瞬間、反論こそしないものの、大塚の顔にシワがよった。おでこから鼻に向かって伸びる太刀傷が、倍ほどに増えたかと錯覚する程度には。

「納期は絶対。予算も増えないのに仕様だけ増える。ああ、もう殺すしか...」

案の定、物騒な呟きが山井の耳に入ってくる。ゾッと身体が震える。社長が帰り際に開けたドアからこぞって室内に侵入してきた冬の寒さと、大塚の発する殺気による悪寒を、もはや区別することなどできなかった。

元殺し屋とはいうが、いつまで現役だったのだろうか、と疑問を浮かべる。大塚が纏う特有の威圧感は、紛れもなく現役のそれなのだ。

「大塚さん、ずっと思っていたんですが、社長のカレンダーは狂ってるんでしょうか?2月14日にリリースを控え、年明けに総合テストを控えているのに、年末に仕様変更だなんて」

大塚の怒りの矛先が自身に向かわないよう、山井は社長にヘイトを集める作戦に出る。

「いいか、社長は精神論からシステムが出来上がると思っている人間だ。そのくせ、妙に細部へのこだわりが強くて、コロコロ要求が変わる。狂ってようがいまいが、とにかく作れ、完成させろ、というのがあの人だ」

「世知辛いですね」

「ああ。だがな、社長は自分の金で俺たちを雇い、懐を切って開発をしている。雇われの俺にとって、社長は雇用主。ボスなんだよ」

正当な契約に基づく労働なのだ、と大塚は続ける。元殺し屋の口から、労働や契約という言葉が出るとは思わなかった山井は、はあと曖昧な返事をして、ノートパソコンのディスプレイに顔を向ける。

「時間外労働は聞いていないがな。雇用主は殺さない主義だが、契約を切ればあるいは...」

物騒な呟きを聞き流し、画面上のデジタル時計に目をやれば、午前11時50分になろうとしていた。こんなことなら、ランチを食べてから出社すれば良かった、と山井は後悔する。恐らく、大塚はランチに誘ってくる。果たして、怒りに染まった元殺し屋と同席で食べるご飯は味がするのだろうか。

「おい、山井。飯行くぞ」

殺し屋

元殺し屋の殺意が頂点に高まったクリスマスイブが終わり、年が明けた。元殺し屋と2人のランチは、意外にもしっかりと味がして美味しかった。山井は問題なく動作した自身の味覚が果たして正常なのか、疑わずにはいられない。

「今日から助っ人がくる。社長の知り合いだそうだ。社長の要求に応えるために、流石に交渉させてもらった。そろそろ着くと思うので、うまくやってくれ」

新年の晴れやかな気分も相まってか、幾分か柔らかい声の大塚が電話ごしに山井へ告げる。山井の知らないところで、年末休暇中に社長へ働きかけたらしい。

年末に依頼をして1月4日から現場入りとは、果たしてどのような人物なのだろうかと、山井は疑問を浮かべる。が、猫の手も借りたい現状で不安を口にしても仕方ないと思い直し、ありがとうざいます、と感謝の意を伝えるに留める。

大塚は用事ができたらしく、今日は有給となった。通話終了の画面を消し、スマートフォンをデスクへ置いたところで、オフィスのドアががちゃりと開く。

「お邪魔します」若い男の声がした。山井はくるりと自身の座っている椅子を回し、声の主を見る。助っ人であろうその男は、シワひとつないスーツを着こなし、これまたシワ一つない口元から、白い息が吐きながら笑顔を浮かべる。

「初めまして、山井くん。話は聞いているので、早速取り掛かろう。まずは仕様変更の意図をブラッシュして折衷案を探ろうと思うけど、どうかな?」

助っ人の男は両国と名乗った。自己紹介も簡単に、リリースに間に合わせるためのプランを考えることになった。山井は質問されたことに答えるだけだったが、じわじわと続く微熱が冷めていくような、プロジェクトが快調に向かう感覚を覚えた。

つい、じっとノートパソコンとにらめっこをしている両国に視線が止まる。仕事ぶりや見た目からは想像できないが、元殺し屋を雇うような社長の知り合いなので、きっと想像を超えるバックグラウンドを持っているんだろうな、と山井は考えていた。

「気になるかい?俺のこと」

「まあ、こんな会社ですし。こんな急な依頼に対応してくれる人なんて、聞いたことなかったので」

「俺、実は殺し屋をやってるんだが、年始って仕事少ないんだよね。みんなハッピーなのかな?まあ、そんな訳で、暇をな時はちょっとした副業でシステム開発のサポートをやっているんだ」

