対話アプリの開発に挑戦した その1(ChatGPTに聞く)
認知症の家族をサポートする対話型AIを考える
本記事の対象
本記事は、PythonやOpenAIに興味はあるけれど、まだ手を付けたことがない初級者向けです。
「どうやってチャットアプリをつくるの?」といった疑問を持つ方が対象。
上級者向けの細かい最適化やモデルの内部仕様には触れず、初めてでも手を動かして体験できることを重視しています。
なぜこのアプリを作ったのか
私はプログラミングは初級者です。先月(2025年7月)、認知症の父と2週間ほど二人で過ごす中で、認知症の人の家族を支援する対話アプリをつくりたいと思いました。
そこでChatGPTに相談しながら、試行錯誤してアプリを完成させた体験をこの記事でまとめます。
私はPythonの簡単なコードを書ける程度の初級者で、LLMの知識はなく、アプリ開発の経験もありません。
ChatGPTに相談したところ、以下のような提案がありました。
ChatGPTからの技術的提案
機能 | 技術 | 実装案 |
---|---|---|
対話(感情重視) | GPT-4 / LLM + TTS/ASR | ChatGPT API + Whisper + TTS(音声合成) |
思い出話 | カスタムプロンプト + 記憶 | シニア向けUI、録音・記録機能 |
動作解析 | Pose Estimation + 分析アルゴリズム | スマホ or タブレット+カメラ |
家族共有 | クラウド連携 or 簡易アプリ | チャット履歴 or 運動ログを共有 |
さらに、次のステップとして
- 対話型AIのプロトタイプを作る(OpenAIのAPIで可)
- ターゲットユーザー(認知症初期の方など)と軽く話せる会話スクリプトを設計
技術のハードル
私はプログラミングの初級者。ChatGPTの提案を読んだときの感想は「ああ。私には無理なんだ」。
必要な技術とのギャップに大きな隔絶を感じたのでした。
ChatGPTは背中を押した
ChatGPTの回答:
ご不安になるお気持ち、よくわかります。でも結論から言うと「できるようになります」。完全なプログラミングスキルがなくても、ステップを分けて進めれば実現可能です。
その理由は大きく3つあります。
1. ノーコード・ローコードツールが充実している
- ChatGPT APIで簡単に会話AIを作れる
- TTS(音声読み上げ)ツールはボタン1つ
- GlideやBubbleなどのノーコードアプリでUI作成や会話内容の保存も可能
2. プロトタイプ作りにはコードよりも発想が大事
- 「どんな言葉で話しかけられたいか?」
- 「孤独な人にとって心が和むタイミングは?」
- 「認知症の方が話しやすい話題とは?」
こうした人間理解・共感力の方が、プログラミングより重要です。
3. 一緒に学びながら作れる
難易度に応じて段階的に挑戦できます。
目標 | サポート内容 | 難易度 |
---|---|---|
簡単な会話AIの作成 | ChatGPT APIの使い方・コード提供 | ⭐️ |
スプレッドシートで記録 | ノーコードでの実装 | ⭐️⭐️ |
思い出話を引き出す質問集 | 対話デザイン・プロンプト構築 | ⭐️ |
歩行分析やTTS | 少し学ぶ必要あり | ⭐️⭐️⭐️ |
「プログラミング初級者」というのはハンデではなく、「今学び始める人」としてベストな立ち位置です。焦る必要はありません。
LLMはPythonが必須なのでは?
私はLLM(大規模言語モデル)を活用するにはPythonを使いこなせなければならないと思っていた。
LLMとPythonについてのChatGPTの説明
1. Pythonがよく使われる理由
- LLMの多くは Pythonライブラリで提供されている(例:
openai
,transformers
,langchain
) - 機械学習の主要ツール(PyTorch, TensorFlowなど)もPython製
- Jupyter Notebookで実験・試作がしやすい
そのため、研究開発やカスタマイズにはPythonが最適です。
2. でも「使うだけ」ならPythonは最低限でOK
やりたいこと | Python必須か? | 代替方法・補助 |
---|---|---|
ChatGPTのような会話AIを試す | ❌ 不要 | Web UIやノーコードでも可能 |
OpenAI APIで簡単な会話Botを作る | ✅ 少し必要 | サンプルコードをコピペすればOK |
音声認識や読み上げ | ✅ or ❌ | Whisper API+TTSなど一部はノーコードサービスでも可能 |
モデルの訓練・微調整 | ✅ 完全に必要 | 本格的な開発が必要 |
3. 「開発」は2種類に分けられる
種類 | 例 | 難易度 | 私の場合 |
---|---|---|---|
① 利用・実装レベル(LLMを活用する) | 会話AIを作る、APIを呼び出す | ⭐️~⭐️⭐️⭐️ | ✅ ここから始めるべき |
② 研究・開発レベル(LLMを作る・訓練する) | GPTのようなモデルを構築 | ⭐️⭐️⭐️⭐️~⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ | ❌ 今すぐは不要 |
✨ 結論:あなたは「LLMを活用する人」として始めるのがベスト。
4. あなたが目指すことは「LLMを活用する」領域にある
- 認知症の人の話し相手になる
- 思い出話を引き出す
- 日常をサポートする会話AIを作る
これらはすべて既存のLLMを活用するアプリケーションの範囲です。
5. 学びながら進める流れ
- Python+OpenAI APIで対話AIを作ってみる(サンプルをコピペでOK)
- 必要な部分だけ学習しながら補強
- その後にUIの実装や音声対応へ広げていく
まだまだいくつか疑問はあったが、アプリをつくってみたいという気持ちを抑えることが出来ず、気になることをもう少し掘り下げていくことにしたのでした。
その2に続く
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