対話アプリの開発に挑戦した その5(長めのQ&A集)
前回までのエピソード
プログラミング初級者の私は認知症の父との二人暮らしをきっかけに、認知症の人の家族をサポートする対話アプリを開発したいと思いました。ChatGPTに聞きながらOpenAIのアカウントをつくり、APIキーを取得。chatbot.pyファイルを作成しました。
今回(その5)は、長めのQ&A集です
Q&A集
os
モジュールとdotenv
ライブラリ
あなた:
この部分を詳しく教えていただけますか?
import os
from dotenv import load_dotenv
# .envファイルからAPIキーを読み込む(例:OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxxxxxx)
load_dotenv()
openai.api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")
ChatGPT:
はい、もちろんです!
この部分は「APIキーなどの秘密情報を安全に、かつ自動的に読み込むための仕組み」です。
1行ずつ詳しく説明しますね。
📦 使っているライブラリ
import os
→ Pythonの標準機能で、環境変数(設定情報) を読み書きするためのモジュールです。
from dotenv import load_dotenv
→ .env
というファイルから、環境変数を自動で読み込んでくれる関数 load_dotenv()
を使うためにインポートしています。
🔑 メイン部分の解説
load_dotenv()
→ この行で、プログラムは同じフォルダ内の .env
ファイルを読み込みます。
これによって、.env に書いた内容が「環境変数」としてPythonの中で使えるようになります。
openai.api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")
→ os.getenv("OPENAI_API_KEY")
は、
.env
ファイルに書かれた次のような行:
OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
を読み取って、その値をAPIキーとして設定する行です。
つまり、
-
.env
にOPENAI_API_KEY=◯◯◯
と書く -
os.getenv("OPENAI_API_KEY")
で読み取る -
openai.api_key = ...
で設定する
という流れです。
🛡 なぜ .env
を使うのか?
-
セキュリティ:コードにAPIキーを書かなくて済む(GitHubにうっかり公開しにくい)
-
再利用性:複数のプロジェクトや環境で同じコードが使える
-
わかりやすさ:設定情報を1か所にまとめられる
🔧 .env
ファイルの作り方(再掲)
-
chatbot.py
と同じフォルダに -
名前は
.env
(ドットから始まる) -
内容は:
OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
✅ 最後にまとめると…
コード | 役割 |
---|---|
import os |
環境変数を使うため |
from dotenv import load_dotenv |
.envを読み込む準備 |
load_dotenv() |
.envの読み込み実行 |
os.getenv("OPENAI_API_KEY") |
.env内の値を取得 |
openai.api_key = ... |
OpenAIにAPIキーを設定 |
load_dotenv()
関数
あなた:
load_dotenv()
とは組み込み関数ですか?
ChatGPT:
とても良い質問です!
答えは:
❌ load_dotenv()
は Python の組み込み関数ではありません。
✅ これは python-dotenv
という外部ライブラリ(追加インストールが必要)に含まれる関数です。
🧩 詳しく説明すると:
load_dotenv()
の正体:
from dotenv import load_dotenv
この行でインポートしている load_dotenv()
は、
python-dotenv
というライブラリの中にある関数です。
📦 使うためには、事前にインストールが必要です:
以下のコマンドをターミナルで1回だけ実行してください:
pip install python-dotenv
🔍 どういう働きをするの?
.env ファイルの中身を「環境変数」として読み込みます。
例).env にこんな内容があるとします:
OPENAI_API_KEY=sk-abc123xyz456
すると load_dotenv() を呼び出すことで、Pythonの中から:
os.getenv("OPENAI_API_KEY") # → "sk-abc123xyz456"
のようにアクセスできるようになります。
✅ なぜ便利なの?