やっぱり殺し屋かい。驚いたような、納得したような曖昧な表情を浮かべた山井は、社長のバックグラウンドを疑わずにはいられない。意図せず、一般人が殺し屋を2人も雇えるものなのだろうか。少なくとも、自分の家族や友人で殺し屋という職業を選択した人間はいないはずであった。

「凄いですね。社長とは長いんですか?」

「そうだね。もう10年以上仕事を貰ってるかな。もちろん、本業の方ね」

本業といえば、殺し屋。どのような背景で依頼するのか、山井には到底想像がつかなかったが、社長は常連客らしかった。怖いもの見たさな好奇心が抑えられず、山井は社長との付き合いが長いであろう両国へ、つい聞いてしまう。

「社長って、多分一般人の僕が知らない世界の人なんですけど、なんでこんなサービスを作りたがるんですかね?堅気なショッピングサイトですよね、これ」

「え。社長がなぜ堅気なショッピングサイトを作りたいか、知らずにやってるのかい?」

常に笑顔な好青年に見えた両国の雰囲気が、一気に重たい殺し屋のそれになる。

「社長。すなわち、このプロジェクトにおいて、プロダクトオーナーに当たる人物の理想を、正しく把握できていない、ということかい?それは上手くいくはずがないね。これまで開発経緯を見るに、君たちは社長が傍若無人な振る舞いで現場を困らせている、としか思っていなかったんだろう?」

普段から笑顔の人間が怒ると怖いとはいうが、笑顔の殺し屋が殺気を漲らせる方がもっと怖い、ということを山井は二十数年の人生で初めて知る。

「まあ、はい。理想を正しく理解せず、言われるがままに作ってますね」

真実なので、誤魔化すこともせずに山井は答える。大塚がどう感じていたかは知らないが、普段のキレっぷりからすると、自身よりイラつきは多かったのではないだろうかとさえ思ってしまう。そんな山井を見て、すっと両国の雰囲気が飄々とした青年に戻る。先ほどの重たい空気からして、過去にプロダクトオーナーに振り回されたことでもあったのだろうか?と邪推する山井に、両国は笑顔で続ける。

「俺はね、それは犬の道だと思うんだ。夏炉冬扇は嫌いでね」

「というと?」

「間違ったもの、つまりニーズや己らの目的に沿わないものをどれだけ正しく作っても意味がない、ということさ。殺しもビジネスも、間違った選択をしないことが大事なんだよ。正しいニーズや目的を探し、正しく作る。ダメなものを正しく作るのは、はっきり言って無駄なんだ」

気づけば、山井も両国も、作業の手が止まっていた。窓際の休憩スペースに置いてあるテレビが正午を告げ、初詣の盛況ぶりを伝えるニュースが流れてくる。おっと、雑談に夢中になったしまったね、と言い作業を再開しようとする両国へ山井はたまらず質問する。

「それは、プロダクトオーナーが犬の道ではない、正しい選択をすれば良いだけの話じゃないんですか?見方によっては、僕たちは社長の要望を信じて作っている、とも言えないでしょうか?」

「ふむ。プロダクトオーナーは、何故、なんのために、このビジネスを始めるのか?サービスを開発するのか?を明確にし、チームと共にその指針を育てるのが役割だ。つまり、全てをプロダクトオーナーが決めて指示をすれば終わりじゃないのさ。チーム全体で共通認識とする目的を明確にしなくちゃいけない」

なるほど、と山井は納得する。これまで山井は社長が何故、堅気なショッピングサイトを作ろうとしているのか理解できなかったし、理解しようともしていなかった。もちろん、社長自身も現場に明確に伝えてこなかったのもあるが、ちゃんと理解するまで聞く機会はあったはずだ、と省みる。

「いいかい?プロダクトオーナー、君らの場合は社長だね。社長が掲げる目的が見えない中で機能開発やビジネスを作るのはすごく効率が悪いんだ。逆に、一緒に根っこを考え、具体的なアクションを一緒に実行していけるチームはとても強いんだよ。もちろん、殺しも同じさ。そういうチームは、どんな警備も掻い潜ってターゲットを始末できる」

「社長はくどいくらいに、『俺はインターネットでイノベーションを起こすんだ!』って言ってましたね」

「ああ、もちろん押しつけはダメだよ。社長のいう通りにやればいい、なんて納得できないでしょ?あくまでもオーナーが中心なだけであって、チームが共感できる物に育てる必要はあるんだ。俺の場合は、社長と付き合いが長いから言語化しなくても分かっちゃった部分があるんだけど、それもこれからチームでちゃんと共有するよ」

