生成AIにKindleの蔵書リストから自分に合う本を推薦してもらう方法
Kindleのリストを分析していたら、ふと自分の蔵書一覧を作って、生成AIにおすすめ本を教えてもらうと良さそうだなと思ったので試してみました。
Kindleの蔵書リスト作成
「Kindle bookshelf exporter」というChrome拡張を使うと手軽に一覧をcsvでダウンロードできます。
以下のリンクからChromeに「Kindle bookshelf exporter」を追加して、クリックするだけです。
数秒後、以下のように表示されたら「CSVをダウンロード」をクリックします。
簡単ですね。kindle.csv
というファイルがダウンロードされます。中身は以下の通りです。
"title","authors","date","status"
"プロジェクト・ヘイル・メアリー 下","アンディ ウィアー","2025年5月4日","UNKNOWN"
"Obsidianで“育てる”最強ノート術 —— あらゆる情報をつなげて整理しよう","増井 敏克","2025年4月29日","READ"
以下省略
AIにおすすめ本を聞いてみよう!
CSVで出力した蔵書リストを活用して、ChatGPTやGeminiなどのAIに自分に合った本を推薦してもらいましょう。
使用したプロンプト
以下のようなプロンプト使いました。
以下は私の蔵書リストです。このリストを参考に私に書籍をおすすめしてください。
<蔵書リストのcsvファイルの中身>
書籍は2500冊分ですが、コピペして貼り付けてChatGPT o3とGemini 2.5 Pro Preview 03-25にそのまま入力できました。入力トークンこれだけ多くてもそのままいけるのは良いですね。
Geminiに関しては、Google AI Studioを使っています。
推薦した書籍の例
長いので見たい方は以下のトグルをクリックしてください。両方ともかなり良いのでは?という印象です。
一部は作者名と作品名が食い違っていたり、既に蔵書リストにあるものを推薦したりしていましたが、今回の用途であれば大きな問題はないですね。
推薦図書 ChatGPT o3
分析とおすすめの書籍提案
ユーザーの蔵書リストを基に、読書の傾向を分析し、共通のテーマや興味に合わせておすすめの本を提案します。リストには、AIやコンピュータビジョンに関する専門書や、ビジネスや生産性に関連する本が多く見られます。これらを踏まえ、まずはAIやテクノロジー分野の最新書籍を中心に提案したいと考えています。また、2025年現在の新刊の中で関連がありそうな本があれば、それも選択肢に加えます。
思考時間: 15 秒
📚 まずは傾向をざっくり整理すると…
ジャンル | よく読んでいるもの | まだ蔵書に無い/読了フラグが立っていないもの |
---|---|---|
ハードSF・科学系フィクション | 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『流浪地球』 | 中国・英語圏の新世代ハードSF、国内の理系作家 |
ファンタジー/歴史マンガ | 『葬送のフリーレン』『ヒストリエ』『宗像教授』 | 歴史+幻想、料理系ファンタジー |
AI・テック解説書 | LLM/生成AI/データ可視化など最新タイトル | AI×実装寄りの“次の1歩”や、社会実装・倫理系 |
キャリア・ライティング系実用書 | リスキリング・ノート術・文章術 | 戦略的に「アウトプットを形にする」指南書 |
この4つの軸に沿って「次に読むとハマりやすい」+「まだ手を付けていない」本を選んでみました。
1. ハードSF/科学フィクション
タイトル | 著者 | 推しポイント |
---|---|---|
『三体』(劉慈欣) | 中国の現代SFを決定づけた超話題作。『流浪地球』と世界観を共有しつつ、より哲学的でゲーム理論的。 科学的ギミック×文明論が好みなら鉄板。 |