-
APIキーやパスワードなどをコード本体に書かなくて済む(安全)
-
.env
ファイルを.gitignore
すれば、GitHubなどにうっかり公開する事故を防げる -
プロジェクトごとに設定を切り替えられる
🔚 まとめ
名前 | 組み込み? | 説明 |
---|---|---|
load_dotenv() |
❌ いいえ | python-dotenv に含まれる関数です |
インストール方法 | - | pip install python-dotenv |
主な用途 | - |
.env の中身を os.getenv() で使えるようにする |
もし今、ModuleNotFoundError: No module named 'dotenv'
と出ていたら、それはまだインストールしていないという意味です。
その場合は上記のコマンドでインストールしてみてくださいね。
必要なら一緒にエラー確認もできますので、気軽にどうぞ!
getenv()
関数
あなた:
getenv()
は組み込み関数ですか?
ChatGPT:
はい、getenv()
は Python の組み込み関数ではありませんが、Python の標準ライブラリである os
モジュールに含まれている関数です。
つまり:
✅ インストール不要で、最初から使える関数です。
🔍 正確にはこうです:
import os
os.getenv("環境変数の名前")
というふうに使います。
🧠 os.getenv() って何をする関数?
簡単に言えば:
💬「環境変数(設定情報)を Python から取得するための関数」です。
🔑 例:APIキーを .env から取得する
たとえば .env ファイルに:
OPENAI_API_KEY=sk-abc123xyz
と書いたとします。
そのあと Python で:
import os
from dotenv import load_dotenv
load_dotenv()
api_key = os.getenv("OPENAI_API_KEY")
と書けば、api_key
の中には "sk-abc123xyz"
が入ります。
✅ os.getenv() の特徴まとめ
特徴 | 説明 |
---|---|
🔨 所属 | os モジュールの関数(標準ライブラリ) |
📦 インストールの必要 | なし(Pythonに標準で付属) |
🎯 主な用途 | 環境変数(.envなど)をプログラム中で使うため |
🧷 失敗時の戻り値 | 存在しないキーを指定したら None を返す |
💬 最後に一言
getenv()
は「秘密の鍵を外に分けて安全に使いたい」ときの定番の関数です。
.env
× load_dotenv()
× os.getenv()
は、安全なアプリづくりの「三種の神器」と言ってもよいでしょう。
他にも「環境変数とは何?」や「セキュリティの考え方」など、深掘りもできますので、気になったら聞いてくださいね。
ターミナル
あなた:
VS Codeでもターミナルが開けるのですね。知りませんでした。
chatbot.py
をデスクトップに保存してしまったので、うまく開かないようです。
ChatGPT:
はい、VS Codeには内蔵ターミナルがあり、とても便利です!
保存場所の問題もすぐに解決できますので、順を追ってご案内します。
✅ 今の状況の整理
-
chatbot.py
は デスクトップに保存された -
VS Code のターミナルで
python chatbot.py
を実行しても「うまく動かない」
→ おそらく「今いる場所(フォルダ)」が違うためです
🛠 解決方法:VS Codeで正しい場所を開く
✅ 方法①:ファイルを開いた状態からフォルダを開く
VS Codeで chatbot.py
を開いた状態にします
-
メニューの「ファイル > フォルダーを開く」を選択
-
デスクトップを選んで「フォルダーを開く」をクリック
これで、VS Codeが「デスクトップ」フォルダに移動します。
✅ 方法②:ターミナルで手動で移動する
VS Codeのターミナルを開く Ctrl + \
以下のコマンドを入力:
cd %USERPROFILE%\Desktop
→ これは「デスクトップに移動せよ」という意味です。
その後、以下を実行:
python chatbot.py
✅ 成功すれば…
以下のように、AIが話しかけてくれるはずです:
AI:こんにちは。お話ししましょう!「bye」と入力で終了します。
No module named openai
あなた:
No module named openai
というエラーメッセージが出てしまいました。
ChatGPT:
とてもよくある最初のエラーです!
