心理的安全性と業務改善
心理的安全性とは
チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに 安全な場所であるとの信念がメンバー 間で共有された状態
この記事で言いたいこと
「言うが易し行うが難し」、心理的安全性という言葉を知っていても実現することは難しい。心理的安全性とは口では言いながら、それとは真逆の行動をしている人はわりといる。その理由について。自分は心理的安全性について本を読んだこともないし、勉強したこともないので、単なる経験則の話である。
個人的には以下の3点に集約される。
- 業務改善を提案する場合に心理的安全性が問題になる
- 組織文化として暴言を許すな
- 自分でやると言うなら止めずにやらせるのが心理的安全性
個人的な経験
自分が新卒で入った会社では「XXXという技術が使いたいです!」というと必ず「業務と関係ない」と言って却下する先輩がいた。歳が経って思うに正しいのは新卒の自分であって、却下する先輩ではなかった。多分、先輩がわからない内容だったのでやりたくなかったんだろう。こういう職場は心理的安全性が低い。
他にも方針を決めるのは親会社で子会社以下は従うだけとか、まあ、受託系の仕事では顧客との間では心理的安全性など存在しない。これについては当たり前。
どういうチームで心理的安全性が成り立つか
以下の条件で心理的安全性は保たれる。
- 同じチームであること(定義が難しいが)
- 役職関係なくフラットな組織であること
- 組織上、立場上守らなければならないことをメンバーが理解していること
- 暴言を吐くメンバーがいないこと
- 心理的安全性を提供する側が心理的安全性が確保されていること
逆に以下のような状況では心理的安全性は成り立たない。
- 上下関係をはっきりさせないといけない場合
受託開発の顧客との関係ではこれが当てはまりやすい。
心理的安全性が守られない場合に発生しやすい事象
発言者側もわきまえましょうという話。「組織上、立場上守らなければならないことをメンバーが理解していること」、これ結構重要である。例えば「それを容認してしまうとプロジェクトの開発が収集つかなくなる」とか、「チームの方針と大きく外れている」とか、「いくらなんでも立場上、上司が言われると容認できない発言」とか、そういうのはある。それが発生した場合は、「却下」である。これについては自覚せずに心理的安全性が阻害されたと発言者側が思ってしまうことがあるが、こういうは意外と重要なので残念ながら容認できないんだよ。これを容認すると逆に心理的安全性が下がるので発言者側も何でだろうと立ち止まる必要がある。
「暴言を吐くメンバーがいないこと」、これはかなり重要である。世の中にはほっておくと暴言を吐くタイプの人(しつけされていない若い人や、誰も苦言を呈すことができない立場の人に多い)がいる。こういう人はひとりいるだけでチームの心理的安全性は破壊される。要するにチームビルディングは重要ということ。そういう人はコマンダータイプの上長のもとで仕事をするしかない。
というか暴言を吐くメンバーは個人の資質と組織文化の複合技なので、組織の文化として暴言は許さない、という態度は重要である。ほとんどの暴言が横行する組織では主に暴言を吐く人と関わると面倒だから、という理由でみんな避けて何も言わない。これが良くない。
「心理的安全性を提供する側が心理的安全性が確保されていること」これについては心理的安全性を確保するためには心理的安全性が確保されていなければならないという、「鶏が先か卵が先か」問題が発生する。個人的におすすめなのはまずは「暴言を許さない文化の構築」である。この時点で心理的安全性は確保されたようなものである。
「上下関係をはっきりさせないといけない場合」は心理的安全性など期待しないほうが良い。自分の場合は受託者の立場、顧客の立場両方になることはあるが、立場上無茶なことも言わないといけない。仕事なので。これについては本音は申し訳ないと思っている人と本気でそう思っている人、両方いると思う。
別に自分の責任でやるならいいじゃないか
世の中「言い出しっぺの法則」というのがあり、心理的安全性が確保されていたとしても、改善提案は言った人がやらないといけない場合がある。これを嫌がって「言うと自分がやらないといけないことにされるから、言うと損」と言っている人を見たことがある。自分はこれは違うのではないかと思う。「言ったからには責任が伴う」これは世の中当たり前のことである。場合によっては自分ができないことを他人に提案する場合があるが、これはお願いである。提案が通らない場合があるのは仕方ない。
俺がフォーカスしたいのは「改善提案します!俺がやります!」という人で、実はこういう人を止める人が多いのが問題である。さすがにこれを止めるのは心理的安全性が低いのではないか。「やりたがり」の人の足を引っ張らない、これが改善提案の肝ではないか。そしてまわりもサポートしてあげよう。これができればあなたのチームも心理的安全性が保たれている。
逆に改善提案が通らない人は「俺がやる!」と宣言してみよう。それで通らなければ心理的安全性が高くない組織である可能性がある。まあここまで書いた理由(さすがに越権行為とか)で却下されることはあるが。
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