休憩スペースで流れるニュースが、事件を伝える報道に変わる。通り魔事件でもあったのか、歩行中の中年男性が銃撃された、だの、犯人は顔に傷のある大男で行方を捜査中だのと、物騒な単語が山井の耳を通り抜けていく。テレビを消そうと、立ち上がる山井へ、ホワイトボードはあるかい?と両国が声をかけたので、オフィスの備品置き場から小さなホワイトボードを取り出す。

「偉そうに言ったけど、言うは易く行うは難し、なんだよね。せっかくだから便利なツールを紹介するよ。インセプションデッキっていうんだけど、知ってるかい?」

「いや、聞いたことないですね」

これは教えがいがあるね、と笑顔の両国が受け取ったホワイトボードへ向かって、ペンを走らせる。

「まず、インセプションデッキはプロジェクトが始まる前から実施するものだ。今回は案件は、もう開発終了直近だから次から活かせればいいかな」

潜在的な期待値を見える化する

表明している期待値 暗黙的な期待値
自分の期待を自覚している わかる わからない(対話が必要)
自分の期待を自覚していない わかる(問い返しは必要) わからない(見える化、または検証が必要)

表を書き終えた両国が、椅子に座り直した山井にホワイトボードを見せる。

「殺しもビジネスも、合意形成が大事になってくる。チーム戦だからね。そして、多くの現場で潜在的な期待を放置し、合意形成に失敗する」

殺し屋はチームで動く、という一生使うことのないであろう知識を頭の隅に寄せつつ、山井は黒ペンで書かれた内容を自分なりに噛み砕いていく。

「うーん。僕は自覚としてエンジニアとして開発することだけを求められている、と思っているが、暗黙的な期待値として社長からはマーケティングも求められている場合がある。その時はちゃんと確認が必要だね、ということですかね?」

「そうだね。そういう、誰のタスクだっけ?みたいなのは自然と解決する機会も多いんだけど、厄介なのがいてね」

「あー、当事者も自覚してない、暗黙的な期待は厄介そうですね。潜在的な期待ってことですか?」

「その通り。例えば、納期や機能の優先順位に関する期待は、全員が明確に揃っていてるか?とかね。プロジェクトやプロダクトに対する期待は、意外と盲点になるのさ」

言いながら、両国はホワイトボードに描かれた表の左端をぐるぐると赤いペンで囲っていく。そのまま、赤丸に向かって矢印をひっぱり、その始点へインセプションデッキと書き加える。

「インセプションデッキは、当事者も気づいていない潜在的な期待を見える化するためのワークショップさ。しかも、10個の質問に答えるだけのシンプル設計」

「潜在的だからこそ、ワークショップで可視化する必要がある、ってことですね」

山井くんは理解が早いなー、と関心しながら両国はホワイトボードの文字を全て消した側から、さらさらとインセプションデッキの内容を書きあげる。

明らかにするもの 質問 内容
[WHY] 目的 我々はなぜここにいるのか? PJのミッションは何か?に答える
[WHY] 目的 エレベーターピッチを作る プロダクトの特徴を短いステートメントにまとめる
[WHY] 目的 パッケージデザイン 利用者から見たプロダクトの価値を表現する
[WHY] 目的 やらないことリスト 大まかなスコープの特定。特にスコープ外について
[WHY] 目的 ご近所さんを探せ プロジェクトコミュニティ(関係者)を明らかにする
[HOW] 手段 技術的な解決策 採用する技術の利点とリスクの説明
[HOW] 手段 夜も眠れない問題 チームや関係者が認識しているプロジェクトのリスク
[HOW] 手段 期間を見極める 必要なプロジェクト期間の算出
[HOW] 手段 トレードオフスライダー QCDSの優先順位 (QCDS: 質・予算・納期・スコープ)
[HOW] 手段 何がどれだけ必要か ミッション達成に必要な期間・予算・チーム編成

横からホワイトボードを覗いていた山井は、いかにも合意形成の難しそうな質問内容にうっと胃が重たくなる。

「たしかにシンプルではあるが、難しそうな質問が10個...。シンプルとイージーは別物とはいいますが、いざ対面すると嫌でも実感しますね」

お腹をおさえるジェスチャーをする山井に、笑顔の両国がホワイトボードを顔に近づける。さっと避ける山井に、飄々とした明るい声が降り注ぐ。

「難しいからこそ、やる価値があるんじゃないか。『きっとみんな分かっているだろう』、『こんなのすり合わせるのめんどくさいし』、なんて意識が暗黙的な期待値を生んでしまうことを理解しなきゃいけないよ。人間、意外とわかり合うのは難しいものなんだ」