これは「openai という部品(ライブラリ)がまだインストールされていない」という意味です。
✅ 解決方法:openaiをインストールする
以下のコマンドを、VS Codeのターミナルで実行してください:
pip install openai
もし pip でうまくいかない場合は、代わりに:
py -m pip install openai
💡 コマンドの意味
-
pip
は、Pythonの「部品取り付けツール」です -
openai
は、OpenAIのAPIを使うための公式ライブラリ
✅ インストール後にやること
再度このコマンドで chatbot.py を実行:
python chatbot.py
または
py chatbot.py
pip
あなた:
うまくできました!pip
は、openai
をVSCodeで使えるようにしたのですか?
ChatGPT:
素晴らしい!👏 よくできました!
はい、その理解でほぼ正解です。
もう少し正確に言うと:
✅ pip install openai がやってくれたこと
これは:
- Pythonに「openai」という機能を追加して使えるようにするための命令
です。
🔍 少し詳しく説明すると…
Pythonは最初、基本機能しか入っていません
ChatGPTとやりとりするためには「openai ライブラリ(部品)」が必要です
pip install openai
は、その部品をインターネットから取り込んで、Pythonに追加する作業です
つまり:
VS Code のためというより、Pythonに必要な部品を入れたという感じですね。
あなた:
なるほど!Pythonにライブラリを追加したのですね?
ChatGPT:
はい、そのとおりです!🎯
とても正確に理解されています。
✅ 「Pythonにライブラリを追加する」とは?
Pythonは基本的にシンプルな言語で、必要な機能は「ライブラリ」という形であとから追加します。
今あなたがやったこと:
pip install openai
これは:
📦 Pythonに「openaiライブラリ」という新しいツールを追加した
ということです。
cd
あなた:
正しく実行されました。ありがとうございました。 cd "$env:USERPROFILE\Desktop\chatbot"
この操作について教えていただけますか?
ChatGPT:
よかったです!
そしてとても良い質問です。この操作は、ターミナルで「特定のフォルダに移動する」ための命令です。
詳しく解説しますね。
🔍 cd "$env:USERPROFILE\Desktop\chatbot"
とは?
これは PowerShell(Windows用のターミナル)で使うコマンドで、次のような意味になります:
部分 | 意味 |
---|---|
cd |
「change directory」=フォルダを移動する |
"$env:USERPROFILE\Desktop\chatbot" |
「ユーザーのデスクトップ上にある chatbot フォルダ」を指す |
"$env:..." |
PowerShellで環境変数を使う方法(詳しくは後述) |
🧠 $env:USERPROFILE
とは?
これは Windows の「ユーザーフォルダの場所」を表す環境変数です。
たとえば、あなたのユーザー名が suzuki
なら:
$env:USERPROFILE
と入力すると、こう表示されます:
C:\Users\suzuki
なので、
"$env:USERPROFILE\Desktop\chatbot"
は実際には:
C:\Users\suzuki\Desktop\chatbot
と同じ意味になります。
✅ なぜ環境変数を使うの?
-
自分や他人の ユーザー名に関係なく共通で使える
-
どのPCでも動く「再現性のあるパス」にできる
たとえばあなたが誰かに「このコマンドで移動できます」と伝えるときにも、
ユーザー名を書かずに済むので安全で便利です。
💡 試してみてください
cd "$env:USERPROFILE\Desktop"
→ デスクトップに移動できます。
✋ 補足:他のOSでは?