|
『セブンイヴズ[七人のイヴ]』(ニール・スティーブンスン) | 地球壊滅後の7000年を一気に描く超・理系設定。『ヘイル・メアリー』の“究極のサバイバル科学”が刺さった人に。 | |
『アンリアルエイジ 人工少女たちの黄昏』(小川哲, 2024) | “生成AI以後”の社会を数十年スパンで描き切る国内最新長編。技術と倫理の接点に関心が高いあなた向け。 |
2. マンガ(ファンタジー/歴史・教養)
タイトル | 作者 | 推しポイント |
---|---|---|
『ダンジョン飯』(完結全14巻) | 九井諒子 | 冒険×グルメ×民俗学。『拳道』のバトル熱と『フリーレン』の旅情を“料理”でつなぐ快作。完結済で一気読み◎。 |
『ブルーピリオド』(~15巻続刊) | 山口つばさ | “創作の修羅”を描くアート青春譚。『映像研』や“書く・描く”系ノンフィクションが好きなら、創作×成長ドラマとして刺さるはず。 |
『アドルフに告ぐ』(全2巻 新装版) | 手塚治虫 | 『火の鳥』既読なら、手塚の“歴史×人間ドラマ”の完成形をぜひ。第二次大戦下の3人のアドルフの数奇な交錯。 |
3. AI・テクノロジー実用書(2024-25新刊中心)
タイトル | 著者 | 推しポイント |
---|---|---|
『フルスタック生成AIエンジニアリング』(オライリー・2025春) | Andrew Ng 監修 | Retrieval-Augmented Generation、エージェント指向など“実装より”の最新パターンを体系化。既読のRAG/LangChain本の次のステップ。 |
『AIと倫理 ―― 社会実装のデザインパターン』(岩波書店 2024) | 高橋恒一ほか | 技術書ばかりでなく“人間と法”の視点を補完。『AI白書 2025』を読まれたので、より深掘り版として。 |
『プロンプトエンジニアリング大全』(技術評論社 2025) | 日向大輔 | GPT-4o以降のモデルで確立した「構造化プロンプト」「ツール実行」など完全網羅。すでに実務利用している方でも発見多し。 |
4. キャリア/アウトプット・思考法
タイトル | 著者 | 推しポイント |
---|---|---|
『Deep Work 集中する力』(新版・邦訳2024) | Cal Newport | 情報過多時代に“深い仕事”のための環境設計を指南。リスキリング本を多数読まれている流れで、実践的に刺さります。 |
『ストーリー・ブランディング10X』(ダイヤモンド社 2025) | 佐々木康裕 | 個人の“コンテンツ発信 × 事業化”を設計図で解説。ノート術や文章術だけでなく「作品として世に出す」フェーズへ。 |
『新版 ビジネスモデル・ナビゲーター』(東洋経済 2024) | オリバー・ガスマン | 55のモデル類型をカード感覚で学ぶ“アイデア発生装置”。生成AIを組み合わせた新サービス発想に相性抜群です。 |
読書ルート提案(迷ったらこの順で)
- **『三体』**でハードSFの濃度を上げる
- ちょっと軽く 『ダンジョン飯』 をつまみ読み
- 深夜に 『Deep Work』 で読む環境をアップグレード
- 仕上げに 『フルスタック生成AIエンジニアリング』 で技術スキルを更新
🔖 使い方のアイデア
- **技術書は「試す→付箋→Notion/Obsidian連携」**のルーチンで読書メモを即コード化。
- マンガは週末“全集中”モードでまとめ買い → クリエイティブ系ノンフィクションの気分転換に。
- ハードSFは Audible 併聴で通勤・家事時間を“物理読書”に融合させると捗ります。
気になるものがあればぜひお試しください。読後のフィードバックや「もっとこういうのが欲しい!」というリクエストも大歓迎です!
Gemini 2.5 Pro
蔵書リストをご提供いただきありがとうございます。拝見したところ、非常に多岐にわたるジャンルをお読みになっていらっしゃいますね!