グッと重たい胃を浮かせるかのように、うーんと背伸びをした山井が、椅子の背もたれに深く倒れる。

「殺し屋に言われるとなんか違った意味に聞こえます」

「ははは。面白いジョークだ」

殺し屋と笑いの感性で分かり合える日はきっと来ないな。山井は消し忘れていた休憩スペースのテレビのことを思いだし、重い腰をあげる。

「まあ、山井くんの気持ちもわかるよ。実際にやってみると2、3営業日丸々使うことだってあるし。ただ、それだけ難しい合意形成を事前にやっておくことがどれほど開発に価値をもたらすか分かるだろう?リテイクの効かない殺し屋の仕事では、より重宝する訳さ」

「次のプロジェクトで使ってみます。まずは、目の前の仕事を終わらせないと」

「そうだね。雑談に少し時間を使いすぎたよ。潜在的な期待、インセプションデッキの目的については話せたから、実際の使い方は次のプロジェクトでやろうか。そろそろ仕事をしないと、大塚さんに叱られそうだ」

両国は再びノートパソコンへ目を向け、山井は休憩スペースへ向かう。付けっぱなしのテレビから聞こえるニュースの雑音が、突然意味を持った言葉として山井の脳みそを貫いた。

「速報です。先ほど都内の路上にて歩行中の男性が銃撃された事件ですが、犯人がつかまりました。容疑者は都内のソフトウェア会社に勤務する大塚ニクオ、34歳。被害者は容疑者の勤務する会社の社長であり、犯行動機は...」

うらめしや

どこの世界に行けば、自身の雇っていた元殺し屋に銃撃される社長がいるのだろうか。少なくとも、こと日本においては奇想天外な出来事に違いない。履歴書に書いたらウケるだろうか、なんて考えながらオフィスで堂々と転職サイトを見ている山井の耳へ、不謹慎なほどに明るい両国の声が耳に届く。

「社長は一命を取り留めたが重傷。元殺し屋の社員である大塚さんは捕まった。この会社も大変なことになっちゃったね」

両国は今回の開発サポートの料金を前払いでもらっており、本業も暇なため、しばらく開発を手伝うことになった。

大塚は結局、社長と口論の末、雇用契約書を破り、社長の心臓目掛けて発砲したのだった。よほど衝動的だったのか、証拠もガッツリ残して捕まっているあたり、殺し屋としてのスキルの低さが知れて山井は少し悲しい気持ちになった。

怒らせると銃撃される人リスト、というメモに大塚の名前を入れた山井は、社長とのコミュニケーションで溜まっていたフラストレーションが、両国のサポートを待たずして爆発したことをそっと憐む。

「山井くん。俺は撃たないから安心してね」

「はあ、そう願います」

殺し屋と同じ職場で働くのはリスクだらけである。山井は両国への相槌もそこそこに、お気に入りのマグカップからコーヒーをすする。

「社長がさ、すっかり落ち込んじゃってた。もうこのサービス作んなくていいってさ」

両国はさっそく社長のお見舞いに行ったらしく、刑務所へ搬送された大塚に変わって会社を回していた。
山井にはわからない世界ではあるが、怒るどころか悲しんでいるとは、大塚と社長の間にも複雑な事情があるのかもしれない。

「だからさ、転職サイトなんて見てないで、俺と一緒に最高のサービス作ってみない?山井くん」

人懐っこい笑顔の両国が、山井のデスクへ近づき、肩を組もうと手を回す。
山井は室内の寒さとは別種の悪寒を感じつつも、この男がどんなサービスを作り、チームを育てていくのかワクワクしてしまう自分に気がつきゾッとする。

「まあ、断って殺し屋に恨まれるのも嫌ですし、転職は保留にしておきます」

そう言ってくれる気がしてた、と両国は笑顔のままに自身の椅子へ上機嫌で腰掛ける。それを見届けた山井は、作りかけのプログラムを完成させようと、ディスプレイに目を落とした。

あとがき

超ネタ記事ですが、ショートショートテイストに書き下ろしました。インセプションデッキって結局何で必要何だっけ?という理由を掘り下げて記事にすると、なんか文章が短調だなーと感じ、せっかくなのでストーリーをつけてみました。
すると、思いの外筆が乗ってネタ部分が長くなると言う。あるあるですかね?(多分ない)

インセプションデッキの実践については、これらの本を読んでみることをオススメします。

アジャイルサムライ
正しいものを正しくつくる

実践しようと!と思う方へ、ぜひテンプレートを活用してください。
テンプレートはこちらです。

評判よければ、続編も書いてみようかなと思います!
50イイねくらいつけば、続編考えようかな。

せっかくここまで読んでくださったので、最後にPRだけ!

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ご興味がある方は以下リンクよりご確認ください。
Supership株式会社 採用サイト
是非ともよろしくお願いします。

※うちに殺し屋はいないので安心してください。
※記事内の物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係ありません。

ご一読、ありがとうございました!

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