OS | コマンド例 |
---|---|
Windows(PowerShell) | cd "$env:USERPROFILE\Desktop\chatbot" |
Mac/Linux | cd ~/Desktop/chatbot |
→ Mac/Linuxでは $HOME または ~ を使って同じようなことができます。
✅ まとめ:このコマンドの意味
コマンド | 意味 |
---|---|
cd |
ディレクトリを移動する |
$env:... |
PowerShellで環境変数を使う方法 |
"$env:USERPROFILE\Desktop\chatbot" |
デスクトップ上のchatbotフォルダ |
必要なら「ファイルの作り方」「VS Codeから開く方法」などもお手伝いできますよ。
次にやってみたいことがあれば、気軽に教えてくださいね。
あなた:
VS Codeのターミナルを使っていましたが、教えていただいたWIndows用のコマンドでうまくできました。
ChatGPT:
素晴らしいです!🎉
VS Code のターミナルで、Windows用の PowerShell コマンドがうまく使えたとのこと――本当に順調に進んでいますね。初めてのことに丁寧に取り組まれていて、とてもいい流れです。
🔍 少し補足すると…
VS Code のターミナルは、実は 「ただのターミナル表示窓」 なので、
中で動いているのは、あなたのPCに入っている PowerShell(または cmd.exe
や bash
)です。
✅ 今どのシェルを使っているか確認・切り替えるには:
- ターミナル右上の「下向き矢印(∨)」をクリック
PowerShell や Command Prompt、Git Bash などが選べます
今回のように $env:USERPROFILE
という表記が使えるのは PowerShell の場合です。
💡 おすすめの今後のステップ
ここまでできたなら、次はこのあたりを試してみるとよいですよ:
ステップ | 内容 |
---|---|
✅ .env ファイルを作る |
APIキーを安全に管理するためのステップ |
✅ chatbot.py を動かす |
実際にChatGPTと会話する対話アプリのコア機能 |
✅ streamlit を使ってみる |
Web風のUIで動かす(コードほぼそのままで簡単に) |
✅ フォルダ構成を整理する |
chatbot.py 、.env 、README.md などを配置する練習 |
🎁 ご希望があれば…
-
.env
ファイルの作り方(VS Codeでの作成手順) -
chatbot.py
の中身をもう少し改良したい(例:ログを残す・名前を呼ぶ・日時を記録する) -
streamlit
で簡単なGUI(ボタンや入力欄)を追加してみたい
なども、すぐに丁寧にお手伝いできますよ。
このあと「どんなアプリにしてみようかな」と考えるのも楽しい時間です。
小さな一歩一歩で、確実に自分だけのアプリを形にしていけますから、
焦らず、でもやってみたい気持ちを大事に、進んでいきましょうね。
何かやってみたいこと、続けて聞いてみたいことはありますか?
あなた:
エラーメッセージが出たのですが、コピーペーストできないのですね。
ChatGPT:
そうですね、Windowsのターミナル(特に標準の「コマンドプロンプト」や PowerShell)では、マウスだけで簡単にコピーできないことがあります。
ですが、少し工夫すれば コピーペーストは可能 です!
✅ 方法:VS Codeのターミナルを使う(一番ラク)
-
VS Codeでターミナルを開く(
Ctrl + /
) -
エラー文をマウスでドラッグして選択
-
右クリック or
Ctrl + C
でコピー -
ここに貼り付ける(
Ctrl + V
)
→ VS Codeのターミナルは、普通のエディタのようにコピー&ペーストできます!
OpenAIライブラリのバージョン
あなた:
ChatGPT:
ありがとうございます!
このエラーメッセージは、とてもよくある最近の問題で、原因と対処法がはっきりしています。
✅ 解決方法(選択肢2つ)
✅ 方法①:ライブラリのバージョンを昔のに戻す(おすすめ)
以下のコマンドで、動くバージョン(0.28)に戻せます:
pip install openai==0.28
その後、あなたの chatbot.py
はそのままで動作します。
✅ 方法②:コードを新しい書き方に書き換える
これは中〜上級者向けで、コードを大幅に書き直す必要があります。
(もし後でやってみたくなったら、私が新しい書き方に変換して差し上げます)
✅ 今すぐ使うなら、方法①がベストです
VS Codeのターミナルで、次を実行:
pip uninstall openai
pip install openai==0.28
終わったら、再び chatbot.py
を実行:
python chatbot.py
🔄 なぜこんなことになったのか?
-
2023年後半から、OpenAIがライブラリの構造を大きく変更しました
-
以前のコード(多くの教材やサンプル)は「0.28以前」の構文
-
新しいバージョン(1.0以降)は「client.chat.completions.create」という別の書き方に変わっています
エラーが消えたか確認できたら教えてください。
もし不安なら、コピペ用にすぐ使える新バージョンのコードもご用意できますよ 😊
その6に続く
Discussion