特に以下の傾向が見受けられます。
SF小説: アンディ・ウィアー、劉慈欣などのハードSFや、AI・技術系のテーマに関心が高いようです。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』や『流浪地球』を読了されている点が印象的です。
漫画: SF(星野之宣、岩明均、藤子・F・不二雄など)、ファンタジー(葬送のフリーレン)、歴史(ヒストリエ、達人伝)、青年漫画(ビッグコミックス系、アフタヌーン系など)、Web漫画(PD作品、せいほうけい作品など)まで幅広く、特にストーリー性の高い作品や、特定の作家(岩明均、星野之宣、森博嗣関連作など)を深掘りされているようです。
技術書・ビジネス書・教養書: AI・機械学習、Pythonプログラミング、データサイエンス、Web開発、キャリア論、思考法、ノート術(Obsidian!)、情報発信、文章術など、実用的な知識やスキルアップへの関心が高いことがうかがえます。森博嗣さんのエッセイや新書も複数お読みですね。
これらの傾向を踏まえ、いくつか書籍をおすすめさせていただきます。
【SF小説】
テッド・チャン『息吹』『あなたの人生の物語』
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』や『流浪地球』のような科学的アイデアと、人間ドラマや哲学的思索が見事に融合した短編集です。特に「あなたの人生の物語」は映画『メッセージ』の原作としても有名です。既読かもしれませんが、未読でしたらぜひ。
ケン・リュウ『紙の動物園』『もののあはれ』
AIや技術の進化が人間社会や個人の感情にどう影響するかを、詩情豊かに描く短編集です。劉慈欣作品の翻訳者としても知られています。SF的な面白さと感動を両立させています。
伴名練『なめらかな世界と、その敵』『二百字小説』
日本の若手SF作家による、アイデアとセンスが光る短編集です。多様なスタイルのSF作品が楽しめます。
小川哲『地図と拳』『君のクイズ』
『地図と拳』は架空の都市を舞台にした壮大な歴史SF、『君のクイズ』はクイズ番組を舞台にした知的なミステリ要素のある作品です。物語の構築力と知的な面白さがお好きなら楽しめると思います。
【リスト内未読(UNKNOWN)より】
伊藤計劃『虐殺器官』『ハーモニー』: 日本SFの重要作。現代的なテーマと深い思索が特徴です。
円城塔『コード・ブッダ』: 仏教とAIを組み合わせた独特の世界観。技術書もお好きなので楽しめるかもしれません。
【漫画】
弐瓶勉『BLAME!』『シドニアの騎士』
星野之宣作品のような壮大な世界観や、ハードなSF描写がお好きでしたらおすすめです。独特の雰囲気と圧倒的な画力が魅力です。
幸村誠『ヴィンランド・サガ』
『プラネテス』の作者による、ヴァイキングを描いた歴史大河ロマンです。骨太なストーリーと人間ドラマがお好きなら。
沙村広明『波よ聞いてくれ』
『無限の住人』の作者による、ラジオ業界を舞台にした作品。独特の言語センスとテンポの良い会話劇が楽しめます。
施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』
SFや古典文学など、様々な本に関する"読書あるある"ネタが満載のギャグ漫画。読書家の方なら共感できる部分が多いはずです。
【リスト内未読(UNKNOWN)より】
うめざわしゅん『一匹と九十九匹と2』: 独特な世界観と画風の作家さんです。『1』を読まれているので、続きもぜひ。
萩尾望都『はみだしっ子』シリーズ: 少女漫画の枠を超えた名作。人間ドラマがお好きなら。
【技術書・ビジネス書・教養書】
斎藤康毅『ゼロから作るDeep Learning』シリーズ
AI・深層学習への関心が高いようですので、もし未読でしたら定番の入門書としておすすめです。Pythonでの実装を通して理論を深く理解できます。
安井翔太ほか『効果検証入門〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎』
データ分析やデータサイエンスに興味がおありでしたら、ビジネスにおける意思決定の質を高める「因果推論」の考え方を学べる良書です。
山口周『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
キャリア論や思考法に関心が高いようですので、これからの時代に必要な思考様式や価値観について考察したこれらの本は刺激になるかもしれません。
結城浩『数学文章作法 基礎編・推敲編』
文章術に関する本を複数読まれていますが、こちらは特に技術文書など、論理的で正確な文章を書くための技術に特化しています。プログラミングや技術解説にも役立ちます。
【リスト内未読(UNKNOWN)より】
リスト内の未読技術書: 『しっかり学ぶ数理最適化』、『Data-centric AI入門』、『機械学習を解釈する技術』、『データ可視化の基本が全部わかる本』など、専門性の高い未読本が多数あります。ご自身の興味に合わせて読み進めるのが良いかと思います。
『思考の整理学』(外山滋比古): 思考法に関する古典的名著です。未読でしたらぜひ。
【その他】
京極夏彦『姑獲鳥の夏』
森博嗣作品やミステリ小説もお好きのようなので、民俗学や妖怪などの要素を取り入れた、独特な雰囲気を持つ長編ミステリはいかがでしょうか。
原泰久『キングダム』
『ヒストリエ』や『達人伝』のような歴史もの、戦記ものがお好きでしたら、中国の春秋戦国時代を舞台にした本作は熱中できるかもしれません。
多岐にわたるジャンルを楽しまれているので、上記以外にも興味を持たれる本はたくさんあるかと思います。この推薦が、次なる一冊との出会いのきっかけになれば幸いです。
Kindleの蔵書分析
Kindleの読書量など、より詳しく分析したい人は、Pythonの知識が必要ですが、以下リポジトリに分析ツール用意しました。よろしければ参考にしてみてください。
まとめ
選書への生成AIの活用法を紹介してみました。GWの読書、読みたい書籍に悩んだら試してみてはいかがでしょうか?
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